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ベイベー喰い

「ドコ行っとったん?」
「きーてないの?仕事のあとでナラヒーさんちでお茶してん。チョナーも来てええゆぅたけど?」
「きーてないしな。」
「ごはん食べるトコなら置いてけぼりにしておいでってゆぅてん。ジナーが出る時、卵料理作ってたらしいやん?」
存分にナラヒーさんちでお茶をして帰宅すると、カイAとチョナーがおコタでまるまっていた。
「ナラヒーさんちで食べたおやつの残り、食べ?念願のアレ出来んで?」
「アレって?」
「ポッキンナベイベ~!!やりぃや。あ・待って待って。カメラ・カメラ。」

まだチョナーが小学生だった頃「ベイベー喰い」と命名したイメージトレーニングに励んだ日があった。そのことを私はネタにしたが、どうも昔の出来事のストックがココではなかったようだ。
「え~~~~~~ココでネタにしたんちゃうかったっけぇ~~~~??」
そして心当たりを探してようやくみっけた。
「はうはずさんトコにあったよ…ほら、この決定的な目測の誤り。」
「はうはずさんトコ??」
「正確には『はうはずさんトコ』てワケぢゃなくて、GREEっていう自分のトコなんだけど、GREEには『はうはずさんに誘われてやった』っていうきっかけがあったから、自分でやってる意識がどーもナイねんなぁ…。」
そもそもはうはずさん、誘っといてほってるってゆぅとるし。言ってる私も、ほってんねけど☆でも、大丈夫。忘れん程度には間借りしとるから☆
近々ナンシーに毒を吐きに行きたいと思って、だいぶ前からその準備に余念は無いんですが、なんせスケジュールが詰まっとるもんで、またしばしほってます。
…て、ココに書いてもね☆
一応そうゆうつもりであることだけね、宣言しときました。

みっけた「ベイベー喰い」はこう。

朝チョモがまた、わかりにくいことをやっていた。起床してしばらく目を開かないポリシーのチョモはだいたい朝ごはんの前半は黙祷して食べていることが多い。先祖の霊、降臨。でも、今やることじゃナイから。その儀式は無言のまま行われた。チョモは人差し指を前に出し、指の腹をだんだんと自分の口に近づけてゆく。口の形はキスミープリーズ。そしてとうとう人差し指は唇に触れた。チョモは人差し指を上にかざし、叫んだ。
「ポッキ~ナベイベ~ッ!!」
「あぁっびっくりしたっ!起きとったんかいっ?!今のは何や?」
と私が訊くと、ヘイポーが説明してくれた。
「ポッキーのおもしろい食べ方。こうやで。」
とチョモと同じくフィクションポッキーを人差し指のみで支え、カツカツカツカツ、と小刻みに食べていった。チョモの説明によるとポッキーのCMでそやって食べてるらしい。さすがコマーシャルの奴僕、練習を欠かさない。細長いポッキーを人差し指の腹で支え前歯でカツカツ砕きながら出来るだけ早く短くするよう食べてゆくという妙技のイメージトレーニングである。これを『ベイベー喰い』と命名しよう。

ありもしないポッキーのベイベー喰いトレーニングを、朝っぱらから寝ぼけたチョモが始めたのには、どうもスイッチがあったようである。その電源は朝ごはん。何日か前に使ったチョコソースが残っていて、ちょっと多いとは思ったがトーストにダダ塗って使い切ってしまったのである。チョコレートの味しかしないだろうトーストで入っちゃった、ポッキ~ナスイッチ。
チョモはベイベー喰いのトレーニングを一回しかやらなかったのだが、私が2回リクエストした。
「な、さっきのもっかいやって。ポッキ~ナベイベ~のベイベー喰い。」
2回ともチョモはリクエストに答えた。そして3回目のアンコールにまで答えた。
「うーん。そうか…。オーゲー、わかった。」
私は確かな手応えを感じていた。

夕食を食べ終えマッタリンとしているチョモに、私は4回目のリクエストをした。
「チョモ~、あれやって、今朝の。ベイベー喰い。」
チョモは素直に応じた。そしてはっきりと私はつかんだ。カメラを取り、チョモに向けて5回目のアンコール。
「チョモ、やってベイベー喰い。こうゆう風に。食べ始め・食べている最中・食べ終わり。それぞれを3秒間停止してはい、どうぞ。」
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私は気付いたぞ。
目測を誤っている。
そこから始めるほど、ポッキーは長くない。


そこで、食べ始めの目測がどれだけ誤っているかを視覚に訴えるため、私はその長さでポッキーを描いてあげた。
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このネタにしまんちおじちゃんは、かわいそうにポッキー食べさせてもらったことが無いからアタマの中の彼のポッキーがどんどん長くなっているに違いない…と一刻も早い入院を勧めた。その所見はいいセン衝いてて、私はその後、我が子にポッキーを買ってあげるなんてことはなかった。そして今日のこの良き日を迎えたのである。

「カイAも食べぇ?アンタはあいか~らず大人しいなぁ?ウチじゃぁ食べ物は早い者勝ちやで。手ぇを出さへんかったら無いで。はいどうぞ、とかないからな?自分で食べぇ、ポッキンナベイベ~!で。」
「ポッキンナベイベ~?…て…アレ?」
「そう、ソレ。」
「こここここ~、こやって?」
「そう、そやって。」
さすが同じ小学校、同じ学年、ベイベー喰いのなんたるかをご存知のようである。同じように「この男CMの奴僕につき」という呪縛からは逃れられなかったようだな。

チョナーの期待で肥大したポッキー的な食べ物を、本日、私はナラヒーさんにいただいてきた。行ったら「このおやつをまぅちゃんにあげようと決めていた」と言わんばかりに「もぅ~コレはあげようとおもてたから開けたらアカンって言ってたのに、ウチのコが開けとんねーん!つい2、3日前に。」と嘆いた。まさかその物体がチョナーの「ベイベー喰い」を好感触にするアイテムだったとは。

「早くやってくれっかな?私、明日の面接の履歴書を準備したいんやけど。」
「でかっ!」
「とっとと喰ってくれっかな?やること詰まってんねん?明日も仕事やしさぁ?祖父と万苦に問い合わせもあんのよ。オーナーにメールも送っとかにゃならんし。」
チョナーは昔っから急がにゃならん状況で時間を無駄に費やすヤツだ。次々と入って出らにゃならん修学旅行の大浴場では次のクラスが入って来るまで湯船につかっていて「なんでフミおんの?」と言われ、早く家を出ようと約束していた日に限って朝ごはんの後のデザートまで物色し「チョモっ!今日は早く出るゆぅてたやろっ!!うわっパジャマって!!ありえへんっ!!!」とイノッキに喝を入れられ「なーなー、はい、これ食べてみ?」と返事をして「おめぇはもう上行けっ!はよ着替えてこいっ!!」と言われる始末。こういう時よくこう続く「お前のそのだらしなさなァ、親の顔が見てみたいわ!」。ま、イノッキが言ったとしてもおコタから顔出して「はい。」て見せるダケやけどね。

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想像肥大版実写ベイベー喰い。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-03-30 23:37 | +mender!+ | Comments(2)

春休みって少ないのに

「明日、何時起きの何時出って?」
「6時10分起きの6時50分出。」
「そ~なのぉーーーーーーー?…アンタ、冷蔵庫の海鮮巻き食べて行って。」
「そ~なのぉーーーーーーー?…わかった。」
春休みだぞ?念願の春休みに入ってやっと早起きせんでええおもてたのに、いつもより30分は長く寝られるとおもてたのに、いつもより早いやんけーーーーーーっ!

「そうかぁ…明日は早起きかぁ…」
「むーは起きる必要ないやんけ。いつも通りに起きたらええねん。」
「オマエぇ~。チョモもまぅも早起きしてんのに俺だけ眠ってられるかいなぁ~っ」
「いや?私、起きひんで?」
「朝ごはんは?」
「海鮮巻き食べるように、てゆぅてある。」
「風邪ひーてんのに?」
「かわいそうやとは思うから、さっきスィーツの下準備はした。後半であったかいものをもってクるから。」
合宿に参加不可能になった代わりに日帰りで鳥取まで強化練習へと行く風邪気味のチョナー。冷蔵庫でキンキンに冷えた海鮮巻きを朝ごはんにして身体を冷やしてご出発。筋肉は、現地に着いてからアップ多目にやってあっためてくれ。
「デザートにあったかいの作るわ。海鮮巻きを食べてる間になんとか焼いてあげんねん。さすがに朝もはよから料理をこさえる自信はナイわ。私だって仕事だし。」
臨時で呼ばれているバイトは、パート二人分を一人でまわす過酷な労働である。ちょっとしたお手伝い感覚で呼ばれているのではないのだ。パートの一人が辞め、もうひとりのパートが休むから呼ばれている。辞めて一年は経っていると思うが、通い妻なみに通っている。
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下準備は完璧だ。
明朝6時10分、チョナー起床、洗面所で顔を洗い、海鮮巻きムシャムシャムシャ、半分ほどを食べた所で6時20分、私起床、ハレンチトースト焼き入れ開始、6時30分チョナー海鮮巻き完食、ハレンチトースト焼き上がり、はいデザートあつあつ。

よっしゃ。朝練が無い時の平日より5分早く起きるダケでイける。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-03-28 23:02 | +mender!+ | Comments(0)
「ハイ、ぬいぐるみ。あげるから飾ったらええで。」
「いらん。」
「せっかく作ってきたのに~ほらぁ~千徒くんに良く似たぬいぐるみやで~」
「ホラー。なおさらいらん。なんでそんなモン作ってきたんや、似ていらん。」
「なんかなぁ、似るらしいな?ぬいぐるみって。作ったひとに。あるやろ?どっか飾るとこ?」
「無い。あったとしても飾らない。女がみんな部屋にぬいぐるみを飾りたがると思うなよ?私にそんな趣味は無い、自分の部屋に持ってあがれ。」
こうゆう一方的な「女の枠決め」みたいなモンが、私は好きでない。「女の子だから赤」とか「女子にはケーキ」とかね。まさか我が長男が私にぬいぐるみを差し出してくるとはな。読売新聞にもらったコアラのマーチのぬいぐるみ、アレ、押入がいっぱいでタンスの上に置いてただけだから。私が自らぬいぐるみを買い求めて飾った事など、一度たりとも無いだろう?

