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宮さんが、まだ30代という若さで急逝されました。
訃報に接し「絶対に何かの間違いやで」としばらく信じませんでしたが、間違いのない事実だったことに自分でも驚くくらいにショックを受けまして「胃が痛む」という感覚を味わいました。胃が痛んだことのなかった私は、このキリキリシクシクする痛みに耐えることを覚えました。 宮さんは同じ学校のPTAの宮さんで、ヘイポー幼稚園児の時から一緒で、2年か3年になった頃、急に親しくなりました。同じクラスのPTAで何年か同じクラスが続いても、挨拶程度のつきあいのみというひともいれば、なぜか同じクラスになんてなったこともないのに参観日に廊下で会うと世間話で話し込んでしまうひと、というつきあいのひとがいて、宮さんはそんな「話し込んでしまうひと」のひとりでした。宮さんは、学校で会うと必ず話し掛けてきてくれるオカンで、私はしばらくの間、話しかけられると「ええっとー…その…誰さんでした?」と言っていました。するともう3回目くらいから、 「あの~その…ええっとー…」 「はいはい、宮です宮。ほんまーええかげんに覚えぇや~。」と宮さん。「私は、幼稚園の頃から知ってんねでっ!」 「はっ?!幼稚園、一緒のクラス?!」 「…いや…クラスはちゃうかったけど…でも、知ってんねんで、わ・た・し・は、な。年長からやろ??」 「うん、年長の時にココに越してきてん。」 「えっらいわっかいオカンがおるな~って、おもててんで?わ・た・し・は、な。」 「う、う、うそ~~~~ん!なんで幼稚園の時に話し掛けてきてくれへんねんな~っ!知り合いがおらんから寂しかったのに~っ!あンとき私、27や27!寂しい27や!」 「…わかっ!そんなんアンタぁ、いきなり違うクラスのオカンが話し掛けてきたらヒくやろ?」 「あ、そやな。無視するなぁ…」 「するんかいっ!」 そんなふうに、ノりの合う宮さん。打てば、響く、宮さん。その後も「クラスが一緒になったことないなぁ?」と私が言うと 「ええかげんにしぃや~1年の時一緒やゆぅねんっ!」 「う、う、うそ~~~~~ん!まぢで?!なんでゆーーーーーてくれへんねなぁーーーー!」 「あんなぁ…アンタ…知らんやろけど…よぉ道ですれ違ってんで?私は、気づいてんねで?わ・た・し・は、な。けど絶対、ヒーのオカンは気付いてぇへんやろな、て感じやからあえて声は掛けんけど?どうせ気付かんねやろ?『誰?』て言うやろ、また?」 「あ。言うわ。」 「言うんかいっ!」 「今度はかけてぇや、声。宮さんやろ?もう覚えたっちゅ~ねん!」 「ホンマやろなぁ、アンタ?」 「お~い!て声掛けたあと、5秒ちょうだい。思い出すから!」 「5秒もかけんなよぉ~~~~っ!」 それからは注意をして出掛けたりしていると、しょっちゅうドコソコで宮さんと出くわすようになりました。行動範囲がジャストなタイミングで合う宮さん。日を追う毎に宮さんでなく私から「宮さ~んっ!」と声を掛けることのほうが多くなりました。自転車で右に曲がろうとしている宮さんに「み~~~~~やさんっ!!バイバ~イ!!」と言うと、アワワ・アワワと後ろを振り返りながら「お~~~~~!ヒーのオカ~ンっ!バイバーイ!!」と答えてくれる。 いつからか、「宮さ~ん!」「お~!ヒーのオカ~ン!今日も元気やな~っ!」が私たちの挨拶の定番になりました。私は「宮さん」宮さんは「ヒーのオカ~ン」と、必ず呼び合う。そして、その後の「元気やな~っ!」は実にレパートリーに富んでいました。 「あいか~らず元気やな~っ!」 「しっかし元気やな~っ!」 「元気やな~っ!悩みないやろ?」 「やっぱ元気やな~っ!」 「まだ元気やなっ?」 去り際に私は適切な突っ込みを吐いて、宮さんの笑いを取ることに努めました。 「宮さ~ん!」 「お~!ヒーのオカ~ン!ひっさしぶりやん~元気~っ?」 「昨日会ったがな、わ・た・し・は、なっ。」 「う、う、うそーーーーん?!」 「ウソやな。」 「ウソかいっ。」 「宮さ~ん!」 「お~!ヒーのオカ~ン!だいぶ元気やな~っ!」 「元気やで~!足、ほら。折れた。」 「元気ちゃうやん!!」 なんでここで会うねんと思うようなところで会ったりすると宮さんはいち早く気付き、眉間にシワを寄せたりなんかするの。 「あーーーっ!今、イヤな顔したやろっ!?なんでおんねんっ!?