かたつむり

大人になると子供ほどの好奇心は抱かなくなるものだ。
同じ年代の大人の中で私は、ちょっとした好奇心くらいを持ち合わせていると自負していて「私…チャレンジしてみる…」とチャレンジして失敗に終わることが多いが、こと「食」に関してはとても否定的である。というのも私が大変な偏食であるからで、今でこそマシな食事をしているけれど食べられるかどうかわからない食材が多すぎる。チャレンジ精神を発揮してたまにチャレンジはしてみるが、おおよそのカンで「無理だろうな」と頭から決めてしまうクセがある。「チャレンジしたくない」と一度思ってしまうと、チャレンジしたくない理由をアーダコーダと述べられるというのが、偏食家の癖である。
d0137326_17432184.jpg

「お。なぁなぁ、すんげぇ気になるやん『エスカルゴのオーブン焼き』。みんなで食べてみーひん?」
d0137326_17435934.jpg

「食べてみたくない。みてごらん、ここ。デンデンムシやで。よくわからんのはなんで「殻つきのイメージ」をわざわざ載せたんか、てトコや。イメージダウンやないか、隠しといてほしい。全然、チャレンジしたくない。食べたかったら半吉ひとりで食べてや。」
d0137326_17443892.jpg

「ほらほら、『香ばしいガーリックバター風味』やってよ?まぅガーリック好きやん、バターも。香ばしいってサ。」
「ええか?ほんまにおいしい食材は、基本「ナマ」がウマいねん。ガーリックで臭みを消してなおかつオーブンで焼かんと食べられたモンちゃう、ていう解釈をするな、私なら。」
d0137326_1745460.jpg

「ほら、ほら。一個くらい食べようよ。『サザエ・ワビに似た食感で大人気』みたいやで?」
「サザエとアワビに味が似てるなんて一言も書いてないやろ?似てるのは食感だけやねん、わかる?食感が似てるっていうことはつまりカタいってことやと解釈するな、私。いい言い方したら『コリコリ』悪い言い方したら『ゴムのよう』。食感が野性的、て意味なだけ。」
「大人気ってことは、ウマいんかもわからんやん?」
「あのね、売れ残ってる商品とか売りたい商品を売る時、私は『スタッフおすすめ!』とか『人気急上昇中!』ていうPOPを描いてた。世の中の仕組みはそうなってる。」
どこまでも否定し続けたが半吉は責任持って自分で消化すると言い『エスカルゴのオーブン焼き』を注文。どうぞおひとつ、と勧めるのでかじるだけ、と断ってかじる。
「はい、無理っ。アンタ、責任取りや?」
d0137326_17452844.jpg

責任を取って平らげながら半吉は言った。
「ぬっるぬるしてる…」
「やろうな。殻を外したデンデンムシはもうデンデンムシじゃなくてナメクジに近いからな。想像に難くないてカンジ。」
「どっこが『大人気』やねんっ…ホンマに人気あるんか??」
「それ『ダイニンキ』じゃなくて『オトナゲ』やで。味がオトナゲ、やねん。『大人の味』って表現するよなモンがどうゆう味をしてるか教えたろか?クセがキツい、アクが強い、辛味がエグい、食べにくい。」
「オトナゲやったんか…まぎらわしいな…」
戯け者めが。偏食家の忠告を甘く見た半吉に非があるんや。
[PR]

by yoyo4697ru980gw | 2009-02-20 17:50 | +in much guy+ | Comments(0)  

<< 改革派 あれ >>