「コレほら。余ったワタ。使う?」
「いらん。」
「針山とか作らへん?」
「作らへん。針山はもうある。ひとつあれば足る。」
「も~~~~。小さいのやったらもうひとつ、ぬいぐるみ作れんで?」
「私の趣味に手芸があります。いろいろ作ることが趣味でございます。しかし絶対に、ぬいぐるみだけは作らないと思います。すみやかに、持ってあがれ。」
「も~~~~なんやねん…せっかく作ったのにぃ~~~~」
「はぁ…どれ…どんだけ似てるかの確認だけ、するから。出して見せてみ?」
「はぃはーい。どう?似てるやろ?」
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「ぅわ…似てる…腹立つ…。何よ…この白いゴミ…」
「ゴミちゃう、ヒゲ。」
「頭の上にも?」
「これ、サンタさん。」
「季節を間違っとんぢゃーーーーーっ!!アチョーーーーーっ!!!!!」
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帰って来たら文句タラタラ垂れやがって学校行ってる間だけが顔を見らんと済んどる時間やないかっ!
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見るだけで癪に障るようなぬいぐるみを私の目の届く所に飾れだとぉ?!
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早く着換えろと何ベンもゆぅただろうがっいつまでもいつまでもぬいぐるみぬいぐるみほざくんぢゃねぇよっ!
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「すみやかに、持ってあがれ。」
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by yoyo4697ru980gw | 2010-03-22 00:31 | +mender!+ | Comments(2)

幻の生徒

数学が好きだと言うひとの「数学が好きな理由」に「答えが必ずひとつである」というのがある。それを基に、答えにいきつく最短の計算式を探し出す過程が面白かったり、答えを導き出すための計算方法をアレコレ出してみたりするのが興味深かったりして、好きなようだ。しかしどう解いても、答えはひとつしかない。
それは、こういうことだろうか。
複雑な計算を重ねて解き答えを導き出しても、問題の答えが合っていなければ不正解。いくら斬新な計算式でも、それは不正解。ドコかでナニかを間違っている式だということになる。
一方、わからない箇所はひとまず置いといて、先にとりあえず答えを導き出せるようにそれらしい計算方法を探る。おおよその答えに辿り着いた所で「もうこれでイっちゃお」とひとまず置いておいた箇所はなかったことにする。しかしその答えが合っていたら?正解?なんせ答えはひとつなんである。導き出した答えがその「ひとつの答え」と合っていたら、わかるとこだけの計算式でうやむやにした部分があるとハッキリわかっていても、正解は正解なのだろうか。
今回の問題はソコなのだ。答えだけを求められた場合、計算の仕方・答えの導き方を問われない場合、答えが合っていたらそれは正解なのか。そしてそれが筆記で求められた場合、回答欄に正解の答えを書いた場合にこれはマルがもらえるのか。もらえるのだとしたらこれはゆゆしき問題である。ラッキーな1点になるからである。そんな1点がもらえるような数学なら、私も好きだ。私が数学が嫌いな理由は「答えがひとつしかない」ということである。それを芯に、「考えようによっちゃぁ正解」や「誤魔化し切った」や「そう思えばそれもアリ」の見込み評価がないから、泣くほど嫌いなのだ。

「今日な、すんごく難しい算数の問題が出たんやけど…」
「どんな?…聞きたくないけど…ただ聞くだけもヤなくらい嫌いだけど算数…もぅ泣きそう…でも言うだけ言ってみて。」
「学校の生徒が全部で481人でそのうちの6分の1が6年生やねんな?そして6年生の13分の6が女子で、女子は何人かって問題やねん。」
「だいたいでいい?」
「ダメ。」
「じゃぁ、わかんない。」
「そうやねん…なんで『481人』やねん。最初から1人…余んねん。」
「ヘイポーの見間違いってコトはない?」
「ない!それは絶対ないっ!!絶対おかしい、と思って何回も何回も何回も見たから絶対481人。ワープロミスちゃうかと思うねんけど。」
「先生が数え間違ったんちゃう?」
「違う。この学校じゃなくて『ある学校』の話しやから数え間違ってるとかじゃないと思う。そうゆうミスはない。」
「数え間違った事実がなかったとしても、そもそも算数の文章問題自体はフィクションやからな。」
「途中で回答が配られたんやけど、答えは合っててん。女子は37人。でも、どう考えてもその答えは、計算が合ってない。最初に余ったひとを『いなかったこと』にして、6年生の余りを『女子ってコト』にして出した37人やねん。」
「ほーーーー…ずいぶんと自分のカンを信じたねぇ…。確かになぁ…私が思うに、6年生の人数を決める段階で1人余るね。このひとをひとまず『ノー学年』の幻の生徒ということにしよう。で、6年生が80人ってコトになるな?そしたら今度は6年生の中に『ノー性別』のひとが1人余る。この学校には幻の生徒が2人要ることになったな?ひとりは性別も学年もわからない不審者、もうひとりは性別がどっちともわからない「この年で早くもニューハフか?!もしくはミスダンディ?!」てな疑惑が浮上した6年生。このふたりを無視したとしても、私の答えは37人にはならない。『はっきり女子と言える人数が36人、もしかすると女子の可能性があるひと1人』ってコトになる。」
そこで私はこの回答欄にはこう書くことにしたい。『あまり深く追求せずそっとしておいてあげたい1名を含む37人』人数だけで見た時にはマルだろう。
以前チョモがまだ小学生で、友達を現地調達するために公園のハシゴをしていた頃に、近所で2番目に近いオギに行ってきたと帰った日のことだったと記憶するが、ソコに幼稚園児くらいで算数の文章問題を解けるコがいたと話したことがあった。母親と公園に来ていた園児は母親の出す文章問題に答え、正解したと言う。そのオカンが出した文章問題がこんな感じだった。

お父さんが5人いました。2人帰りました。残されたお父さんは何人でしょう。

これは算数の例文なので、文章に問題は無く解答は3人である。しかし、この問題を報告した当時のチョモに私の回答は「気まずい」であると答えた。家にお父さんが5人もおり、2人が帰ったあとで3人のお父さんが一つ屋根の下に残されたのである。その心情たるや「気まずい」以外に正解はないではないか。このようにご近所レベルでは「算数の例文問題」が「二昔前の英語のテキスト」であった経験から私は「算数の文章問題の文章をより国語的に解釈する」と面白いということに気が付いた。Is this a pen?これはペンですか?NO.this is a desk.いいえ、これは机です。ど~ゆ~見間違いやっ!と誰もが突っ込んだ、シチュエーション無視のあの文章の作り方である。
その学校には、幻の生徒が存在するのだ。

「答えは合ってたんやけど、6年生を80人で考えてるからな?余りの1人はな、6分の1の確率で6年生かもしれへんやろ?でも6分の5の確率で6年以外の学年やねん。だから6年生じゃない可能性のほうが高いから、6年生じゃないってコトにしたんやけど、でも絶対に6年生じゃないって決まったわけじゃないから、もしこの1人が6年生やった時にどうすんねん、て思って。そのことをずーーーっと考えててん。昼休みにも、掃除の時間にもずーーーっと考えてたんやけど、まだわからん。結局、幻の生徒は何年生やねん?」
「…アンタ…算数の授業は何限の時?」
「…ええっと…4時間目。」
あぁよかった。算数の授業が1限とかやったら、掃除時間まで考えてたんじゃその問題が確実に他の授業の邪魔をしてるからな。
「もうこれは私の手に負えない。チョモが帰ってきたら、幻の生徒がおらんように計算を導いてもらおう。」

「幻の生徒が2人出てしまう不可解な算数の問題が今日、ヘイポーの授業で出たんやけど…チョモ。」
「それ、どんな問題やねんっ。」
「ヘイポーが言うには答えは合っててんて。でもその答えは『正解はしたけど幻の生徒を無視してさらに出現した幻の生徒を女子にした』ていうちょっとした事件が発生しとんや。やからアンタ、幻の生徒が浮遊せんようにバシっと割り切れる計算式をヘイポーに説明したげて。」
「で?問題は?」
「全校生徒481人。うち6分の1が6年。6年の13分の6が女子。女子の人数を求めよ。答えは37人。」
「その481人、ホンマ?見間違ってない??」
「私もゆぅたわ、数え間違いちゃうの、って。そうゆうミスはないらしいで。プリントを何回も見たから絶対481人やて。」
「プリント、見せてよ。」
「ないねんて。回収されたから。」
ヘイポーの話しでは、1単元が終わるとその単元のテストがあるんだけどその前にテストに向けての『こういったテストの内容ですよ』という『力だめし』とタイトルの付いたプリントが課されるんだって。その『力だめし』に今回の文章問題があったってわけ。なんか今回はすんげぇ力が試されてんなぁ『不可解学校生徒二人の謎』を解けってコトまで算数は問うまでになったのか、てコトでヘイポーと私の計算は暗礁に乗り上げているわけだけど。今日はたまたま担任が出張でマルつけが出来ないから、班に一枚の回答が配られて、正解してたからマルをつけて提出したわけよ。見た目には正解は正解なんだけど、若干名の幻の生徒の怪。謎は深まるばかり。

「生徒の数が?何人て?」
「481。…いいや、841人やったかな?」
マンモス校やな。
「6年が…6分の1?」
「…の中の13分の6が女子で、女子何人?てコトね。バシっと割り切って。」
「あぁ~…コレは中学生には簡単な問題やな。全部、分数やねん。いくで?」
「ヘイポーに説明してよ。私は幻の生徒の存在を認める派。」
「6年が6分の481人、コレはわかる?」
「わからない。結局、6年生って何人おるわけ?」
「6分の481人。」
「ややこしい6年の数やな。6年生の数は出さないわけ?」
「出ん。」
ええー…本年度、我が校を卒業する6分の481名の6年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。6分の481名の皆さんひとりひとりに卒業証書を授与したいところですが、各クラス、6分の481名のうちの4分の1名の代表者に、卒業証書を授与したいと思います。…6年間バシっとつかめたことがなかったなこの学校は、人数をよ。
「さらにその6年の中の13分の6が女子やろ?やからー、6分の481人の6年生、カケル、13分の6の女子、この式が『6年女子』の人数。6と6が消えるー、分数のカケルってことは?割るな?481÷13、割り切れて、37人。余らん。」
「お…ドコ行った…幻の生徒。」
「最初からおらん。」
「じゃぁ、男子の数は?」
「出ん。」
「全校生徒がわかってて、6年が6分の481人やねんやろ?のうち女子が13分の6やったら、男子は13分の7おるってコトちゃん?」
「そや?でもその計算で男子の人数は出ん。何人から何人の間でおる、なら言える。」
「言って。」
「43人か44人。」
「復活したな、幻の生徒。1年~5年までのことは情報提供をしてない学校やけど、6年に関してはかなりヒント出してキてんぢゃん。6年生の人数把握くらいできんわけ?」
6年の人数わかってないと、何かと今後の行事に支障が出るぢゃないか。卒業記念品の注文、それから紅白饅頭、予備分で多目に手配するとしても、きっちり人数を把握しないとこっちだってやってらんないからねぇ。卒業記念品が辞書の場合は書店が包装までやってくれるからサ、早めに発注して個数を伝えておきたいぢゃん。有志で担任の先生に花束贈呈することにもなるし、学年の人数がわからないと徴収する金額がさァ…。一人200円ずつってコトにしたとして…全員で何人おるわけよ?それによって、花束に添えるのがハンカチになるかスポーツタオルになるか…ソコ、微妙な予算の算出になるけど?余った金額で記念写真を撮ってフォトフレームに入れて渡したり色紙に一言ずつ書いてもらうにしたって、動くタイムリミットはきてる頃合いだよね、2月は28日までしかないんだし。とにかく人数、バシっと出してくんないと。
「出ん。6年の数も、何人から何人の間でおる、なら出せる。」
「出して。」
「80人か81人。」
「ちっ…あやふやな学校やな。この情報だけではっきりわかるのって結局、何なわけ?」
「6年女子の人数。」
「あー…そう。私の中で了解したことが、もひとつある。この学校は今ハヤリの『個人情報保護法』をかなり意識してる学校や。過敏にね。」
PTAとして動きづらいことは確定や。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-02-04 12:42 | +mender!+ | Comments(0)

フルハウス様方

ターからゆうパックが届き、電話をした。その日にちょうどターに宛てて郵送した物があったのでその旨を伝えたのだった「ちょうど今日、アンタに福笹を送っといたよ。」と。するとターが言う。
「じゃぁ明日、着くね。」
「着かないねぇ…送ったゆぅても普通郵便だから。3日くらいはかかんぢゃないの?」
福笹は腐らないのでね。中身が腐らない・補償もいらない、そんな物を送る時に私は普通郵便の定型外という方法で送る。送料が安いからである。
「いや?着くでしょ。オレが送ったのも郵便よ?一日で着いてんぢゃん。」
「アレは普通郵便ぢゃなくて、ゆうパックだよ。」
「へ?ゆうパックと普通郵便て、違うの?」
「違います。私が送った今日の普通郵便は200円ね、アンタはそれ以上、払ってる。思いっきり伝票切っとるやないけ。」
「へ??じゃぁ普通郵便て、ナニ??」
「普通郵便はフツーに切手で何かが届くヤツね。伝票じゃない、補償もない、だから安くて時間もかかるよ。ゆうパックは宅配やねんから基本的に一日で着くよ。」
「へー…そーなの~。じゃぁ普通郵便てドコに出すの?」
「窓口。」
「窓口なんだ~。じゃぁ郵便局に行かなきゃなんないね。」
「切手の代金がわからないなら行かなきゃね。大きさとかが超えてなくて金額がわかる時はコンビニでもイけんで?切手の金額さえわかれば、切手を貼って投函したらええのが普通郵便やねんから。あ・それがサ、最大の長さが60センチやねんけど、ギリ60やってん。ほんでもしかすると戻ってくることがあるかも、ちゅ~ことで窓口でテープ借りて余裕で60センチになるようにちょっと折っといたから。『中身が福笹なんスけど~笹の部分はちょっと折れないんでぇ~根元でイきます。』つってね。窓口で応急処置した根元の折れてるヤツが届くからね。」
「あ…そうなんだ…折れてんのね…」
「いや…中身は大丈夫やろ。外から見た感じがちょっとグチャってなってるだけやけぇ、着いたらすぐ開けや?いがんでるわ。」
「グチャってなってるんや…」
「うんしょ、くらいは折っちゃったからねぇ。」

私は頻繁に郵便局を利用する。普通郵便・ゆうパック・宅配便、どれで送ると送料がトクか、ということを考えておおかた「ゆうパック」か「普通郵便定型外」に決まるからである。そういえばターからのお届けモノはたいがい「宅配便」である。今回はたまたま「ゆうパック」であり、だからターは「郵便」だと思ったということだろうか。ゆうパックだと持込割引と同一宛先割引でだいたいの場合に宅配便よりもおトクであるが、ターは送料の得は考えないタイプであろうか?
郵便局の「アッパレぶり」はこんなにも浸透していないのか??私はあまりにも当たり前に「郵便局」を贔屓にしていたもので、ターが「普通郵便」を利用していないことに驚いた。確かにターはメールや電話で事を済ませる世代であるから、郵便局に縁も所縁も無いかもしれない。しかし私にとっては、郵便局はだいぶ「アッパレ」な機関である。民営化後も変わらずアッパレである。このアッパレぶりは、今年もアッパレである。それを私は年賀状で確認した。
だから私は「昔の郵便局のアッパレぶり」まで引っ張ってきて、若い世代にいかに郵便局がアッパレかということを示したいと思う。

しかし、このアッパレぶりを目にするであろう若年層の諸君には、まずこのことを申し上げたい。

よい子もわるい子も決して真似をしてはいけないよ
なぜなら 郵便局員さんもヒマぢゃ~ないんだから


わるいワタクシメがやったことは決して褒められた行為ではないが、私はナニも暇つぶしとしてやったわけではないことを強く申し上げておく。理解していただきたいのは、私は郵便局の「アッパレ」の真価を問いたかったのだ。「郵便局は素晴らしい!」と声を大にして叫べるという保証がなければならなかった。そしてその保証が実体験に基づく保証でなければならぬ必要があったのである。ネット世代の諸君よ、君たちの情報収集能力は高いだろう。しかし君たちが収集した情報のいかほどがホンモノであろうか。ホンモノがどうかを見極めるためにインターネットの検索機能を使うだろうか。ホームページからPDFファイル閲覧に飛ぶだろうか。約款という資料はドコのヤツでも分厚く、ページを繰るだけで飽きるが、スクロールすればあっつー間に100ページは流せる。ウィキペディアから抜粋した数行の情報からで、君は「知った」と言えるだろうか。「知る」ということは果てしない。知れば知るほどもっと知らねばならぬことを知るのである。生きてる間はムリちゃうか。
てなわけで、「よしっホンモノだっ」と確信するためにはドコかで見切りをつけなければならない。「ドコで見切りをつければよいか」をまずは見切らにゃ、ならんのだ。そのために費やすのが時間であり、費やした時間を判断材料にするために起こすのが行動である。これが「経験を積む」という一連の流れなのだ。実体験から得られるものが「確信」であることは、君たちの知るところである。君たちはその昔オカンから情報を得たろう「夜中に口笛吹いたらヘビが出るよ」。君たちは行動を起こしたではないか、アホほど夜中に口笛吹いて。一度でもヘビが出たためしがあっただろうか。君は確信したよね「夜中に口笛吹いたトコロでヘビなんて出ねぇよ。」君のそのデータは夜ごと蓄積され、やがてホンモノの情報としてインプットされたことだろう。君は実体験から「夜中に口笛を吹いてもヘビは出ない」という確証を得た。私は今、口笛では選曲ミスではないかと思われるポルノグラフィティ「アゲハ蝶」をフルコーラス口ずさんでみたが、やはりヘビは出てこなかった一匹も。口笛で「アゲハ蝶」は苦しいで。万に一つヘビが出てきたとしても、逃げたり戦ったりする余力は最初のサビをハミングした時点で既に無い。だから口笛で「アゲハ蝶」をチョイスするのは、やめたほうがいい。私は調子をこいて伴奏・間奏まで口ずさんだために息が続かず、しまいにゃ病み上がりの喉が潰れた。

2007年10月、10年間の郵政民営化移行期がスタート。民営化前の2007年9月までの約31年間、私は様々な郵便物を受け取った。その中には、私の名前が間違って届くものが多かった。我が家族、名字こそ日本で10本の指に入るほどありふれているが、5人家族のうち3人は届いた郵便物の名前が不正解ということがあった。父・兄ならわかる。そうとは読めない漢字が使われているからである。父も兄も名前を漢字で書いて正しい読み方をされたことなど、私の記憶の限りでは一度も無い。しかし私の名前は読めない漢字を使っていることはいない上にひらがなでしか名前を書いてこなかった。とくに珍しい名前というわけでもない。二文字で短い。それなのに度々、名前が不正解なのである。この家にそんな名前のひとは住んでいないというのに、あっちこっちドコへ引っ越してもちゃんと届くのだ。だから私はずっと「なぜ届くんだ」と思っていた。印字された宛名ラベルの時など、兄なんて「日本人ぢゃねぇ~だろっ!」というような名前のカタカナで届いた事があった。もうべつに「名前」まで書かなくても「名字」だけで届くんぢゃないかとそんな疑問をずっと抱いていた。
それから結婚をし名字が変わった。今の名字は、今までむーちんの親戚以外で同じ名字に出会ったことが無いという、私の19年間の旧姓生活と真反対の名字である。それによりどうゆうことが起こったかと言えば私は「名字も名前もてんでデタラメ」で覚えられることが多くなった。口頭でフルネームを告げた時などとくに全くおーてない。「音が重なり発音しにくい」ということがその一因でもある。自分でも自分のフルネームを言うのに口がまめったことが少ない。それで自分の名前を間違えられても「ハイ」とそのまま返事をしていたことでなのか、郵便物はかなり名前がえ~かげんに届くことになった。私はますます「ドコまで届くねんっ」という思いが強くなり、とうとう行動を起こすことにしたのである。それが数年前からの『郵便物はどれほどえ~かげんでも届くものか』の検証である。

まずはじめに確認した事は「配達員のひとがどのくらい宛名を注意深く読むか」ということであった。ウワサによれば「郵便局員は葉書の私信の部分は一切読まない」とされている。葉書は封書と違い、その内容がオープンだ。しかし決して郵便局員はその内容を読みはしないということだ。べつに読まれてもええから手短な用件は50円で送りたくて葉書にしているのだが、読まないとは意思が固いことである。読める状況があって誰も見てナイんだったら、私は他人の私信を盗み見ることに大変な興味がある。悪いなァとは思うが、読んでみたい。そりゃ一枚二枚ならそんな興味も湧こうが、あっちゃこっちゃに配達せなアカン仕事として手にした葉書に興味なんて湧かしている暇は無いだろう。しっかし葉書の最初の1~2行程度くらい、読んぢゃおうかという出来心も無いというのだろうか、局員は。仕事に対しての姿勢が真面目な局員なら私信は読まないと思う。しかしどんなに真面目な局員でも絶対に読む箇所はある、宛名である。だって配達するんだもん、見なきゃ。その「見なきゃ」いけない宛名の部分を、どれほど注意深く見ているものだろうか。例えば今日私に5枚の封書が届くとしよう。輪ゴムかなんかで束ねた同一宛先の封書は、一番表の宛名だけを見、ポストに入れているというのか?束ねた封書の上から3番目の宛名のフルネームが全くの別人で書かれていたら『ん?』くらいには思うだろう、局員だってサ。そのためには「宛名を注意深く見る」ことが大事である。だから「注意深く見るかどうか」の確認が必要だ。
そこで私は、ラップの芯に手紙を詰め知人に宛てた。そしてその宛名のそばに「このバトンをどうぞ手渡しで『ハイ』と言って繋いでください」とメッセージ。局員さんが注意深く読んでいるのなら、バトンに模したこの手紙は十分ポストに入る大きさに調節してあるが、入れるのではなく手渡しされるはずである。

「あの…今ねぇ…君からバトンが届いたんだけど…これは何だね?」
「おぉ~ピンポンされたぁ??」
おっさんの局員がピンポンして『ハイ』と手渡しで繋いだそうである。私は前もって知人にこうゆうことをすると告げてはいなかったので「詳しい説明は中に手紙が入ってるからサ」と伝えた。バトンを繋いでもらって私は大変に満足であると礼を述べると、「おっさん二人が玄関でバトンを繋いださ…『ハイ』『あ…ハイ?』ゆぅて。面識のあるひとなんでねぇ…お互いになんとなく気まずいと言うかねぇ…。」とおっさんのひとりは大変に迷惑そうであったが、「モノは相談なんですけどね?」といくつかの「え~かげんな宛名で書いた封筒」を送るから2~3ヵ月に1回くらいのペースで投函してくれまいかと持ちかけた。そのおっさんが北は北海道のひとなので、もう一人の協力を仰ぐのには南は九州宮崎の友人コベ。彼女なら二つ返事でオーケーである。本当に学生の頃から彼女は、私のしょ~もない提案にいつも協力してくれた。こんなに頼もしい存在はいない。それから近所の、当時は中学生だった今や留年の危機に直面しているミズオ。国語はあと3回サボったらアウトなんだって。
「アンタさ、おばーちゃんちに行くならその前にウチに寄って葉書を持って行って。おばーちゃんち近辺から私に出してよ。」
「いいよ~。ミズが葉書買って向こうから出そうか?」
「ちが~う、そうゆう葉書ぢゃな~い。」
どうゆう葉書やねんっ!と掘り下げるミズオに私は説明。二度目の葉書投函の際にはわざわざ途中で父親に車を止めてもらい、違った地の消印となるよう配慮したと言う。
「えらい??」
「えらいゾ。よくやった!!」

それでは『え~かげん』の度合いの数々を見てゆこう。
郵便物であるので当然、私の個人情報が含まれる。できればそのままで郵便局のアッパレさとリアルさを出したいトコロであるが、こんなご時世であるので画像を加工。アシのつく郵便番号は伏せ、住所(仮)を示しておく。

兵庫県伊丹市可否1丁目23番地4
田泥文化 102号
千徒 まう 様


これをちゃんとした宛名とする。
この住所を正式なものと仮定し、デタラメにしたものの中から厳選してご紹介しよう。

硬筆検定を受けた経験があるだろうか。私は受けたきた検定試験の中で「硬筆検定」ほどくだけた雰囲気の検定は無いと思っている。制限時間があるのかないのかわからないが、いつも時間が足りに足りた。最後まで教室に居た記憶が無いのだ。検定を受ける人が教室で同時に「文字を書く」という検定内容をスタートするのだが、私が受けた硬筆検定のシステムは「出来た人から去る」というものだった。いつもより丁寧に時間をかけて書いても、私は10番目以内に毎回教室を去った。「よし」と決めた自分のタイミングで、教壇に用紙を提出して去る。その際、用紙は伏せていなかった。私は日々「殴り書き」という筆跡だったので硬筆検定の時だけが時間をかけて文字を書く機会であった。一文字一文字をじっくりと書き上げた時には「見本のようだ…」と心の中で自画自賛。意気揚々と教壇に用紙を提出しに行き、私より一足先に去ったひとの筆跡を目にした時、私は己の筆跡のクセの強さに愕然とするんである。「私よりも早く書き上げたひとの、私と同じ文書を書きとった文字が、見本のようだ…」と。肩を落とす私に先生はこう言った。
「字は、上手い下手じゃぁないぞ。汚くても丁寧に書く心掛けが大事なんだ。」
本当だな?大事なのは心掛けなんだな?丁寧に書く心掛けを大事にして書いた字がおそろしく汚かったとしても、それは字だと認められるんだな?
右利きの私は左手で、丁寧に書くことを心掛けた。とにかく心しか掛けていないほど丁寧に書いた。改行ポイントなんてどうでもいい。なんしか丁寧に書こうという心掛けのみ。
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それでも郵便局はコレを字だと認めてくれる。そして届けてくれる。
大事なのは心掛けである。
コレをどうにか読んで届けよう、たぶんこうだな、とアタリをツける郵便局員の心掛けが何よりも大事、アッパレ!

郵便番号には地区の情報までが入っているので、それ以下を適当に端折ってみた。
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逓信省の「テ」を図案化したマークで郵便局の「〒」、民営化で「JP」になった郵便局、短くするのは大得意、アッパレ!
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短縮してオーケーなJPは、並び替えてもオーケー、アッパレ!
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漢字がうろ覚えでもオーケー、アッパレ!
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郵便番号情報アリの地図バージョン。近辺に何があるかが事細かにあるので、かえって配達はし易かったかも、アッパレ!

さてココからが、郵便番号ナシでの地図バージョン。地図をどんどんわかり難くしてゆく。
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ヒントは、隣県がチラと見えてること。県内所々の市の名称アリ。名所の写真付き。
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この形で県がわかるかな?市内の川と池、公共施設の名称のヒント付き。
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川と池のみで市を当ててみよう。
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すんごく狭い範囲の近所だけで「このへん」というヒント。

2009年の年末にミズオがメールでフルハウスの住所を訊いてきた、年賀状を出すために。私は答えた「伊丹市しかるべき番地フルハウス 千徒まう様」。
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むーちんの会社のひとからは地区名しか書いていない年賀も届いた。フルハウスの番地がわからないので番地のトコロは手書きで書き足すことにして地区名までをプリントアウトしていたものと思われる。しかし番地を書き忘れて投函されたようだ。8丁目か9丁目まであり、二桁の区画があるのによくぞココを当ててキたもんだ、郵便局。

どうでしょう。
JPのアッパレぶり。
ご理解、いただけましたか。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-01-20 01:14 | +mender!+ | Comments(2)
昨日の朝、私は非常に荒れていた。そしてその怒りの感情がピークに達した時、丁度イノッキが「おはようさ~ん」とドアを開けたのだ。私はまさにチョモを蹴り上げているトコロだった。
「あ…蹴った…」
「てめぇええかげんにせぇよっ!そんなんで制服、燃やしてみ?自分の金出して買いに行けよボケっ!!」
「あ…蹴った…。めっさ怒ってるやん?チョモ、何したん??」
「ちょっともぉ…きーてよさぁ…コイツほんま最低や…。」
「何があったんよ?」
「私さ、昨日、ボンブーに行って夜おらんかってんやんか。」
「まだ盆踊り?!どんだけやってんねんっ!」
「月にたった2回しかないわい。30分前から行こうってしててんけど、チョモにご飯の説明するために帰りを待ってたわけよ。で、帰ってきて2階直行、呼んでもけーへん。『ごはんの説明するから来て』ゆぅてんのに上から『ハイハイハイわかったー』とかで済ませてやで?コレと~アレと~具はコレ足したらええから~ゆぅても『わ~かってるから~』とかゆぅてな。ほんで今朝、私が作ってたお弁当のおかずあんねけど、ソレが無くなってんねん!」
「喰っちゃってたん?!」
「そやねん!な~にが『わかってる』ぢゃフザけんなっ、やろ?!私、金曜日までの3日分作って保存しててんで?!これがさ、『あるもん食べて~』って夕食作らんとボンブーに行ったならしゃーないわいや。私はちゃんとナベ作って、しかも「足す分」の具の説明までしてやで?!アイツ何した、って炊飯のスイッチ押したダケやで?それでナニ喰っとんねん、やんか。私のおべんとうの計画を台無しにしやがってサ、ほんで謝るどころか『食べたらアカンなんか言わへんかったやん』やで?食べてイイとは一言もゆぅてぇへんっちゅーねんっ!謝りもせんわ挙句の果てには、私が洗濯物をコツコツと乾かしてるファンヒーターとの…この狭い狭い間に…無理から入って来て温まろうとするねんや、どーーーーーー思うよ???フザけんなっ!!オマエっ向こう行けやっ!!」
蹴り入魂。
「あ…蹴った、ははははは~。チョモ、最低やな。」
最低ラインを大幅に下回ってるぞ。人間にしとくのさえ今はもったいない。デやす・コなす・シなす・ド・わりゃあ!(『シルク・ドゥ・ソレイユ』と聞こえたかもしれませんが、『殴る・泣かす・殺すぞ、てめぇっ!』という意味の私のソウルフル方言です。)

私は今週の「大寒波がクる」という情報を得て、前もって入念なる「おべんと計画」を立てていたのである。日中のひとりきりの時にはファンヒーターもつけず、じっとおコタの「弱」よりも弱い「切」の一個手前の「・」で細々と暖を取って凌いでいる。もちろん電気など付けずに薄暗い中でサ。こうしてコツコツと節約し、誰よりも誰よりも寒さに弱いと自覚しながら寒さに堪えて買い物だって気合いを入れ自転車で。ただでさえ苦痛の起床は「大寒波」という条件でさらに過酷になる。朝の冷え切った台所ではファンヒーターの温風で「昨日乾き切らなかった洗濯物」を乾かしながら朝ごはんと弁当を作る、という高度な作業をしている。半乾きの洗濯物が温風を吸収するので朝の台所は非常に寒い。しかしこれもみな、先月1万円を超した電気代をなんとか半額に抑えるための策である。洗濯物を次々に乾かしていきながら、とっても嫌いな炊事をやる朝の時間こそが私にとって悪夢の時間である。それに大っ嫌いな「大寒波」がプラスされるというのだ。「探さないでください」と置き手紙でもしようかという精神状態の私は「追い詰められた」と察知した。そこで「大寒波」が続くと予想される3日間の弁当のおかずを一気に作って保存しておくことにしたのが前日の出来事。これで「大寒波」中の私の弁当作り所要時間は1日5分縮めることが出来るというアッパレな「おべんと計画」であった。
…それを、チョモのどアホが台無しにしやがった。「ホウレン草とベーコンのマヨーガリン炒め」があると信じて疑わなかった私は「最後に温めてあとは詰めるだけ」の段階になって冷蔵庫を開けるまで、ホウレン草が跡形もなく消えているコトに気が付かなかった。
「ぇぇえっ?!えぇっっ?!えーーーーーーーっっ?!!!!!」
事態を把握するのに30秒を使った。
「ホウレン草…食べたか???!!!」
「…ぁん。」
「…てめぇ…っっっざけんなっ!!!!!!!…ぁれは…あ…ぁれは…おべんと用の…ぃや…イヤ…いやぁああぁああぁああっっ!!!!!!」
ホウレン草で緑黄色野菜が、ベーコンで動物性脂肪が、マーガリンで植物性脂肪が、マヨネーズで腹モチが、賄える一品…黄金比率の逸品が…。
「てめぇ…何てコトを…ホンマにムカつくホンマにムカつく最低最悪うぜらしい…」
私は卵を焼き、きゅうりを刻みながら、思いの丈をブツブツと唱えた。
「誰が食べろとゆぅた…いらんことしぃが…下痢になってまえ…アシ挫けや…」
思いの丈は、呪いに変わった。
「朝からカリカリさんやなぁ~♪」
私がホウレン草にどれほどの計画を託していたかを知らないむーちんは「一品が減った」くらいにしか思っていないらしい。チョモによって突然に奪われた私のホウレン草は今、卵ときゅうりと塩コンブを巻き込んで、この「大寒波」の辛い朝に「10分の調理」という代替品キッチンコロシアムスペシャルクイックを課しているのだ。タダぢゃおかねぇぞ、チョモ。滅多に計画を立てない私の完璧な計画をよくも無残にブチ壊してくれたな。

「はよ学校、行けやボケ…。私の前から消え失せろダボ…。オマエ覚えとけよ…ホウレン草の恨みは怖いからな。」
この恨み…必ずや晴らすことでしょう、すぐにでも。
「…行こか…?」
私のただならぬ怨念を感じ取ったイノッキの号令により、彼らはいつもより数分早く家を出て行った。イノッキ、恨むならチョモを恨みな。何もかもアイツが悪い。アイツがホウレン草を喰ったことが招いた結果だ。喰い物の恨みは何よりもおっそろしいんだ。今後半月ほど「ホウレン草」というキーワードを口にすれば、蹴りをくれてやる。一定の距離を保ったほうがよいだろう。

記念すべき制裁新作発表なのでもちろんワンランク上の包布。
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紀州梅のオヒノマルなんて頭が高いわい。
種で十分ぢゃ。
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ウラミを買った本日のオ貧ノマル弁当。
怨みはハラス…きっちり晴らしてみせましょう。
2分も使って作ってやった、ありがたく思え。
次に同じ過ちを犯したら米、抜くからな。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-01-15 09:33 | +mender!+ | Comments(0)

引っ越しの極み

「お~なんか『引っ越しする』って感じがしてきたなぁ?」
「してきたやろ?」
「やっと『引っ越し』の雰囲気、出てキたなぁ?」
「実感ねぇ、してきたぁ?」
「する・する。引っ越しの極みやな~!」
昨日あたりから、ヘイポーもチョモも声に出して「引っ越し」を噛みしめている。
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こんなカンジとか。
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こんなカンジね。これだけカラになってくるとココから出るってカンジがするよね。こっちがカラってことは自動的にフルハウスがツメツメってカンジね。
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コレも引っ越しの雰囲気が満載だよね。
荷物を入れてからクロスを貼ることになっているので、細かいゴミが入らないように塗装する時なんかにカバーするヤツをしといたほうがええらしい。コーナンに行ってみたが、そのようなモノが見当たらず仕方がないので「デカいラップ」みたいなもんを買ってきた。ラップにしてはデカいが押し入れをカバーするには小さい。ひとりでするにはやり難い作業をコツコツとやっていると「こっちのほうが大きいから、これのほうがラクやろ。これを貼ったらええで。」と床に敷く用のシートを棟梁がくれた。

「さぁ~っ!今日から食材処分でどんどん粗食になってイくで~っ!!質素の極みやな~っ。」
品数だけ多いけど、どれもこれも「ちょっとずつ」の食事。

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コレ、知恵の輪みたいになってんだけど。
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こんな風に設置したのは、誰だっ。…それは私だが。

ハンドパワーで…取ってみせましょう…
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あれ…パワー切れ。
「これはさぁ…考えるに、この空間で外すんはムリやな。入れる時もこっちの広いトコロで分解しといてはめ込んだのをふたつ同時に押し入れに持っていったな。だからその逆をやるんやけども…そうなると、コレ、邪魔やな。」
奥から奥から入れてったハズだから、手前から手前からのけてかないとねぇ。…最後でえっか。


私は伊達に何十回と引っ越しを重ねてきたわけではない。引っ越す度に「引っ越し力」がついてきているのだ。
何週間も前から荷物をまとめていると、「使わないからまとめていつでも運べるように」しておいたつもりが急に要り用になる、ということが必ず起きるものである。そして「あっちに入れたかこっちか…」とやっているうちにもう面倒になって、あるとわかっていながら買い足すという無駄な出費が発生してしまうのがオチなのだ。ギリギリまで何もしない。それが引っ越しの極意である。「よし」と思ったその日から急に荷造りを始めるのが一番、効率が良く且つはかどる。ただ「疲れる」ということだけは覚悟せねばならない。私はこの二日間で「こんなトコにも筋肉があったのね…」と思うくらいの筋肉痛である。これが「引っ越しの極み」である。
無駄なく、出費を抑え、イイ感じに引っ越しをする場合、引っ越しの二日前までは普段通りの生活をするほうが得策である。食材の計算をしこれをカラにするようにしつつ「今いるものダケを残す」という消去法で荷造りをするのが一番、スムーズ。
そして、最後まで使っていた「使いサシ」などを詰める時のポイントは「無駄なく一切合切」である。
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これはあそこに・これはここに、なんてな梱包上の配慮は無視しよう。ごちゃまぜでよいのだ。
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だって引っ越し先でも「今、使っていた。」というものはすぐに使うことになるのだから、ひとつの箱にまとめて入っていたほうがラク。文具は文具・雑貨は雑貨・キッチンはキッチンという区別はいらない。辞書の中に靴下が入っていても気にならない自分をつくるのである。

「使いサシ」の物は小さい箱に入れてから詰めるのが基本。グラグラするからって新聞紙を丸めて詰める、という無駄は絶対にやってはならない。
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エコバックの中にゴミ袋を入れておき、それをクッションとして詰めるんである。
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荷解きをする時、ゴミ袋まであればひとつの箱を開ける時に出たガムテープのゴミなども「その箱の中の物」だけで処理できるので作業がラク。雑巾・軍手なんかを入れておいても活用率は高い。
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そして大きなポイントが「テープ」。これはビーっと貼る「キチンと封」をしたらば、テープがいくらだって要るし荷解きの時のゴミも増えるので端を二カ所だけちょこっと。
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なんやったら一カ所だけでもいいくらい。30個も40個も荷解きするんである「キチンと」がどえらい無駄になる。要は、蓋が開かなきゃいいわけだしね。
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「何が入っているか」を書いておくのも、誰にでもわかるようにでなくてよい、自分だけにわかれば。
こうして、封を「しているもの」と「していないもの」の個数を考えながら荷をつくる。一番上に「していないもの」を置き、その上に袋詰めにした「軽いもの」で「押さえ」的な処置を施す。荷解きをラクにするためである。
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極みやな~キ・ワ・ミ。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-11-27 00:15 | +mender!+ | Comments(2)

集う家

「なんでフルハウスなん、あっこ?」
「だからよぉ…何度もゆぅとるがな…」
購入して只今リフォーム中である中古一戸建。そこをなぜに「フルハウス」と呼ぶのかとチョモもヘイポーも何度も訊くが、ヤツらはちっとも私の説明などきーちゃいない。この時も私はひとり台所で夕食の準備をしながら、答えた。
「いろんな面からみてフルハウスだからだって言ってんぢゃんかよぉ…『満員』という意味もあり、ホームコメディのあのカンジも取り入れて…」
「お前、スパイク持って帰ってきたか?」
「あー…うん。スパイクな?持って帰ってくるわ…」
今日もきーてねぇのかよ…。私に質問しといてむーちんと別の会話してんぢゃねぇよ。
「…で?なんでフルハウス?」
「アンタねぇ…。はぁ…『フルハウス』っていう外国のホームドラマ、知らん?」
「知らん。」
「じゃぁゆぅてもわかるわけないな。いろんな意味を持たしての『フルハウス』やねん。…じきにわかるわ。」
「明日、ハリ行っとき?6時半に着くように。オレ帰りにお前を迎えに行くから。」
「…え?明日、行くん??」
「雨でたいした練習してへんやろ?こうゆう時に行っとくねやがな。」
またきーてねぇな…。なぜにフルハウスなのかと二度と訊くな。

1ヶ月で済むのかなぁ~と思うようなリフォームを1ヶ月でやっている棟梁の仕事は「現場仕事」である。図面もアがってはいない。キッチンや風呂の図面というのはメーカーがコンピューターでピピ~っと出してくるので、注文した翌日に見積額と一緒にアがってきた。その図面を、新しく立てた柱に「太いホチキスのタマ」みたいなヤツでブスっと止めている以外、このリフォームに図面は存在しないのだ。しかし棟梁の作業だけですべてのことが出来ることはなく、ガス屋さんも水道屋さんも電気屋さんも来ていろいろな作業をするのだ。
「仕事はな?段取りやで。段取りが7・あとは3で仕事は出来るねや。段取りがうまいこといってたら、現場の仕事は素直に行くねや。…ところでなぁ…ガスコンロやゆぅとったなぁ?IHやとばっかしおもとったから、ソコだけがな、うっかり段取りがうまく行かへんかったんやがな~うっかりしとったなぁ…。さっき連絡したんやけども、ガスをなぁ…やってもらわな他の作業がでけんのやけど、きーてみたら予約が詰まっとって早くても19日やゆぅからなぁ…まぁそれまでは他のとこをやっとくけども…1…2…3…4日やなぁ…4日しかないけど…まぁ…ギリギリかなぁ。でも19日でよかったで。それより遅かったら引っ越しが今度は間に合わんからな。先に二階を仕上げるから出来たら荷物をチョコチョコ入れていったらええわ。引っ越しは最後の日に、人間と布団だけを持って来るようにしょ~か。」
そう言って棟梁は下の階の作業を一時中断し、二階の作業へと移った。間もなく電気屋さん到着。長らく一緒に仕事をしてきた職人さんらしく「明日な?電気屋さんに、ここらへんにコンセントが欲しいやら電話線がほしいやらそうゆう場所の希望を言うて。」と前日に知らされた。私は、「えぇっ?!明日急にコンセントが欲しい場所と言われましても…」と焦った。ドノ部屋でナニをどのくらい使うかなんて、まるっきし考えていなかったからだ。前日の夜に「とりあえず電話の場所だけは定めた」といった状態であったのだ。

「あ~どうもどうも。ほな、ここねぇ、図面なし。図面は、ワシの頭の中にありまんねや。」
棟梁「図面なし」と電気屋さんに説明。…て~いいのかな~?…と心配になる私。
「はいはい、図面は頭の中ね。ん。ほな、きーとこか。」
あ・イイんだ。
「ココがこんだけ逃げといたほうがいいね?ここは?」
「こっち洗面、ここ洗濯機、あそこが風呂でね。」
「はいはい、ほなココに差し込みやね。」
「あ、ほんでココはハコ。インターホンのアレが来まんねや。」
「ハコね。ほな裏から出しとくわ。埋め込みやね?」
「そーそーそー。ほんで、ココはひとつにして、コレをコッチにずらすわな?」
「あーそやね、じゃぁひとつにしよか?入口、コッチやね?ん・わかるわかる。アッチに一緒にまとめよか。」
「そのほうがええな。」
このように棟梁と電気屋さんのな~に言ってんだかわからない、頭の中の図面での電気配線は、ショートすることもなく次々に決まる。
「ほんなら…まぅちゃん、アンタ言いなさいよ?」
「ええっと…何て言ったら…?何の話しでしょうね…?はははー…」
「アレよな、差し込みの場所やら、あるやろ?電話も親機と子機とあるがな。あとなんや…パソコンのヤツとかも言わなアカンで?なんかあんねやろ?ソレをアンタが言わなワシはわからんで?」
「はぁ…うぅん~っと…場所…ですと…そのぉ…電話の親機とLANのモデムが玄関っていうのしか決まってナイんですけど…」
「ん。じゃぁ一応、きーとこか?」
と、電気屋さん。
「コンセントがココにあればいいなぁ~、くらいのだいたいの考えがわかればそのヘンに持ってくるからね。細かいとこは中を見てみなわからんけどコッチでやれるからね、だいたいの位置でええからゆぅてみて?」
私は、前日の夜に「おまかせ」に決めていた。電話とモデム以外の位置は。電気屋さんは数々の現場を見てきていろんな家庭の動線を知っているわけだし、部屋数に対するコンセントの数と位置、どれも便利な場所というのを把握しておられることだろう。すでに私でなく棟梁との会話の中で「掃除機のための差し込みがココらへんに要るなぁ」とか「乾燥機と洗濯機の分をココで取ろうか」とか、考えもしなかったコンセントの位置が次々に決まっていたので、私が説明するのは親機の位置と子機を置く部屋、モデムの位置、それからパソコンは線で繋がない、という情報である。
「ん。ハイ、理解しました、っと。今のうちに中に入れられる線は全部入れとこかていうことと、あと電話会社の線をね、引いてもらう位置を確認しといたらええ、おもてたんやけど、あれやね?パソコンと子機と、電話線は必要ナイねんね?」
「そ~です、そです。電話線が要るモンは全て玄関にまとめようおもてますから。子機は充電のためなんでコンセントが欲しい、ということで。パソコンは無線LANなんで、親機とモデムさえ電話線で繋がっとったら、どの部屋に置こうが電話線無しなんです。設定の時だけ線は要るんですけど、設定だけですから玄関でチョチョっとやってあとは繋がないんで。」
「は~い、ハイハイ。そういうことやね。電源を入れたいだけやね?」
「そ~です、そです。電源入れるのに電気が欲しいだけです。」
「はいはい、了解。コンセントね。中に入って引っ張ってきたらいけるわ~。」
なんという職人会話で仕事がススむもんであろうか。現場仕事って、こうゆうふうに「ただ話す」だけで決まる所がよいと思う。融通がキくって感じ。融通がキかなければ「信用」があるとでもいいたげな「デスクワーク」よ、ちったぁ見習いはったらどないでっしゃろ。何でもかんでも「確認書類として」やら「何かあった時のために」やらゆぅていろいろ書かすけど、それってお互いを信頼してないからやんな。問題が起こったら「ココにはこう書いてありますから」の証拠が必要なダケぢゃんか。世知辛い世の中になったねぇ…親方ぁ~。融通がキく仲だから、あっしは親方のことを信頼しとるでぇ~任せるでぇアンタが大将やぁ~ええ仕事しとくれや~たのんまっせ~。ひととは、信頼を簡単に裏切ったりはしないものだ。職人同士の信頼とは、持ちつ持たれつの関係から生まれた、その腕とその仕事ぶりを長年に渡り評価した上での信頼なんである。「このひとに言われたんぢゃぁ~ええ加減な仕事は出来ねぇなぁ~」といった仕事ぶりから「おっとこの仕事だったらヤツに任せといたらまちげぇねぇっ」といった信頼が根付いてゆく。現場仕事で見られて評価された信頼は融通がキく、ということを知った。だって棟梁の頭ン中の図面が、電気屋さんに見えちゃうんだもん。どこまでもキくなぁ…融通。

そんなこんなして電気の筋道みたいなもんを言っていたら、なぜか到着ガス屋さん。
「あ~ドモドモ。明日、急遽キャンセルが出たんや。2時頃、来よか?」
「あぁ、そうかいな~。そらラッキーやったなぁ…明日やってくれたら助かるで~。アンタ来るんか?」
「いやいや私は別の所に行かなアカンから来られへんねけど、ひとりコッチに寄こしますわ~。」
急いでいるみたいだ、ということを察してキャンセルを有効活用すべくガス屋さんがお知らせに来てくれた。ガス屋さんまでキくなぁ…融通。しっかしなんてタイミングよくキャンセル…キくねぇ…ラッキーもキいてる。そのラッキーを運ぶ先にとウチが選ばれたということが、現場仕事の融通の成せる技である。これもみな、棟梁に信頼があってこそなのだろう。職人の力って…スゴい。
そんな棟梁(つまり義父)と同居をしていた時期に、こんな話を聞いた。仕事に行ったおとーさんが帰って来るたびにいろいろな物を持ちかえる。最初は「おやつにどーぞ」と現場で出して頂いた「おやつ」みたいな物だったのが、日を追うごとに米とか野菜とかの「農作物」になってゆくのだ。これはさすがに「おやつ」にはもらわないんぢゃないか…と若い私でも気が付いて、おかーさんに「これってわざわざ用意してくれてるんじゃ…」と言ったのである。するとおかーさん「そうやねん…用意してくれてはんねん…」「えぇっっ?!」。
訊けば、話しはこうである。その頃、棟梁は企業に「工務店として入っている」ということのようだった。手広く事業をやっている企業の「建築部門」のような仕事に職人として携わる、というような。何年も前から不況になっていたらしい建築業界では、昔のように基礎から一職人に任せるような家を造ることはなくなってい、お客のニーズも「ローコスト」が優先であった。仕事を受けるのは企業で、工務店として入っている棟梁は企業が受けた単価で仕事をするようになっていた。しかし棟梁は住み込みの修行からして職人を全うしてきた大工であったので、家というものを知っていた。こんな単価でええ加減な仕事をしていたら信用も何もない、こんなことでは駄目、と単価以上の仕事をしてしまう。それでは採算が取れないという企業側は客の求める単価で単価に見合う仕事をするように説得するし、目先の安さに飛びついてええトコと悪いトコがあるという考えの棟梁は単価以上の仕事でなければならないトコは単価以上にする。言い合いになった結果、その企業に工務店として入るのをやめたのか仕事が回ってこなくなったのか、ソコは「まぁ…いろいろあってなぁ…」とおかーさんも濁していたので深く訊くこともしなかったが、棟梁の仕事の結果としては、技術が信頼を得た。その企業で棟梁が単価以上の仕事をしたお客さんがどうも安い所で安い仕事を頼んだようである。今の私、その気持ちが痛いほどよくわかる。家の手直しというのは自分が思う以上に出費が嵩むものなのだ。しかし、それがすこぶる悪かった。絶対に安い仕事をしてはいけない所を安くしてしまったがために不具合が出たようで、その箇所を「あの時の棟梁にやり直して欲しい」と棟梁の連絡先を調べて直々にお電話いただいたらしいのだ。あの時は安さにひかれてヨソに頼んでしまったけどやっぱり棟梁の言うてることがホンマやと思った…と、単価が高くなってもいいから棟梁に全てお任せでお願いしたい、とのこと。
「あの時は、時代が安いほうへ安いほうへいってるのは仕方のないことやねんから、そこは単価を1と言われたら1の仕事をしたらええのにおとーさんはそれぢゃぁ使いもんにならん、ゆぅて1を10の単価でやってしまうもんやからなぁ…あんなことになってしまったけど、それでもやっぱり単価以上の仕事をしたことは、ちゃんとわかるもんやねんなぁ…こうやって『棟梁の仕事でお願いします』ゆぅてくれるひとがあんねから、ちゃんと価値のある仕事やねんで。」
と言ったおかーさんの言葉も忘れられないが、もっと感動したのが、棟梁がそのお客さんの仕事を前と同じ単価でしたことである。もちろん、10の仕事を1の単価で、である。
「そやからそのひとがな、『それじゃぁ申し訳ない』ゆぅていろいろくれはんねんけど…。」
「くれはる…ゆぅても…そんな単価で…仕事は…成り立つんですか…?」
私は仕事のことは何もわからないけれど、10の仕事を1でやっちゃったら赤字ぢゃないのか、ということくらいはわかったのでそのことがとても心配になった。
「いや…それはなぁ…まぁ企業を通してない分、安く出来るってのはあるねやろけどなぁ…まぁ…おとーさんがそれでやるってゆぅねから。」
「それでやるって…それで…やれるもんなんでしょうか…」
「しゃ~ないでまぅちゃん、おとーさんがやるってゆぅねんから~はっはっは~。」
しゃ~ないでって…はっはっは~って…。このおかーさんあってあのおとーさんで、そんで成り立ってんだろうなぁ…と思いつつも私はやはり心配だった。お金のない私たちが転がり込んで同居までして…私が…私がこのひとたちを守らねば!!…いや…思いっきり足引っ張ってるぞ…面倒かけ通しだぞ…今もって…。…あ・なんか情けなさ倍増する思い出をピックアップしてきたな…。しかし、同居していた時に私が両親から学んだ大きなことのひとつは、これである。1の単価で1の仕事をやってはならない、ということを見極めるような人間になろう。1の単価で10の仕事をやれる人間になろう、ということ。

「よぉ~掃除しとるかぁ~?」
塗り職人から掃除のおばちゃんへと転職したての私に、むーちんが声を掛ける。
「ここは…30年ばかし掃除をしとらんな。拭いても拭いてもウフフフフ、やで。はぁ…疲れる。」
「精が出るなぁ~?いよっ塗り職人っ!頑張っとるか?」
「ふ…もう『塗り』なんてちぃせぇ仕事はせんのぢゃ。私、今日からノミ職人。」
「ノミ職人?ノミになったん?」
「うん、さっき。」
さっき、サッシの掃除をしていたトコロ、隅にこびりついた汚れを取るために、「おとーさんおとーさん、コレ、この先をちょっと削ってこう…ヘラみたくしてください。」と頼んだのだ。おとーさんは「コレか?片面か?両面か?」と言いつつ、私が「片面で。」と答えると、ノミでもってちょちょいと削ってみせた。
「むむ…出来るぞなもし。」
と私は独りごちた。それが『ノミ職人』の誕生である。私、篆刻するしサ、いけっかも。
「おとーさん、ノミ、借りますよ?」
「はいよ。」
「おとーさん、ノミ、借ります~。」
「はいよ。」
「おとーさん、ノミ、借りててイイですか?」
「いいよ?」
「おとーさん、ノミ、あっち持って行っててもいいです?」
「いいけど?」
「おとーさん?ノミ、全部、持って行ってもいいですか?」
「かまへんけど…まぅちゃん、何してんねや?」
「掃除です。」
「アンタ、それ、ノミで削ったりしたらアカンで?傷付くで?」
「いえいえいえ、ノミで削ってるのは割り箸です。ほら、鉛筆みたいに削ってコレでサッシをキレイにしてるんです。ほら・ほら。コッチがヘラみたい、コッチは鉛筆みたい。2wayですよ、ね?」
「ほーか…そらよかったなぁ…」
「ほら、これも・これも。これも2way、なかなかでしょ?」
「ほーかー…」
棟梁、忙しくて私の彫刻、見てらんない。
「あ…どうぞ続けてください…私、静かにやりますんで…」
「ほーかー…」
棟梁、私の言葉もさしてきーてなかったみたい。…寂しい…喜んでるの…私だけ…。

「じゃぁ、明日9時半で~。」
リフォームの手伝いに来てくれるというイノッキに、しつこく「私は『ノミ職人』やからな?」と言っておく。
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「なぁ、ノミ職人?何してんの?」
「ノミ。」
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「ちょっとオレにもやらしてよ。」
「知らんモンが手ぇ出すんぢゃねぇっ」
職人は道具が命なんだよぉ、勝手にさわるんでねぇ。
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「ま・これが『ノミ職人』のウデってやつ?」
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「彫刻してくんだよね。」
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「どうよ?どうよ・どうよ??」
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ん~たのしい。
「オレも削ってみたい。」
「やりてぇか?ちょっとだけやで。」
イノッキが割り箸をほそ~く彫刻。
「ふ…まだまだやのぉ。そんなんぢゃ、折れるで。」
ええか?ノミってのは扱いが難しいんだぞ?
「なぁ、ノミ職人?何したらいい?」
「網戸剥がしてよ。」
「ええで。オレ、網戸職人?」
「網戸『剥がし』職人な。」
そこンとこ、はっきりしとかねぇとな。網戸を「張る」職人は、私だからな。
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「そこ、『ぷー』やろう。」
「なに『ぷー』って?」
「知らんのか『ぷー』を?これこれ『ぷー』な。」
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「この、掃除機みたいなやつ?」
「掃除機とは逆やけどな。掃除機は吸うやろ?これは『ぷー』て出るねん、風が。」
「あぁ…だから『ぷー』なんや。」
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油断してっと、どんどん出世すんで。
「じゃ、枠もキレイにしてな?」
「むっちゃキレイになったで。見てよ~この雑巾のたなびきよう。」
タオル一枚をまんま雑巾にしゴシゴシとキレイにしていると、ダランと垂れた部分がブルンブルン揺れる。
「たなびいてるなぁ…って…『たなびきよう』ってえらい表現すんなぁ…笑かすなや…腹イタイ…たのむからツボにはまるようなこと言わんで欲しい…作業がススまんから。」
「だってめっちゃたなびいてんねから。」
「たなびいてる、けどもやなー…腹イタイ…やめてくれ…」
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ワタクシ、本日を以て「ノミ職人」の座を譲り「ヤスリ職人」になると決めたぞなもし。明日、ウィ~ンと動くヤスリの機械が届くそうな。おもしろそうだ、そっちでイく。職人が足りねぇなぁ、誰か修行を積まねぇか??

さぁ、そろそろわかってきたかな?フルハウス。
棟梁が水道やさんも電気屋さんも呼びガス屋さんも呼ぶ、木材屋さんも来てメーカーさんも来たよな。チョモがお手伝いに友達を呼んで、どんどんこの家は満員になってゆく。いろんな人の手によって、この家は出来あがっていくんだよ。みんなが楽しく、それぞれの役割を持ってフルハウスに集うのさ、ホームコメディ『フルハウス』のようにドタバタと楽しげに。出来上がったら手伝ってくれた友達を呼んでね、12月には引っ越しそばパーチーだぞ。そばだとわいのわいのやりながらやってたらのびちゃうから、チョコレートフォンデュ祭りでもいいな~なんて考えているが、どうであろう。あ~ワクワクしちゃう。早く12月にならないかな~♪ようこそ!楽しげな我が家『フルハウス』へ!!
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by yoyo4697ru980gw | 2009-11-18 00:46 | +mender!+ | Comments(0)

布告弁当

「なぁ…ヘイポーきーてよっ、アイツほんまイヤやねん、チョモよぉっ!」
「…ボク…寝てるから。」
「…寝てんの?」
「うん、寝てるの。」
「それはそれは失礼しました…ホンマに寝てんの?」
「ホンマに寝てるの。」
起きてんぢゃん。

チョモの朝練がある時、ヘイポーとチョモの登校時間の差は1時間くらいある。だから、チョモが家を出てもヘイポーは30分は眠っていられるのだが、起きると必ずと言っていいほどチョモと私の会話を聞いていてその内容を突っ込んだりする。むーちんと私の会話を聞いていて「むーちんとラブラブやったなぁ?」とか言うので「むーは私がいないとダメなヤツでなぁ…手袋の場所がわからんのや…私の隠し財産の場所なら知ってるのに…」と答える。あ・むーちんに貸した2万円、まだ返ってきてねぇぞ。
むーちんと私の会話を聞いているということは、ヘイポーは6時半からタヌキ寝入りをかましていることになる。それなのに、今日は寝ていると言い張るのだ。今朝は歴史的な朝だとゆうのに。

「えっ…?!そのノリ…今日もしかしてオヒノマル??いやー…今日オヒノマルは困るねんけどなぁ…ホンマ…あー…アカン…オヒノマルを食べてる時間がないのに…」
「オヒノマルと思うんやったら思っといたらええやんか。」
「だってそのノリは、オヒノマルやん。」
「ふ…アッチ行けよ。」
私はキッチンバサミでノリを細く切りながら、チョモのケツを蹴り上げた。チョモのしろ~いテーピングのあるケツを。
チョモのケツ痛が長引いたため、むーちんがかかりつけにもう一度連れてゆくよう、私に言いつけた。私はかかりつけに行っても結果は一緒だと言った。だって「いがんでる」という痛みっぽいからだ。スジ違えてる、とかそうゆう痛みは医者より接骨院のほうがどうにかできることを、ハタチでぎっくり腰を患った私は知っている。そしたら、むーちんが評判のいい接骨院をリサーチ。そこへ連れてゆきハリを打って見事に痛みは消え去った。しかし、チョモが接骨院にかかる前に経験者の母は言ったのだ。
「一回いがんだら、一生つきあっていくしかないねん。私もそう言われた、痛めた時に。『そのうちわかるようになる』って。そん~なまさか、治ったんだから~って思ってたけどな最初は。何回かやって言われた意味を理解したわ。ボキボキいわしてるやろ?私、アレな、ズレてるんがわかるから入れてんねん。そのタイミングでやらんかったら完全にはずれる~てわかるから。ハズれたら接骨に通う羽目になんねん。接骨とか行った時は正常になってるからいいねん、でも普通に生活してたら必ずいがむからな?いかにストレッチが大事やったか、てコトやねん。もうそんなんなってるから今さら遅いけどサ。『そのうちわかるようになる』まで正しい姿勢とストレッチをやりや、ここいらの接骨院って高いねん。ホンマになぁ…ただでさえ金が出ていってんねから今…たのむで。」
インフルエンザでさえ撃退したのに、電流ビリビリ流してお金まで流してんぢゃねぇよ…ホンマ、たのむで。

筋肉の痛みを取るためにチョモは毎夜、氷嚢でアイシングをしているのだが、そのまま眠ってしまう夜が続いていた。そのまま眠ってしまった、というだけなら大目にみよう。ヤツは、私のベッドで「そのまま眠ってしまう」のだ。ロフトベッドにチョモが眠り、その下にスッポリと入れた折りたたみベッドで私が眠ることになっているのだが、チョモは下のベッドでアイシングをしながら眠ってけつかるのだ。夜中に眠ろうとした時にほぼ毎日、私はチョモを揺り起こすが、チョモはいつまでもデカい図体を丸めてベッドにしがみつく。殴って蹴って叩いて引っ張って、はがすようにベッドから引きずり降ろしているのだ。そしてこの二日間、私のベッドで眠ってけつかったチョモは、氷嚢の中の水を私のベッドにぶちまけていた。「おもらし」くらいの量である。
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これが、問題のアイシング用氷嚢である。
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このように使う。卓袱台があるような昭和のテレビドラマに出てくる普段は元気な子供が、高熱を出した時に額を冷やすような吊り下げ式ではない。私の子供時分ですでに氷嚢ではなく「氷枕」というアイテムに変わっていたのだが、これは「昭和の名器」だと思う。パッケージがなんか昭和っぽかった。リサイクルショップで180円。
口の部分にパッキンがついているのだが、眠ったチョモは寝返りを打ちこの氷嚢の上に全体重を乗せるらしく、その重みに耐えかねた氷嚢は破裂を免れようと圧力を分散させるため、どうもパッキン部分から水をジワリと漏らしているらしい。「アイシングするなら自分のベッドへ」と注意をしたが、翌日またもヤツはおもらし。しかも敷布団のど真ん中をビッチョリ。私は夜な夜なタオルで拭き拭き、それでもちべたいのでタオルを重ね、自分の重みで滲みてきて濡れるのはイヤだから、ど真ん中のおもらしを避けるため「C」の姿勢になって眠ったのだ。私は怒り心頭。

「…だからな?ヘイポー。私は昨日やぁ…こ~やってこんな寝にくい姿勢で眠ったんやで?」
「めっちゃ迷惑やな。」
「ほんと、迷惑。」
タヌキ寝入りだと踏んだ私は、寝ていると言い張るヘイポーに構わず語った。案の定タヌキ寝入っていたヘイポーは反応した。
「だから今日は制裁弁当にしたんや。」
「オヒノマル?」
「オヒノマルぢゃ刑が甘いから、布告弁当。」
「フコクベントウ??」
「うん、最新の制裁弁当。法律だって毎年変わってんだから、私の刑法だって変わんだよ。」
今年のクリスマスプレゼント候補を早々と絞りにかかっているヘイポーの第一希望はついこないだまで「六法全書」であった。
「二千円を超えてもいいんやろ?価値があったら。」
「本当に価値があると認めたらね。ヘイポーのためになるならね。」
「六法全集なら、認める?」
「…六法『全書』やろ?六法ゆぅくらいやからまとめとるやろ、一冊に。残りの二法は第二巻で!てのはイヤぢゃん。しまった…民法は二巻やったわ…一巻しか持ってきてない…とかなりそうでヤだ。」
自分の気に入っている法令を丸暗記して楽しんでいるヘイポーは、六法全書を手に入れていつでもペラペラしたいようだ。今は、ネットで法令を検索しないといけないから電気が必要になってくる。「インターネットの電源入れていい?」と言っても「ダメ」と私が言うので、なかなか思うようにいかないのだ。しかしヘイポーの調べによると法律は毎年変わっているらしく、すると「六法全書」は毎年、買い替えなくてはならない。そうなると今年以降のクリスマスプレゼントが「今年の六法全書」となってしまう恐れがある。
「やっぱり六法全書はやめようかなぁ…今はじめるにはちょっと早いかなぁ…と思って。」
「うん…ずいぶんと早いと思う。」
私が六法全書をはじめたのは高校生の時だ。授業で使ったからだが、買い替えた記憶はないし、卒業したら見ることもなかったな。12歳で六法全書をはじめるのは早いだろう。そもそも「六法全書」って「はじめる」ものなのか?冷やし中華ぢゃあるめぇし。

制裁弁当新バージョンであったので私はワンランク上の包布を用いた。
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この包布でお弁当が包まれていたら今日の弁当はちょいと豪華版だとおもてええで、とチョモには言ってある。だからチョモはこの包布で「おっ?!」と思うわけだが、まァ滅多にこの包布が登場することはない。しかし本日はあえて使う。記念すべき制裁弁当の新作発表であるからだ。
「布告弁当と言ってね、布告した命令が書いてあるんだけど、ごはんの分量が多いので梅干しを2コにサービスしておいた。だから『。』が2コついてるってコトなんだよね。ソコがちょっと不満。」
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本日ヨリ下ベッドヘノ立入ヲ禁ズ。。

な?せっかく布告してるのに緊張感がナイだろ?句点がふたつってのは。
ヘイポーも来年から中学生になって弁当になるんでね、制裁弁当の刑法改正を丸暗記して十分に理解し、刑に処されないよう気をつけることやね。ちなみに、千徒家制裁弁当の刑法は罪のレベルによって随時更新していきますんでね。ほんでその新しい制裁は六法全書に記されることは一切、ないんでね。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-11-13 23:01 | +mender!+ | Comments(1)

シブチン自由研究

「柿渋作りをしよう。」
「やればええやん。」
「手が2本ほど足らんねん。来年の夏休みの自由研究は保証すんで?撮った写真はあんたが使えるように消さずに保存しとくから。一緒に作業すれば工程は頭に入るやろ?レポートってのはその手順を書いたらええわけやん。なんやったらその後の変化も写真に残してもええで。1年がかりの自由研究となれば堂々と『研究』て言えるだけの価値はあるね。資料は完ペキで労力は半分。条件はイイと思うけど?」
「よしっ!やんでっはよっ!」
「え?!今?!今からって意味じゃないんやけど…昼からすれば…」
「ほらっ!今するって決めたら、今っ!!今じゃないともうやらへんっ!!」
「ええぇー…今はちょっとすることあんだけどなぁ…」
「僕だってすることあんねから。今じゃないともうせへんで。」
急にやる気を出してんぢゃねぇよ…。

私は2年間の「仕事は絶対やりません」期間で、自分が興味のあることは片っ端からやりまくりたいと思っている。今までだって趣味と呼べることは数々、手を出しては来たが、それでも手を出さなかったことのほうが多いのだ。「これにまで手を出してしまうとさすがに疎か度が基準値を超える」という自覚が一応はあって、針が振り切れるのは防ごうという気持ちでセーブはしていたのである。それが仕事という時間的な拘束から解放された今、もう何でもやっちゃえるような気分になってしまっているのである。何に興味を抱いても「今だったらやれる」と思えて仕方がない。ひとつのことに没頭すれば2年でモノになるかもしんないのに、アレもコレもと欲張って自己満足で終わるタイプだな、私。しかしだな、「なんでもやっちゃえるような気分」の時にホンマに「なんでもやっちゃった」て、これってのちの財産と言えるのではないだろうか。「やっちゃってる」今は財産と呼べるような程度のモノになっていないかもしれないが、後々「やったことがある」という事実が違う機会に私を助けないとも限らない。その機会がないと誰が言えよう。「経験」というものが視野を広げるきっかけになることもあるにはあるではないか。その経験は興味を持つことからスタートするのである。興味を持ったらまず行動、ひとを巻き込んででも即行動。

「ネットで調べたんやけどな?柿渋って、完成に1年はかかるみたい。」
「へ?!じゃぁ、今日作っても出来あがるんは1年後??」
「うーん…『熟成』みたいなコトやと思う。その進み具合によりけり。柿渋染ってのをすぐにやることも出来るけど、私の望む『深み』みたいなもんを求めるなら、2年後と考えて正解や思うわ。」
「なげぇー…」
「でも作業自体は今日ダケのコトやん。あとは待つだけやから。ひとつ問題なのは、柿渋液が出来てそれが熟成する時に『独特の匂いを放つ』ってコトやねんな…。それが『我慢出来るひとは出来る』みたいな表現やねん。まァ自然のものしか使ってないわけやから、化学薬品的な匂いになるわけじゃないってコトはわかるやん?でも私は『柿』があまり好きではないし、食べることも滅多にない。それでもし柿渋の熟成の匂いを『我慢出来ないひと』の部類に入った場合がなぁ…。熟成は進むわ匂いは我慢出来んわ部屋は狭いわ、となれば逃げ場は無く地獄の2年間、ということになるやんな。それが気がかりなコトなんだけど。」
「作ってみて、熟成してる時に『もう無理っ!』ておもたら、捨てるしかナイんちゃう?」
「それも考えたけど、それぢゃぁ一生懸命おじーちゃんちで柿を収穫してくれたヘイポーに申し訳ない。食べられもしない渋柿をこんなにたくさん集めてくれたんやもん。『渋柿ばっかりやったら可哀想やから甘柿も入れといたで』って。何個か甘柿も入ってるらしい…余計なコトしやがって。渋が必要やから『渋柿を集めて来て』って頼んだのに甘いの混じってんねて。しかもドレが甘いのかわからんのや…非常に困るぞ…。熟れてるのが甘柿やろうとは思うけど…。柿渋作りに使うから渋柿って説明したのに『柿渋』を知らんかったらしいねん。」
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「あいつ…『柿渋って何?』ってきーたらよかったのになァ…訊きもせず?」
「訊きもせず。」
おじーちゃんと渋柿をもいでいて「なんでママは渋柿が欲しいって?」と訊くおじーちゃんに「何か作るらしい」と説明。おじーちゃんが「あぁ、じゃぁ干し柿にするんやろ。干し柿は時間がかかるからすぐには食べられへんねんで?ほんなら、甘柿も入れといたらえんちゃうか?甘柿ならそのまま食べられるから。」と提案したので「そうやな。甘柿も取って入れといてあげような。」と入れといてあげたらしい。ソコで「柿渋を作るらしいよ?」と「柿渋」というキーワードが出ていたら、おじーちゃんだって「柿渋を作るんかぁ…じゃぁ渋の強い熟れてない渋柿が要るんやな?よっしゃ。」とカタイカタイ渋柿をチョイスしてくれたろうにねぇ。オマエが知らなくてもおじーちゃんなら知ってたのにねぇ…「柿渋」って単語さえ出てりゃぁな。
「ところで『柿渋』ってナニ??」
オマエもかっ!
「だいたいは話しの流れでつかんでるものと思ってたけど、オマエはひょっとしてアホか?」
「ジョーダンやがな、ジョーダン。」
「…ったく…。」
「ジュースやろ?」
罰ゲームか。オマエは出来たてホヤホヤを飲み干すか?渋いぞ。
「柿渋は自然塗料です。だけに留まらず、漢方薬として塗り薬として、その用途は様々でございますが~私が柿渋を作る目的は、番台に塗ってみたいから。この番台に一番合うと思う塗料が柿渋に思えるのよ。作った時の量の3分の1になると考えても十分、余ると思うから、レポートにその用途について調べた項目をつける、そんでアンタはこれでうちわでも作って『柿渋作品』として提出すればもうカンペキなわけ。番傘あるやろ?紙の傘。あれにたしか柿渋が使われてた思うで。布とか紙とかの補強剤として使われてんねん、柿渋って。防水・防腐・防虫効果アリ。番台にとってこれ以上の塗料は無いと思う。白木用のワックスも考えたけど、たぶん相性が悪いし金もかかるやん?柿渋なら手間こそかかるが、タダやからな。」
「…はぁ…よ~するにウチが貧乏ってことやんけ、それ。」
ネガティブシンキングだな、チョモ。「経験の回数を積むことにチャレンジしやすい境遇」という言い方にしろ。「自らやることに適した環境」でもいいぞ。経験の時間を惜しむでない。
「…はぁ…しくだい…あんのに…」
これもしくだいを片付けてんだよ、来年の夏の。
「とっととヤれよ。」
「…はぁ~もぉ~…」

「シブ、落ちひんやろから手袋したほうがええで。」
「コレ、甘柿かなぁ?熟れてるの。」
「切って、舐めて、確かめてみて?」
「はぁ?舐めるん??」
「じゃぁ他にどやって確かめんねん?」
「まぅが確かめぇや。」
「ヤだよ、シブいから。」
「甘柿やったらシブくないやん。」
「なおさらヤだよ、甘柿は好きぢゃないのに。アンタ食べられるんやからイイぢゃん。」
「あー…まぁ…甘柿ならなぁ…」
ペロ・ペロ。
「シブっ!!か~っ…シブっ!!!」
「どんなシブさ?」
「耐えられんっ!」
「そんなに?これだけオレンジ色してんのにそんなにシブいの?」
「かぁ~っ!!シブシブシブシブっ!!まぅも舐めてみたらわかるわっ!!!」
甘いのと渋いのと、どっちになら耐えられるか…後者だな。甘いと思って甘柿を食べての後悔と、渋いと思って渋柿を食べての後悔、どっちの後悔が私にとってアキラメのつく後悔であろう…後者か。ペロ・ペロ。
「どぅわぁ~~~っ!シっっっブっ!!」
「な?」
「キョーーーーレツにシブいなっ!さすが未熟ってカンジのシブさ。オレンジ色のくせして見せかけかよ…ぁあ~シブっ!!」
身震いのするシブさ。舐めなきゃよかった…この後悔、アキラメつかねぇ…。
「もう甘柿の確認せんでええで。この色でこんだけシブかったらもう十分な渋がとれる。全て砕くから種取りやって。」

皮ごと切って、種を取り除く。
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「おっ!なんかコレ、甘柿っぽいカンジすんで?」
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ペロ・ペロ。
「だぁ~っ!シブいぃ~~~~~っ!!」
「全部が十分シブいってゆぅたやろ…アホちゃうか。」
「だってぇ…切ってみたら甘柿っぽかってんもん…」
「渋いってば。たとえ甘柿でも熟れてぇへん。」

しかし何度ゆぅても、つい魔が差して舐めてしまうチョモ。
「か~っ!!シっブっ!!」
「…だからよ…何で確かめんねん…」
「だってぇ…切ってみたらおいしそうなカンジが…」
「何回ダマされとんねん…渋いって気付けよそろそろ…」

「うぉーーーーっシブいっっっ!!」
「またか…」
「これは甘柿やと…シブシブシブシブっ…」
「アホか。」

「はぁーーーー…シブーーーーい…」
「もうオマエ全部、舐めろよ…。言うけど、全部、シブいから。わかった?」

「おっ?コレは甘いんちゃうか??…シブっ!!!!!ホンマに甘柿、入ってんのかよもぉぉおおぉおおぉおお!!」
「全部、シブい柿。甘柿っていう種類のシブい柿なら入ってるけど。」

「まぅ!!コレは今度こそ甘柿かもっ!!」
「やめとけ。シブいで。」
「いやいやいや?ほら、このカンジ!これは甘いんちゃう?!」
「わからんヤツやな、舐めてみれば?100%シブいから。」
「…いくで?…ホンマ、いくで??」
「いけよ。」
「がぁああああ!!シブっっっ!!」
「わかってたけど。」
「なんか…舌がおかしくなってきた…」
耐水性が出てうがいごときではシブが取れなくなったんだろ。防水・防腐・防虫加工がされたんぢゃないか?
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シブだらけの柿を水とともにミキサーでガ~~~。
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それを布巾で絞ってビンにためる。
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和紙でフタをして暗所で2年。
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深みのある自然塗料『柿渋』のシブさは舐めて確認できやしないだろうが、チョモならしつこく舐めそうだ。
自由研究のタイトルは『シブチン自由研究』でどうだろうか。
『シブチン』とは関西弁では単なる『ケチ』という意味ではない。金を出すべきところでも決して出さないという『ドケチ』のことである。相当しつこいケチなのだ。
レポートの最後に柿渋のシブさは舐めて確認したと特筆すべきだな。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-10-24 00:55 | +mender!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA