表情を訊いてんぢゃないんや

仕事を辞めてから8割、化粧はしなくてもいいと思っている。
接客業でノーメイクを通すにはキつい年齢なのは承知しているが、夕方のタイムセールに無化粧は何ら問題がないと思っている。
こうして女を捨てていくんだな、と思ったね。
急速に捨てていってんだよ、考えてみると。
接客業を辞めた直後は、このくらい。
「ちょっと夕食の買い物に行くだけやし、ラインまで引くことあらへんなぁ…」
が、一週間もすると、このくらい。
「この時間に買い物に行くと知ってる人に会ったりしないな…アイメイクだけでイけるなぁ…」
を、一週間も続けると、このくらい。
「買い物行くのに化粧っているか?UVだけしとこ。」
そしてとうとう私はUV対策すらしなくなった。
「あれ、まぅちゃん?…って、目ぇ悪かってんな~。」
「いや?視力は普通やで。見えてるで?」
「…だって…メガネ。」
「あぁ、ノーメイクやから。目の周りのクマやら皺やらシミやらを気分的に隠してんねん、伊達やで。」
カミングアウトしてしまったらもう落ちるトコまで落ちてしまう。学校にすらノーメイクで行く。そうなってくると、さらに落ちる。髪の毛も梳かんし、ヨダレを垂らしてうたた寝していて、「あ…眠たい…いかんいかん散歩、行こう。」と出てしまう。かろうじてまだ外が寒く部屋着からジーンズに着替えるのが、せめてもの救いにはなっている。これも時間の問題だ、じきに季節は移り変わる。私は夏にはどうなってしまうのだろうか。

「あ~なんかコタツでたらりんとしてたらありがた~(ねむた~く)なってくるわ~。ヘイポー、散歩、行かへん?」
そう誘って、私はやはり部屋着をジーンズに変えたダケで散歩。ついでやから夕食の買い物もしてこよう、と財布を握った。
「…て…。ほんまに何の確認もして来ずやけど…ヘイポー、私の見た目、どうや?」
私は10分ほど歩いて自分の身なりが心配になった。クミちゃんはいつもいつも私に髪を梳くように言っていた。小奇麗にしとかな気のすまないクミちゃんは、とくに髪にはうるさいのである。自分の娘の髪がちょっとでも伸びれば、お金を渡して散髪に行かす。その時に絶対に「耳が半分、見えるくらい。」と言えと指示して、念まで押すのだそうだ。一度でいいから髪を長く伸ばしてみたいと思い続けた娘はそれが嫌で嫌で、自分に女の子が産まれたら絶対に髪を長く伸ばさせると決めていたそうだ。私は物心がついてから今まで基本的にショートを好む。娘と親の思う髪の長さは、いつの時代も真反対なのだ。
「髪の毛。ヘイポー、髪の毛、どう?寝ぐせとかある?」
「ううん、大丈夫。寝ぐせはないけど…」
「ヨダレ?!ヨダレのアトがついてるとか?!さっきちょっと眠っててん実は。ちょっくらウターっとした。」
「いやいやいや、ついてないで、ついてない、大丈夫やけど…」
「おやつのカケラ?!口の周りになんかついてんの?!さっきおやつ…なに食べたっけ?あ、ポテチがある?どっか?どこ?ここ?」
「いやいやいや、ない、ない。なにもそーゆーのはないんやけど…」
「じゃぁー…もー…何よぉ…何がヒドいねんドコがヒドいねん…血色悪いんか?病んでるような顔してんのか?」
「うーん…寝ぐせはないで、ほんま。何もそうゆうのはついてたり…してないし。でも…うーん…なんか…怖い顔やな。」
「…ほっとけ。」
顔つきのこときーとんちゃうわいソレはどもならん。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-03-26 15:17 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA