愛情スパイスをキかせました

予め言っておこう。
チョモの食欲が、赤丸急上昇中だ。
薄々、気付いてはいたのだ。知らないフリをかましていたわけではないが日によってムラがあるため、「こんなモンだろう」という目安が「大人一人前」であった。
有線で火が点いたペースでアレヨアレヨとランクアップをしていった今では「大人一人前+ギャルの間食」。常に、何か、喰ってる。油断すると、冷蔵庫、開けてる。よくもそんなに食べるもんだと眺めているとチョモが私にこう言う。
「あ、いる??」
…いらねぇ。羨ましがって見とんちゃうわい。

持ち込みオーケーの市民プールに持参した、小さいけれども12切れのハムサンドと2合分のおにぎりの70%を平らげ、フランクフルトとポテトの50%をつまみ、冷麺、餃子、白飯に、ヘイポーの食べ残したラーメンを食べ、「あともう一軒、ラーメンならイける。」と言ったチョモに私は言った。
「アンタが行けても私が行けん。」
満腹中枢、イカれてんちゃう??

そんな食欲に途切れのないチョモを伴って、弟ヘイポーを含む私たち3人は、家に何もない休日の我が家の食餌を求めショッピングモールへと出掛けた。「何を食べたい」という具体的なメニューがないので「行った先で食べたくなったものを」という心構えで向かったのであるが、休日のお昼どきのショッピングモールちゅ~のは、どこもかしこも混んでいるものである。仕方がナイので回転率の高いセルフ飲食という選択をした。
私たちは貧困層に属しているのだから、早い安いがウリの場所こそお似合いなんであるが、どうも「セカセカ」と食事をすることを好まない。待ってでも並んででも割高でも、落ち着いて気分良く食事がしたいと思う。セルフ飲食という形態のお店で、満足したことなんてないのである。集った客たちの間では場所の取り合いがなされ、あまりの忙しさに店員さんの注文を訊く声は突き刺さるほど痛く、食事が後半に差しかかると空席になるのを今か今かと待つ知らないひとに、見られながら急かされながら(気分上)の食事なんである。…つらい。…食べ物が喉を通ってゆかない。

これ以上なにも食べないままいたら15時が来る…
どぉしても食事とは別におやつを食べたい私には、分をわきまえていない選択という長蛇の列に、並ぶのを諦めるしかなかった。
二度ほど行ったことのあるセルフ飲食コーナーへと。そして、学生に席を譲ってもらった。
チョモは、前回食べたカツ丼にすると行って姿を消し、ヘイポーも前回食べたたこ焼きにすると行って姿を消した。
二人が行って10分も経たぬうち、一等に返って来たのはチョモであった。しかも、既にカツ丼を手にしている。
私はこのセルフで注文すると、必ずiPodみたいな物体を渡される。これは注文品が出来上がるとピーピーピーピーと迷惑な音量で鳴ることになっている。ちょっとした防犯ブザー。それを持って「私アヤシイ者じゃぁござ~せん」と言うと、「お待たせしました~」とロコモコと交換出来ることになっている。
だけど、チョモもヘイポーもiPodじゃなくて、カツ丼とたこ焼きを手にして返ってくる。しかも、早い。私は10分以上待つのに。

「カツ丼…早いなァ?」
と私は感想を述べた。前回もたしか早かった。その早さにチョモは感動していたが、今回「セルフにする…?」と提案した時点でチョモは乗り気になって「じゃぁボク『とん助』にする~」と『心に決めたヒトがいます』的発言。それほどチョモの心に深く入り込んだ『とん助』である。
「じゃぁ私、注文してくる~。たぶん、遅いしやぁ…、先に食べとき?ヘイポーもたこ焼き持って戻ると思うし、二人で食べといたら?私が戻って来てから、マクド買いに行ったら?それとも、私の注文してすぐ私がマクドに行ってもいいけど。」
『一人前カツ丼』の量は、チョモには少ない。本人も、カツ丼と~ポテトと~、なんて複数品目、挙げてたしな。
「とりあえず、まぅ行っておいでぇや。まぅが戻ってから考える。」
「へいへ~い。」

私がiPodを手に戻ると、たこ焼きヘイポーは、サイドメニューを食べていた。
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その対面ではチョモが、『とん助』の素晴らしさを語りながらカツ丼を喰らう。
「三人やねん、三人。この忙しさで、三人しかおらんねで?でも、早いねん。このセルフで『とん助』が一番やな。安い・早い・愛想がええ。ほんでな?店の人もエェ人やけど、お客さんがまたエェ人やねん。みんな。」
「ぁんでお客さんがエェ人ってのが、チョモにわかんねん。そんなに観察出来る時間ないやろ?」
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「ボク、3番目やってん。1番目の人もカツ丼、2番目の人もカツ丼、ま、あっこにおる人みんなカツ丼やねん。でな?口で言うねんな?『カツ丼~』『はい、カツ丼ね~』みたく。で、どんどん進んで行くねん。トレイ取って~箸取って~手拭き取って~コップも取るかな~、で、あとはカツ丼が来るだけって用意が出来たらカツ丼が来て~最後が会計やねんけど~、2番目の人も、トレイ取って~って、カツ丼準備をしながらな?進んでるわけよ?そしたら、ちょうど2番目の人がカツ丼を作るおばちゃんの前に来るタイミングでカツ丼が出来上がるねんやんか。ほしたら、2番目の人の前にカツ丼置いておばちゃんが『はい、前の人のカツ丼~』て言うねん。そしたら、自分もカツ丼やねんけど、2番目の人は、「はい出来ましたよ』ゆぅて1番目の人に渡してあげんねん。エェ人やろぉ~??」
「ぅうむ。確かにエェ人や…。」
セルフ基準でみて、えらくエェ人や…。かたや席の取り合いで素早く荷物が置かれ、かたや順番待ちで食券の券売機前で小銭を探していると軽く舌打ちが入り、通路で空席を探している人はトレイを慎重に運ぶ人の通り道さえ塞いでしまう。
…いいなァ…とん助ワールド。

「文句ナシのとん助やなァ…」
「ウマいしな。」
「商売人のカガミやな。」
「手際がよくて、味もいいし。…なんといってもな、ニコニコしてる、全員。店の人も、お客さんもな。」
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あぁ私…カツ丼苦手だけど…カツ丼にしよっかな、次は。
「うん、うまかった。」
「…どうする?ヘイポー座らせといて、マクド行く?私ピーピー鳴ったら取りに行かなアカンし。」
「ん、ええわ。」
「足りたん?」
「いや…足りたというか…食べられるんは食べられるねんけど、まだ。…でも、ええわ。なんちゅ~の?『とん助』の愛情で、胸いっぱいお腹いっぱい、満足じゃ満足じゃ~。」
すんげぇ隠し味、入れとんな~『とん助』!
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by yoyo4697ru980gw | 2008-08-23 00:24 | +開楽館+ | Comments(2)  

Commented by ポバヤシ at 2008-08-23 07:21 x
それもまた、関西風の味付けやろうから、愛情濃いやろねぇ~
Commented by MA at 2008-08-23 12:34 x
お冷はピッチャーでどうぞ。

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