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「ホリどう?今日のホリ、なんかないん?」
“今日のわんこ”感覚で私はチョモに“今日のホリ”を聞く。 「はぁ?…アイツなんかもぅ知らんし~」 入学早々の学校行事『オリエンテーション合宿』からの帰路の車の中で私は、ホリという名のナイスガイが起こした武勇伝を聞かされた。 合宿でのホリの行動はチョモだけでなく私の心をも捉え、これからの3年間、またネタに困らない日々を送れるものと確信したのだった。 しかし合宿が終わり、毎週行われる小テストに備えた勉強に次ぐ勉強の日々を送るようになると、次第にチョモはユーモアを求めなくなっていった。 学校生活の環境変化になかなか慣れず、それほど余裕を失っていたということだろう。 自分でなくて他の誰かに目が向いていないと、自分の中にユーモア感覚は育たない。 ユーモアセンスを欠いたチョモは、どうやらユーモアセンス高きホリとすれ違ってしまい、その目をホリに向けなくなってしまったようだ。 私は早くからホリに会わせて欲しいと言っていたが、電車とバスを使って1時間かかるような場所から通っているチョモの家に、何が嬉しくてホリが来んねん、と全くホリを我が家へ招待しない。 そうこうしているうちに、高校近くのチョコレート工場で年に数回行われる恒例の大試食直売会が開催され、私たちは食べ放題チョコレートの試食に行っていたのであるが、部活終わりのチョモたち数名が『タダでチョコレートが食べられる』というチョモの言葉に釣られて合流。 「どのコがジン?」と問う私にジンを紹介するも、その横にいたのがホリだとは知らせなかったチョモ。帰宅してから「あ~ぁホリにも会いたかったなぁ~…」と呟くと「ジンの横におったんがホリや」と言う。 ジンとホリがセットで目の前に居たとは知らなかった。 「ホリがいるんやったらそぉゆぅてぇやぁ…聞きたいコトがたくさんあったのに」 オリエンテーション合宿のホリ武勇伝は、ジンがきっかけであった。 ジンとホリは同じ地域に住んでいるらしいのだが、ジンとホリの中学は違う。ジンは高校入学直前に引っ越して来た。おそらく引っ越すことが決まった上での高校受験をしたと思われる。引っ越す前の中学校を卒業してから越したのだろう。 オリエンテーション合宿の前夜、ジンがホリに合宿に持って行くバッグは学校指定のヤツやんな?というような確認を取ると、学校指定ではないバッグで用意をしていたホリは、学校指定カバンに荷物を入れ替えたそうだ。その時にカバンの内側にくっついていたオリエンテーション合宿のしおりを見落とした。 そして当日、これからの合宿を前に「しおりが家にある」という痛い現状を、合宿先に向かうバスの中で出席番号によりたまたま隣り合わせたチョモに告白したのである。 しおりに合宿での日程が全部書いてあるのだから持ってなかったらだいぶヤバ~いぞ?とホリの危機を予告するチョモにホリは「だ~いじょうぶ・ダイジョーブ~」と軽く答えていたそうだ。 合宿所に付き、荷物を各部屋に置き、早速の授業。 指定された場所に指定された時間の5分前に行く。 5分前行動を徹底する、という方針であることを知らないショーウン生になりたての生徒たちは7時集合と言われ6時57分に集合して立たされた。 「間に合ってんのに立たされるねん、おかし~~~~やろ。で、そしたら皆が5分前の5分前行動をするようになってそしたら5分前行動で動いてるヤツらが集合した時には『あれ?オレら遅い?』てコトになってどんどん早くなるわけや。5分前行動の5分前行動の5分前行動をすることになるやんか。そしたら当初の集合時間より15分早くなってるわけやん。そら早いで、集まるの。そしたら『じゃぁ皆が早く集まってるから、今後の授業を全部10分前倒しして始めます』て言いよんねん。そしたら、10分早めたら7時集合が6時50分集合やろ?その5分前行動の5分前の5分前行動で集合するわけや。6時半くらいからボチボチ集合やで。7時集合はどこにいってん、てハナシやんか」 「そもそも時間設定がいらんのちゃうか?時間の概念が時計とズレてるやん。時計が時計としての物体ぢゃナイな、それは」 この5分前行動の徹底を指導された最初の授業で、先生が厳しく「しおりを忘れた者」を叱った。その中にはもちろんホリも居た。 「まさかとは思うがこの中に、しおりを家に忘れたヤツはおらんよな?部屋に帰ったら皆、あるな?」 この授業でしおりが要るとは思わず、部屋から持参しなかった。 だから部屋に戻ればしおりがある。 次の授業からはちゃんと持参します。 …そう、ホリ以外は。 ホリのしおりがあるのは、部屋は部屋でも、自宅の自分の部屋である。 ホリはただならぬ危機を感じた。 その危機感は、しおりが家にあることを正直に申し出られないほどであったそうだ。 その夜、ホリはしおりとは無関係の数学のプリントやなんかを寄せ集めて「似非しおり」の体裁を整えた。 表紙にするための紙が「似非しおり」よりもサイズが小さいが、この期に及んでクオリティを気にしてはいられない。 翌朝、ホリは早起きをして表紙を書き上げた。 絵心があるのか火事場の糞力的な能力が発揮されたのか、ホリは表紙の学校のロゴを精巧に描いていたらしい。 本物と見紛うほどの巧さの手描きロゴを「ホリ、めっちゃウマいねんっ(笑×300)」とチョモは回想して笑いを止めることが出来なかったほどである。是非、見たかった。 しかし小さいサイズだった表紙用の紙の幅が足らず『11回生オリエンテーション合宿』と書くべきタイトルが『11回生オリエン合』との短縮表記となってしまった。そんなフザけたタイトルがバレずに済むはずはないと思うが、「それが…バレへんねんっ(笑×450)」チョモの回想の爆笑が止められないほど、ホリの表紙はバレなかった。人間の観察力とは得てしてそうゆうものなのかもしれない。担任の先生は前回ホリがしおりを部屋(先生は合宿所の部屋に忘れたと思っているが、厳密にはホリの自宅の部屋)に忘れているのを知っているので、授業を進めながらちょくちょくホリを確認していたそうだ。チョモの観察によると「ホリは今回はちゃんとしおりを持ってきとんやろなぁ?」というようなチェックをちょいちょいし、涼しい顔でホリがしおりを開くポーズをかますので「おぉ、ちゃんと持ってきとんな、よしよし」と自己納得をしていたそうである。先生からのチェックに気が付いていないフリをするホリの演技を観察していたチョモは、ホリのしらこい演技の裏に垣間見られる執念とチャレンジ精神と彼の持つ運、そういった内外面まぜこぜの縮図のありようを感じ取り、笑いを堪えるのに必死だった。 その日の『似非しおり』創作はとりあえずの状態だったため、ホリの放心状態は先生に叱られた直後の緊張感を維持したまま、しばし続いていたという。 とても大切な何かをドコにしまったかを忘れ、思い当たるところは全て探したのに出てこず、そんな気がかりがある時にどんなにおもろい漫才を見ても決して心からは笑えない。そんな経験は誰しもあるだろう。その状態がオリエンテーション合宿のホリだ。 しおりが偽物であることがバレやしないかというストレスから、部屋に戻る度にホリの髪の毛は2本ずつ抜けるようになった。 そんな精神状態にあってホリは、毎日コツコツとしおりを仕上げていった。 ファイルに挟んで全体的に見えないようにし、ちょーーーーーとだけ開くという技で「しおりを見ています」体をせねばならなかった「似非しおり」をホリは根性で手作りしていったのである。 日程の書かれたページを書き写し、関係ない数学のプリントの裏は、日に日に『しおり』になっていった。 「オレ、ココにしおり書きに来たし」 とボヤいてホリはチョモのツボにめり込んできた。 いつしかホリは各授業のことを「試合」と呼ぶようになり、授業がひとつ終わって部屋に戻る度に「よし…この試合にも勝った…」と勝利の数を増やしていった。 合宿前夜にカバンの変更をゆぅてきたアイツのせいだとジンを逆恨みして、ホリの部屋に遊びに来たジンに冷たく当たり、帰れコールを浴びせた。それほど精神的に追い詰められていたとみえる。 仕方なしに自分の部屋に戻ってゆくジン。 ジンを追い出してドアを閉めた途端にホリは「よっしゃよっしゃオレの勝ち~~~~っ!」と、もはやジンをも試合数に入れて勝ち星を上げた。 そしてとうとうホリは全試合を勝ち越し、家でキレイな本物のしおりが待っているからと、とっとと帰って行ったそうだ。 ホリが家に着いただろう時間帯に、チョモのケータイにはホリからメールが届いた。 その内容は、偽造したしおりをシュレッダーにかけ今まさに証拠隠滅を図っている、というお役御免報告であった。 なんという根性の持ち主であろうか。 ホリはイイぞ。 学校の80%が不良だというヤンチャ濃度の濃い中学でホリは2年間ヤンチャしてきたが『そんなオレでもショーウン行けんねん』と見返すために猛勉強。推薦受験で落ちたので一般受験して合格した。彼の決してあきらめないという姿勢が素晴らしい。芯が強い男だと思う。順路と目的地さえ示せばホリは何も迷わないタイプの生徒なのだろう。 野球をしていたホリはある日、陸上部のコと走って負けた。 それが悔しくて今、陸上部にいる。 「たった一回負けただけやねんで?それでそれが悔しいちゅうて、やってきた野球じゃなくて陸上部に入ってん」 「すごい決断をするコやなぁ…」 「でも、陸上部は陸上をしてきたヤツらが入部してるわけやからなぁ…。よっぽど速いねんよなぁ…みんな。当たり前やで、陸上してきたヤツらやねんから。やから早速ホリは『失敗したし』とかゆぅてな、おもろすぎんねん」 「ホリは決断力はあるんやけど詰めが甘いな」 この直感の男ホリの武勇伝を聞きたいのであるが、ホリとチョモの仲がいまいち良くない。 男子の草食化が叫ばれて久しい昨今、とうとう男子のトリオにも女子の法則が適用されるようになったのかもしれない。 ジンとホリの「じんぼりSet」の中にチョモが入ったことによるホリのヤキモチか。 チョモがジンのハナシばかりするトコロをみると、そもそものペアが「じんぼり」であったことへの配慮が、チョモに足りていないということか。 女子のトリオはこうゆう時、互いに互いの悪口を言い合うことでペアの関係を良好にしながら、表面上は仲良くやっているように見せる小細工がなされる。ジワジワと雰囲気を読ませ自然淘汰するという手口で、3人の中のひとりがいずれはハジかれるという、周りくどいやり方が女子の法則。めんどくさくってしょうがないが、それが女の世界というものである。女はグループを組みたがるが、そのグループの中にさらにグループがあり、その最小単位は2なので、3ではうまくいかない。 その法則がとうとう草食男子たちの中にも芽生えたのだろうか。 どこまで女子化していくつもりだ男たちよ…。 …ナイな。 ホリに限ってそれはナイな。 ホリは今まできっと少数派の考えを持ってきただろう。 しかしそれを全面には出さずに、自分の考えとはちょっと違うとは思いながら近しいトコロで妥協してきたのかもしれない。 それは義務教育である中学校の集団生活の中では当然取るべき行動のひとつであるが、多感な年齢である彼らには葛藤も生まれたであろう。 がしかし同じ学校生活という場である高校は、同じ集団生活の場に見えても義務教育とは違う点がある。 自分と同じレベルで物事を考えるひとが集っているという点である。 学校を選ぶということはそうゆうことだ。 この学校に決めた目的というのが皆に必ずあるのが高校である。 そして同じ試験を受けて同じ高校に合格するということは、同じだけの努力と同じだけの合格基準に達していなければならない。 考え方が似るのは、同じレベルで物事に対処してきたからである。 私が通ったアホ高校の、最初のテストの答案が返された日、同じクラスの男子がもらった答案の点数を言いながら席まで戻った。「オレ68点だけどオマエ何点?オマエは?オマエ何点?」て。 この光景に私は大変な刺激を受けた。アホな私にとってテストの点数とはずっと隠すものだったけど、一方で私はなぜ隠すのだろうと思ってきた。しかし中学生の私には、思っていることをそのまま行動にする勇気がなかったのかもしれない。 「オレ、これが中学だったらぜっっったい点数なんて教えない。高校だから、よ。同じレベルのヤツらがこの高校におるんやからもうオレのテストの点数なんて隠さなくてイイやろぉ?」 堂々と点数が言えるって気持ちイイ~~~~~!と彼はその後も点数を言い続けた。 解放すべき時に自分を解放できる人間ほど、賢いひとはいないと思う。 それを大人になってから気付く私と、わずか16才で知っていた彼の違いが、賢さの違いだと思う。賢さはテストの点数ではない。 私は彼の解放度に戸惑った。 感じていることは一緒かもしれないが、私にはその行動力がないことに戸惑っていたのだと思う。 自分が変わらねばならないのはまさに今で、そのきっかけが彼の行動だということを自分自身が知らなければならない。 こういう変化には、おのずと時間が必要になる。 この時間を今、ホリは必要としているのかもしんないな。 ホリ、うちのチョモもずっと少数派の人間だったんだ。 高校も少数派の中の少数派たったひとりで受験したんだ。 君ほどの根性はないかもしれないが、チョモにだって君に似たような根性がある。 チョモも諦めずに取り組んできたほうだ。 少数派だった自分がいざ自分と同じような考えを持つひとを前にすると、戸惑うことも多い。 今、チョモも戸惑って「ホリなんか知らんし~」と言っているが、君たちは互いを刺激し合えるよい仲間になると思うんだ。 …健闘を祈る。 「最近のホリ、は?今日の、わんこ。今日の、ホリ。」 「ホリなぁ…アイツなんか知らんしー…情報の授業ってのがあってなぁ…出席番号でペアになるからホリやねん、相手」 「ほうほうほう」 「紙飛行機を作るねんけど、先生が教えた飛行機を、口だけで説明して相手に作らせろ、て。」 ホリはこのように上を向き、先生の作った飛行機をチョモに折らせるために口で説明する。 長方形の紙があるやろ?縦半分に折んねん。ほんでフツーの紙飛行機折るみたいにポンポンて三角に折るやろ?そしたらもっかいポンて折るやん?ほしたら三角のトコを折り返してくんねん。そしたら半分にポン、あとは飛行機になるように広げたらいいねん、できた? 「…てコレを見せたら、大爆笑されてさぁ」 「先生が作った飛行機はフツーのカンジではないってのは聞いてるから、こうゆう形ってコトかぁと思って折ってみたけど、このカタチで出来上がってるひと多かってん。正解者おらず」 飛ばなさそうやなぁ~て感想は持たなかったのだろうか。 飛行機だっつってんのに。 ホリは先生が折った飛行機の手順を実際に見ているわけだから、自分の中に明確な映像がある。その映像と自分の説明がばっちしリンクするわけである。 しかし映像とは不可解なもんで、映像が言葉を補うことはあるが、言葉が映像を補うことはない。言葉に映像が添えられたなら言葉足らずな部分を映像がカバーするというのに、言葉からのみで映像を作り上げようとした時、言葉の分しか映像を作り上げることは出来ないのである。 映像を持たないラジオ放送を聴いているとそれがよくわかる。 映像があるものの説明をラジオDJがするようなシチュエーションの時に、それを正確に伝えようとすると無理が生じるのである。ラジオDJを職業としているようなプロでさえ、そうなのだ。 「正解はな?こうやってん」 長方形の紙があるやろ?縦半分に折んねん。ほんでフツーの紙飛行機折るみたいにポンポンて三角に折るやろ?そしたらもっかいポンて折るやん? 「もっかいポンて折るやん?て、三角折ったんを同じように繰り返す、ていう意味やってん」 「ホリの映像の中では『もっかいポン』でそやって折ってんねんやろなぁ…」 ほしたら三角のトコを折り返してくんねん。 そしたら半分にポン、 あとは飛行機になるように広げたらいいねん、できた? 「あとは飛行機になるように広げたらいいねん、がな?結構な工程やでコレ。こうしてな?」 「ほんでこうして…こうやねん」 「うぅむ…『飛行機になるように広げる』の一文では端折りすぎやなホリ。『あとは』てほどの仕上げにかかるには、段階が手前すぎるやないか」 「やろ?確かにコレのほうが飛行機やけどな。飛ぶしな。」 そう言ってチョモが飛ばした正解の紙飛行機は、狭い部屋をよく飛んだ。 情報を端折りすぎてるホリに問題があるとしてもまぁ…心情としてはわからんでもないよな。 上向いて目ぇつぶって自分のビジョンで①が出来てるものを口頭で伝えてて、②を見せられたらそら大爆笑もするわ。 フォルムが飛行機ぢゃないもん。
by yoyo4697ru980gw
| 2012-05-13 17:44
| +YOU WIN!!+
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