到底

私の前に母がいる
私の後ろは誰もいない
ああ 自然分娩よ
母よ
私を一人悩ませた働き者の母よ
私から目を離さないで叱る事をせよ
常に母の気魄を私に充たせよ
この同じ月の誕生日のため
このあいだハッピバースデー

おめでとうございました、おかぁさん。
今月19日は私の誕生日であるからして、うれしさのあまり早まって私は11月になった途端「今月は私の誕生日なの~」と、「19日よ、覚えとったら何かうれしくなるようなこと、して~♪」と、ちょっとでも目が合ったひとには要求する。そのように、今年もゆぅた。そしたら、チョモのクラスメイトが何人かで祝いに来てくれると言う。ゆぅてみるもんやねんて、なんでも。プレゼントの希望商品である「ハリボーグミ」を買ってくれると言う。だからものすんごく楽しみにしている。だから、19日の自分の誕生日を覚えておきたい。19日の朝に「とうとう今日だわ~♪」と思いたい。今年こそ、自分から思い出して「今日で~す」と言いたい。あと三日後だから、絶対、言いたい。
しかし毎年のようにこの19日という中途半端な自分の誕生日当日を、忘れてしまう。結婚してからとくに忘れるようになった。と、いうのもむーちんの母上の誕生日が11月11日であり、私は『11日のおかぁさんのプレゼント大作戦』を練りに練ってそれを終えると、今月のイベントが終了したような『やり遂げた感』に満足する。自分の誕生日当日の朝に「あ、おめでとうね、何歳?」と言われて「ぁああぁあああっそうやったぁああぁああ上旬までは覚えてたのにぃいいいいぃい!」と残念な気持ちになるのが常なのである。
到底…。到底、私は思い出せそうにない、自分の誕生日を。
どぉして私は、いつも誕生日当日をフツーに迎えてしまっちゃうのぉー…。
ずっとずっと「特別なお誕生日」として迎えたい願望があるとゆぅのにぃー…。
私の父であるタカボーの誕生日が21日なもんだから、我が家ではずっと20日に「二人まとめて誕生日」という合理的な誕生日が祝われていた。私は一日過ぎており、タカボーは一日早いのであるが、「いくつになった?」「13になった」「お~まだか…」「で?いくつになんの?」「39」「お~もうか…」といったやりとりである。この毎年に私はさんざん「誕生日当日じゃないと意味ないんじゃ~っ」と文句を垂れてきた。当日に祝ってもらったためしがなかったためである。…いいのサ…どうせケーキ…喰えない舌なんだし…。
誰も覚えていてくれない我が誕生日を、本人である私が覚えていられないことがなによりも残念なことである。さんざっぱら「当日じゃないと!」とかゆぅといて…な。こうやって毎年、過ぎてゆくなんてことを、今年こそ阻止したーい。だから私は覚えておくぞっ。今年はまだ、間に合うっ。

と、ここに固い決意を以って書けているのも本日、むーちんが私の誕生日を思い出したことにある。むーちんは、女よりもいろんな記念日を記憶出来る男である。頼もしい。…夫だから「頼もしい」で済むが、つきあっている彼氏が「今日は初デート記念日だね♪」とかゆぅてきたら、暗がりで吹き矢、飛ばすと思う。夫が結婚記念日を覚えていることが夫婦円満の秘訣と言うが、それは結婚した相手が覚えているからこそ円満の秘訣であって、結婚もしていない将来を誓ってもいない彼氏がいちいち「今日が告白記念日」「今日が初めて手をつないだ日」「今日が初旅行記念日だよ♪」とありとあらゆる言動にアニバーサリー謳ってきたら、正直、憤懣やるかたない。円満別離の即決である。十代の生娘なら「ステ…キ…」とドキドキするかもしれないが、自動車保険が年齢によって割り引かれるという特典が付くようになった三十代の私は「素で…奇…」と怒気怒気する。人間トシくうと「かもしれない運転」がうまくなる。

本日朝9時くらい、むーちんが「まぅ~起き~」と言って、前夜を更かしたためにまだまだ眠い眠い私を無理から起こした。洗濯をしたから、干したほうがえんちゃうか、と言う。そら干したほうがええおもったので、干した。パン食べる?と訊けば食べると言うので、パン食べた。温泉行かへん?と訊くので温泉ねぇ…と答える。今起きたトコでさっそく風呂入ろうか、という気持も湧かない。さて起きて~風呂入って~ほな寝よか~、という一日になった日にゃぁアータ、今日一日、寝てばっか。じゃぁ、むーちんが風呂に入ってる間、買い物をしとく、ということになって別行動。3時間後に合流しようということになり散ったが、3時間も経たずむーちんが「とっくにあがってマクドの前におんねけど」とのメール。3時間では足らんやろうに…と思っていた私は、立ち読み始めたとこ。さっきまでマクドの前の店におったんやで?と言いながら二人でエスカレーターを上がっていると、むーちんがこう言う。
「サウナ入ってた時におもてん。オマエ誕生日やな。オレ、隠し財産があんねん。何かこーたろさ。」
「えええええーーーっ?!あ…そうや…誕生日や…。ちょーーーど欲しいモンがひとつあんねん。」
「なに?」
「ピンクゴールドの~ネックレスの~チェーンの部分だけ~」
「いくらすんの?」
「そらランクにもよるやろけど…でもゆぅても18Kやからそないにはせんやろ…」
「そうか…じゃぁ、はい。かくしざ~いさん。」
「えぇっ?!またっ?!」
私はエスカレーターを上がっている最中に、未開封の薄い茶封筒を束で手渡された。去年の結婚記念日に手渡されたものと同じ質の茶封筒である。それはむーちんが会社から出たナントカ報奨を未開封で取っておき、私へのプレゼント資金としてコツコツ貯めた現金であった。去年の結婚記念日に私はコレに相当感激した。同じパターンなので感激は薄れようものであるが、性懲りもなく感激した。だって、束が増えていたから。いつから誕生日のことを考えて過ごしてるんだ、むーちん。私よりも気が早い。…感動する、確かに感動する、いや感動が先には来たが私はつい、言った。
「え…でも…今ここで…この封筒を渡されても…」
駐車場に入るまでが渋滞だったくらいの、この賑わったショッピングモールのエスカレーターのココで、明らかに現金が入っているようにしか見えないチャリ銭の音してる茶封筒を、束で渡されても…。私たち、夫婦に見えてるよな?悪いけどゆぅてすまんが、私は実年齢よりちょっと若い外見であるのに対し、むーちんは見た目では随分と貫禄をお付けである…「今月のお手当て渡された」みたいな誤解を招いてないだろうな?…感動的なサプライズなんやけど…手渡されたのが封筒入りの現金なだけに…束なだけに…「取引」感…出る…。そんな私の被害妄想的後ろめたさを何も察知せず、サプライズ大好きむーちんは、サプライズしたことに満足してエスカレーターが上がり切らないうちから、かなり楽しんでいた。
「開けよう、開けよう、とにかく開けよう。人気のないトコ行ってはよ中身、見よ、見よ。」
これこれむーちん「人気のないトコ」とかそうゆう単語を挟むと一気にアヤシイ金になるから…。清いから、このお金、清いから…言葉を選ぼうか、慎重に言葉を選んでみようむーちん、ありがたいとてもうれしいがここはひとつ、誤解を招くような表現を含む単語は排除しよう。

再現。
私は茶封筒を、エスカレーターを上ってる最中にこのように渡された。
d0137326_22242693.jpg

何の取引に手を染めとんやろね、私。

どっかベンチないかな~、あ、ここ座って数えてみよ~、とワクワクが足元に出ちゃってるむーちんを前に、私は「家に帰ってから開けたい」とは言えなかった。目の前がショップという絶景のベンチ、全部ひとが座っていて1こだけ空いてたという満員御礼のベンチ、そこに私たちは腰を下ろし、開封の儀を行った。去年同様、封筒に入っている小銭はむーちんに渡す。全部の袋を開け終え、3年間のレジ打ちで培った紙幣早数えの妙技を炸裂させる前には、一応確認した。
「なぁ…ここでお札の束を数えてたらイヤラシくない?」
「大丈夫や、千円札やねんから。」
額なんや…。私のポイントは「束」ってトコやってんけど…。

ちゃんとした宝飾店でちゃんとしたチェーンをみてみるということでまるまる持ち帰った茶封筒の現金の紙幣総額。
四万五千円。
d0137326_22245321.jpg

チェーン、買います。
結婚して、サイズダウンして、働き始めてまたサイズダウンしたからユルユルになってずっとせずにいた、結婚指輪と10年目にもーたダイヤのリング通して、首から下げるために。

絶対忘れないぞ、三日後の自分の誕生日。
起きたらまず、誕生日や~♪て、思う。
今年こそ絶対、思う。

毎年の、記念日ごとのむーちんの行動には、到底及びませんが、私もコツコツとちゃんと思い出します覚えます。
[PR]

by yoyo4697ru980gw | 2008-11-16 22:34 | +談合料亭『千徒馬亭』+ | Comments(2)  

Commented by s_h_i_g_e_y_a_n at 2008-11-19 00:55
  ∧_∧  
 ( ´▼ー▼)ゞ   誕生日ですね。
 ( oロ) コソコソ   例の物もってきやした…
 `u―u
Commented by MA(33) at 2008-11-19 10:00 x
覚えたで~今日やで~思い出したで~今日やで~誕生日やで~あった~すっ

あ、探してたのよ。
プレゼントしてくれんの?400円のカップラーメン♪
楽しみ~♪何入ってんねやろ~♪
金粉、トッピングしよっかな~♪
一応ゆ~とくわね~麻生さ~ん♪
2008年11月現在、カップラーメンの底値は78円やで~♪

<< BDおやつパーチー 淡白宣言24 >>