VOWな武道便所はグレージー

VOWです。そうです『宝島』の『VOW』のことです。VOICE OF WONDRELANDのコトです。
ブームが確実にキていましたコトを思えば皆々様におかれましても、出来心も含め一度ならず二度三度、お手に取ったことはおありでしょう。信じてはもらえまいと承知はしておりますがワタクシ、昨日の今日までVOWを避けてまいりました。33になるまでこのかたあえてVOWを遠ざけてきたのです。それがどんなに耐え忍ぶ日々だったことか、ワタクシの性格を知るご友人がたには察して余りあるものがございましょう。真っ先に手ぇ出してそうでしょ、VOWに。正直ゆぅて、手ぇは出してんよ、チョットだけならね。あれは学生の頃だったかなぁ…いとこんちか友達んちかにあったVOWを魔がさして繰ってしまったことがございました。そこには「ア歯科」っていう写真が載ってたよ。私は思ったね…「VOWはイカン・VOWはイカン…何があってもVOWだけはイカン…」VOWのカルマに引きずり込まれる自分の姿がみえたね。「イカン…ココに片足突っ込んだらもう出られない…私にはまだ正しい道が残っているはずだ…」当時の私は既に親戚一同がヘンコを認めごく親しい友人の間でもヘンコの波が押し寄せては返していたものですが、私もまだ十分に若く、人生は引き返せるものなのだという希望の光が脳の大半を占めていました。そうゆう明るい光に満たされた脳のことをノーテンキと言うのだとも知らずに。まだまだ人生のリセットが出来るのだと信じていたティーンエイジャーの私は、その影響を受けやすい自分の性格を考慮してVOWの棺桶だけには片足突っ込まねぇぞと、どんなブームが私を誘おうとも「チラっとだけ…」と自分を制してまいりました。ブックオフに並んだVOWの背に手を伸ばしたことも正直、ええ、ありましたとも。しかしええ大人になってんのにからパラパラと2~3枚繰っただけで、キョーレツに「イカン…VOWだけはイカン…」とそのすさまじきパワーに、グっと自分を律せねばならんかったのです。確固たる自分があるわけでもないがもうさほど影響も与えられるわけがなかろう年齢に達しようとする私にVOWよ、唱導を説かないでくれ。

自分に甘い私がこんなにも長きに渡りVOWのカルマから逃れられた背景には、私の本棚である図書館に「VOWがあろうはずがない」という絶対的な確信があったからでした。本当はあったのかも、しれない。しかし「図書館にあってはならない そんな本 それは漫画とVOW宝島」という私だけのスローガンに忠実に、今まではなかったのです。宝島の息がかかった単行本なんて未確認だけどなかったの、今までなかったの未確認だけど、ハナっからナイものとして確信していたのよ、未確認だけどサ。推薦図書の宝庫『図書館』にそんなスペースが設けられることはないと高を括ってました、私。時代は…ススムんだね…。手ひどい目に遭いました。

新しい本として特設されているラックにその本はありました。
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みんなのちんぱい みうらじゅん『宝島』ほぼ全仕事

私は背表紙を見て一歩下がったね。
図書館のシステムをご存知ですか。
カードさえあればタダで3週間、好きな本を持ち帰って読むことが出来ます。
期限内に返せば、誰にも何も言われません。
私は恐る恐る手を出して裏表紙をめくりました。
遊び紙もなくそこにはこうありました。

2006年9月8日 第1刷発行

どこが新刊本なんだよ、どこがっ。これは何かの陰謀かはたまた神のお導きか。なぜ私が行ったらまず見る新刊本ラックに、みうらじゅん(敬称略)が居るんだよっ。
私の張ってきた有刺鉄線が、この時サビサビであることに気が付きました。
今までだってみうらじゅんの本は図書館にあったさ。読んでは、きたさ。だがそれキッカケでVOWに思いを馳せることなど断じてないっ!!…と言えばウソになろう。
しかし私は『みうらじゅん』よりも『野坂昭如』をとってきたのです。野坂昭如(敬称略)がCMで顔を畳に突っ込んだ時にはそりゃちょっとはその~…志茂田景樹と見間違えたことはありましたけど、野坂昭如のちょっとした言葉を聞き洩らさずに聞き「とって」きたのです。紙一重で守っていた品みたいなものでしょうか、言うなれば。

その日私は、みうらじゅんのちんぱいにとうとう手を出してしまいました。
どうしてだと思われますか。
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私がカードを持っているからに決まっているではありませんか。
図書館で借りられる本でなければ、手を出さなかったものを。

「このひとをビフォーと呼ばすに誰をビフォーと呼べばいいんだ…みうらじゅん。」

野坂昭如は言わはった「女が腰より下の話題を口にするものではない。」私に言ったわけではないけど。それでもこれは私に言っているんだわ!と勝手に思い込んできました。だからこそ、何度か挫けそうになりながらも(事実ヨソで挫けてネタにはしたんだけど)便所をネタにするコトだけはダメと自分に言い聞かせてきたのでした。
便所ってプライベートな空間だし…自分の胸に閉まっておくべきよね…ねぇ野坂さん…私がやってもいいのはココまで…便所標識まで…よね…?とシナだれかかっていた野坂昭如の内モモに、みうらじゅんがしがみついていて、ほんでみうらじゅんったら便所か便所じゃねぇのかなんて考える気すら、ねぇの。
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ちなみにみうらじゅんが腰をおろしている便所は潜入ルポとして活字化された武道館の便所で『武道便所』。そうか…便器をまたいでみたのか…みうらじゅん。
平成キッズ(もはや元年生まれが未成年ではないという衝撃の事実はありますが)の中には「たかが便所だろっ」といった感想を持つヤングがいることでしょう。そんなヤングたちに昭和人はこう言いましょう。「そりゃ、アフターなトイレットしか知らねぇ~からだろっ!」。
いいかい?昭和の学校のトイレはね、100%和式の完全ビフォー。そして必ず花子さんという代表格な名前の、寂しがり屋の恐ろしいムスメがいたんだよ。
ドコのお店の便所にもメイクルームなんてなかったし、赤ちゃんが一緒に入ってオムツが換えられることもなかったのだよ。ましてや駅ビルの中の便所の個室に「フィッティングボード」なんちゅうハイカラな板は設備されてはいなかったのだよ。たまげたね、トイレで着替えることが出来る世の中にまでなっていることに。
ビフォーな便所ではメイクも着替えもしようとは思わないし、赤ちゃんなんて入れたくはなかったのよ、衛生上。
食事中に便所をにおわすような会話をすることさえ憚られるような世の中だったと言うのに…。だから便所のことを「ハバカリ」って言うんだよ。…便所…劇的ビフォーアフター…。

私は、確認した。
「なぁなぁ、ちょっと確認したいんだけど。私って…品がおますやろか?」
この取って付けたような品のある舞妓口調に、旧友コベは難色を示した。
「ええー…それって…答えなイカンのぉ…?」
なんなんだよ、その罰ゲームさせられる前みたいなエクスキューズ。
「それって…上品かどうか、てことを訊いてるのぉ…?も~…友達やし~…も~…品って~…」
「そうそう、上品上品、品性つぅんかのぉ…」
「例えばどういった感じの品なわけぇ…?も~…」
も~…も~…て、迷うほど答えはナイだろっ。「ある」か「ない」かのどっちかだろっ。
「あー…じゃぁ訊き方、変える。私、品があったこと、ある?」
「あったことぉおぉおお???アンタに品があったことがある?てこと?も~…」
「わかった。私に、品を感じる?いや、感じたこと、ある??」
「私の友達に…品があるひと…誰に品を感じる?誰の品のこと、ゆってんのぉ?」
「いや…私だけど。誰っていうひとがいるわけじゃなくて。」
「私の友達で品を感じるって言ったら… …ユカ?」
「あ~そうそうそう、ユカね、ユカ。」
「まぅサン、残念。まぅサンに品、感じないね。…ごめん。」
「…いいんだよ…うっすらそうじゃないかと思ったよ…ユカの名前が出た時に…違うものを感じた…」
ありがとう…そしてサヨナラ…しばらく心の旅に出ます。
私は今まで、ありもしない自分の品性を意味もなく守るべきだと考えていたのか…自分のコトが…ますます信用ならねぇ…。

決意した…VOWの棺に片足突っ込む。それが証拠にとうとう新設してしもたがなカテゴリ。もう出られなくったっていいもん。品なんてこれっぽっちもナイんやから。
私は言った。
「武道便所に、行かねばならん。」
「ブドウ便所?何それ?」
「毎回、ココに入ると決めてる便所があるって、こないだも言ったぢゃん。武道便所やん、武道・武道、心技体・心技体。とにかく耐える忍の一字、そして鍛える、武道便所。」
「あ、そっちの武道ね、グレープのほうじゃなくて。」
「グレープじゃねぇよサワヤカじゃねぇよ…私は今日とうとう武道便所を撮ってくるよ…あとはヘンに落ちるだけさ…そ~ゆ~ヤツなのさ…私…」
「…まぅのやってることって…前からヘンやで…?」
「品っ?!」
「ヘ・ンっ!」
だみだ…もう耳までがイカレてる…。

私が入ると決めている武道便所は、地下一階にあります。
そこには、ちゃんとした個室が2つあります。
ちゃんとしていない個室が無理から1つあります。
そのちゃんとしていない個室は、たぶん「清掃用具入れ」だったスペースを何を思ったのか個室に仕立て上げて、そうなるべくしてなった個室。アフターなのになんだかビフォーを感じます。
ビフォーを感じるそんなトイレ。
それが、武道便所。

ちゃんとした個室からみるともともとが随分と狭いのに、デッドスペース完備。心技体・心技体…何事にも動じない心よ…。
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清掃のおばちゃんがちょこまかと職務を全うするので私はこの写真を、個室のドアを閉めてそのドアにへばりついて撮っているということをご報告しておきましょう。それでこの部分しか入らないのだから、ドアとこの壁の出っ張りとの距離がいかほどかおわかりいただけることと思います。とってもグレージー!!武道便所のグレイトなカンジとクレイジーな雰囲気を『グレージー』と表現しましょう。武道を葡萄と聞き間違えた「グレープ」も少しだけ入れています。
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ほら、キツキツ。またいでしゃがむのが、やっと。グレージー!
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こんな貼り紙するより、フック取り外したほうが早い。グレージー!!
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たったこれっぽっちの隙間に何の配意があるのかは不明。う~ん、グレ~ジ~っ!
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位置関係はこうゆう状況。グレー…ジー…。
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ほんでしゃがむとだいたい頭がこの位置くらいで、だから腕を折りたたんでトイレットペーパー巻き取るカンジね、グレージーーーー!!!いっそのこと正面の壁に取り付けて欲しいけど、そこは心技体、技を磨けって教えだね、いよっグレージー!
この個室から出て外側の世界から中をみつめると、丹波哲郎ナシで霊界に入ってイけるような気がしてクるのでカルトな君は要チェック。タイルの色を突然変えることで「ここから女子便」「ここから男子便」という結界を張っちゃってるトコとか、空いてるのに人気のない武道便所のそのひっそりさ…見えないバリアに阻まれているに違いありません。そんな入口付近の摩訶不思議さを撮りたいけれど、ココ、意外と人の出入りが激しいの。消耗品売り場だったりセルフのフードコーナーだったりするんだよね。そんな人密度の高い便所なのに、塞がったことの無い武道便所、スペシャルグレージー!!いつ行っても掃除のおばちゃんが居るのにも関わらず、常に一定の小汚さを保てる秘訣はいったい何なのだろう。キープオングレージー。
さて昭和人ならお気付きかとは思いますが、この長い文章、思いっきり「みうらじゅん」の宝島仕事を意識した調子になっています。もう話し変わってますよ。分からない人、放っときますよ。義務教育やないんやから。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-05-04 23:59 | +武道便所 グレージー+ | Comments(0)  

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