豚汁

豚汁を作った。それも大量に。
材料を切りに切り、炒めに炒め、さぁ味噌をからめよう、という段になってからめるだけしか味噌がないことに気付いた。
「やばい…明らかに味噌が足りん。薄味だと主張するには無理があるくらい、足らん。…ところでチョモ、この量で味噌、足りると思う?」
「…は?今、明らかに足りん、ゆぅたんちゃん?」
「私は足らんと思うが~、やんか。アンタはどうよ?」
「ん。足りんな。」
「あ、やっぱり?」
「買いに行けば?」
「ええ~…。だって、味噌…あとちょっとでいいのんに…。めんどくさ~い…。…と、ゆう理由で、お隣さんにお味噌もらったら、ダメかな?…昔はあったんやもんな、あ~お醤油が切れちゃった~こんな時間じゃドコも開いてないし…トントントン、ごめんね奥さん、お醤油貸していただける?あら、いいわよ、は~いお醤油!」
「スーパー9時でも開いてるわよ奥さん、買いに行け~!」
「…怒るかな…いや、おばちゃん怒らないと思う。あのおばちゃんとなら、そうゆう関係性にあると思う。…やってみる。…タダでもらうのもなんやから、リンゴのお裾わけで物々交換的なカンジでお願いしてみる。調味料の貸し借り、それは実際にあったのだ…。」
「…それって昭和の話やろ?…今、何年やねんっ!」
「平成20年、時は2008年です。」
「時代は平成やでっ?!もう平成になって20年も経ってんねんでっ?!」
「20年も経ったんか…早いな…。」
「今どき、ありえへん。味噌借りるって…」
「…いや。あのおばちゃんの昭和の心を信じる。あのおばちゃんなら、大丈夫。行ってくるっ!」
私はもらいもののリンゴを3個ぶら下げ、小さなボウルを後ろ手に隠して、お隣さんの呼び鈴を押した。ガラガラと玄関を開けて出てきたおばちゃんに、こんばんは~これ、リンゴのお裾わけです~、とまずは言った。
「わ~、ありがとう♪」
「そ…それから…大変失礼なお願いなんですが…」
「はい、はい?」
「あのぅ…お味噌を…お玉に一杯ほどわけてもらうわけにはいかんでしょうか…。」
「あ~、はいはいはい。わかりました。合わせみたいなお味噌やけど、ええ?」
「はいっ!助かります~っ!!」
私は隠し持っていたボウルを差し出した。
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「もらえた~♪味噌をもらえたよ~♪」
「味噌をお隣からもらうって…一生の不覚やな…一生の、恥。」
おばちゃん、ありがとうございます。
私は気付きました。
人々の心は何も変わってはいないのだ。
古き良き心を人々は、失くしてしまってはいないのだ。
関わることをよしとしないと決めつけて、表面的に済ませようとする自分こそ、心を失っているんである。
心には心で答える、それが人間の本質だ~っ!
世の中はいい人で溢れてるぞ~っ!
豚汁は、うまいぞ~っ!
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by yoyo4697ru980gw | 2008-12-18 20:37 | +開楽館+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA