ウィーン少年合掌談

ナキヒー生まれて初めての歯医者屋。ウィーンと歯、削る。

書くと一行の簡単なことであるが、そうは問屋が卸さないのだ。だってナキヒーは場面寡黙症だから。会話をしないと本人が決めたら、絶対にしないのだ。そして、初めての場所に行ってそこで会話をしたことなんてただの一度だってないのである。初めての歯医者屋。するわけない、会話。4年も通っている学校ですら会話しないんだから。

知り合いの人が受付をやっている歯医者屋、兄のかかりつけ、公園の隣、予約した時間に行ったらすぐに治療、すみやかに帰れる、家からチャリンコで5分。こんだけ好条件が揃っていても、行くまでに二週間もかけた。どんだけかけんね~ん。歯に穴あいとるやないけぇ~。明らかにう歯やないか~い。ハラくくれや~。

「べつに行かないならそれでもいいけど、ほっといたら歯が大変なことになるで?そうなってからはもう、手遅れ。」と説得して行ったはいいが、着いたら、人間のはずのナキヒーが低性能のロボットになっていた。もはや誰の言葉をも理解する能力はない。

「歯医者は、初めてかな?」という医師の質問を100%無視。涙を流して200%完全無視。「はい、初めてです。」と、私が代返した。「機械は何も見たことない?知らん?」という医師の質問も無視。「何年生?」も無視していたら、医師は何回も「何年生?」と訊いた。ナキヒーは会話しないと決めたらしく、「何年生?」と訊く医師を無視して私を指さした。私が答える、という意思表示である。それを見て医師は「一年生?幼稚園のもっともっと小さい子だって出来るんやから、一年生やったら、出来るで。」と励ましてくれた。「…四年生です。」私は小さく答えるのだった。

口を開けて、と言っても開けないナキヒーに医師は、機械の説明から始めた。最初のバキュームの説明で既にアウトである。一生、口、開けないな、こりゃ。仕方がないので医師は、いっぱいいっぱいまで我慢して、もうダメと思ったら左手をあげる、そうしたらすぐにやめるから。と提案した。そうやって治そう、それでいい?ナキヒーはこれを承諾。斯くして治療は開始された。ようやく開けた口の中にウィーンという音を出しながら機械が入り、ガガガと表面を削り始めた途端、ナキヒーは左手を高く上げた。…はやっ。あまりの素早さに、医師はすぐにやめられないほどだった。
「もうちょっと、頑張ろうか…」
医師もあきれるほどのナキヒーの頑張り度合。ものの1秒で我慢終了。
おそろしく時間をかけてう歯の治療が終わり、医師は言った。
「もうこれで次に来た時は、出来るもんな?もう、大丈夫やんな?」
その言葉を、ナキヒーはやはり完全に無視していた。…ここに来るまでに二週間かかってるなんてまさか思うまい…ウィーンと削り始めての我慢はたった1秒だったかもしんないけど、ナキヒーにしてみたら14日間と1秒我慢していたんである。上等、上等。

この我慢を褒め称えて、帰るときに「よく頑張った!」ゆぅて受付で、チョコレートやらアメやらのあま~いおやつのご褒美をしこたまくれたら、繁盛するよなぁ歯医者屋さん。虫歯になってすぐにまた治療せなアカンから慣れるん早いやろうし。どうすか、チョコレートのご褒美、用意してみませんか、歯医者屋さん。
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by yoyo4697ru980gw | 2008-02-22 18:14 | +ミルニング+ | Comments(2)  

Commented by yurufuwac at 2008-02-22 23:04
*sawachi*です。
ナキヒーっち、頑張ったじゃん。
1秒でも 挑戦だよね。次回は 2秒頑張って^^
でも 行くまでの精神的苦痛たら、、。私でさえ、歯医者。。やだ。。
治療法から、医学的に変えて欲しい。
甘いものを舐める治療、せんべ~かじる 治療、、、。ってか 延々と出てくるわ。ミルニ~的には。
・・妹が昔 通っていた歯医者さん。。同じく 頑なに1時間 口を閉じたままの状態に。。施した手段、、。飴をちらつかせ、餌付け・・。
吊られて開けた 口にウィ~ン。。。
ナキヒー がむばれ!!
Commented by MA at 2008-02-23 00:14 x
まかしとけっさわちんっ!
頑張るぜっ!
耐えるぜっ!
やるぜっ!

全部、ナキヒーが。

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