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ゆらぎ

約6年前この家に越して来てから、我が家の入浴事情は『基本的にシャワーシャワーの一本槍』というスタンスでやってきた。つまり浴槽に湯を張らない。浴槽が「深くて狭い」うえに「追い炊きや保温の機能は一切ない」というバリアメニーなバス環境にあるからして、垢を落とすだけの目的しか持たない風呂場であり、あまり長居をすると古傷が疼いたりなんかする。とても「癒しの空間」とは言い難い。寒さの厳しい冬の季節にだけ致し方なく浴槽に湯を張っているが、驚異的なペースで冷めていくものだからなんとかぬる湯でも「あったまった~」という気分を味わいたいために、入浴剤をこれでもかと入れている。そんな過酷な、バスタイムである。

ほんで最近は「桜の湯」と「ゆず湯・濃縮タイプ」で暖をとっているのだが、浴槽の湯が冷めれば壁の給湯スイッチを操作して75度の熱湯を足す。油断をするとヤケドの恐れがあるが、6年もの長きに渡り熱湯での湯温調節をやっていればこなれてくるもんで、湯の温度を上げるも下げるもピピピピピ~っと指一本よ・かっかっかっ。スイッチ2つしかねぇから。

給湯の湯温調節のスイッチは2つしかないのだけど、風呂場の壁にくっついてる「スイッチ収納ケース」みたいなんをパカっと開けると、ここには計9個のスイッチがついている。うち8個は使いこなすのであるが、ひとつだけ、ただの一度も触ったことのないスイッチが存在する。それが「ゆらぎスイッチ」。
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「なぁ?お風呂のな?『ゆらぎのシャワー』ていうスイッチ、押したことある?」
家族全員に訊いてみたが全員一致でこう答えた。
「ない。」
6年だぞ?6年間シャワーをガンガン使ってきて家族四人の誰一人、ゆらぎのシャワー体験者おらず。
「あんな?あのカパって開けるとこの下にな?ゆらぎ中はゆらぎます、みたいな注意書きがあんねん?どうゆらぐんやろなぁ?」
「今度、シャワー使う時、押してみようか?」
そう名乗り出たのはヘイポー。
「うん、やってみて。」
カパっと開けたとこに説明のある「ゆらぎ設定」を読み、ゆらぎスイッチを押したヘイポーは報告した。
「あんな?ゆらぎ、押したんやけど、温度を設定する、とかあって…それをやらんかったから、いつもと変わらんシャワーやったで?」
「そうか…」
温度を設定しなければ、ゆらがんのか。
つまりは予想こうである。
ゆらぎスイッチを押し、我が家の給湯温度設定37度から75度の範囲で「ゆらいでもいいかなぁ」と思える温度を設定する。
そしたらシャンプーを流す時に、最初40度だったシャワーが39度になったり41度になったりする。
…ゆらがれてもなぁ。その微妙な違いを感知できるかなぁ。43度だったシャワーが37度になれば感じるかなぁ。そしたらアレかなぁ、山奥にキャンプに行って~共同浴場があるからお風呂行ってくるわ~ゆぅて~、うわっ10時までで終わりやてっ!うわっ!15分しかないやんっ!ほんで行ったはええねけど水圧がどーも足りひんとチョロチョロ出るシャワーで~うわっ急に水になったっ!あっうわっあっつっ!!…て、デジャヴー?!…あったな、キャンプでそうゆうこと。家に居ながらにしてキャンプ気分『ゆらぎのシャワー』。宣伝文句は決まったな。
一か八かの湯温フル設定にした場合、シャワーが「ぬるい」から「熱過ぎる」までの温度幅を独断でチョイスしてゆらぎ始めるというサバイバルバスタイムが実現するわけあるが、コンディショナーを流す時に一瞬だけ75度にゆらいでしまったりなんかすりゃぁ、命にかかわる。ゆらぎスイッチ、別名、ガチンコスイッチ。キャッチコピーはちょっと魅惑的につけといたほうがよさそうだな。
熱湯風呂のあのリアクションを 日常で ちょっとだけ
                 今夜ア・ナ・タを… 訴えてやるっ♪

どうだろう、ダチョウ倶楽部が浸透・浸透。
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湯温をゆらがしてみるか、今夜あたり。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-01-28 15:50 | +cool down run+ | Comments(2)  

ヤンキー内職

おばーちゃんが暇そうに座って手売りする「たばこ屋」の窓はスライド式で、おばーちゃんの肩幅より若干広いくらいあればいいとこである。それが「たばこ屋」である。その窓の上の壁に貼り付いている看板には「TABACCO」と表示されている。それが「たばっこ屋」である。自動販売機がタスポ式になった現在、いやに幅の狭いシャッターが下りっぱなしだった「手売りの小窓」は徐々に開放の兆しを見せている。近所のたばこも売ってる酒屋は、顔認証の自動販売機を置いているのにも関わらず「気が向いた日だけ21時過ぎ頃まで開けてますねん~」と言っていた。「成人識別中デス… …成人確認ガ出来マセンデシタ。」となる確率が高いからであろう。私も、5回に2回は人間として認めてもらっていない。2~3回まばたきをすると認証しやすいという裏ワザを実践してもみたが、たぶん認証してくれないのは、背ぇが足りてへんからや思うわ。自動販売機の置いてある位置が微妙に坂になっていて、ミラーの中央に顔がこへんねん。「ステップにお使いください」と書かれた段ボール仕様の台があるけど、そこに乗ってまでして「大人のくせにタッパ足りません」アピールしながら煙草購入したないわ~。自動販売機のまン前、交差点やで~背ぇ低いの気にしてんのにから~。だから背延びのスタミナが切れて認証中にミラー中央から外れてしまうと、たばっこ、買えない。あまりにめんどっちーので、半日くらいしゃ~なしに禁煙めいたことになっている。ここんとこ寒かったのでめんどっちくなって、2日間も禁煙をしてしまった。それを見てみんなが「そんなに我慢出来るんなら、タバコ、やめられんちゃん?」と言うが、これは我慢ではないのである。仕事をしていた4時間半、1本たりとも吸わないのを見てオーナーは「まぅちゃんここにいる間、吸わへんねから、すぐやめられるで。」と太鼓判を押さはったが、それも、我慢しているわけではないのである。落ち付いて吸えへんねやったら帰ってから吸お、買いに行くのめんどっちーから後で買って吸お、そう思って4時間半、後で後で思って半日、二日、過ぎているだけのことなんである。喫煙者が禁煙しようと思って我慢をした瞬間から、たばこって、ものすごい依存性が高くなるもんなんである。私がたばこに求めているのは、たばこの煙をくゆらして~プハープハーと吐き切って~こうして過ぎてゆく~タラリ~ンとした落ち着いたユルいじか~ん…、と言ったトコロか。後で吸お、おもて30年経ちました、それが「禁煙」というものの成功例であるとしか思えない。禁煙に成功した人は「後で吸お」の「後」を現在もなおずっと延び延びにしてるだけなのだ。

そんなヘビーではないスモーカーの私であるが、とくにヤンキーでもないクセに親に似てタバコに手を出すのが、まーまー、しょーしょー、ヤーヤー、早かった。早い話が未成年で付き合い煙草に手を出していた。しかし、学生の私は決して自分で金を払ってまでの煙草中毒にはならなかった。その金が無かったというのが理由のひとつではあるが、何よりも自販機でタバコを買っている姿を目撃されたらまず間違いなく、この身が危ない。片田舎の狭い区域での私の行動は我が父タカボーの射程圏内。どれだけ行動範囲を広げてもタカボーの顔見知りがあっちゃにもこっちゃにも居て「まぅちゃんがドコドコの夜市でナニナニを買い喰いしとった」といった情報ですら筒抜けなんである。試合前やから残って練習しているとこいた大ウソがバレて私は、帰宅直後に鳩尾に一発くらう。門限を5分過ぎたら有無を言わさず平手打ちをかますタカボーである、タバコ購入の事実が発覚してみろ…その日のうちに命は無いものと思え。
長生きをしたい私は、せっせと先輩からタバコ1本乞いをし続けた。そして、せめてものお返しにと私は先輩んちのディスプレイの内職に励む。ヤンキーな先輩のブラインドには必ずといっていいほど当時タバコのパッケージが挟んであって、それを作るのが私の「タバコ1本乞い」の交渉権になっていたのだった。

だからこのタバコパッケージディスプレイを作れるひとは、自動的にヤンキー道に足を踏み入れていたことになろう。どうゆう具合で足を突っ込んでいたのかを追及すれば、99%がヤンキーのヤンキーたるヤンキーだろうけど残りの1%くらいは、私のような物乞いだったかもしんない。

TPD(タバコパッケージディスプレイ)にタバコのパッケージ以外で使用するのはライターのみである。タバコを吸うのに欠かせない道具がライターなのだから、タバコがカラになれば即、着手できる内職である。悪友が集えば集うほど利回りがよい。実にシンプルだけどコツがいる。力加減・熱加減のコツもいるし、手先の器用さも要る地味な作業である。タバコの1本でもなきゃ、やってらんねぇ。
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吸い終わったタバコをまずは分解。一番外側の透明フィルムだけは慎重に破かないよう筒状に。
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筒状のフィルムの幅に合わせて紙パッケージをい~カンジに折ったらフィルムで包み折り込んだりなんかしちゃって、銀紙に挟んでライターであぶり、熱でフィルムを縮ませて真空パックのごとくラミネートしましょう。
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タバコが20本も入っていたとは思えないほど、カサ、減りましたね。

帯は左上のアクセントに。
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これをひとつ作ったら、まぁ今ですとだいたいそうですねぇ…15円相当でしょうか。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-01-05 23:49 | +cool down run+ | Comments(0)  

事件はすぐそばで

12月に行われる個人懇談のため3日間4限授業になる。そうすると、通常15時過ぎるまで授業がみっちり組まれている6年生である習い事一切無しのチョモにとって、アソホの3日間の到来である。遊び放題、略してアソホ。ア?ソンデ?ホンデ?の略ではない。そしてまだ個人懇談が始まっていない本日、早くもチョモはアソホ・イヴを楽しんだようだ。門限を26分も過ぎる。門限とゆぅてもそこは時間で区切っているのではなく、男だし自主性を信じて「暗くなる前」というアバウトな設定にしているのだが、冬場はその門限の注意事項として「薄暗くなってきたから帰ろうか~」と思ったら着く頃には真っ暗やから遅い。とこれまたアバウトな目安を告げている。私側の時間設定を5時とし、それをどのくらい過ぎているかで測ると26分過ぎた本日であるが、これも何分過ぎたからどうというハナシでなく、帰宅したチョモが「遅かったな…」と思っているかいないかで、叱るかハタマタ殴る蹴るの暴行を加えるかが決まる。そのヘンの叱責もアバウトである。もう自分の行動はコントロールできるはずだし互いにクセもわかっているので、「おーかえりぃ…」と言って細い目をより細くしてニラみをきかせるだけで、あ…怒ってる…かなりヤバーイ…、と反省を促すことができるようになった。…ラクになったな、育児。

学校から帰宅するなり遊びに行くと言って出で行ったチョモであるが、その口から聞いた遊び仲間の名前は記憶になかった。時間があるので幅広い人選で充実した3日間をアソホるつもりなのだろう。
事件はすぐそばで起こった。
遊び慣れていないナントカ君と学校で待ち合わせ、一旦帰宅しておやつを持ち出すと「何して遊ぶ?」と目的を早速見失ったらしい。遊び慣れていないため、どんな遊びで楽しめるのかのベースがないとのことである。
「じゃぁ、レンコンちに行ってみる?てなって、レンコン誘いに行ってん。」
「お~久々やな、レンコン。」
クラスが変わってから全く交流がなくなっていたレンコンを誘うと「先にオギに行っといて~」ということでサッカーをするため先にオギに行った。しばらくするとレンコンが自転車でやって来て、こんな行動を取った。
「なんかな~レンコンがグルグル自転車で回ってんねん。あいつ何してんねん?て話してたら、レンコンがおいでおいでって、呼ぶねん。」
呼ばれて2秒でレンコンのそばに到着すると、レンコンが言う。
「な?なんか、ここらへん、変わってない?なんか、気付かへん?」

「ま、僕が持って行ってたおやつがな、開けてあったから、あーレンコン食べたんやろな、ておもててんけどな。食べようとおもて持ってったわけやから、別に何ともおもてへんし、これのことかな~くらいやん?やから、『あぁ、コレ?』てゆぅたら、レンコンがな…」
「今、カラスが持って行ったで?」
えええーーーっ?!と私はびっくりしたのだが、もっとびっくりしたのは被害に遭ったチョモのほう。
「家の屋根の上でな、そのカラスが、袋開けて喰うとんねん、ラングドシャー。」
「ラングドシャー?!え?!ラングドシャー??アレやんな?箱に入ってさらに個包装されてるアレやんな??」
「アレやで??やろ??アレ、箱に入って2個2個の包装までしてんねで??ソレ置いてたん、2秒で行けるくらいのトコやのにやで??箱、開けて、取って行ってやで?僕たち全く気付かんねで??」
「大胆不敵な完全犯罪やな…。ちゅうか…箱、開けたん?」
「きれーに開いとんのやがな…。しかも驚くのがな、アレ4つに分かれてんやん?そのうちの2つが個包装やん?それを奪って行って、それを屋根の上でコツコツコツ~って開けて、喰うて、ほんでゴミ持って帰ったんやで。」
「え…持って帰ったん?ゴミ??」
「くわえて飛んでった。」
「よく出来たカラスやないか…」
ごみステーションに持って行くんかな…明日はアルミ缶の日やけどなぁ。
そのカラス、ラングドシャーを知ってるとしか思えない。確信犯やんか…箱を開けたら2個2個の個包装になってるからくわえてイける…経験上1分も要らんな…味もイける…しかもどっちも燃やせないゴミやから分別もいらん…みたいな。賢いとは聞いていたがソコまでとはな、カラス。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-12-03 00:18 | +cool down run+ | Comments(0)  

ナンDAY

一日というのは実にリズミカルである。体勢で見てみよう。寝てる→座る→立つ→歩く、あ~起きた。立ってる→歩く→座る、あ~メシ喰ぅなコリャコリャ。立ちあがった→歩く→またがる、チャリンコでご出勤。トントントン、と立て続けに立ったり座ったりしてるうちに朝昼晩と過ぎてゆき、最後に座っているトコから歩いて寝転がると、それがご就寝。実に、リズミカル。

そのようなもともとリズミカルな一日であるのに、もっともっとリズミカルな一日が始まるなんてことがある。「なんでぇ??」と思うようなことが立て続けに起こる時ってのは起こることになっているものなのだ。そんな一日のことを「ナンDAY」と世間は呼ぶ。

ナンDAYの幕は朝に開いた。

連休明け、ちょびっとしかしなかった洗濯物が溜まっているのを見、むーちんが出勤する直前、私に言った。
「洗濯もうそろそろやったほうが、えんちゃう?」
「…うん、やったほうがええ、おもう…。」
やったほうがええおもうんと、実際にやるんとではね、温度差あるね。なぜなら、我が家の洗濯機は屋外設置であるため、「洗濯やったほうがええな~」と思うと実際にやろうとする前にはこの季節「あ~寒いからヤだな~」という後ろ向きな考えが起こり「やらんほうが幸せ、私。」という結論が出るわけである。
全自動洗濯機ってサ、もっと進歩しないかな。ドラムなんか斜めになってくれんでええから、洗濯物を自分で取りに来て洗剤入れて勝手に回ってほしい。洗濯が終わったらべつに絡まったままでかまへんからカゴに入って居間まで歩いて来んかえ?ナショナルあたり、どう?ナショナルパナソニック超全自動洗濯機!電源を、入れる前から全自動。超全自動ならナショナル!電源が、切れた後まで全自動。コピーはもう出来てんねけど、どうすか?「洗濯機」という分類でイくかどうかは、ナショナル次第。♪見事~自立~な~んでも~ナショ~ナ~ル~♪超全自動洗濯機の商品名は「オカン」やね。オカンなみに全部やっちゃうもんね。洗濯終了の合図は音じゃなくて音声でお知らせ『アンタはやれば出来る子ぉやでぇ~!』…洗濯ト説教ガ終ワリマシタ。

めんどっちーなぁ~なんてなことを考えながら「ふん…」と、するともしないともつかない返事で濁しているとむーちんが、ガラガラガラと玄関を開けて言う。
「…まぅう??なんか…洗濯機に…ごっつい量の髪の毛が降りかかってんねけどぉ?アレ…200本はあるなぁ。」
「…えぇー…なんでぇー…??」
「いや、知らん。ほな、行ってきま。」
洗濯機を見てみると、200本ではキかん量の5センチ程度の髪の毛が、洗濯機のフタ一面に生えていた。ぅうさびぃ…という体感温度の寒風吹きすさぶ中、その風に飛ばされることもなくまんべんなく積もる髪。白銀の世界ちゃうで、漆黒の世界。ウチとこの洗濯機の上で散髪したとしか思えない散らかりよう。
「な…なんでぇ…?」
ただそれだけを呟いて私はフタの髪の毛を雑巾で払い落しフタ、オープン。そこには、長い一本の髪の毛が入っていた。我が家4名みな短髪…更に、なんでぇ?

洗濯が終わり化粧が終わり、仕入れの指示を受けて2分早めにチャリンコ走らせて3分。造園屋さんをちょいと過ぎたあたりの民家の前におばちゃん。車道を隔てて向い側の歩道におばちゃん。おふたり、世間話に花を咲かせてはる~ぅ。なんでぇ??なんで、車道を挟んでいるのだろう、なんだろうその距離間。車2台がちょいギリの感じで擦れ違う幅の車道なので、そないに隔たり感はナイ。されど世間話に花が咲いたついでにと佐々木さんトコのダンナさん(重役)の話題で盛り上がるにはちょいとアケスケ、そんな距離。話しは、止まない。私は、この車道上にまさに居る、チャリンコに乗って。そして、向かい合いハナシの尽きないおばちゃん二人の仲を裂くように、突っ切った。
ハナシが…止まない。
なんでぇ??
あれ?続いちゃうんや…会話。
アレかな~私~今日はトクベツ~透明度が高かったかな~もしかして。

「今日なぁ~2時から完全にひとりやってんな~パパさん会議で~ママさん買い物で~ユンちゃんたちは2時までで~お客さんひとっこひとりいなくてな~ほんまに完全にひとりやな~おもてやぁ~補充もないしな~しゃ~ないからホールの掃除しててんやん~」
そんな今日のナンDAY報告をしながら、折りたたみ自転車後輪に取り付けたステップにヘイポーを立たせ、私は20分少々の道のりをニケツで目的地に向かっていた。
「大掃除みたくやっちゃってな~お客さんおらんしもうその時間ってお客さんこへんしな。テーブルの下にもぐってガラス磨いてたんやんか~そしたらな~なんかな…足音が聞こえたような聞こえんような…とおもてこう…振り返ったら、お客さんやねん。私に気づいてはらへんねん。『ぁああぁあああ!!すいませんすいません、はいはいはい、はい、お食事です??お訊きしますね待ってください、はい訊きましょう訊きます。』ゆぅて慌てたわ~訊きましょう、ゆぅたはええけど手ぇ泡だらけに雑巾持ってるわバケツ持ってるわ新聞広げてるしスポンジ散乱やねん。そんな私が店番ひとりやねんで?ど~考えたって「訊けるとは思えん」みたいな感じやのにな、お客さんが『いや、大丈夫ですよ。』言やはってんでぇ??なんでぇ???いやいやソレ、どっちかゆぅて私のセリフちゃう??大丈夫ですよ、訊けますよ、作れますよ、すぐやりますよ、ちゅうなぁ…。大丈夫ですよ~ゆぅて時間稼いどく、てゆぅな。お客さんは何が大丈夫やったんやろ…私が慌ててアタフタしとるから落ち着かせようか~ゆぅて「ダイジョーブ・ダイジョーブ」とか??」
「あ~…そうやな。いいですよ~大丈夫ですからゆっくりしてください~てゆいたかったんちゃう?」
「…そうかなぁ…ウチのお客さんってな、時間がキッチリしてるからな。1分1秒を急くお客さんばっかやのに『ゆっくりどうぞ』の意味はナイ思うわ~」
それで、そのお客さんの頼んだメニューが私がひとりで作るにはちょっと時間のかかるメニューであった。本来のシェフである手慣れたオーナーが作ってもウチのメニューの中で一番時間がかかるメニューというメニュー。一瞬迷ったけど、もう十分第一印象が悪いであろうことはわかっていたので、いつもなら「すいませーん、今メインシェフが居ないものですから…。パン中心のメニューですと私、作れますんで、責任を持って愛情込め作りあげますっ!ダメすか、パン…?」と私の担当分野でプッシュするトコロを、このお客さんの第一希望を二つ返事でやり遂げる所存。…うーん…いやレシピ自体は頭に入っているのだが、なんしか連携作業で私の携わらない揚げ物の分野であるため手際がごっつい悪い。フライヤーの火を落とし、ご飯の保温を切り、ガスの元栓を閉め、全てが一時休止である我が喫茶店の午後の時間。さぁてと、時間のかかるものから手掛けて~同時進行2動作ずつの~タイミング時間差やな~とおさらいしながら、とりあえずトレイを一枚出すだけ出したら「あとは頼むな、まぅちゃん。今日、買い物がたくさんあってなぁ…ごめんやけど、よろしくな~」と出て言かはった大量の買い物をするはずのオーナーが予想を上回る早さで帰って来られた。じゃぁよろしく~ゆぅてそのまま顔を見ないままオーナーのご主人だけが戻り私が帰る時間になる、という流れになる時が多いのに、「行って、帰って来た」くらいの印象。行くまでと帰って来るの往復しただけの時間経過しかないように思うが、たくさん…買い物出来たのだろうか…こんなに早く…なんでぇ??
「あー…?お、おかえりなさい…?」
「はい、ただいま。」
「トンカツ…です?」
「はい、わかりました。」
あ…ちょっと戻った…てわけじゃないみたい…。作らはんねや…オーナー。手際よくオーナーがトンカツライスを作って万事オーケーなんであるが、やはり今日はナンDAY。
「た~くさん買い物あんね~んごめんな~頼むわ~、ゆわれたらや~…。普通に『買い物行ってくるわ~』とかの時でも私が帰る10分前とかそんな留守やで?1時間とかや~軽くかかる~って思うや~ん?それが30分…いや20分…そんなもんやで??そら、ひとりなんやな~っておもてた私にしたら、なんでぇ??て思うで。それなりの覚悟を持ってのひとりぼっちやねんからな、私はな。いや、そらソワソワしてるような行動はしひんで?しひんと隠してるけど内心はドギマギしとるわけや…こちとら小心者やねんから、な?」
そうヘイポーに「必死孤独の覚悟」がいかにして崩されたかを語っていたら、向かいからやって来たバイクに乗ったおまわりぴんに、声を掛けられた。ようだ。
「はーい、はいはいはい、止まってー、止まってねー。ソコの自転車の二人、止まって。はい、止まってねー。」
私は無視をしたわけではないのだが、おまわりぴんの口調が小さい子供に言う口調であったので、私たち親子のことではないと決めてかかっていた。しかしおまわりぴんはUターンして私たち親子の二人乗りを幅寄せして来て、言った。
「はーい、はいはい、止まってねー。」
「えっ?!私たち?!」
「はーい、自転車の二人乗りは危ないからね、アカンよ。」
「二人乗りゆぅたかて、親子やで??いっくらでも親が子ぉ乗せて自転車乗ってますやん。」
小心者の私が言うとおまわりぴんはちょっとためらいながらこう言った。
「自転車の後ろに乗せとるんはな…小学校あがる前の子供のコトやねんけども…」
しかし小心者の私はこのおまわりぴんの応対に「チビやから子供同士のニケツやおもてはったなっ失敬なっ」という感情を抱く。ぁあ、ええですよぉ、若く見てもぅてコリャ嬉しい限りですわいなぁ、就学してますけんどもぉ、ウチの子ぉは練習しても練習しても発達遅滞から運動能力は大幅に遅れをとっていてうまいことバランスがとれませんねや、そんな危ない運転技術で自転車乗らすほうが危ないんですわ、これが一番の安全な形やのにこの親子の安全にストップかけて、おまわりぴん市民の安全をどのようにお考えですか~、この親子から交通手段を奪いますか~。と、まぁソコまで言うのは小心者の私には出来ないので、こう言う。
「あ、そうすか。就学前の子供なん、アレって。そら小学生やでこのコ。でもこのコ自転車乗られへんのんに、どうしたらええの?ダイキまでまだまだ距離あんのんに、歩いていかなアカンの?明るいウチには着かへんで?自転車しかないのに、どうしたらええの?」
なぁ、どうしたらええの、おまわりぴん。自転車乗れない小学生の親は、徒歩しかアカンのか。近所で買い物済まさなアカンのか。自転車でダイキに行けたら洗剤が100円安いねんけどなぁ。交通費ゼロで100円、安いねんけど、どうしたらええの?やっぱ節約とかエコとかしようおもたらなんか目をつむらなアカンとこ、出てくるで~。そんな訴えを胸に、どうしたらええの?と言うとおまわりぴんは私のどうしたらええかには答えずにこう言う。
「この自転車は…防犯登録、してはらへんね?」
「してない、してない。だってこの自転車、粗品やもん。」
「粗品?」
「車買ってきたら、ついてきた自転車やねんもん。ほら、ここにマーチが。な?これマーチのイラストやで。マーチって車を買ったらついてきた折りたたみ自転車やから。折りたたみやから荷台もないねん。やからステップつけて乗るしかないやん。自転車、盗られたからもうこの自転車しか持ってナイねん。」
防犯登録してた盗まれた自転車、探してくれてはんの?3年くらいみつからないけど?といった圧力も、ちょっとだけ言葉に含ませてみたで、小心者やから遠回しに。
「そうか…車…買ったらついてくるんか…そうゆうのがあんねんなぁ…」
「そうやで。車のオマケやねん。」
ま、その車はヒーさんちの親戚の人が買ったんやけどね。ま、ベンツこーたらマンションついてきたよなモンちゃいますか~ナイやろけど。
「そんで、私たちはどうしたら、ええの?」
小心者、再びトライ。だって幅寄せしてまで止めたからには、私たちがどうすべきかまでちゃんと指導を入れてくんないと。市民としてルールを守り協力も惜しまんのでね。だって私は親だから、我が子が自転車に乗れなきゃ、自分の乗る自転車に乗せるで。ひとりで留守番、さすほうが心配や。
「…ほなら…気を付けて乗ってや?」
「いいの?乗っても??」
「…う…うん…仕方ないなぁ…でも、危ないから気を付けてな?」
「は~い♪気を付けて二人乗りしま~す♪」
なぁ~んDAY、いいんじゃんけ。

ダイキでの買い物も終わり、帰りにスーパーに寄る。そこで、夕食の材料を買い、その中にゴボウ。ゴボウとか白ネギとかってなが~いから、すんごく不安定。私のチャリンコのカゴから3分の2は出る。ゴボウって、シナるよね。もう暗くなっているので土のついたゴボウが、カゴから出ているのがわかりにくい。そのゴボウが、すれ違った少年を「たたっ切ってくれるわ~!」てなカンジで叩き切った。
「あ…ごめん…」
と言ったけれど、少年は何も気がついていなかった。
なんでぇ??結構、バシっとイったのに。
その後も、前を歩く3名の高校生くらいの左端の少年1名にゴボウがヒット。
「あ…ごめんごめん…」
しかし叩き切られた少年、またも気付かず。なんでぇ??これが日本刀だったら致命傷なくらい切りつけてんのに。
なんでだろう。ゴボウのシナりがうまく痛みを和らげる作用でも発揮しているのだろうか。ゴボウが見えない薄暗さと、先細ゴボウのシナりで、Wブロック!!少年たちよ、君たちには確実にゴボウが当たったぞなもし、ゴボウでたたっ切ったのは拙者でござる、面目ない。

帰宅後、買い忘れていた食材を買いに一番近いスーパーまでチャリンコを走らせる。
毎日のように行っているそのスーパーで、一度もそんなことないのにどうゆうわけか、自動ドアがゆーーーーーーーーくり開く。入って来た時は普通に開いたのに、帰る時にジッワジワ。手でこじ開けたほうが早い。ミリ単位で、開く。な、なんでぇ??いつまでも出られない。入って来るひとも、出ようとしている私も、自動ドア待ちの立ち往生。頑張れ、自動ドア。力尽きるな、自動ドア。馬力ねぇなぁ…自動ドア。おつかれやな…。

少しだけ空いている自動ドアを、手でこじ開けていいもんかどうかを迷いつつ、入りたいであろう見知らぬひとと出たい私は首をかしげる。…待つか。それが言葉を交わすこともなく互いに出した答えであった。
なんとか力を振り絞って開き切った自動ドアは、そのまま閉じる気配を見せなかったが、私のナンDAYはその自動ドアを最後に完全に閉じた。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-11-30 02:02 | +cool down run+ | Comments(4)  

完全犯罪

ここにある青年の完全犯罪をご紹介しよう。

彼の名前はわからない。

だっておとつい、はぢめておーたから。

もうゆっとくで~夢のハナシやで~夢の中での彼の完全犯罪に被害者である私はこうタイトルを付ける。

『弱腰ストーカー誘導軟禁事件~自主的にやっていただけますか~』

茶利なタイトルつけてみたが私は気分的に5時間はうなされたね。なんせ、完全犯罪やからね、極めて悪質やねんいろんな意味で。

まず私はストーカー被害に遭っている。ずっと青年にツけられているのだ。それがツけられているとバレバレな感じでツけられているので『ツけられているなんて露知らずまァなんてことコワイ・コワイ』というフリをするのが大変だ。しかし青年は自分の存在を無にしていることによっぽどの自信があるようで、己の何の隠れもしない行動が全く女(私)にゃバレてぇへんでケッケッケというふうに振舞うものだから、私はこの青年のどこから来るんかわからんその自信を折るなんてことしちゃヒトとして終わってる~という気持ちになってしまう。しかし青年は、後ろでカンコロカンカンカ~ンと空き缶にけつまづいたり、路地から出てきた素早いネコに泣き叫んで驚いたりして、派手なことこの上ない。三日と経たないうちに気の長い私も『われはホンマええかげんにさらせよ』という苛立ちから、ずっと振り向かないでいた後ろを振り返ってしまった。するとそこには、老け顔ではあるが年齢二十三、四あたりの青年が『なぜにこちらを向いたのですか?』という無垢な眼差しで立っているのであった。彼はストーカーとしての基礎を積んでいないばかりか、実社会生活経験皆無コンビニでバイトをしたこともござぁせん、といった『揉まれていない感』が爪の先にまでしみこんでいる男であった。原石です、いかようにも加工してたもれ。彼の売り出し文句はあっけなく決まった。青年はとても腰が低く、出来ればでいいのでアナタを軟禁すればいいですよね?という何が言いたいやらわからん言い方で軟禁する旨の内容だろうという解釈を私にさせて、私を誘った。…の、だろう。どえらいモンにとっつかまってしまった…と私が肩を落としていると青年は、2分とか3分からとかで…と言い、彼の設定した『初回限定コース』をすすめているらしい。無料お試しキャンペーンからはじめんかいっと言うことも出来たであろうが、夢の中の私は実際の私よりもトシを喰っているらしかった。はいはいはい、2分でええのんか?おばちゃん2分軟禁されたらええねな?わかったで、ほな、行こかー。アンタ、しっかりしぃや?どっち行くかわかるんか?右かえ?左かえ?と、すっかり青年の頼りなさが心配になって自主的に軟禁されに行くのであった。

着いた場所にはプレハブみたいな小屋みたいな建物がポツンとあってクタビレた暖簾がかけてある、というより垂れている。ガラガラと引き戸を開け『大将~がんも~っ!』と言いながらでも入っていける感じである。大将は、おそらく2ヶ月前から仕込んであるがんもをよそってくれるであろう。この建物は青年が軟禁のために手作りでこさえた癒しの空間で、軟禁荘って言うんだって。青年よ、突っ込みドコロがたーんとあるな。おばちゃん、あえて突っ込まないケド。トシ喰った私は、いちいち青年に訊いた。どこに座ればいいのか、どうしていればいいのか、何をしてはいけないのか、ところでこの部屋アンタの趣味?ピンクなんだけどー。

かわいらしいモケモケのピンクのイスに座っているように命じられた私は、じっと座っていた。おばちゃん、持病の腰痛が悪化。同じ姿勢が腰痛持ちにはこたえるので、何の許可もとらずに足を組むと彼はシクシクと泣く。なんやーどうしたんやーおばちゃんに気持ちをゆぅてごらーん。聞けば、私の左ふくらはぎが右太ももに乗っているのが彼を泣かせている理由らしい。まさか軟禁したおばちゃんが足を組むという反抗的な態度を取るなんて…反抗心が芽生えるほど窮屈な思いをさせるつもりはなかったんです…という内容のことを、巧みな暗号で言語化した。何ゆぅとんのか、わからんのんじゃ、青年よ。私はずっと喉が渇いていたのだけれど、ヘタなことゆぅたら仕事が増えるということを短時間で学んだので、言わなかった。すると、喉も乾いてますよねおなかも空いているでしょう、ということで、青年がけったいな食べ物を作ってくれた。軟禁食て、ゆぅねて。病院食、みたいなイメージしか持てない軟禁食は、病院食とは違い、種類が、な・なんと!ひとつ!病院食よりクレイジー。青年が、コネコネやってまぁるい、赤とピンクの中間のおいろの、マルチビタミンとその他必要な栄養素が1個で摂れる食事を、一気に何個も作ってくれる。コレ、水分もちゃぁんと入ってるから、飲み物もいらないんだって。携帯に便利だよ、出歩けないけど。私はこれを軟禁団子と命名する。10や20は作ってくれたので、だいぶ自主的に軟禁可能やね。一日に3個ないし2個を摂取する軟禁団子の味は、悪くはないがかなり濃い。やっぱり水が欲しい。水が欲しい理由がもうひとつあって、この軟禁団子の食感が、大目にみてもヘンである。噛んだらボソボソに砕けるのであるが、その砕ける大きさが飲み込むには大き過ぎるのである。ボソボソに砕けたあとはどれだけ噛んでも砕けないという団子粉が使用されている模様である。青年よ、その配合力を生かして別の道へ進め。飲み込むタイミングが見当たらない軟禁団子を流し込む水を、ミズをくれ。でも、言えばいらん仕事が増えそうやから、言わない。私はこうして自主的に、軟禁期間を延ばした。最後の軟禁団子が無くなる頃、青年は新しい軟禁食を作ってくれた。それは、大量の黄色い軟禁団子だった。味、変えたらしいよ。青年よ、気を遣うな。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-10-28 22:02 | +cool down run+ | Comments(0)  

たのすぃ…リキ

私は心底楽しい思いをしている時に、とくに意識はしていないが吐息に音を乗せたくらいの音量で口から「たのすぃ…」と呟いている。自覚はあるけど、意識して言おうとしているということではない。がしかし、今は言ったあとでかなり意識をして周りを観察している。スポーツなんかをしていてアクティブに「たっのしぃ~♪」と言ったりなんかした時の周りの反応とは、明らかに違いがあるからである。

「たのすぃ…」
そう呟くと、それが聞こえた人間は「はっ」として私を見るという反応を見せる。怖いもの見たさだろうか。自分がやっていることの手を止めてでも、こっち、見る。私が呟いたことを見逃した人間に至っては「どいつが呟いたんだ…?」としばし探しているご様子。たのすぃ…のは、私・ワタシ・あたいだよぉ。
何故だろう。何故ひとは、この低音の微かな「たのすぃ…」にこういった反応を見せるのだろうか。私がこの「たのすぃ…」を口にする時はたいてい、派手に楽しんでいることはない。見た目にはすごく地味に楽しんでいる。

ランニングコースとして整備されたコースの途中に噴水が上がっている池があり、風向きと風力によってはその飛沫が、車道を通り越してなお遠い場所に位置する歩道にまで飛ばされて来ることがある。最初私は雨が降ってきたのだと思っていたのだが、いつもいつもこの場所で「あ、雨?」と思うなんておかしかないか?と気付き、それが噴水のおこぼれであることを知った。それなので、今度この道を通る時には、ランニングコース側の道を行き、かかる飛沫の量の違いがどれほどあるものかを確かめてみようと思っていた。行きにそのことを忘れていつも通りの歩道を行ってしまったので、帰りにはランニングコース側を帰って来ようと決めていた。行き、微量ではあるがやはり飛沫は歩道まで飛ばされてきていた。ミストサウナくらいの粒で。帰りにランニングコースを通ると、その粒は比較にならないくらいに大粒であった。一車線の車道分、近づいただけなのにボットボットと降り注ぐ噴水のおこぼれ。風向きだろうか、風力だろうか、行きと何が違ってこのような結果に。私は思わずその場で止まって噴水を浴びてみた。いやぁ…なんかボトボト落ちてくる。おこぼれと言えるレベルでない。しかし、やっぱり風の影響を受けたおこぼれであるようで、風が弱まると飛沫は届かない。風が強まるとおこぼれが届く。風に寄生されてるみたい…表現が悪いけど。
「たのすぃ…」
そう言ったワタシを、老人とおにぃちゃんとおばちゃんらが「パッ」と見た。老人は木陰のベンチに座っていて、おにぃちゃんはランニング中で、自転車で並進しながらおばちゃん二人が四方山話で盛り上がっていた。老人は噴水の方をホヤ~と向いていたけれどクィっとこっち見た。おにぃちゃんはランニングこそやめなかったけれど、もう私が立ち止まっている場所を走り去っているというのに、振り返ってこっち見た。おばちゃんらはバッチリ丁度、私の横を通り過ぎる瞬間だったので、話をやめて私を見た。見ている間はあんなにそ~やんそ~やん!と盛り上がりまくっていた話はウソのように止んでいた。
すごいじゃないか、「たのすぃ…」の力。タラ~とした老人、走っている青年、盛り上がっているおばちゃん二人、計4名の意識を惹きつけた。しかも呟き程度の音量4文字で。

これ…なにかに活用とか応用とか、出来ないもんかね。
例えばサ。
ものすんごい、パニックになっている群衆がいるような場面で「落ち着いてくださーいっ!」て言ったってその場を落ち着かせるのには、時間かかるかもしんない。
そんな時が『たのすぃ…力(リキ)』の出番だね。この一言で、シーンと静まり返る期待は大きいと考える。

ただ問題があって、発言後を観察してみた結果わかったことなんだけど、心底楽しんでココロの奥に楽しくてしゃ~ない想いがフツフツと湧き、その内なる声をこらえきれずにちょこっと出ちゃった時の「たのすぃ…」が、関係ないひとたちの手を次々と止めちゃってんだよね。傍若無人になりふりかまわず没頭して楽しみに浸って我に返る寸前に出た「たのすぃ…」が、他人様を絶句さしちゃってる。
群衆が落ち着きを取り戻せないほどパニックに陥って静かに出来ていない時に、そのように楽しい感情が漏れるような楽しい気分に浸れるひとなんてひとりもいやしねぇよ、てそんなことを考えているこの無駄な時間がたのすぃ…。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-09-01 23:52 | +cool down run+ | Comments(0)  

ベトナム方式

ずっと前にTVで観て驚いたことがあって、それはベトナムか中国か(それか他の国か)で街中を自転車かカブか(スクーターかもしれない)がいっぱい走っていて、その荷台に冷蔵庫かタンスか(要は積んでいる荷物がタテに長い)が乗っていて、その冷蔵庫もしくはタンスはテキトーに括りつけてあって運転しているおっちゃんがタテに長い荷物に手を添えている、という映像であった。映像のほうがいまいち記憶には残っていないが、
「イけんのっ?!」
と思った感想だけがキョーレツに残るショーゲキ映像であった。
たぶん、道も舗装とかされてなくて砂埃はあがるわ起伏は激しいわの悪条件が揃っていたように記憶する。

イッサンとヘイポーが車に乗って長時間の温泉へと出掛けてしまった日、私はずっと買おう買おうと思っていた壁掛け扇風機を、チョモを誘って買いに行くことにした。ヤツならイける…そんな気がしたのだ。
「なぁチョモ。壁に取り付ける扇風機を買ってな?チョモのチャリキの荷台に括りつけて、家まで持って帰れると思うんやけど、どう?」
「イけるな。」
「やんな?こう…グラグラとしたら、手なんか添えちゃってさ。ベトナム方式で。」
「デき~る。」
「行こ。」
だったら、コーナン!だったらコーナンだったらコーナン♪コーナンだったらコーナンだ~♪エンドレスなコーナンソングを口ずさみ、私たちはベトナム買いをしに、行ったんだったらコーナンだ、コーナン着いたら買ったんだ。

壁掛け扇風機の見本を触りながら、音をチェック。前に安い安い扇風機を買いあまりの音のうるささに電源を入れられないという失敗をした私は、何よりも音を重視。壁に取り付けるからリモコンがあると便利だね~ということで、ヒモを引っ張るタイプでなくてリモコンをピとやるタイプに決定。そうこうしていたら、扇風機コーナーに一組の初老の夫婦がやって来て、男性のほうがこう言った。
「あ~トイレに扇風機欲しいなぁ…。…扇風機、やっすいなぁ~…。」
…安いんだ…平均4000円だけど。私、去年も壁掛けの扇風機があるといいなぁ、とおもたけど残暑の時期やったから買うのやめたぁゆぅねん。4000円ぽっちなら即決で買えんねなぁ…おっちゃん。私、今年買うつもりやのにそれでも一週間、考えたぁゆぅねん。

チョモのチャリキの荷台にベトナム設置を施行。出発したらソッコーで私はチョモに話しかけた。
「チョモぉ~、この扇風機のトコロに来たおっちゃんがやぁ…」
「ぁあ。どんだけトイレ広いねんっておもたよな?」
「あ、そっち?どんだけトイレに長居すんねんっ、ておもてもた。」
「どっちもちゃう??」
…どっちもか…わかる…わかるなぁ…好条件が揃ってるもんなぁ、トイレ。閉ざされた世界、浸れる世界、入っている間中ジャマ者あらわれず。これに扇風機が加わってごらんよ、もうトイレから出ねぇ。…迷惑だな。

「なぁなぁ?どんなカンジ?」
私はチョモにベトナム運搬の手応えを問うた。
「まぁ…乗りにくいで?」
「グラグラする?」
「しひん。」
「な、ちょっとアッコでちょっとだけ交代してや。乗ってみたい。」
「無理やおもうで…サドルも低いし…」
「ちょっとだけ、ちょっとだけ。」
コーナンを出て突き当たりのスーパーまでチョモに運搬を任せ、人通り少な目のスーパーの前から私と交代。
「うっわ、乗りにくっ!」
そうだなぁ…どんなカンジってゆぅたら、木製ベンチの背もたれが直角ってカンジ。ちょっとはリクライニングしたらどないや、てカンジ。
そのまま数メートルは直角ベンチ自転車を走らせたが、坂道の手前で運送業を営んで35年のチョモ取締役と、交代。
「あ。ちょっとちょっと、待って。私、後ろからついてくから、待って。」
と待たせて、密かにケータイを出す。

「なぁなぁ、やってやって、ベトナム。」
「ベトナム?」
「ほら、手を添える、アレ。」
「あー…別に手ぇ添えんでも…グラグラしてないっちゅ~ねん…」
「やってよ。アンタ、今日ベトナムやらんかったら、もう一生ベトナムやる機会なんてナイかもしらんで。」
「…言われてみれば…」
チョロイな、チョモ。
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下り坂を降りる時は、さすがにベトナムを繰り出せない。
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「ベトナムは?」
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でも坂を降り切ると、ベトナムを繰り出せる。
チョモ、ベトナムデビュー。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-07-16 22:38 | +cool down run+ | Comments(2)  

時効

昨夜、5時間超えの温泉から帰宅したイッサンがただいまも言わずTVの電源をつけて、子供2人「徹夜ゲームいぇいいぇい」を楽しむためおじーちゃんちへと行ってしまって自宅にひとり取り残された私にこう言った。
「始まったで、宮崎篇。」
「へ?ナニが??」
ぱぱ~ぱ~んパパ・パ~ン♪野に咲く・花のよぉ~に~
裸の大将、なんだな。

宮崎で生まれ宮崎県内を転々とあっちこっちへ移動した私に、宮崎やで、と教えてくれたらしい。これがあると教えるため、5時間ぽっちで温泉切り上げてきたのだろうか…。…あいすまないことで…。
実は私、イッサンが思うほど「宮崎」に対して「地元意識」というものがないのである。理由は転々としたからである。ずーっと同じ所に留まっていなかったので、ドコを「実家」と言うのか今でも見当がつかないのだ。実父であるタカボーの住んでいる今の家のことを、一応「実家」とは言っているが、その家に私が住んでいたという事実はないし、タカボーとコケさんが熟年離婚をしたので、コケさんが独りで暮らす家もまた、住んだことはないけど「実家」っちゃー「実家」。ソコらへんとっても複雑で、いろ~んなヒトといろ~んな家で過ごしているもんだから、「実家に帰る」となると、5ヶ所ばかし回らなければならない。…一体、私の「実家」って、ドコ?とりあえず、帰れば行く「実家」5つ、タカボーの家から始めたとして総所要時間は時速80キロで飛ばしての最短で240分かな、途中で徐行しないといけないとこ、あるしね。…まだよかったな…みんな県内に居てくれて。しかし「宮崎県」ゆぅたかて行ってないとこはホンマに知らんし、かといってドコなら知ってるってゆうほどじっとしてないし、じゃぁ何も知らんかゆぅたら、宮崎県全域の微妙な方言の違いがわかる、とゆうかなりディープな地元人っぷり、転校生のなせる技。しかし「私の地元」が…わからない。兵庫・大阪はとっても「宮崎・鹿児島出身者」の多い県である。なぜなら、働くのが目的の宮崎人は「商人のマチ大阪」へ行き、阪神営業所付近に定住するからである。だから「国はドコや?」と訊かれ「宮崎です」と答えると「お~ワシも宮崎や~。宮崎のドコや?」と必ず詳細を問われる。その時なのである、私が一番迷うのは。日向・小林・都城・東郷・市内、ドコも地元でドコも地元じゃぁない短期間の居住年数。もう生涯、引っ越しが癖なのである。今のところひとつの場所に暮らした年数で言えば、ココ伊丹市の「6年目」が最高。だから私は言う。
「んー…そうー…ですねぇ…父の地元が日向…に、なるん…ですけども…」
なぜ、父を出す。
その父も、東京や大阪やと転々とした上で、戸籍上の日向人である。
ぼ、ぼ、ぼ、ボクらは、よ、よく、わからないん、だなぁー。

「裸の大将?…あぁ…ツカっちゃんになったやつね~…」
と私が聞きかじりの噂を口にすると、
「えええーーー?!芦屋雁之助ちゃうんかーーーーなんやーーー…」
とイッサンは反応した。私よりもずっとTVや新聞を読むイッサン…私でさえ芦屋雁之助が亡くなりドランクドラゴンのツカっちゃんが裸の大将やるらしい、という情報を小耳に挟んでいるというのに。…でも、やっぱ私も芦屋雁之助のほうが…しっくりくるんだな。
普段理由なしにTVを観ない私は「これ観る?」とイッサンに訊かれ、「いいえ、とくには。」と言うのも郷土愛がなさすぎるかと思い、そのまま観ることにした。いやいやいや、別に宮崎を愛していないとか、興味がないとか、そうゆうことでなくてね。いやいや、あるのあるのよ、郷土愛。がしかし私だけではないと思うが、宮崎の人間は、自虐的に宮崎を愛でる傾向にあるのだ。それが日常会話の端々に出てしまうほど、自虐が板についているのである。

兵庫県在住宮崎出身者の私と、宮崎県在住宮崎県民の友人の会話。

「…んで~そのパスがあると3人までは入れるわけ。そうゆう業者の店なんだけど一般人もパスだけあれば入れるっつー「卸しの店」みたいな、感じ。そうゆうトコ、ある?宮崎?」
「ちょっとーバカにしなんなー。宮崎やかいね言っちょっけん。あるわけねぇじゃろー?ナイばい?」
(標準語訳「ちょいとバカにしないでおくれサ、言っておくがな宮崎だぞ?あるわけがない。ナイに決まってる。」)

兵庫県在住宮崎出身者の私と、宮崎県内から出る兆候のない弟ターの会話。

「…やっぱよ~、宮崎に帰るとなると車ごと帰らなアカンわけやん?いろいろ回るわけやし?飛行機ならさぁ…1時間で着くわけよぉ…でも迎えには来てくれんわな?…滞在中の移動もあるしなぁ…レンタカー借りるとなれば高いしねぇ?」
「…んーじゃねぇ…まぁ…なんつーの?宮崎全体、公共の交通麻痺?しかも、一生。」
(感情語訳「そうだね、車で帰って来ないと何しに帰ってきとんねん、ちゅ~ハナシだよね?電車とかバスとかね、JRと宮交オンリーだよね?1時間1本2本って世界だからね、これで飛行機で帰って来るなんぞ言うた日にゃぁ、アンタ、どこまで迷惑かける気やねんっ!て、軽~く蹴り、入るよね??車は必需品だよね??ぅあ??」)

イモガラボクトが、優しくて頼りのない男の人柄を表すのは、宮崎の環境が作り上げたと言っても過言ではないだろう。「ナイからしょうがな~い」という諦めの境地から、宮崎のイモガラボクトは寛大な心を得るのである。

観ていた『裸の大将』宮崎ダイジェスト。こんなハイペースでいいのかと心配になるほどのダイジェスト版であった。宮崎内を転々とした私は、「こんなトコロではにわ持って来て、後々、大丈夫?サボテン園、もうないから使えへんやろ??モアイで凌ぐのか??シャンシャン馬出したらアカーーーーン!!そしたら流れで運玉までいってまうやーーーん!!もうナイで、もう宮崎の名所はナイで。裸の大将で紹介出来る名所は、出尽くしてんでっ!」とハラハラドキドキの2時間。ダレヤミ出てきたらどうしよう…収拾つかん…との不安ばかりがつのった。もうソレしか残ってないという核心に満ちていた。ダレヤミ…さほど疲れてるわけでもないのに「疲れを癒す」という大義名分で飲んだくれるダレヤミ…朝っぱらから飲んでんジャンよぉ~九州男児よぉ~てげてげにしぃよぉ~…。
使われている宮崎の方言は、いたって標準語。ネイティブな方言だとセリフの意味がわからなくなるのだろうか。宮崎弁のヒヤリングが出来る私には「懐かしい」と思える方言は一回しか出てこなかった。梅宮のダンナがクライマックスで言ったセリフ「病気じゃったとよ…」のみ。イントネーションも90%おーてた。登場人物の中で正しいイントネーションをこなしていたのは梅宮氏。しかしその梅宮氏のセリフもふんだんに標準語がトッピングされていた。
言葉は生モノと言うが、今、宮崎の方言はあのようになっているのだろうか…。私には標準語に聞こえた…。
ターよ、諸県弁の方言指導にアンタ行っきゃんよ~祖父母呼ぶときゃ~「じさーん!」「ばさーん!」やじ。

後半、観光名所も出尽くした宮崎ダイジェストは、とうとう民謡までもってきた。

♪貰ろた貰ろたよ芋茎木刀
日向カボチャのよか嫁ジョ
ジャガジャガマコッチエレコッチャ♪


…ワタシ、密かに…時間余ったら「ばんば踊り」もってきんしゃい、と願いマシタ…。
…時間、余りませんデシタ…。
…残念。

「ばんば踊り」とは中学校くらいから自動的に導入される、体育祭でのご当地盆踊り。本格的に足運びまで習って踊るのは中学生になってからであるが、宮崎出身者なら老若男女問わず、雰囲気で踊れる。足を出したり引っ込めたりするだけで、なんとなく「ばんば」。ハッスル・ハッスル~!的な動きを挟めば、なんとなく「ばんば」。一歩足打法のポーズで拍手2回打てば、「ばんば」。とにかくそれの繰り返しが「ばんば」。

鐘が鳴る鳴る城山の鐘が ンヤーコラセ あれは三百年時打つ鐘よ
町の歴史をひそめて響く 歌人牧水おさない頃の 心いとしみ名歌を残す


「いもがらぼくと」にはない、歌の始まりの真面目さが魅力。でも真面目なのは最初だけ。

ヤートセーサートセ
日向に来たときゃ寄って見ね
陽気がよくて間が抜けて
三日もしたら日向ぼけ
ンヤーコラセーヤートセー


ンヤーこら、どげんか、せー。
歌詞まで自虐的。
宮崎には知る人ぞ知る「日向時間」が存在し、「明日行くわ」と言った人が3日後に現地に到着したらば「日向時間」に換算してそれは単なる「遅刻」である。ゆえに「日向ぼけ」と言うのは「時間の概念がなくなること」を指す。日向の人間は「今、何時~?」と訊く。その時間が3時1分でも3時59分でも、答える人は「3時。」と教える。答える人が時計を見ればね。たいがい「しら~ん。」と日向人は答えるのだ。しら~ん、との答えが返って来ても「何時?」と訊いた日向人は別のひとには訊き直さない。だって、ホンマに時間を知りたいわけではないから。たま~に「今、何時くらいかなぁ~」て思ったりして、気が向いたから訊いてるだけなの。みなさん、日向人を許してやってください…時計を知らないんです…見たこと…ないんです…。

さて、ワタシの期待を裏切って出てこなかったこの「ばんば踊り」。実は「裏ばんば」というバージョンが存在する。私が通った偏差値が低めの高校の「祭り大好き」人間たちによる「代々受け継いでみちゃったおフザけバージョン」の「裏ばんば」。学科の新設とかで変化があったけど同じ高校へと進学したター、ちゃんと「裏ばんば」受け継いでくれたかな?いぇ~い。
「裏ばんば」は別名『リズミカルばんば』と呼ばれ、ばんば踊りをばんば踊りのゆったりとした曲調にあわせて、6倍速&3倍振り付けで踊るポップな「ばんば」となりまーす。
足を10センチ出すトコロは、30センチ出しまーす。
腕一回まわすトコロは、六回まわすよー、わかったねー。
20センチ上げるトコロは、60センチ振り上げて~カカト落とし。
三歩前に出るときは~、ダッシュ。
レディ?
疲れるよ、気合入れていこ~!

この「裏ばんば」を、女子はガクランで男子はセーラー服で途中乱入し、踊り狂う。
最初から輪の中に入っておけないのは、輪になるための入場段階で先生にとっつかまってしまうので。毎年のことだから「ばんば」の曲がかかり、四方八方から輪の中心を目指して突撃する生徒たちの中で捕まる者がある。しかし、輪の中に入ってしまった生徒は出されることはないのだ。1年と2年の大きな輪の中に、3年の小さい輪があり「裏ばんば隊」はその中心を目指し、3個目の輪を作るのである。ふたつの輪に守られた「裏ばんば隊」が一度入ればこっちのモノ。次々に3年生たちを『リズミカルばんば』踊り子へと変えてしまうのである。保護者の手前、体育祭の最後に全校生徒が踊る「ばんば踊り」の輪の中に入ってまで生徒を引きずり出すことは出来ない先生方は、静かに見守ってくださる。

そして私たちが3年となり、「裏ばんば隊」が極秘裏に結成された。
体育祭リーダーによる応援団の、足場は高く組まれ、美術部による各団の看板が設置された。
各団の「裏ばんば隊」の面々は、各団指揮者2名の判断で突入の時期を見計らうよう、二手に分かれての突撃となった。
「ばんば踊り」の曲が流れ始めると、各団から突撃の命が出、ひとりの犠牲も出さす輪の中心に「裏ばんば隊」が集結した。
3年生は『リズミカルばんば』に感染させられ、この成功に「アンコール」を求め始めた。それが全校生徒の「アンコーーーール!!」となり、根負けした放送本部が「ばんば」をもう一度流したのである。

あの時、看板の裏手に隠れておき、赤団女子メンバーを「いけーーーーーっ!!今ーーーーーっ!!」と指揮したのが、副団長だった私どぇす。
ごめんな、センセ。
で、でも、も、もう、時効なんだな。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-05-25 16:39 | +cool down run+ | Comments(2)  

最近の細菌

「最近、細菌の研究してないんちゃうぅ?」
駄洒落とんか?という質問を、ナキヒーがしてきた。6月になったら細菌を研究しますっ!と宣言してまわる細菌学者がいるだろうか。知らないだけで研究は進んでると思うけど、と返事をし、なぜにその質問があがってきたのかを問うた。ナキヒーはどうやら、後々、紙幣に印刷されるような人物になりたい、という野望を抱いているようだ。

「夏目漱石って何したひと?」
「ひどく気に病む作家。」
「樋口一葉は?」
「貧乏をこぢらせた作家。」
「野口英世は、さいきんがくしゃ、やろ??」
どうも、迷うことなく野口英世にロックオンしているご様子。紙幣になっている3人のうち2人が作家だとゆぅておるのに、細菌学者の野口英世のように紙幣に印刷されたいようだ。
「別に細菌学者だからお札になったわけじゃないと思うで?世のため人のために生きたとか、苦境に負けず成し遂げたとか、そんな感じの人格者ってことでなってるんちゃうの?」
「すごいことをしたりとか?」
「そうなんちゃう?お札に無縁な私に訊かんとってくれるかー。そうゆうことは、自分で調べてよー。」
「コンピュータ、で?」
「…う、うん。…だからな?なんでナキヒーは、そうゆう言い方するん?」
「だって、コンピュータ、やろ?」
「うん。間違っては…ないねんけど…。」
確かにコンピュータ、だと思う。パーソナルコンピュータだと、思う。でも、みぃんな「パソコン」て呼んでる。学校も「パソコン室」ってゆってる。パソコン入力時に使用するローマ字のことをナキヒーは「ヘボン式」と言う。
「まぅー、『ち』のヘボン式、なにってやるん?」
ぎょう虫検査かっ「ウスイ式」みたいに言いないな。2日に渡りペッタン、てやる。やってみぃ、「ち」は出たか?えぇ?出たんか?「ち」がよぉ?それは、何かの病だで。

さいきんがくしゃ、がどうゆうことをやっているかを、ナキヒーはいまいちわかっていないので、こう言った。
「さいきんがくしゃはむずかしいから、はつめいか、でもいいねん。」
発明家なら、イケるみたい。
「何の発明?」
「ん~っ。たーとーえーばー。ちー、あるやろ?血液よ、ちー。あれをー、こう…取って…なにかと混ぜて~、そうゆうの、作る。」
「…どうゆうの?」
「それをな、飲むねん。」
え…。飲むの…?なんか、ヤだな…。
「飲むとー、3日後くらいから、一本ずつ、髪の毛が減っていく。」
「え?!減るん?!」
「減るってゆぅか、抜けていく?」
抜けても、ヤだ。
「なぁ…。世の中の大勢の人が、一本でも抜けんように、なるべく減らんように、って思って高い金はろて育毛剤とか試してるっつーのに、なんで減るようなモンを発明するんよ?」
私は、当然の意見を言ったと思うが、ナキヒーは自分の新発明の素晴らしさを説明するのに夢中で、ぜんぜん聞いちゃいない。
「髪の毛を数えてー、一本ずつなくなっていくからー、だから最後の一本がなくなるのが夏になるように計算して、そうゆうふうになるように、飲む時を考えるねん。そこがちょっと、めんどっちーけど。」
なんでそんなことをすんねんっとツッコむと、夏は暑くて汗をかくからハゲのほうが具合いいねんて。でも、夏に急にハゲになると急すぎて周りが心配したり、そろそろ夏やからと思って一気にハゲにしたらちょっとまだ寒い日があった時に髪の毛なくて風邪ひいたりして病気になってもイヤだから、秋くらいに飲んで徐々にハゲに向かっていくんだとさ。冬はまだまだ抜けてもしれてるから寒くなくて、毎日コツコツ抜けてくれるから春には風通しの良い薄毛になっていて、丁度、夏に予定通りハゲになり涼しいんだって。快適なヘアスタイルを、飲むだけで実現出来る、斬新で画期的な発明だと、めっちゃ便利なんだと、売り込むナキヒー。

どうも、チョモの5年生の時の担任おせきはんの、ヘアサイクルにヒントを得たようである。45歳のおせきはんは、春の終わりにいきなり7:3分けの黒髪をゴリンに刈り上げ、私の度肝を抜いた。チョモにその真意を問えば、おせきはんは一年のヘアスタイルに計画があり、春が過ぎたらボウズにし、夏はそのボウズを維持、夏が終われば一切、髪に手をつけない。新学期には「教頭先生」と言っても通用する「7:3分けに背広」といった「ザ・教諭」となり、新学期・新学年が落ち着いた6月あたりで、刈り上げの儀式『バリカンの入刀ですっ』を迎える、てなヘアサイクルでいくそうだ。部分的にハゲているもののボウズにしたことのないナキヒーは「シャンプーするのにラクやねんてー」とおせきはんのボウズ自慢に、大変な興味を抱いていた。おせきはんの思い切りのよさに尊敬の念まで抱いたのか、おせきはんのみをターゲットに発明を考えたようである。一年のヘアサイクルを「春夏ボウズ」で決めている人物を、私はおせきはんひとりしか知らない。需要がなさすぎると思うが、商業ベースにうまくのせられるだろうか…発明家としての未来が、とても心配だ。

「…うん…。まぁ…便利な発明かもわからんけど問題点がまだまだ残る発明やな。もうちょっと、工夫がいるで。」
「そうやねん…。一本ずつなくなるのはイイと思うんやけど…もう生えてこないってコトがダメやねんなー…。」
「えっ?!一回のみ?!もう、生えてこへんの?!」
「二度と生えてこへん。」
ナキヒーは実物が出来ていないのにもかかわらず、言い切った。構想の段階で「抜けた毛は生えない」というリスクを負っているようだ。
将来、着手するような事態になったら前もってゆってくれるかな。
おっかぁ、おみゃぁを説得にかかるための下準備がいるだで。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-05-02 22:10 | +cool down run+ | Comments(4)  

見つけて。

「すまんがイチャよ、車で40分ほどかっ飛ばした所へ行って、藁を5束ほど、もらってきてはくれんかのぉ…」
と昔話の冒頭シーンよろしくお願いしている所へ、おじぃちゃんから電話がかかってきた。イチャ宛て。「うん…うん…」と控えめな返事を返すイチャは、このところ反抗期なので前ほど週末の度におじぃちゃんちへと繰り出さなくなっていた。おじぃちゃんにしてもそれが寂しく、春休みになったことやしこっちへ来んかえ?というお誘いらしい。私は実に行って欲しかった。なぜならば、おじぃちゃんちは車で40分ほどかっ飛ばした所で、藁がしこたまあるからだ。棟梁で畑付きの作業場まで持っているおじぃちゃんちに、私の欲しがるものはたいがいあるんである。イチゴハウスのイチゴが赤くなるまでのベッドにするため無料で藁が欲しいのである。
「うん…じゃぁ…僕たち釣りするねんな?…うん、6時頃まで。その後でいい?」
この何様な受け答えに、私は電話中のイチャを睨みつけた。
「なにを?えっらそうにっ。言い直しなさいっ!」
イチャは、
「ちょ、ちょ、ちょっと、待ってな?」
とおじぃちゃんにタイムアウトを申し出、受話器の口を塞いで、
「なによ?」
と聞いてきた。あたしゃ、この態度にカチーンときた。
「僕たち釣りすんねんな?6時頃まで??その後でいい???はぁああぁあああ???????ナーニーサーマーっ!!えぇかげんにせぇよ~っ!!『僕たち、今日、釣りに行きたいねん。6時頃まで釣りたいと思ってんねんけど、どうかな?それからでも迎えに来てくれる?』言い直しなさい。今すぐ。」
その通り、イチャは言い直した。私にガミガミ言われているだろうということを察したおじいちゃんが優し~く「ほな、6時から7時の間に迎えにいこか?それで、ええか?」と言っている声が漏れ聞こえた。「うん…うん…よろしく…はい。」と、その後のイチャはそつなくこなした。
「おじぃちゃん、なんて?」
「ん?…春休みやろ~?こっち来るか~?おいしいモン、こぅてあ~るでぇ?…て。」
イチャはおじぃちゃんの口真似で答えた。
「ほら…イチャが長いこと行かへんから、とうとう「物で釣らんと来へん」て思われとるやないか…モノやカネで動くよな人間と思われたらしまいやぞぉ…」
んー…なんか自分でゆぅてて、ちょっと違うような気がする…ま、いっか。
「んっ!行くかっ!藁も要るしなっ!」
イッパチ農園の優秀なスタッフはひとりしかいない。イチャである。我が農園は、君にかかっとるっ!行って藁をせしめてくるのだ~っ!!…ナニサマだ、わしゃ。

そして、行きっぱなしだった我が子は帰って来た。ナキヒーが声を枯らしているところをみると、どうやら【おじぃちゃんち恒例 徹夜ゲ~~~~ムっ いぇいいぇいっ】に興じていたらしい。やるなら病むな、病むならやるな。そこで、大変な事件が起こってしまった。
おじぃちゃんちは、いわゆる「実家」というやつでイッサンが世帯主となる以前に住んでいた家である。もともと5人家族が住んでいた家なので部屋数がある。喰うことに困れば私も度々お世話になった。世間一般に知れ渡る「同居」という世にも恐ろしい生活形態のことである。しっかし、私の「同居」とはとても楽チンな「同居」であった。男の三人兄弟である男所帯なイッサンの家で私が産んだ子供が男二人という「ひっくり返しても男しか出てきませんっ」な男系の血統は、見れば見るほど男まみれ。女の私は、このままでは人間としてダメになるんじゃないかと思えるほど、何もしなくてよかったしまた、出来やしない嫁なので求められもしなかった。私の婚前の家族も、奔放な母親の度重なる不在により冗談のような男系。大阪の親戚が「オマエは、タカの長男やな?」と確認するので「タカの、長女やっちゅ~ねんっ。」と教えたが、一昨年の年賀状では「ガンバレよ!タカの息子!」と励まされた。タカの娘じゃ。…大変だ…事件だ…。
でなくて、事件はそっちでなくて。
男系の家の間取りってのは、すべてがデカい。男はデカいから。例外的に三男のイッサンが小さいだけで、おじぃちゃんもアニキもでっかい。だから部屋ひとつひとつが、それに合わせてデカい。やりたい放題。そしてそれを、おじぃちゃんもおばぁちゃんも咎めたりしないのだ。
「徹夜ゲームいぇいいぇい」というゲームは、夜通し起きておく、という極めて単純明快な「徹夜」のことである。そこに「ゲーム」をくつけている理由は、眠っているおじぃちゃんを起こさないように焼きソバの残りを素手で喰うてみたり、ブラックコーヒーを暗闇でこさえて「にげぇ~にげぇ~」と当たり前の感想を静かに口にしたり、ペットボトルのフタで緑茶をご返杯し合ったりして雑巾がけを夜な夜なする羽目になったり、そうゆう悪行を如何に見つからずにやるか、というゲーム性を加えているからである。当然、私がここまで詳細に述べられることが、バレている証拠である。だっておばぁちゃんから情報、来てっから。

この春休みにも、ハイグレードな【徹夜ゲームいぇいいぇい 春の夜通しスペシャル】を開催したらしい。今回は「徹夜」と「かくれんぼ」のコラボ。これが大変な事件を招いてしまった。
おばぁちゃんは某温泉地で働いているのであるが、時に帰りが夜中になる日がある。この日がそうだった。おばぁちゃんが帰宅した車の音を聞いて、いつもは階段下のホームベースで「おかえり~」と冷え切った体で温かくおばぁちゃんの帰りを迎え「こんなに冷たくなってぇ~…」と
心配されてウヒヒっと勝ち誇っているのであるが、この日は隠れてビックリさせようとの悪党計画が実行されていた。おばぁちゃんが玄関を開けると、いつものホームベースに孫がウヒヒと笑っていない。さすがに今日は眠ったのか、と思い確かめるも布団に寝相の悪い孫は転がっていない。次第におばぁちゃんは真剣になってきたらしい。1回は「また~隠れとんのやろぉ~」とノっていたが、とうとう眠っているおじぃちゃんを起こし、二人で家中の大捜索となってしまったんである。こんな夜中に外に出て行ったんちゃうやろか?!いやいや、靴はある、どっかに隠れて眠ってしもたんかもしらん、どこやどこや。おとーさん、おとーさんが起きてた時分はどこにおったの?!思い出してっ!!いやぁ…わしがご飯食べとる時はTVを観てたおもったがなぁ…?おとーさんが眠る時は、ちゃんとおったんやなっ?!そんな言い争いまで勃発し、我が子二人は2階の、私たちが同居の頃に居間として使っていた部屋のカーテンの中で、事の重大さを悟ったと言う。

「外に出て行ったりしちゃってやぁ…もう出られんくなっちゃってん…大捜査始まってさぁ…あん時はココで寝とった、仏さんの部屋やで、とか言い始めて…もう「ばぁっ!驚いたっ?!」とか言える雰囲気じゃないねん…」
完全に飛び出るタイミングを逃した二人は、出るに出られない状況の中にいたという。大捜査が続く中、二人は「見つかりやすい所」に隠れなおして「見つけてもらう」しか方法はないと考えたそうだ。…アホかおまえらは。…はよ、出ぇ。
彼らは物音を立てて納戸へと隠れなおした。するとその物音を聞き逃さなかったおじぃちゃんが、
「なんか音がしたでっ!二階やっ!」
と願ったり叶ったりな反応をしてくれた。
しかし「さっきまでここにいました」と湯気でも立ちそうな居間のカーテンをシャ~っ!!とめくり、おじぃちゃんは「…違ったなぁ…おらんなぁ…」と肩を落として階下に去ってしまった。そのまま隠れていれば見つけてもらえたものを、よかれと思ってガラッと開けたらすぐに見つかる納戸をチョイスしたために、かくれんぼ目線では難を逃れてしまったのである。

わぁああぁあどうしょーどうしょー、とオロオロしたそうだ。オオゴト・オオゴト、すっかりオオゴト。
「んで?結局、どうやって見つかったん?」
「ちょこっちょこっ、て顔出したら丁度おばぁちゃんが階段のとこにおって『いたっ!!』て。」
居ました、ずっと。
いまかいまかと、待って居まして一件落着。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-04-02 00:08 | +cool down run+ | Comments(0)