どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ

文字盤だー、んだ・んだー。

ここに無残な姿と成り果てた、チョモの腕時計の文字盤部分がある。
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これは、チョモとナキヒーが共に幼稚園児となったお祝いとして私の叔母であるイネさんが二人にプレゼントしてくれたものである。私は、二人にこの腕時計を渡す時に、
「イネさんはこうゆう長く使える物は、ちゃんとした物を選ぶひとやからね。きっと高いはずやで。大事にせなアカンよ。」
と言った。
そして、二人はちゃんと大事にした。

しかし、毎日毎日放課後の遊びに忙しいチョモは、帰宅時間をちょくちょく守らないくせにこの腕時計を腕にガッシーンと装着して行くものだから、とうとう4年目くらいにはベルトが切れてしまった。それでも、文字盤部分のみをポケットに忍ばせ、「チョモ~っ!今、何時ぃ~?!」と友人に訊かれるとシャキーンとポケットから取り出し、「5時23分っ!!」と正確な時間を告げる。しかし、洗濯カゴの中に入れる際にポケットからシャキーンと取り出すのは忘れ、2~3回は洗濯した。それでも、ちゃんと動いている。6年間、一度も電池交換せずとも、動いているのだ。
「これって…ホンマに、相当ええモンやったみたいやなぁ…電池換えなくても、洗濯しちゃっても、ずっと動いてるもんなぁ…」
と、チョモは眺めるたびに、しみじみ言う。おじぃさんの古時計なみに動く時計なので、大変な愛着を持っている。

これまでに、そのあまりに無残で腕時計とは呼べなくなっている腕時計文字盤を不憫に思い、私のデジタルな腕時計を「あげようか?」と何回か申し出た。私は、腕時計が必要な生活をしておらず、使用頻度が少ないので。でもチョモは、この文字盤がいいのだと主張。校区内で遊ぶ時にだけ持参し、校区外へ遊びに行く時には、置き去りにしてゆくのである。遠出をする時ほど持って出らんかいっ!と言えば、ナンともイヂらしいことを言うではないか。
「もし、落としたりしたらやー、近くやったら行った所の範囲が狭いから辿って探せるやん?でも遠くに行って落としたら、見つかる可能性、低いやん。お気に入りやからな、なくなったら困る。」

そこまでの愛着があるなら、と、私はこのチョモの文字盤を今一度『腕時計』にしようぞ、と提案した。5月の修学旅行にこの文字盤を持って行こうかどうかを迷っているので、心配の種がない状態にしようか、と持ちかけた。しかし、私は経験上知っているのである。高価なモノは、部品も高価。メンテナンスも高価。イネさんは「長く着る」と思う服に大枚をはたくようなひとなのだ。…こえぇ~っ。

まず私は、庶民に心の平和をくれるダイエーの「時計売場」のおねーさんに相談した。
「この文字盤のベルトがあるといいんですけど。」
文字盤と、ベルトを通すための部品を見たおねーさんは、ほぼ即答だった。
「これは特殊なタイプの時計になるのでウチでは扱ってないですねぇ…専門店で問い合わせていただくしか…」
「…あ。…そうですか…。」
「申し訳ありません…。」
いいんスよ…、家で…ベルトが千切れた部分の…部品…、外していた時にバッチリ、特殊な形状をしているなぁ、と思ってた…(泣)。チョモは、この「特殊」という言葉をいたく気に入った。その後、イズミヤに行ってみる?とか、イオンに行ってみる?とか、なんかありそうじゃない?ケーズデンキ。とか、ミドリ電化ならイケんちゃん?「やってみますっ!のミドリです♪」てうとてるし。など、数々の庶民的な店舗の名を挙げてみたのだが、それら全てを、
「ない、ない。あるわけない。だって『特殊』やから。ふっ、『特殊』やからな、なんせ。」
という特殊口撃で却下した。

そして、とうとう最後のたのみの「時計専門店」でも、その特殊さから、購入した所で買うか取り寄せが可能なら注文か、という選択しかないとの回答。この時もチョモは言った。
「なんせ、『特殊』やからな。」
とりあえず修学旅行用にやっすい腕時計でも買って持ってく?と打開策を打ち立てると、チョモはそれをも拒否した。
「ええわ。班に一個あったらいいねん、時計。もう持ってくるひとは決まってるから、別に絶対いるってわけちゃう。それに、もし持っていくとしても、コレ、このまま持ってく。やっぱ、気に入ってるコレがいいしな。」
私は、我が子のこの言葉に心をズドーーーンと打ち抜かれたね。
使い捨てが当たり前の昨今に、ここまで愛着を抱ける物を所持している。それを私も、大事にせねば。
「わかった。なんとか、するで。」

私はこの『特殊』を、なんとかすることに決めた。
しかし事は簡単でなかった。なんせ、特殊やから。
この時計、ベルトとの接続部分の金具が一般的な「トイレットペーパーをはめ込む時のでっぱりをカチ」みたいな形状ではなく「ただスライドさせるだけ」といった接続部品になっている。もちろん、そのままでは小さな鉄の棒はスポンと抜けてしまう。溝と小さな鉄棒の間にベルトを噛ませることで、ベルトも鉄棒も固定されるという、難儀な特殊さなのである。ベルトの、おそらく特殊にうす~くしてあるラバー部分を噛ませる余裕しかない溝なので、それ以上の厚みの代用品を噛ますことは出来ない。かといって、裏地のような薄い薄い布などを噛ませようとすれば鉄棒が裏地を貫通。ある程度滑りのよい生地でありながら、薄くて強度の強い、そんな布を噛ませるのに悪戦苦闘。何度も「チョモ…これは何をしてもアカンような感じがある…布が切れてしまう…」と諦めかけていたが、「特殊やからな。」との励ましを受け、「やるしか、ねぇ…」と奮起。

夕方から始めた『特殊腕時計なんとかするで加工』が出来た頃には、我が家の睡眠大好き男衆は皆、眠りについていた。
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腕時計とするのには技術がないので、ズボンのベルト通しにかけるなどして、紛失防止。

文字盤が逆さになっているのは、かけてぶら下がっている文字盤を見ることを想定して。
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んでもって、真ン中にくっついているゴムは意味あって付いている。
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ほら。
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ペン、挿せる。
ただいまのチョモのお気に入りのペン。

「お気に入りのカタマリ」の出来上がり。

しかし、こんな所にペンが刺さってると、とっても邪魔だと大変に不評。
よかれと思っておっかぁ…がんばったんだどぉ…。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-04-29 00:17 | +談合料亭『千徒馬亭』+ | Comments(0)
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