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完全犯罪
ここにある青年の完全犯罪をご紹介しよう。

彼の名前はわからない。

だっておとつい、はぢめておーたから。

もうゆっとくで~夢のハナシやで~夢の中での彼の完全犯罪に被害者である私はこうタイトルを付ける。

『弱腰ストーカー誘導軟禁事件~自主的にやっていただけますか~』

茶利なタイトルつけてみたが私は気分的に5時間はうなされたね。なんせ、完全犯罪やからね、極めて悪質やねんいろんな意味で。

まず私はストーカー被害に遭っている。ずっと青年にツけられているのだ。それがツけられているとバレバレな感じでツけられているので『ツけられているなんて露知らずまァなんてことコワイ・コワイ』というフリをするのが大変だ。しかし青年は自分の存在を無にしていることによっぽどの自信があるようで、己の何の隠れもしない行動が全く女(私)にゃバレてぇへんでケッケッケというふうに振舞うものだから、私はこの青年のどこから来るんかわからんその自信を折るなんてことしちゃヒトとして終わってる~という気持ちになってしまう。しかし青年は、後ろでカンコロカンカンカ~ンと空き缶にけつまづいたり、路地から出てきた素早いネコに泣き叫んで驚いたりして、派手なことこの上ない。三日と経たないうちに気の長い私も『われはホンマええかげんにさらせよ』という苛立ちから、ずっと振り向かないでいた後ろを振り返ってしまった。するとそこには、老け顔ではあるが年齢二十三、四あたりの青年が『なぜにこちらを向いたのですか?』という無垢な眼差しで立っているのであった。彼はストーカーとしての基礎を積んでいないばかりか、実社会生活経験皆無コンビニでバイトをしたこともござぁせん、といった『揉まれていない感』が爪の先にまでしみこんでいる男であった。原石です、いかようにも加工してたもれ。彼の売り出し文句はあっけなく決まった。青年はとても腰が低く、出来ればでいいのでアナタを軟禁すればいいですよね?という何が言いたいやらわからん言い方で軟禁する旨の内容だろうという解釈を私にさせて、私を誘った。…の、だろう。どえらいモンにとっつかまってしまった…と私が肩を落としていると青年は、2分とか3分からとかで…と言い、彼の設定した『初回限定コース』をすすめているらしい。無料お試しキャンペーンからはじめんかいっと言うことも出来たであろうが、夢の中の私は実際の私よりもトシを喰っているらしかった。はいはいはい、2分でええのんか?おばちゃん2分軟禁されたらええねな?わかったで、ほな、行こかー。アンタ、しっかりしぃや?どっち行くかわかるんか?右かえ?左かえ?と、すっかり青年の頼りなさが心配になって自主的に軟禁されに行くのであった。

着いた場所にはプレハブみたいな小屋みたいな建物がポツンとあってクタビレた暖簾がかけてある、というより垂れている。ガラガラと引き戸を開け『大将~がんも~っ!』と言いながらでも入っていける感じである。大将は、おそらく2ヶ月前から仕込んであるがんもをよそってくれるであろう。この建物は青年が軟禁のために手作りでこさえた癒しの空間で、軟禁荘って言うんだって。青年よ、突っ込みドコロがたーんとあるな。おばちゃん、あえて突っ込まないケド。トシ喰った私は、いちいち青年に訊いた。どこに座ればいいのか、どうしていればいいのか、何をしてはいけないのか、ところでこの部屋アンタの趣味?ピンクなんだけどー。

かわいらしいモケモケのピンクのイスに座っているように命じられた私は、じっと座っていた。おばちゃん、持病の腰痛が悪化。同じ姿勢が腰痛持ちにはこたえるので、何の許可もとらずに足を組むと彼はシクシクと泣く。なんやーどうしたんやーおばちゃんに気持ちをゆぅてごらーん。聞けば、私の左ふくらはぎが右太ももに乗っているのが彼を泣かせている理由らしい。まさか軟禁したおばちゃんが足を組むという反抗的な態度を取るなんて…反抗心が芽生えるほど窮屈な思いをさせるつもりはなかったんです…という内容のことを、巧みな暗号で言語化した。何ゆぅとんのか、わからんのんじゃ、青年よ。私はずっと喉が渇いていたのだけれど、ヘタなことゆぅたら仕事が増えるということを短時間で学んだので、言わなかった。すると、喉も乾いてますよねおなかも空いているでしょう、ということで、青年がけったいな食べ物を作ってくれた。軟禁食て、ゆぅねて。病院食、みたいなイメージしか持てない軟禁食は、病院食とは違い、種類が、な・なんと!ひとつ!病院食よりクレイジー。青年が、コネコネやってまぁるい、赤とピンクの中間のおいろの、マルチビタミンとその他必要な栄養素が1個で摂れる食事を、一気に何個も作ってくれる。コレ、水分もちゃぁんと入ってるから、飲み物もいらないんだって。携帯に便利だよ、出歩けないけど。私はこれを軟禁団子と命名する。10や20は作ってくれたので、だいぶ自主的に軟禁可能やね。一日に3個ないし2個を摂取する軟禁団子の味は、悪くはないがかなり濃い。やっぱり水が欲しい。水が欲しい理由がもうひとつあって、この軟禁団子の食感が、大目にみてもヘンである。噛んだらボソボソに砕けるのであるが、その砕ける大きさが飲み込むには大き過ぎるのである。ボソボソに砕けたあとはどれだけ噛んでも砕けないという団子粉が使用されている模様である。青年よ、その配合力を生かして別の道へ進め。飲み込むタイミングが見当たらない軟禁団子を流し込む水を、ミズをくれ。でも、言えばいらん仕事が増えそうやから、言わない。私はこうして自主的に、軟禁期間を延ばした。最後の軟禁団子が無くなる頃、青年は新しい軟禁食を作ってくれた。それは、大量の黄色い軟禁団子だった。味、変えたらしいよ。青年よ、気を遣うな。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-10-28 22:02 | +cool down run+ | Comments(0)
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