チン坊主

「今日の夕食はブルーギルの唐揚げやでっ!!」
と息巻いて宣言し、ほんまに釣り上げたブルーギルを食卓に並べてビックリさしたんねんと意気込んでチンに行った手前、どうしてもこの噴飯モノのジョークをかっ飛ばしたかったのであるが、なんせこの寒さときたら。
そんな私の釣果を見透かしてか、「楽しい?釣れとる?」とイッサン(旧洋々サン:「ようようさん」では長いので「おおイずみ」からの渾名でイッサンに改名)はメールで探りを入れてくる。ここはどういったカエシでゆこうか。「困ったことに釣れて釣れて釣れちゃってだはは。唐揚げのみならずお造りもどうかね石ちゃん」と大嘘ぶっこくか「残念ながら本日の夕食、我が大日本帝國の危機でございます」と日の丸夕食を匂わせるか。ううむ、くだらない問題だ。すぐには返信せずに瀕死の演出でいった「釣れない…さむい…帰る…」帰る余力が残っとるやないか。一応、もう一度トライ。
「も~ウソエサつけてもっかい沈めるか~。イチャ、アレつけてぇ。ルアー、ルアー。ルアー千切って。」
「え?千切るん?ルアー?」
「赤色の、もうないん?」
「何、千切る気?」
「ルアー。」
「ルアーって、コレやで?」
「かたっ!」
ルアーって、ウソエサはウソエサだけど、カタイほうのウソエサのことなんや。絶対にいないような配色でずんぐりむっくりした魚の形の。これを小魚と間違ってパクっといくわけね。大物、目、悪いな。私、記憶力、悪いな。
「ウニョウニョしてるやつ、あれ、ナニ?」
「ワーム。」
「アーム?」
「アーム…て…」
「…ワーム…ワームねワーム…もう…なんかめんどくっさ~むいぃ~…」
と、私はすっかり釣る気も失せてしまった。♪さむいさむいからかえりたぁ~い♪という「即効曲第一番変ホ長調~寒さぶり返した春の訪れ~」を繰り返し繰り返し13分も歌っていたら、また一本、釣竿の下準備を終えたイチャがとうとう釣りを始めてしまった。ち、つまんね。ブラブラしてこよっと…と聞こえよがしにデカい声でひとりごちると、イチャは、ブルーギルの唐揚げはどうしたっ!と私を叱咤激励。「旬じゃない。」と対抗。「イッサンに夕食釣れたか?て言われてるやろっ!」とさっきまた届いたメールをイチャは反芻。「麻婆豆腐が釣れたことにする。」と予定通りの献立を発表。あったま~るぞ~、はふはふゆぅて、マーボー豆腐。

私は有り余っている体力を消耗すべく、その場をウロついた。

そして大量のどんぐりを発見した。どんぐり丼が50人前は作れそうなほどのどんぐりである。その50人の内「食べたいっ!」と言うグルメが何人いるかリサーチしたいところだ。こんなんじゃどんぐり、コロコロは出来ないね。
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その昔何かの本で読んだことがある。泥棒業界では、庭にツバキが植えてある家は好まれない。「好まれない」という表現を使った時、好まれなかった側では、あ~あ…という気持になるものだが、ここでは多いに喜ばしいことである。是非、好まれたくはない。好まれない理由とは、ツバキの花はポトっと落ちるから。ハラハラと花ビラが一枚また一枚と落ちゆくのではなく、クビからボットリ落ちるから。クビが落ちる、ゆぅて縁起でもないから、なそうな。お縄になっては元も子もないというわけで、ツバキが植えてある家は狙わない。悠長なこと言っていられる切羽詰っていない泥棒がいたもんだ、と私は感動した。無道生業で、縁起もへったくれもなかろうに。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-03-31 21:12 | +ミルニング+ | Comments(0)  

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