代用品

「今日なぁ~、パン買ってもらってーん。パン購を注文するってゆう友達がいたからな?ぁあ~~~~コレ食べてみた~いっ!!買って買って~ねぇ、買って~!てねだったら、『ん~~~…いいで。』ゆぅてこーてくれて~ん♪」
「アンタそれなぁ、『ゆすり』てゆぅねん。」
「ちゃうちゃうちゃうっ。おら~オマエ買えや~!!とかそんな無理矢理とかちゃうしな。お願い買って~食べてみたい買って買って~、てゆぅな?お願いしたおしてこーてもーた。」
「あ・じゃぁそれ『たかり』てゆぅねん。」
脅したら『ゆすり』で泣きついたら『たかり』ね、方法が違うだけでやってることは一緒だ。
「でもなぁ…注文したのは「チョコワッフル」やってんけど、きたんは「チョコむしパン」やねん。」
「惜しいね。味の系統は似てても食感がまるで違うね。なんのための注文やねん。」
「そうやねーん。でもそうゆうことしょっちゅうあんねん。注文した通りにくんの50%くらいちゃう?たいがい違うのが入ってんねん。勝手にやで。勝手におばちゃんが自分で選んだの入れとんねん、希望をきーてくれたらええのんになぁ…まぁ「チョコむしパン」のほうが20円高いハズやねんけどな…」
「勝手に入ってるヤツに追加料金とか払わんでもええねやろ?」
「ないない、それは得っちゃぁ得やねんけどな?もしイヤなヤツがきたらなぁ…」
「そこはまぁ…おばちゃんも考えて似たような味のものを…」
「…いや?そうでもないで?まったくちゃうもんが入ってるしな?シャケのおにぎりとかな?全く注文してへんかったのに今日、きとんねん。」
「あー…そう。」
それはー…おにぎりの代わりにおにぎり、とかぢゃなくて、パンがなくておにぎり、になったのかな?まぁおにぎりの代わりにおにぎりやったとしても、中身の具が代わるともうそれだけで大変化なんだけどね。ごはんも海苔も共通やねんから具が決め手なんちゃうんか、おにぎりって。
「紙になぁ?「ナニナニの代用品として」て書いて別のモンが入ってんねんけどな?代用品が入ってナイってこと…まぁ…ないんちゃう?」
常に何かに摩り替わっているらしい。
「…代用品…て。」

私のイメージする「代用品」は、パンがおにぎりになることではない。私たちの世代が「代用品」と聞いてイメージする「代用品」とは、「石鹸」じゃなくて~「廃油せっけん」…みたいな感じではなかろうか。苦肉の策でこうなりました、という物資の欠乏を含みはしないだろうか。それには「戦争」というキーワードが絡んでいる。
日中戦争の長期化と太平洋戦争の勃発により軍需優先の影響を受け、いろいろな物が不足。燃料も材料も人員さえも不足した苦難の時代に、生活用品や軍用品、梵鐘や陶貨まで多種多様な代用品が生産されることとなった。この代用品生産によって、割れにくい製品の開発や、成形技術の進歩など、日本品質とも言える技術が生み出されてゆくのである。苦心の末にあみだした結果それが技術となったもの、その原点が「代用品」であるということで「代用品」という言葉を知り、イメージしている私たちの世代。あくまでも代わりに過ぎなかった代用品は、質を格段にあげることで主流となるのである。かつてフランスで生まれたマーガリンは戦時中に不足したバターの代用品であったが、めきめきと風味を向上させ、バターの短所を補い長所を生かすという出世を見せ、暖簾分けした弟子の店が繁盛するが如く、今では主流の商品である。

しかし平成生まれだらけのアレ中生徒たちのイメージする「代用品」とは、「パン購のおばちゃんが、注文したパンがなかったからって勝手に選んでおにぎり入れてキた。」みたいなことになる。たしかに人気がひとつのパンに集中するとなれば、パン購の商品には限りがあるわけだから代用品で賄うことにはなろう。おばちゃんにとっては「苦肉の策」でパンをおにぎりに代えてしまわなければならない日もあるだろう。しかしそこには「物資の不足」という逆境をバネに、技術や質を向上させるエネルギーは含まれない。むしろ物の豊かさと選択肢の豊富さが露呈されている。パンの代わりに米が出せる余裕があるのだ。なんやったらカラアゲとか焼きソバなんてのも、出せんぢゃねぇの?…えらい時代になったもんやでぇおじぃちゃん…なぁ?
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by yoyo4697ru980gw | 2009-06-30 11:47 | +in the sky?+ | Comments(0)  

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