脅し教育

私は「夏に夜遊びをする」という教育方針である。子どもたちだけの夜遊びは決して許さないが、私という保護者が付き添った場合「夜遊びをしない」ことを許さない。「夜遊び」と「遠出」は、十代でやっとくべきだな、と思っている。誘惑が、多いから。それに打ち勝ってこそ男っちゅ~もんである。女も打ち勝つべきだけど、ちょっと危険すぎるから20代になってからでいいかな。遊ばないヤツがいるのだ…その名はカイA。もひとりいて、コイツは夜遊びどころか昼遊びすら断るようなヤツなので、「オマエ付き合い悪いな?今度断ったら『タニケイ扱い』やで。」と、その名は『誘っても無駄』の代名詞になっている。

私は数々のお子ちゃまたちを、脅し教育で調教してきた。
「いい?アンタらの家での態度が私への信頼度を大きく左右するんやからな?頼むで?まぅちゃんと付き合うようになってええかげんな子になったわ~ってオカンに思わせたら私の信頼、ガタ落ちなんやからな?家でもちゃんとやりや?まぅちゃんちにタムロするようになってからえ~らいしっかりした子ぉになったなぁ~って思わせるように。そのために手伝いをさせ、片付けをさせ、コーヒーを入れさせ、おやつ食べさしてんねからな?アタシを裏切んなよ?ぁあ?」
オカンにとって一番の信頼となり得るのは、子供が家の手伝いをするのに率先して動くことであると私は固く信じている。まずはオカンに「やってもらっている」自分の事を自分自身でやること。それだけで子供の自立と私への信頼が同時にススむ、まさに一石二鳥。この脅し教育で数名のヨソの子が夜に出歩ける許可をもらえるようになった。調教している子どもたちが「まぅちゃんと~」と名を出すだけで、理由もなく「いいよ~」の二つ返事で夜遊びの許可が出てこそ、一人前。そうなるまで何年かけて靴を揃えさせることやら、挨拶を強要することやら。

カイAはチョモの友人の中でもズバ抜けて箱入りである。一人っ子ではないハズやのに「おウチが厳しい」のレベルの高さがハンパな~い。13才にして家の通信機器を一切、触らせてもらえないのである。PCもダメ、ケータイももちろん。親との共有さえ、許されていない。我が家も中学生にケータイは必要ないと思ってはいるが、共有はしている。メールオンリー、しかも「親が見る」と伝えた上でのメールのやりとりなので、親に見られていることを意識したやりとりになっている。秘密にしたいことなら会って話せ、である。しかし、カイAの場合、家の固定電話ですらも使用を許可されていないようである。カイAの家に電話をすると、子機の充電が不十分なのか、いつも切れるのである。電話をして「カイA、いますか?」と伝えて、電話口にカイAが出るまでの間に切れてしまう。「うっわ、まった切れた。」と言ってチョモは「電話が切れたんですけどぉ…」と掛け直す。そんな事が繰り返されるので、切れたらカイAが掛け直してこんかいっと私はチョモに意見した。
「やろぉ?やからゆーてんねんで?そやって。そっちの電話が切れるねから、オマエが掛け直せよ~って言って電話番号教えるゆぅのに、カイAが教えていらんゆぅて知ろうとしーひんねんっハッラ立つわ~~~~~っ!言っても番号、覚えへんしさぁ…あ、まった切れたっ!!も~~~~~~っ!!カイA~~~~~っ!!!」
「掛け直すのがイヤなら親機で取れ、てゆい。子機を取んなよ…めんどくせぇ…」
「もう、ゆぅたソレ。親機で取ってるハズやねんけどなぁ…」
「親機で取っても切れるんかいっど~しよぉ~もねぇなぁ…」
掛け直したチョモの電話にカイAが出たので、私は大声でカイAを脅しにかかった。
「カイAてめぇいい加減にしろよ~~~~っ(怒)!待ってる間にソッチの電話が切れたんやったらオマエが掛け直してこいよぉっ!メールがアカンゆぅから電話にしてんねやろが~~~~っ!!それからイノッキにも電話番号教えろよっ!!アンタらはアンタらで直に連絡を取り合わんかいっなんでウチが仲介せなアカンねんっ!!ウチの電話番号は記憶しとけっ!!!!だいぶ立腹やぞ、ほんっっっまになぁっ!!」
「…と、ゆぅことなんで。前に僕が言ったウチの番号、覚えてる?…ほな、もっかいゆぅで?」
しめやかに、チョモがフォローを入れて、遊びの予定を告げる。プールに行こう、という誘いを断るカイA。なんで?行けへん理由は何なん?とチョモが訊いている。…門限ちゃん?7時まで遊べへんなら途中でカイAだけ帰ったらええやん。と提案したが断るカイA。
「結局、行けへん理由は何なん?」
「急すぎる、やって。」
「はぁ??『急すぎる』??もともと3時から遊ぶ約束になってたんやろ??」
「でも、プールやから。」
「はぁ??プールって予定して行くもんか??市民プールやで?…何して遊ぶぅ?…今日あっついなぁ、プール行こかぁ?…あぁ、ええなぁ。それが、プールや。何して遊ぶ?おにご。何して遊ぶ?バド。何して遊ぶ?プール。遊びの一種やないか。プールに計画なんか、ないわっ。私が今日プールの気分になったん、10:51やったで?アンタの部活の予定表見て、部活んトコ『×』になっとったから、部活ないんちゃーん、プールやな、やで。」
「イノッキも『今日プール行かへん?』ゆぅとったからな…アイツ部活あるから4時からプールとか言ってて、でも4時やからなぁ…なんぼも遊べへんから僕が『えープール…?』てカンジやってんけど…」
「正しいプールの在り方やな…プールはな、行きたくなるんが急や。アンタ、プールって気分になってきたやろ?急に。」
「あぁ…まぁ…なぁ…3時間ぽっちで400円がもったいないなぁって気がするけどなぁ…」
安心せぇ、保護者同伴の時のプール代は私もち。
先に行っとくから現地集合とイノッキにメールを送ると、親とケータイ共有であるイノッキオカンからは、「了解 まだ奴は帰っておりません いつもありがとう」と返って来た。よっしゃよっしゃ、イノッキ。ウマくやってるみたいだな。ちみの家での振る舞いが、私への信頼となるんだよ。現地集合ね~のメールだけで、イノッキオカンはもう了解。イノッキよ、今後もよきにはからいたまえ。

私たちだけの貸し切りになるほどギリギリまで市民プールにしがみつく。夕食が待っているというのに、恒例のおでんを蚊に刺されながら食べる。いいかね?何事も「極める」ってコトは学ぶことに通じているんだ。そして「遊び」において「極める」ということは「トコトンまで楽しむ」ことなのだ。トコトンまで楽しむのに一番必要なモノは何であるか、それは「開放感」。その開放感を得るための条件とは何であるか、「時間に縛られない」ということである。未成年の君たちには、ひとりの自由な時間があるようで実はこれっぽっちも無い。なぜなら君たちが未成年であるからだ。保護さるべき年齢であるから君たちの時間にも保護がついている。だから縛られた時間を使う時、保護者の存在が必要なんである。しかし成人した時に持て余した時間をウマく活用するのには、未成年の時にどれほど「時間の束縛」をといてきたかがモノをいう。考え方が凝り固まらないためには、柔軟な脳ミソのうちに多くを学ぶことであるのだ。
これで「夜遊び」の意味するところはわかったね?安全な環境ばかりでは吸収出来ない神経の研ぎ澄まされ方というのがあるのだ。未成年の君たちを守るために保護者がいる、そして私は、その神々しい保護者のポジションにおるのサ、ふぉっふぉっふぉ。大事にせぇよ~、君たちの時間の束縛をとくのに一役買ってんねんぞぉ~。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-07-17 10:57 | +朝臣寺+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA