ダイヤメカニズム

1995円でダイヤモンドを購入した。
握るところがついていて、平面と半丸面のある、両面ダイヤ砥石『半〇』である。
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我が家の7本の包丁のうち3本がハガネであるため、よく切れるのであるが手入れを怠ると錆びたり切れなくなったりする。こまめに砥石で砥いできたが、シャシャっと切れ味を回復させたいときにシャープナーがあると至極便利である。ずっと前から購入するために店に足を運んできたにはきたけれど、シャープナーの金でドーナツを食べてしまったり、シャープナーの金であったかそうなインナーを買ってしまったり、シャープナーの金でクリーナーを勘違いしたかのように数本、選んでしまった。いやぁ~ウチの持ち物、年季モノ多数なもんで磨いたりキレイにしたりすると日常では味わえない驚きがあんねんなぁ~これぇ~。そんな目の前の欲望へと切り替わったシャープナー購入資金。その2000円程度であるっていうこの取り返しのつかない金額ね。高くもなく安くもないっていうこの消耗品費ね。キモやわ~。私は2000円と見積もっているシャープナーを購入しようと出掛けた先で、突発的にドーナツが食べたくなったり、続く寒さの救世主のごとき発熱インナーという素材に巡り合ったりして、900円~1400円くらいの金額をシャープナー購入資金から横領した。私はそこに「横領」の心理的メカニズムをみたように思う。

横領はね、最初は「補てん出来る」と思うのよ。だってもともと手元に2000円があってね、ほんで横領するのは全額ではないのだから。そもそもね、資本金が2000円ってハナシではないってトコがミソなのね。任意積立金っていうね、使い道の特定はしてないんだけど資本の部に留保されてるって金があるわけ。あるやん家庭にもサ、食費でも固定出費でもない生活費と分類されるお金。一円単位で使い道決まってるなんてこと、ナイやん。洗剤がなくなれば洗剤に、油がなくなれば油に、その場で使い道が決定されてくやん、自然と。アレ、任意積立金みたいなモンやろ。先月末にランチに行こうか~と言っていた約束がドタキャンになってね、ほんじゃぁひとりで軽食を~とおもたら偶然、前の職場の上司におーておごってもーた、みたいなことがあって、まるまるランチ代浮いたりするわけね。それって、前期繰越利益として次月の生活費にまわるわけ。だから、今食べたドーナツの900円、それって現段階ではまだ未処理損失なわけよ。前期繰越利益で穴埋めして、足らずを任意積立金で補てん出来たら繰越損失にはならない、ということね。当期の中でお金があっちゃこっちゃに動いてるダケで決算整理仕訳したら、ちゃ~んと仕訳帳と元帳の金額は一致するわけ。つまりは、赤字出してまでの横領じゃなけりゃ、それを自分の中では横領で処理しない、ってコトなんだと思うのね。でも、これがどうゆうわけか、穴埋め補てん出来ないほどバッチリ損失出しちゃうまで横領しまくるコトになってしまう。途中で気付けたハズなのにね、だって使い込んでんのは自分なんだし。ソコでの心理ポイントがね、見込み利益なの。家庭的な単位で言うと「臨時収入」ってヤツ。使い込んでるウチにね、どんどん見込みの利益をアテにするようになんの。最初の2~3回、「誕生日おめでと~」ゆぅてモノじゃなくて1万円もらったその1万円で赤字分をトントンに出来たことに味しめてね、11月の自分の誕生日を1月からアテにしちゃうように、なんのよ。例えば我が家においてこの未処理損失の額がにっちもさっちもいかなくなったばやい、私は、今すぐ要るってわけじゃないモノを買い控えるが、その買い控えている現状を5回ほどむーちんに見せつけることを実践する。
「コレ・コレ。これ便利そうやから欲しいねん。」
「買えばええやん?」
「そうやけど、買わない。やめとく。」
1回目。
「あ、コレ。こないだ見た時より100円くらい安くなってんな。」
「買えば?」
「いや、まだまだ安くなるまで、待つ。今すぐはいらんから。」
2回目。
「おお~むーちん、コレめっちゃ激安。買おっかな~。」
「そんな安いのモノがちゃうんやで。すぐワヤやって。」
「そう?ほならやっぱ高いほうにしよっと。」
「…?…買わんのか?」
「うん、ココでは買わな~い。」
3回目。
だいたいこのあたり。5回を目安としているが、だいたいむーちんのシビレが切れるんが3回目くらい。むーちん、せっかちやから。
「おまえ、こないだからな?アレ買う買うゆぅて、結局こーたんか?」
「いいや?」
「なんで買わへんねん?」
「高いから。」
「アレ買うつもりで買いに行ったんちゃうかった?」
「そうやけど~…。状況は日々変化するもんやでぇ、むー…。優先順位が入れ替わってくんや…。こっちよりあっちがよくてこっち後回し…ちゅうね、そうゆう采配ってあるやん…私には私の計画があってその流れに乗っとったやりくりで…計画は長い時間をかけてやなぁ…こう…ゆらぐ…時も…ありにけり…」
むーちんは気付く。
私の横領に。
おまえ…いらんモンに金、使い込んだな…。
そう…私に無いモノ…それは計画性。

横領は「書類上に損失が出た時点で発覚する」とみた。辻褄を合わせらんなくなった時には、手遅れドコロの騒ぎじゃないな。額がね、個人ではどうしようもなくなってんの。最初は手元にあった現金の一部を横領、てなコトからはぢまんねん。その「一部の」っていう金額が高くもなく安くもない、ってのがキモなわけ。何千万円とか何億円とかの横領の金額を聞くと「いくらなんでもそんだけの金額がなくなる前にヤバイと感じたやろうに…」と庶民的な感想が出てくるのであるが、積み重なった何千、何億っていう金額なだけで、書類上は高くもなく安くもない金額があっちへ回りこっちへ回りしてただけ。書類上の億なんて、実感、湧かないのである。書類上の億なんて金、印字されるダケの金なんである。我が父タカボーは自営業であるため給料制でなくその収入システムはよくわからんかったのであるが、書類上「億単位のカネ」を動かしていたということを私は高校生の時に、チラと納品書か請求書かそうゆう種類の紙で知った。オープンな我が家は借金の額もオープンで何年にも渡りその借金をチマチマコツコツ返していた。
「億っ?!億って単位…初めて見たよ…。明日にでも借金返せるような気がするのに…。」
そう感想を述べた私にまだ離婚をしていなかったコケさんは言った。
「ドコドコに何千万の支払い、ドコドコに何百万、ドコソコ、ドコソコ、って、億のお金は最後に何十万ていう見慣れた金額になって振り込まれるのよ…心臓に悪くて…。」
確かに心臓に悪いわ…希望を持っちゃうやんな、一瞬だけ。完全歩合で来月に保障すらない職業なのにサ。だいぶ悪いな、心臓に。心臓に悪い悪い、なんかヨユ~で金、あるような錯覚に陥る。

そして今日も、3日間ジャンボ唐揚を買い喰いしている私は返信する。
「晩飯、なに?」
「ステーキ。にしようとおもたけど、やきそば。」
「晩飯、なに?」
「ステーキ。にしようとおもたけど、やきそば。」
「晩飯、なに?」
「やきそば。」

いつまでも、「ステーキ。」にしようとはおもてるだけの私に気付くむーちん。
ステーキを買うつもりの金から900円横領したので、ポテトサラダをつけましょう。どうすか、あなたの財布に1000円ほどありましたら、私に対する臨時収入として補てんしてみませんか。今日あたり、ステーキいっときましょう。むーちんと私の間で動いた金は、繰越損失には、ならないのです。それが横領の心理的メカニズムです。横領に手を染めたら、じきにユスリも、やるでしょう。

「補てん出来る」と思わないことが、正しい道である。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-12-16 11:14 | +ミルニング+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA