プロジェクト・S

私の『サザエ計画』が動き出した。
家族の中では一番の絵心を誇っている私であるが、なんしか我が家の絵心が残念なレベルである。落書きよりもヒドい。
そこで、ササをヘッドハンティングした次第である。
噂によればササ家は親の代から絵心がズバ抜けているらしい。「ドコまで希望が通るカンジ?」と半吉に訊けば「どんな希望でも通る!」と言い切る。「あぁ、そう。んじゃ、ササを呼び出そう。」
呼び出すまでもなくササは1月23日、我が家に「大人気の酒粕」を持参してやって来た。
ササやんがくれると言っていた酒粕は、そのまま食べてもウマいらしい出りゃぁすぐに売り切れる入手困難な酒粕。「いい酒粕が手に入って~ん。食べるんやったら、味、みてみる?」「わ~いっ!みるみる~っ!!」遠慮を知らないので、もらう気マンマン。
早速、粕汁を作った。あと30分で出来上がるから味見していったらええやん?と門限の時間になったササを引き止め、「ウチとこでかる~くごはん、食べるからね~。」とオカンのササやんに了解を得る。一応、ウチと違って女の子だから。

私のサザエ計画を、大雑把に説明するとササは言った。
「サザエ…なぜそんなことを…」
「楽しいやんか。」
ど~かしてんちゃん、ササ?楽しいからに決まっとるやないか。他になんぞ理由があるか?
「んじゃ、ササは『サザエ計画』に、はよ、取りかかって。」
「…はい。」
私は、ササに希望を言う。セクシーサザエと~、セクシーワカメ、クールカツオに、げっそりタマ、でイこか。大きさな?サシで測って。特徴さえディフォルメ化してればサ、似てなくてもそれはそれでオーケーやから。ほら、このな、この髪型さえあればもう似てなくてもサザエやん?ほんでほら、パンツ半分見えてたら似てなくてもそれはワカメじゃん?坊主でぇ学生帽がなんか被らしたらまぁ似てなくてもカツオでイけんちゃん?そしたらやぁ、もうネコ描くだけでソレって、タマやないか。
「…うぅーん…。てゆーか…もうサザエとワカメでタマがキたら、このメンバーならカツオしか…」
「じゃぁそれでいいやん。サザエとワカメで固定メンバー作ったら~まぁ、猫がタマで~、ほならもうカツオはどうでもいいや。マッチョカツオでもええで。何ひとつ似てなくても、もう疑いようがないからな、カツオ。ホモダホモオみたいなことでも、カツオとしてイける。」
「う…ぅう、ん…」
アンタならヤれるよ、ササ。
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スイカがはんぶんこなわけよ。
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たにおりのやまおりで~
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コレが~
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こうでしょ~?わかるよねぇ??

下書き、する?と言えば、する、と言う。
下書きの出来具合をみて、追加注文を次々に出す。
おっといいコトかんが~えた♪つって。
私のいいコト、それはササにとって面倒なこと。
粕汁の試食と引き換えにササは『サザエ計画』の右腕となって身を捧げる契約を、自動的に結ばされた。私のコーヒーのいれ方のレクチャーまで受ける。
「いい?一回しか教えへんで?こう・こう・こう・で、こう。はいジャーで、ほいジャー、はい出来上がり。覚えた?次に来た時、テストするからね?じゃ、サザエ計画に取りかかって。」
言われるがままにサザエ計画の任務を遂行するササは、描いている途中で訊く。
「ええーと…コーヒーの粉は…2?」
「2。」
「あの白いのは?白い粉って、何やったっけ?」
「ミルクパウダーね、あれ3ね。」
「ミルクパウダー…3。…3。」
「砂糖1。ま、配合に関しては2回までは教えるからサ。」
「家で…練習してくるわ…。」
ザ・真面目の塊、ササ。
「あ~家で練習したってアカンで。粉の濃さが違うから。ウチの粉やから2で味が出るけどたぶん一般家庭のコーヒーは薄いで。ウチのは業務用やから。」
「そうなんや…」
「うん。」
デカさも二倍、量も二倍、濃さも二倍、業務用コーヒー。を、ちゃんと消費できるの、私ひとりで。
私の好む濃さ、好む味、好む温度をバシッとつかんでるのは、私しかいないんだけどね。でも一応、レクチャーするの。ミズオとノロに加えササも入れてみた。只今『まぅコー係(まぅの好むコーヒーを入れる係)』三名。クッキーのようなケーキを作る職人チィには教えらんねぇ。だって私のコーヒー、一回の量が500ml近くあるんやから。マズかったら500飲み干さなアカンねで~地獄。半吉にも教えらんねぇ、アイツいらんことしぃやから。よかれと思って味の素を隠し味に入れそうだ。隠れてねぇからな、味の素。今のところ、ダントツでウマく入れられるのはミズオであるが、受験生なのでジクに忙しくとんと入れに来なくなったので、次世代コーヒー係を確保。

軽食をとってドップリ暮れたので半吉にササを送って行かせ、戻って来たところで『サザエ計画』再始動。正確にサイズを測って描いたはずの磯野キョウダイたちが、若干こんまい。
「ぅあ゛~~~~~~~っ。半吉、ササにメール打って。本文ゆぅでぇ~事件ですぅー…」
「ぁあ゛~~~っ待って待ってっ!」
「件名が『事件です。』でいいや。はい、イくで本文。『ワカメの足が2ミリ、タマの腕が1ミリ足りません。サザエの頭も1ミリ足りねぇ。強引に引っ付けてみましたが許せない隙間がございます。わたくし、完璧主義者です。ところで明朝4時はどちらにおいでですか?あなたにはやらねばならぬ仕事が出来ました、ご愁傷様です。』はい送信ピコ~。」
「ええー…と…。」
「ササ、本気にしそうやなぁ。」
「するで、ササ。ホンマ本気にするからなぁ。」
「明朝3時…いや5時…やぁ~5時やとリアルに来そうやしなぁ…来られても起きてないで土曜やのに。平日でも寝とるわ5時。3時じゃぁジョーダンっぷりがよくて本気モードオンにならんしなぁ…。…4時。あぁ、やっぱ4時かなァ『よ、よ、よ、4時ぃ~~~?!』あ・4時でイこう。4時な半吉?4時・4時。」
本気モードのボーダーライン『明朝4時』。
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ササからの返信は、どうしょう全部ミリ単位やな~朝…家の布団の中、起きてたら机の椅子に座ってると思うゼ!
明朝4時はどちらにおいでかの質問に答え、半分だけ本気モードのスイッチ入った模様。
そのままほっといたら、ササからのデコメ。ガンダムが『サザエ計画』にノってる。パケット喰うやいないか…私、パケホちゃうのに。
「遅くにすみまそ~ あのさ、明日の朝に…どうすれば…?まぅの家に行くん? ガンダム ガンダムじゃないの」
ガンダムじゃ、ねぇよ。サザエだよ。『サザエ計画』だ、これは。4時はジョークやで?修正はしてほしいけど急がへんから、と返信すると、血管浮き上がってるマークが連打され「傷ついた(怒)」。4時なんて起きれないからもうずっと起きとくしかないと思い、21時くらいに襲われた睡魔とカックンカックンして戦ったらしいササに、連打された血管マークを引用し「←これ、四角につながってる~幾何学的・幾何学的」と開楽館。ウチなぁ…言ってることの9割はテキトーやから、ゆっくりおやすみや?

後日、まぅコーの練習とサザエ計画の修正をしにやって来たササは開口一番、私に言った。
「ひどいよな?なぁ?ひどいよなぁ?4時とか。」
「アンタが本気にするからやん。あんなん信じるほうがどーーーーーかしてんちゃん?」
「ふ…ふふー…」
ササやんは、力なく「ふふー…」と笑いをフェードアウトさすのがクセである。
「さっ!とにかくササは『プロジェクト・サザエ』に取りかかって。正確に測ってな、もっかい。ミリ単位の修正やからな?きもーち長めに描いといて。余りを切ることは出来ても、足らずを伸ばすことは出来ん。あ、それとなぁ、タマの鈴さぁ、あれヨダレかけみたくなってた、アレはいかんなぁ…。除夜の鐘やからな?こう…わかる?みたことある?煩悩の数だけ打つやつ?」
「…ぅうーん…ちょっとだけなら…」
「私さぁ…描けるかなぁ…ちょっとイメージをな…こう言いながら描くけどさぁ…こやってな?ほら、鉄のちょっときったない錆びてるかな~くらいでさぁ…このヘンのトコがボコボコってサ。大仏の頭みたく丸いのがポコポコポコて、ほら、なってんやん?ここほら、帯状にサ?な?でココほらほら、突くトコさ、まぁるく、な?ココを打ってね~みたいなな?あるやん、そうゆうの。ココ目掛けて突いちゃ~うよ~百八っつ!な?な?な?わかったぁ?ほら、こんなん、除夜の鐘。つかんだ?イメージ。」
「…う、うーーーーん…ビミョー…」
「だってな?こんだけ重い除夜の鐘を~首から下げてるからこそ~、タマ、げっそりしてんねんで?ソコ、大事。タマ、毎日めっさ苦しい。」
アンタがヤらんでダレがやるよ、ササ。
頑張ってそれらしさを出して描いたササであったが、いかんせん「ミリ単位」の微調整がいるほど「タマ自体」が小さいのである。そのタマの装飾品である首の鈴に「除夜の鐘」の重みを出す…難題だ。
「…はい…これ…どう?」
「…ううむ…。前よりかはよくなった…けど…なんか軽いねんなぁ…そうか…この小ささでは無理かぁ…。」
ドデンとデカい除夜の鐘。その重量感を出すのに必要なキャンバス、3ミリ。…無理か。
「…わかった。除夜の鐘、やめよう。普通に鈴つけよう、いつもの。けど、タマはげっそり。すんごいげっそり感を出そう。あばら見えちゃってるくらいの。」
「…ふふぅー…」
クセが出ちゃってるね。出すのは、あばらやぞ。

「出来た~っ!どう?」
「あ、いんじゃない?サイズ大丈夫?長さ、正確??ソコ、ほんーーーーま、重要。」
「大丈夫、ちゃんと測ったから合ってる。2センチ。」
「オーゲーオーゲ。テェ~ンキュゥ♪ネイティブな発音でゆぅたで、テェ~ンキュゥ!どうする?今日の門限て、何時?」
「…門限…まぁ…帰った時が門限…」
「遅かったら怒るやろ、ササやん?メールしてみ?ウチで夕食、食べるって。ウチは知らないひとが夕食を一緒に食べてるってカンジやからかまへんけど、了解だけは取ってよ?私とて何の報告もなしに半吉がヨソで夕食を食べて来たら、さすがに怒るからな。」
「…まァ言うやろけどな、迷惑やろっ!てな。ドコの家の親も、絶対ゆぅからなぁ…」
半吉が推測。まぁ今まで「迷惑やろっ」て言わなかった親、いないもんね。
「私、迷惑な時はハッキリとその場で『迷惑やから帰って』て言うで。なぁ、ミズオ?アンタ『はよ帰って?』て何回も言われてるよなぁ?」
途中で我が家にやって来たミズオに話をフる。
「いっぱい言われたなぁ…。あと、まぅちゃんち行っていい?て訊いたら『イヤ』とか、まぅちゃんちに来たんやけどドコにおんのぉ?あと何分くらいで帰って来るぅ?『今日は帰らん』とかな。」
「はぁ~??最近、私の誘いを断ってんのはミズの方やでぇ??いっつもジクやん。ジクジクジクばっかり。そんなにジクが大事かっ、ジクぐらい休めやっ、勉強しやがってっ!」
「だってホンマに塾やねんってっ!ミズ受験生やねんでっ塾大事やんっ!受験が終わったら、行くやんっ。高校生になったら遊び行こな?みんなで大阪、行こな?」
「ふぅーん…高校生になったら大阪?高校なったら?…なれれば、な。」
「ひっどっ!…どうしよう…落ちたら…」
「ウチで下働きしぃな、時給、出さんで。」
「ひどい…」
私たちが楽しく盛り上がっている間に「まぅちゃんちでごはん食べていい?」とメールしたササは、オカンに「アカンに決まってるやろっ!」と返信をもらい、深く落ち込んでいた。早く帰ってきなさい、別に帰って来んでもええけど?とカブせられ、「うわー…こんな返信…傷つくわぁ…」と、涙をチョチョ切らしていた。
「ササ帰ったらな?オカンにウチとこの情報、少しずつ流してったら?ヨソの子が来てごはん食べてる、とかさ。ミズオ、昨日もウチで食べとったで?ミズオのオカンも最初は『迷惑かけたらアカンっ!』とか言ってたけど、今じゃぁ『ゴメンなぁ、よろしく~』てなモンやで。」
「いや?今でもオカンゆーてんで?『まぅちゃんの迷惑もちょっとは考えやっ』って。」
「ちょっとも考えてへんやないかっ」
「考えてるーっ!ミズだってちゃんと考えてるーっ!今の時間に行ったら迷惑かなぁ~とか、考えてんねんでっ!」
行く時間帯かよっ。行くこと自体を「迷惑ちゃうかな~」て、まずそこで考えるんだけどね、通常は。
「結局、来るんじゃんけっ。」
「まーまーそーやけどぉー。言うやろ?まぅちゃんアカンかったら『帰って。』て。」
「言うね。」
「やっぱ言うんかいっ。」
「そんなんなー迷惑やおもてんのに『ぜんっぜん、迷惑ちゃうよぉ~』とかゆぅてホンマに居座られたら、めっちゃ迷惑や。私は、言う。」
今までも言って来ただろう?うわ~先月ちょっと仕事サボりすぎてんやんかぁ…ちゅうわけで今日から二週間ほど貧乏週間に入るから。夕食の時間になったらさっさと帰って?
優しいミズオは、ウチにトマトやミツバやなんやの種をくれたね。
収穫する頃にはね、なんつーのかなぁ、来月の給料が入ってね、貧乏からは脱してたな。十分、喰ってたよ。
「…あれ?ササは?」
「…えぇ?!とっくに帰ってったで??」

ササの健闘の結果、プロジェクト・サザエは成功。
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サ~ザエ~さん・サザエさ~ん・サザエさ~んは・ゆっかいだなぁ~~~~~~♪
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夢の共演、かんぺち~。
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見えてるね~パンツ。セクシー!
クールだね~カツオ。
服の上からでもわかるカニ腹の腹筋。脱いだら、ズコいわよ~っ。
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セクシー盛り盛り盛っちゃってね~、セクシーサザエ。
タマ、辛そやな~。

か・ん・ぺ・ち。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-01-29 18:46 | +朝臣寺+ | Comments(0)  

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