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外見重視

最近のイチャの語尾にはよく「モテるかな?」がくっつく。モテないからだろう。

「おば~ちゃんがやぁ~髪切りに行こう行こうゆぅねん。そんな髪でおったら正月がこへんっ!とかゆぅてたけど、来たしな。ほれみたことか、来たやないかい正月っ!ゆぅたったわっ、ぐわっはっはっ~。もうそろそろ切ってもええで?モテるかな?」
「イチャなぁ…モテるかな?言うくらいモテたいんやったら、そろそろヒゲでも剃ったらどないや。」

「お~まぅ~。今日は名札の所に穴が空いてない服、来て行ったろか?モテるかな?」
「靴下に穴空いてるで。後頭部、寝癖ヒドいな。フラれるぞ。」

反抗期チョモにとって、モテる可能性がなかったら行動を起こすに値しないのだ。そこで、美容院で髪を切る時に、シオさん(美容院のオーナー)にどうします?と問われ、
「坊主で。」
と頼んでみた。
「いいの?おかーさん、そう言ってるけど?」
「んんんん~なわけ、ないっ!」
「最近なぁ、モテるかな?てしょっちゅう言いやんねん。やからヘンな髪型にしてみて、一回。それでイチャを好きやゆう女子があったら、それは間違いなくイチャの人間性を好きになったってコトやん?」
「ホンマやな。それは、そうやで。ほな、そうしよか?」
「いや…それはない…」
外見を重視するイチャのためにシオさんは「ほんならおかーさんと、おにーちゃんの、両方の意見を聞いて、ええ感じにしとこか~」ゆぅて優良店の腕前で妥協スタイルを完成させた。トップがボリューミーなその髪型は、寝癖で変化が楽しめるええ感じである。
相変わらず外見を気にするイチャは毎朝、
「後ろ、寝癖ぇ…あるぅ…?」
と、うだらぁ~と訊くので私は愛情を込めて言ってあげるのだ。
「かっこええ寝癖や。トリケラトプスみたい。モテるで。」
「トリケラトプスて…どんな髪型…やったっけぇ…?」
「今のアンタの髪型と一緒や。」
これでモテたら、アンタの人間性に惚れてるぞ、その女子。けど、その子の人間性はちと疑ってかかったほうがいいな。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-31 22:08 | +cool down run+ | Comments(0)  

インフルエンザにご注意を

母親なら誰でも感ずることであろうが、我が子はいつまでたっても子供だ。イッチョマエにヒゲなんかが生えてきてても、ついこないだ陣痛に耐えて産んだような気がするものだ。しかし着実に子供は子供じゃなくなってくるもので、それをわかっていてか私は朝刊の広告の中の、「ベビーショプ」に目を通すことがなくなっていたようだ。必要がないと無意識下で意識していたのだろう。

その広告でその店は『ママフル』という名称だった。お昼寝布団セットや腹巻一体型パジャマ、オムツカバーに哺乳瓶レンジ消毒ケース、といった商品の写真に混じって、「すべらないハンガー10本セット」という商品が載せてあるのを見、私は「むむむ?」とその広告の裏も見た。マタニティファッションだけでなく、「ママ」が必要なものが「フルコース」で揃う店のようである。子供服のサイズも最大150まで取り揃えてあるようだ。実に安い。150なら、ギリで我が子イける。雑貨もあって、これは「ベビーショップ」の域を超えているぞ!と思う品揃えである。
「行きたい…ママフル。行ってみようぜぃ、ママフル。今日、行くから遊ぶ約束せんといて、イチャ。一緒に行こうな、ママフル。ママフル、って赤ちゃん用品やおもて見てへんかったけど、この広告によれば「赤ちゃん」の設定範囲が広いぞっ!…。ほら、150までママフルだぜ。イチャ、あんたママフルではまだ赤ちゃんの部類や。ケツが青いぜ。…しかし遠いな…自転車で行ったら風邪ひくかな…風邪くらい、いっか。風邪ひ~てもイっちゃうぜっママフル。イっちゃおうぜぃ、私のきゃわいいベイビ~ちゃ~ん♪」
「…そうか…。まだ赤ちゃんやったんかボクちん…。イってみるか、マミフル。あ、今年のインフルエンザまだ体験したことのない新型のやつみたいやで?日本で600万人くらい死亡するほどの強いインフルエンザやねんて。車でイっとこ、マミフル。」
タミフルみたな言い方すんじゃないっ。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-30 00:15 | +in much guy+ | Comments(4)  

みえ~る・みえ~る(腐る化粧品のメロディで)

予想はしていたが、寡黙症のナキヒーが3学期という新しい場面を迎え、お得意の場面寡黙をまた発症した。2学期の最後、友達数人と会話するまでに成長著しかったのに…トホホ。いいんだ・いいんだ、いつものことよ。ちみはちみのペースでやってくれ、付き合うよ。っつーわけで、放課後すっかりひきこもっているナキヒーを、無理やりドライブに誘った。はっきり言うが私はペーパードライバーである。だから、法定速度40キロの道は、35キロ前後で、飛ばす。後続車から、渋滞が発症する。目的地がある時に車を使うと全く目的地に到着しないので、これといった目的がない時に車を使ってみたりしているのだ。私は法定速度を守る国民である。勿論、ゴールド免許である。

私が運転にこなれていないことを自覚していながら、どうして寡黙症のナキヒーとドライブをするのかと言えば、それがどうゆうわけだか、ナキヒーは私と二人で車に乗ると「運転中にしきりに話しかけてくる」という迷惑な一時的回復をみせるのである。どんな作用が働いているのかはわからないんだけど、これが家族4人で乗っているとほぼ寡黙である、質問に答える程度。3人でもまぁまぁ寡黙、信号が青になったことくらいは教える。私と2人で、しかも私が運転し始めると多弁、自分の将来について計画を立てたりなんかして、その計画の一部始終を語り、話している途中で訂正を加えたりなんかする。なんなんだ、何がちみをそうさせるんだ。
「えぇい、今は運転に真剣なんやから黙っとれぃい~っ」というタイミングだから、寡黙から脱してもモノにはならんのだが、まぁリハビリの一環として行うだけの価値はあろう。そう思ってその時も、なんとな~く知っている道をあっちへノロノロこっちへノロノロ、35キロで運転していた。すると、なが~い直線道路のずーっと前方に、一台の白い車が走っていて、その車の窓に文字が書いてあることをナキヒーが発見。
「まぅ~、あの車、なんか書いてる。」
「ほんまや、なんか書いてる。なに?て?」
「…妻の家。妻の家って書いてるなぁ?」
「…妻?妻の家?福祉関係の車かえ?妻の家に行ってんのか、あの車。誰の妻の家に行ってんねやろ?どこの妻の家に向かってるんや?」
「そんなん、おかしい。妻の家って…。くっくっく。」
「でも、やっぱアレ、『妻の家』やで?」
「うん…そやな。妻の家やな…やっぱり…。何屋さんやろ?」
「老人福祉の車かなぁ…。例えば、おじぃさんを亡くしておばぁさんだけしかおらんくなった家があって、そうゆう家のおばぁさんを迎えに行く車とか、そんなんかも。」
「なんで?なんで妻ばっかり迎えに行くん?おじぃさんだけになった家は、行かへんのん?」
「その時は『夫の家』ていう車が迎えに行く。」
「え~…。2台もあるん?一緒に迎えに行ったらええやん。妻も乗せて夫も乗せたらいいやん。」
「そうやなぁ…。でも、その妻とその夫は夫婦じゃないから、別々なんかもわからんで?だって、妻だってよその夫と同じ車に乗るのはイヤとか、そうゆうこともあるかもしらんやん?アンタ、『兄の家』ていう車が迎えに来て、イチャやのぅてよその兄が乗ってたら、一緒に乗るけ?」
「あぁ~…たしかにイヤやな。だって誰の兄がわからんもんな…いい兄やったらえぇけど…悪い兄やったらイヤやし…」
…アンタの兄、今、反抗期でごっつぃ悪い兄だけどねぇ…自分の兄でも一緒に乗りたないくらいの兄だっせ。そんなことを思い、『妻の家』と書かれた白色の小さいバスみたいな車を追っていたら、赤信号で『妻の家』が止まり、程なくして私たちは『妻の家』に追いついた。

「あ…。」
と言ったのは、私たち二人同時であった。
パ、パ、パ、パン屋さんかな。

『麦の家』て、書いてた。

以下に大きく、『麦の家』と記してみましょう。
遠く離れてこの文字をご覧下さい。
私たちが『妻の家』について予想を立てた気持を、ほんの少しでよいので…どうぞ御理解のほどを


麦の家
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-28 15:47 | +in much guy+ | Comments(0)  

タイミング

最近イチャは、「宿題よりも家事手伝い」という我が家の教育方針でのスキルアップを果たし、「鍋振り」と「包丁」を同時にこなす職人となった。先週にはイチャ専用中華鍋(一人用)を買い与えた次第だ。自分の炒め物などで練習させ、ゆくゆくは家族4人分の夕食の一品を任せるつもりである。どんな人生を送ろうが「食」は欠かせない。野垂れ死ぬまで腹は減る。

まだ「塩コショウ」のタイミングがうまくつかめないイチャは、「鍋振りのイチャ」との異名をとるに至らず、6回に1回くらいは「いつ、塩コショウ?」と訊く。その時々のメニューで「肉の色が完全に変わったら」とか「具材を入れたと同時に」とかタイミングの指示を出している。とくに、根菜類を炒めている時の塩コショウタイミングはつかみ難いらしく、毎回「どうなったら、塩コショウ?」と訊く。私は毎回同じ指示を出している。

「野菜がしんなりしてきたら。」
「ううむ…しんなり…」

イチャには「しんなり」という状態が目で確認し難いのだろう。私もそうだ。葉っぱの野菜が炒めて「しんなり」するのは、見ていて明らかに「しんなり」する。しかし、じゃがいもや人参や大根なんかを炒めた場合の「しんなり」は、いまひとつである。「しんなり」っちゃぁ「しんなり」だけど結構まだまだシャキっとしていそうな感じがいつまでもあるもんなのだ。私にも確固たる自信はない。
そこで、イチャの思う「しんなり」と私の思う「しんなり」にタイミングの相違があるかどうかを知るため、私はこう告げた。

「野菜が『しんなり』した、と思ったら呼んで。」
「わかった。」

台所にイチャをひとり残し、私は明後日に返却せねばならぬ図書館本の読破にとりかかった。ププ、と笑いもって読み進めていたのだが、一向にイチャからお声がかからない。私の感覚では「しんなり期を迎えた」時間経過があれど、やはりイチャは私を呼ばない。念のため「まだしんなりならへん??」とこちらから声をかけたが「うん、まだ。」とキッパリゆぅた。そんなに太い短冊に切ったんか?と思いつつ、私はイチャの一声を待った。待っている間に本に夢中になっちゃって、すっかり台所のイチャのことが抜けた頃、やっとこさ声がかかった。

「た…大変や、まぅ…野菜が…げんなりしてきた…」
「おい…おせぇよ…」
鍋の中を見やるとやや太めのじゃがいもが、かなり「げんなり」していた。
「はぁ…困ったねぇ…『しんなり』で呼んでほしかったんやけど…」
「いや…ぁ『しんなり』かなぁ?いや、まだもちょっと炒めたら『しんなり』かなぁ~?とかおもてたらや~…今、見たら、『げんなり』しとんねん。…どうする?」
「励ましといて。スターティングメンバーの座を今、逃したから。」

私は、違うメニューの調理を始めた。
イチャは、げんなりしたジャガイモを、牛肉とオイスターソースで励ました。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-27 23:46 | +in much guy+ | Comments(0)  

ついに

我が小学校には「ことば科」という授業がある。作文を作ったり、俳句を詠んだりと文章表現法やワビサビを学んでいるらしい。それで、高学年になったイチャ(伊茶右衛門という呼び名が長すぎるのでイチャに短縮)はことば科で、ニュースをでっち上げている。それはファイルされ、ちょっとした新聞になっている。常に新聞一面の衝撃ニュースみたいな出来事をこさえて、イチャの世界では、新種の動物が発見されたり、原因不明の出火、規模は小さいのに被害の大きい地震などで、大変なことになっているのだ。その「ことば科」のファイルがテーブルの上にあったので、ナキヒーが盗み読みをしていた。

「イチャは…変なことばっか作って…ほんまにもう…」

と呆れていたが、次のページの衝撃ニュースでその呆れ具合は頂点に達したようである。

「『ついに宇宙人あらわる!』   …待っとったんかぃ…」

11年、待ちに待った宇宙人、ついに現れました。

ここ数年くらいはTVもたいして取り上げなかった宇宙人、満を持して登場です。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-27 12:35 | +cool down run+ | Comments(0)  

雪国のよに

職場の横幅の長い門を左に抜けるとバス停であった。

ちょっとこさ離れてるけども。まぁ、ちょっとこさ離れてるゆぅても20メートルもは離れていないと思う。でも、ちょっとこさは、離れてる。門が…でっかいから…大型ダンプが余裕で並進して入れるから…それを思えば幅7,8メートルとか10…メートルとか、あるのかな。その門の右端を出て私は右に曲がるのが帰宅ルートで、左端を出て左に曲がるとすぐにバス停がある。

私は某日、仕事中にテイクアウト品をお客様に渡した後で、ソースを入れ忘れたことに気付き「今追いかけたら間に合うかも!」とシャツ一枚で裏口からソースを持って屋外へ走り出た。店内にずっと居たので気付かなかったが、外は雪がチラついていた。うぉおぉぉぉさみぃいいぃぃいい!!と出た瞬間に思ったけれど、トンカツをソースなしで食べさすなんてこりゃ我が喫茶店の沽券にかかわると思い我慢して「真っ直ぐか?それとも右か??えぇい、左だっ!!」と左の道を、青年目がけて猛ダッシュした。屈強な男たちでさえコートを着込んで歩いているってのに私はシャツ一枚で、しかも腕まくりまでして雪の中を走っているのだ。ソースを届けるために。メロスに匹敵するほど、目的のはっきりした走りをみせた。しかし甲斐もなく、私がソースなしトンカツを手渡した青年の姿はどこにも無く、あるのは私の左手の中のソースのみ。私は走った。そして裏口から店内に入りオーナーに告げた。
「三日…三日だけ待ってください…」
違う違う。
「間に合いませんでした…ソース…」
がっくし。
オーナーが、仕方がないわ…今度来られた時に謝りましょう…と言わはった直後、青年は走ってやってきた。友人との約束を果たすために。ちがうちがう。
私は、青年の顔を見るなり、有無を言わさず、
「ソースですよねっ?!す、すいません!ごめんなさいね、すんません!」
と謝った。青年は、あまりの私の勢いに負けたのか小さく頷くばかりで、ソースを渡すとまた走って行った。

我が喫茶店で、オーナーが何をやっちゃいけないと言わはるか、とゆぅと「お客様に二度手間をかけさすこと」である。我が喫茶店はセルフ方式になっていて、お客様の食事が出来上がると番号札を呼び、取りに来ていただく。そして、返却口に返却していただく。時々、食事と飲み物が同時に出来上がらない時があり、その時は飲み物が出来たら、お客様を呼ぶのではなく私がホールに出てお客様まで届けるのである。取りに来ていただくのは一度きり。だから、オーナーは食事と飲み物が同時に出来上がることに大変厳しいし、お客様をお待たせすることがあれば、その原因を直ちに追究し、即、改善する。だから私が一番落ち込むミスというのが、この時起こした類のミスである。人間やから間違うことはある、とオーナーはおっしゃるが、このミスは我が喫茶店の大々的なミスなのである。店内で飲食されているお客様でなく、テイクアウトされたお客様に、わざわざ走ってソースを取りに「来させた」のであるからして、私の非はかなりの罪である。

立ち直りの早い私が素早く気持を切り替え一人で店番をしていると、常連のお客さんがいらして、特別メニューをおしゃった。
「あ~すんません、今ウチのメインシェフがおらんもんで…私、まだソレ作れないんですぅ~」
と返事をしたら、
「え~?作れないのぉ~??結構、長いでしょぉ~??まだ教えてもらえへんのぉ~??」
と、言わはった。常連さんは思いっきり冗談だったけれど、
「はい…かれこれ…3年ですねぇ…まだまだできんことばっかですねん…」
と返事をしながら、私にはイタいミスが蘇ってきた。あぁ…私、3年も居てまだ初歩的なミスするんだ…。がっくし。

その日私は肩を落として自転車に跨り、門の右側を出た。目の前の道路を横断するのに車の往来の途切れるのを待つも、なかなか車が途切れない。右から来る車がなくなったので、左を確認すると、バス停のベンチにひとりの男性がバスを待っていられた。私は、その男性から目が離されなくなった。

この世の人とは思えない、素晴らしい姿勢でベンチに腰掛けてらっしゃるのだ。
「おじさん」と呼ぶには年嵩があり「おじぃさん」と呼ぶにはちょいと足らないような年齢に見える男性で、華奢である。先述の通り、門の右端から出た私と、左側にあるバス停に腰掛けている男性には、ちょっとばかしの距離があった。にもかかわらず私には、その男性の特徴を瞬時のうちに認識することが出来た。それほどまでに、魅力的な男性だったのである。
紫とも灰色とも言い表せないなんとも粋な色合いの縮緬らしき着物を着慣れた感じで召しておられ、同色のフェルトの中折れ帽を被り、ステッキと呼ぶに相応しい素敵な杖を爪先の傍に突いている。足には白い足袋、光ってはいない金色の草履。
まるで明治の文豪がそこにいるかのような出で立ちという外見にも惹かれるのであるが、何がどうって、人間業とは思えないほど背筋がピンと伸びているのである。ピンどころの騒ぎではない、もう「ピンピンピピピピン」に真っ直ぐ伸びているのだ。ベンチには浅く腰掛けておられ、そのベンチと男性はまさに「垂直」。頭のテッペンまで真一直線。私が見ている間中、その姿勢は崩れない、崩れない。きっとバス来ても崩れない。っはぁ~っ、崩れない。私は、見とれた。そうしたらその男性が、じわわわわ~んとこちらを向いたのである。私が見ている気配を察してか振り向いたのであると思われたが、姿勢素晴らしきその男性の振り向きっぷりといったら、「ふっ」と振り向くとか「ぴっ」と振り向くとか「ぺっ」と振り向くとか、そんなんちゃう。じわじわじわわわ~ん、とゆっくりと、しかしおそろしくなほなほに、振り向くのである。そして男性は微動だにせずこちらを向いたまま決して背筋は曲がらず、尊き眼差しで私を見据えた。「目が合う」というような見方ではなくて、感情やらを一切感じることがない「見据える」というような見方であった。もう少し距離が近かったなら「素敵な着物をお召しですね」かなんかナンパ的なことを言い言い、もっと見とれるチャンスもあろうが、この距離ではそれも適わない。私は急に自分自身が恥ずかしくなり、車が途切れたのをこれチャンスとそそくさとその場を後にした。
そして遠く及ばないだろうが、私もあの紳士のように背筋を真一直線に伸ばしておれるような人生を歩むべきであると、心底思った。家に着くまでの7分間、私は一文字のハンドルを握りながら懸命に背筋を伸ばした。そして、それが並大抵のことではないことを知った。
自転車のペダルを踏みこたえて腰を上げた途端、さあと音を立てて梨状筋が坐骨神経のなかへ流れ落ちるようであった。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-27 00:38 | +ミルニング+ | Comments(0)  

賄賂から墓場まで

はうはず氏からの賄賂の中に入っていたもので、見逃すことの出来ないアイテムをひとつ選べと言われたら、そんなこと言う人ひとりもいないが『目のリフレッシュメガネ』と言いたい。一日3分かけるだけでピンホール原理で目をリフレッシュ出来るのだ。私はこのパッケージに釘付けになった。そして凝視した。だからそのことひとつをとっても、私には目のリフレッシュが必要であり、これを見逃さないというちゃんとした理由になるのだ。パッケージの坊やも「ゲームのあとはこれだね!」と言っている。私は「ネタにするならこれだね!」という気分だ。パッケージのゲームに夢中になる坊やはとても真剣である。そしていらってるゲームは私の予想ではスーパーファミコンだ。なつかしめ。私はゲームにすぐに飽きてしまう性格だ。たいがい何かに飽きてとかヒマを持て余してゲームをするのだろうに、宿題に飽きてゲームを始めた伊茶右衛門がゲームをしているのを見ていて「ちょっとやらして。」と掃除の手を止めてまで寄せてもらう。平均して2分前後で飽きる。ゲームを始めて30秒後くらいに何かとんでもなくおもしろいことが起きてくれない限り、続いたためしがない。だから、私がゲームのあとにこれをやると、ゲームをやっている時間よりもリフレッシュ時間のほうが長いということになる。

では、その気になる「リフレッシュ方法」を学ぼう。
①正面にあるものに焦点を合わせ、近くのもの、遠くのものを交互に見てください。
②次に左を見ます。
③次に右を見ます。
④上を見ます。
⑤下を見ます。
この目の体操を3分間くりかえします。

私とていい大人だ。「かけるだけ!」が本当に「かけるだけ」じゃなかったからと言って文句は言うまい。黙って3分間、目の体操を行おうじゃないか。
私が通った中学校は、自然が豊富で教職員用駐車場に枠がない、まぁくだけて言うとドドドド田舎の中学校であったが、『眼の週間』という特別な週間があり、清掃終了後、全校生徒が各階の廊下に一列に並び、グランドの方角を向いて「顔の前に人差し指を立てて、指を見てください」という放送に従い指を見、「今度は遠くの山を見てください」との指示に従い山を見た。「指を見てください」「山を見てください」「指を見てください」。指と山の二つが揃うその当時、既に週休二日制が隔週で試行されていた。平日を7限授業とかにしてまで土曜に休みを入れるという無理からな週休二日制度は、結局トータル勉強時間に変化はなかったのにも関わらず、新体制の幕開けを感じさせた。詰め込んじゃダメ~とかいろいろとゆとりを持たせる方向で進んでいた「現代教育を改善しましょう大作戦」中、その科白を言ったのは放送委員の私であったが、私は同じく放送委員のナカモリに、マイクの音量をオフにしてボゾっと訊ねた。
「ねぇ、ナカモリ…。遠くの山を見てください、ゆぅて山があるっていう、この環境で育ってる私たちにさぁ、目の体操って必要と思う?」
裸眼では何一つ見えない、学年トップ成績のナカモリは返事をした。
「…この環境は私たちに目の体操を強いてるね。どこを向いても山か川。」
「毎日やってんのに…まだやるか…。」
「いんじゃない?たかが3分だけど、清掃時間が短くなるし。…でも、目の体操の3分て長くない?」
「長い。」
待たされている時とエクササイズの「3分間」て長くね?

ちゅ~わけで、長い3分間の目の体操をすべく、リフレッシュメガネかけてみた。
私の気分はもうすっかり大門である。
ニヒルな笑いを浮かべ、ホシを見据えた。

「おまいらとデカやれてよかった…」

そんな心持ちで撮った写真をチクリンで開いたら、どうゆうわけか林家三平になっていた。
なして「あいつは、化けるよ。」になったかなぁ。(スライドショー参照)


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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-26 13:47 | +談合料亭『千徒馬亭』+ | Comments(1)  

香ぐわしき賄賂

魅惑のおやつ『ボンタンアメ』。文旦飴。南国の澄みきった空から太陽の直射を受けて実るボンタンは最も大きな香ぐわしいみかんです。其の香り高い風味を偲び、製造されているのが『ボンタンアメ』です。有名でしょうから補足はいらないこととは思いますが、その香ぐわしいボンタンアメはオブラートに包まれています。飴だけど、キャラメルよりやわかいです。そして爽やかです。そのボンタンアメを太っ腹にも5箱もくれるはうはず氏。相当の見返りを要求されても文句は言えません。だって、ボンタンアメにおまけとしてボンタンアメまでつけているのですから。たぶん、ボンタンアメだと思います、おまけ。だって「ボンタンアメ」て書いてるもん。裏を見てみると「名称 飴菓子」となっていて「内容量 2粒」とあります。どうもボンタンアメのような気がしてきました。ワクワクして開けてみますと、期待を裏切ることなく『ボンタンアメ』。ボンタンアメ5箱、50粒に、なおかつボンタンアメがついてくるこの賄賂。専用携帯ケースまでお付けしたオリジナルセットのお申し込みお問い合わせは、ダブリューダブリューダブリュードット、ボンタンドット、アメチャンスラッシュ、ブンタンジャナイヨ.ne.jpまで。賞味期限は2008年2月26日ですのでお早めに!
この文章を書ながら既に1箱イきました。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-25 23:27 | +談合料亭『千徒馬亭』+ | Comments(0)  

キリ番賄賂

料亭と言えば談合である。悪い意味での談合である。料亭では、すんごく悪い話し合いがコソコソと行われているのだ。例えば、「越後屋、お主も悪よのぉ…くっくっく…」「なになにお代官様には敵いません…むっふっふ…」ガサゴソっ「はっ!なにやつ?!」み~ちゃったみぃちゃった~セ~ンセにゆぅてやろぉ~(ここに出てきた『センセ』とは代議士を指します)ゆ~てやろゆ~てやろっ♪

そんなイメージで「千徒馬亭(ちとばてい)」という料亭をこさえました。私がもらった賄賂のご紹介です。しかし、賄賂を贈った方々は、私に見返りを未だ要求してこないのです。どうしたことでしょうか。私は見返りをたくさん用意し、要求時には即対応できるよう、万全の体制を整えているというのに、活躍の出番がありません。(千徒馬亭の「馬」を「うま」と読んで早口で、この料亭の名称を連呼してみましょう。)

大きな声では言えぬが先日、我が家のポストに賄賂が届いていた。階段下の、雨が降ったらビチョ濡れになる我が家のポストの幅ギリギリの郵便物が、留守の間にポストに入れてあったのだ。私はポストの扉を開けた時、しばし考えた。どやって、取るん?扉がはまる箇所の金具が邪魔になって平行には取り出せない。入ったゆぅことは、出せるゆぅことやろし…と考え、いや、まてよ、とケータイを取り出した。とりあえず写メ撮って、報告しないとな。「取れません、でもありがとう。」てはうはず氏に。さすが民営化されただけのことはある。国民を楽しませる気だ。

斜めに取り出し開けてみると、箱の蓋にメッセージがあった。箱の蓋にしか、メッセージはなかった。いや、箱の裏にもあった。息子が小麦粉ねんどつけた、と泣きが入り、小麦粉ねんどらしきものが付着していた。それにしてもカラフルなねんどの色だ。着色は食紅、赤15号・黄色3号・青7号・鉄人28号でなされたと思われる。
中身は多種多様なネタが入っていた。うまい棒入浴剤は乳たんぱく配合で、ゆずのかおりだけどたべてはいけないと書いてある。この入浴剤にはなんと10円玉ケースが入っている。10円玉ケースに10円玉は入っていません。と書いてある。なぜにはうはず氏はこの物品をチョイスしたのだろうか。私が10円玉を豊富に持っていて、持ち運びに苦労していると思っておいでかもしれない。あ、財布を持っていないと思っておいでなんだな。参考までに、この10円玉ケースには10円玉が62枚、入ることは入った。

福運暦が入っていたので、あまり読み方がわからないけれど、なんとかかんとか自分の運勢なるものを見つけた。地味でも着実に努力することが大切なんだそうだ。努力って、たいがい地味である。派手で行き当たりばったりな努力なんて、き~たことないもの。とにかくだ、地味に努力しよう。

そしてだ。釣りを趣味としてきた私に、コンパクト竿。これは、むーちん情報によるとかなりそそられる竿であるらしい。買おうかどうかを、釣り具屋さんで常に迷ってきたそうだ。迷った挙句に、買わない選択をしてきた理由は、この『ペン型携帯釣竿コンパクトロッド』、ペンにしちゃぁ大きすぎて、竿にしちゃぁ小さすぎるのだそうだ。大物狙いで投げ釣りを得意とするむーちんにはもう一歩、決め手に欠ける竿であるらしい。「んじゃぁむーちんはこの竿の何にそそられて毎回迷ってんのさっ。眼中にない商品やんけっ。」と突っ込むと、「いや、オマエにとって最高のプレゼントやで。よかったなぁっ!」と言っていた。むーちんの迷っている、そそられる理由とは、どうも「うっわ、コレ、まぅが欲しがりそうや…」ということらしい。そして、それを私を喜ばすために購入するのでなくやめちまうのは、「まぅにそこまでしてやる義務、ねぇし。」てコトらしい。私にこの竿の存在を教えたら、またねだられると思い、隠してきたのだむーちん。知ってたくせに。「ふぉっふぉっふぉっいいだろぉ~!」と見せびらかしていたら、じ~っとナキヒーがこっちを見ていた。…隠さないと。またねだられる。

はうはず氏との千徒馬亭での談合。
かれこれ何年になることか。
何年も賄賂を贈っていることがバレるといけないと思って、一応文中の送り主名にはモザイクかけときました。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-25 18:10 | +談合料亭『千徒馬亭』+ | Comments(0)  

ダー…ミア…ン

TVで『13』という数字がアメリカでは不吉とされている、というようなことに関連づけた番組をやっていて、そのことについて伊茶右衛門と意見を交わし合っていた。
「日本じゃぁさぁ~『4』が『死ぬ』とか『9』が『苦しむ』とか??でも『44』とかなったら『し、合わせ』とかゆぅて幸せになるわけやろぉ??結局はさぁ、考え方次第でど~にでもなんのんちゃん?」
と私が屁理屈をこねくりまわしていると、そもそも『13』てなんで不吉なん?と伊茶右衛門。
「13日の金曜日やんか。シャンシャンシャ~ン…ハ~ンハンハ~ン…きゃぁあああぁああああぁああ~っ!!ジェ~イソ~ン!!!」
効果音まで入れてジェイソンになりきり、伊茶右衛門に向かってチェンソーを振りかぶってみたが、伊茶右衛門はそもそも『13日の金曜日』を観ていなかった。私は13日の金曜日にジェイソンがやって来てバッタバッタと人殺しをするんだ、という映画の内容を教えた。
「え?!映画のんで13日の金曜日が不吉やゆぅてんのん??どんだけ信じてんのっ?!映画ってフィクションやろっ?!」
「ちゃうやろぉ…13って数字が最初から不吉かなんかあって、ほんで13日の金曜日ゆぅたらごっつい不吉な日、ちゅ~のありきで『13日の金曜日』ってホラーを作ろうか、ていう流れちゃうか??」
「そうなん?」
「アメリカ人ちゃうから、ちょっとわからんわ…」
「じゃ、不吉な数字で全部映画作れるやん。」
「作ってるよ。6はダミアン。」
「なに?ダミアン。」
「悪魔の子ダミアン。6よ、6。オーメンって映画。おでこかどっかに『666』て書いてんねん。あれ?手のひらやったかな?いや、おでこやな、おでこ。666は、悪魔の子かなんかの印やから、書いてたら怖いねん。」
「怖いか??おでこに『666』やろ?おもろいやん。フィーバーっ!!」
「いやいや、怖いねんて。そうゆう伊茶右衛門がおもてるようなポップな『666』ちがうもん。ロク…ロク…ロク…ダー…ミアー…ン…。てな感じ。」
「やっぱ、おもろいでソレ。666、ダーミアーン!…やろ?」
「あ、もう、ええわ。これ以上説明しても、おもろくしかならんから。」
ホラーって、映像あってのモノだね~。おもろいダ~ミア~ンが気に入った伊茶右衛門は、オーメンや~ゆぅてんのんにラーメンにしてしまった。

「3…3…3… バ~ミヤ~ンっ!!」

そうだねそうだね、ランチどきを過ぎた3時33分くらいが空いててゆっくり食事出来るかもしんないよね、バーミヤン。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-01-24 22:52 | +in much guy+ | Comments(0)