て顔っ、したやろコラーーーーっ!!」 「おっもろい反応するなぁ…ちゃうやんちゃうやん、嬉しい顔やんか。」 「うそこけーーーっ」 「ホンマ、元気やなぁ…。めっちゃ出掛けてるやんか。よぉ動くなぁ…」 「宮さんが私とこんだけ会うゆぅことは、宮さんもよぉ動いとるからやんけーなぁ~にゆーとんやっ。」 「私は用があって動いてるんやっ。暇つぶしちゃうわっ、一緒にせんとってぇー。」 「知ってるで…実はな…宮さんのストーカーやねん…ツけてきた、私…ごめんな…。」 「…うん…知ってたけど…。」 去年くらいだったかな、すれ違う時は一日に2回も3回も見る宮さんなのに、何週間かすれ違わない時期があったので久々にすれ違った時に宮さん引きとめて、「ケータイの番号、交換しひん?」と持ちかけた。宮さんは「ええええーーーー」とイヤがりながら赤外線送信。 「ホンマ私、子育てに忙しいねからな?誘わんといてよ?ヒーのオカンひっっっまそうやしなぁ…元気やしなぁ…、遊びになんか絶対誘うなよ??」 受信しながら私は言う。 「大丈夫・大丈夫、安心しぃな。念のため、連絡先きーとくだけやんけ。急な呼び出ししかしひんって。」 「呼び出すんかいっ」 でも、一度も電話もメールもしなかった。プライベートで約束を取り付けてまで会おうとしなくたって、「あれ…最近…宮さん見ぃひんなァ…」と思うだけで、スーパーに宮さんが居たり、学校の前に宮さんが居たり、目の前を宮さんが通り過ぎて行くんだもん。 あまり地域の情報を持たない私に、いろんな情報をくれた宮さん。10月に私の属する教養部が催すフラワーアレンジメント教室に「宮さん、来てな?」と誘ったら「なんで私にゆーねんっ、ほんっっっま、今年はホンマ忙しいねんって。」とイヤがりながらも、時間が作れたらな、行くわ、時間が作れたらやからな?と言ってくれた宮さん。宮さんそんなんゆぅて絶対来てくれるつもりだったに違いない。私のやってる農園、見においでぇや、と言うと、「アンタの家、知らんわっ!」と言うので、「今度教えるから~ちゃんと来てよ~っ!ほうれん草、植えとくから~っ!」「はいはい、教えてもらったら奪いに行くわ~」と会話した。それが、最後の会話になってしまった。重い内容の話も楽しみながらいっぱいした。ヘイポーのこともよく知っていて、ボランティアで朝の読み聞かせに行っている宮さんは、学校で会えばヘイポーに必ず声を掛けてくれていた。「こないだも、ニコニコしてこっち見てるから追いかけて行ってん。つかまえたで。」「ヘイポー…学校では話ししーひんからなぁ…」と肩を落とすと「いや?話したけど?」と言う。「うそーーん?なんて?!なんて会話したん?!なに話したん??ヘイポーなんてゆーたん??」「そんなん、秘密やん。」「ヘイポーをたぶらかしたなさ~て~は~っ!」「二人だけの秘密やもん、言われへんな。」きっとしなかったのヘイポー、会話なんて。でも宮さんは、ヘイポーのことを知っているし、私のことも知っているから、今後への期待をくれたのね。そんな、あったかい人だった。それが、口は悪いんだけど心根が良すぎる宮さんというひとだった。常に私より先を見ていて、私より先に情報を持っていて、ちょっと遅れ気味の私に安心材料をくれる宮さん。公園でヘイポーと遊んでいて「未だに遊ぼうって友達に言えなくて、まだ私と遊んでんねで…よぉゆわんわ~やで…ホンマ。」と私が弱音を吐くと、「私も、2年前までおんなじことおもとったわ~。」ゆぅてヘイポーの肩持った宮さん。 「ヒー、言えよ!心配すんな、オカン、て。なぁ?!学校でいっつもニコニコしておばちゃんに近づいて行ってるんや、てゆぅたれ、ヒー。」 「まぢで?!」 「ゴメーン、デキてんねん、私ら。」 「いつの間に…」 心配すんな、心配すんな、と、ちぃせぇことだと不安を吹っ飛ばしてくれた宮さん。 今度は天国の情報を掻き集めに行ってもた。寿命を全うして行ったるからな~宮さ~ん、待っとれよ。眉間にシワ寄せんねな、嬉しい顔な。私は元気やで~、二日三日ほどな、今度は心が折れてたけど。「二日かよっ」て言うやんな、宮さん。いやいやまだまだ忘れへんで。宮さんとのつきあいのアレコレを思い出してるトコやねんけど、5秒じゃ足らんねな、ておもてんねん。
by yoyo4697ru980gw
| 2008-10-05 22:41
| +開楽館+
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