ウシ、三つでっすっ!

夢にうなされて(いたようで)起こされた。のが、2時は過ぎていたけど30分まではなっていなかったと記憶する。この時間帯とはたしか丑三つ時というやつでねぇだか…。寝床に入ったのが2時になる前くらいだったので、わずか30分やそこらでうなされるほどの夢をみたらしい。
「ぅおぉ~…まだ…こんな時間やんか…」
私はベッドからペースト状の物体が流れ落ちるような感じで這い出て、そのまま御不浄まで這った。そして冷蔵庫から電子イオン水を出して飲みながら徒歩でベッドへと戻ると、私を揺さぶり起こしたむーちんが、
「なにひとりで楽しんでたん?」
と訊くので、私は人一倍怖がりのむーちんに、横槍を許さないほど早口で説明を始めた。
「左に曲がってった角に挨拶すると「ぁあっ」てゆうおっちゃんがいてる家あるやん農園の看板とたまねぎがぶら下がってるあの家あその先に畑あるやんあれ田圃か田圃あるやんあそこに」
「ぅわぁあああぁぁああぁああ!!もう言うなもう言うな!!もう話さんでええ話さんでええっ!!!」
夢物語の怪談でなく、我が家の近所がバッチリ出てきたことに恐れをなしてむーちんはそれ以上を聞かなかった。夢の話やろっ、と侮ることナカレ。『私がみた』夢であるというところがポイントなのである。わたくし、日々テキトーなことばっかほざいていて、何も信用されていない人間でござりまするが、みた夢に関してのみ、その信用度は同居家族三名様、MAXに値するものなのでございまする。それほど「正夢」をみてきた実績があるのでござ~る。だから我が家の民にとって「ドコソコ大学のダレソレ教授の研究結果」という資料よりも「夢、みた。」という私の起床第一声がデータとして確実なんである。見聞より経験は強し。ぐわっはっは~。

しかしこの夜のうなされた夢は、単なる夢。ただの夢なのだ。だって単なる夢だって思うんだもん。みた本人が正夢じゃないって言ってるんだから、間違いないと思うんだけどな…。だけど、覚醒している私が「ただの夢、普通の夢や。」と言っても信用はされない。信用されているのは「私が睡眠中にみている夢」のほうで、私が主張する意見のほうではないんである。夢に関する意見であっても、そこに「信用」は適用されないらしい。私とゆう人間はつくづく信用されてねぇんだな…。みんながおもてるほどテキトーじゃないんやけどなぁ~意外と真面目な気がすんだけどなぁ~(←ココ、テキトー)
それで、むーちんが続きを聞きたくないと言うので、「夢でうなされたんやけどなぁ~?ちょっと怖かったからきいてやぁ~」っちゅうて、イチャに聞いてもらうことにした。
「左の角っこにたまねぎぶら下がってる家あるやん?あっこの隣が田圃みたくなってるやん?あっこに何故か小さくて古くてボロい木造の一軒家があんねん。」
ほらね。もう既にありもしない家、出てきた。正夢になろうはずがなかろうも。

その家が全焼し、そこに警察が来ていた。現場検証みたいなことをしている警官がおり、私は歩いてその前を通り過ぎようとしていて、警官に「あのぉすんません、御近所の方ですかいね?」と声を掛けられた。その時、イチャと一緒に歩いていた。「はい…まぁ…近所は近所ですねぇ…そこ、右に曲がったトコに住んでます。」と答えると警官は、この全焼した家の住人の行方に心当たりはないか、と問うた。この家があったことすら、今初めて目にしました、と正直に言うと、実はこの家には両親を亡くした子供が10人で住んでいて焼け跡から一人の遺体も出ていない、難を逃れたのだと安心はしているんだが行方がどうもわからない、と言うのである。ついてはどんな些細なことでもよいので最近不審に思ったことはないだろうか、とそういった重い内容の質問を、ベッタベタの関西弁でとっても明るく訊くのだ。私は、この警官を不審に思ったがそれは言わず、とりあえず「最近、ゆぅてもこの家が火事になったん、今でしょ?」と訊くと、その家が全焼し始めたのは一週間も前の話だと言う。ポイントなのは警官が、全焼「し始めたのは」と言ったところである。私は毎日仕事に行くのにこの家の前を通っているが今初めて「全焼した家」を目にしたのである。そんなはずがあろうか、と言ったが警官は、気付かないのも無理はない、この家は一週間「かけて」全焼したのであり、その変化に気付く者がおらず、ゆえに我々が奇怪な事件として調べているというわけだ、とまたも明るく漫才口調で説明した。私は何の情報も持たなかったのでそう告げた。近所の子供の顔はたいてい知ってますんで見たことのない子供がウロチョロしていれば気付かないということはないと思いますしね、と言うと、警官は10人の子供の年齢を、クリップ付ボードに挟んだ紙を何枚か繰りながら言った。
「いっちゃん上が11才ですわ~…ほんでぇ、下が2歳か3歳か…ここには2歳て書いとるけども…」
「11才ならこの子と同級やわ。」
と私はイチャの頭をトントン、とやって示した。
「この家やったら学区も一緒やし。名前はどう言いますのん?イチャ、同じ学年やで?この家に住んでるよなこと、聞いたり知ってたりしひんのん?」
「え~…そんなこと聞いたこともないけど…」
「いやいやいや、学校には行っとらんのんですわ、ここのコたちは。日々喰うていくだけで精一杯でんねや…」
と言って警官は、10人の子供達の食糧調達方法に言及した。彼らは、近所の家の留守中に食料を物色、盗んでいる。あぁ、せやけど堪忍しとくんなはれ、許してやってくんなはれや、それ以外の悪いことはなんにもしとりません、金品を盗むよなことは一切しとらん、ゴミ箱にほかしとるもんを取って食べたりやら冷蔵庫開けて賞味期限のものがあればそれに手を出すんですわ、あのコたちもそこは気ぃつことるさかい、地域で子供を育てることの一環として考えとくんなはれ。…あ、そういえば先週買ったプリンがそろそろ食べなアカン思うけど…て確認するとなかったり、あれ~?あと一枚食パン残っとったおもたけど…勘違いかなぁ…てこと、ありましたわ…あぁそうすか、じゃぁそうゆうことやったんやねぇ…べつにウチは構いませんよ、むしろ助かってるくらいの気持ですわ…これからも賞味期限を確かめずにいろいろ買いますわそうゆうことなら。そんな、なんじゃらほいなやりとりがあり、警官は今起こっている出来事を私に教えて話をシメた。

「悪いコたちやないんですけど…家がのぅなってから…行き場がなくさまよってるゆぅか…そうゆう噂がありますもんで…。ほんで昨日くらいからですかなぁ、ちょっと気になる現象が起こっとんですわ。どうもここのコたちや思うんですけどねぇ、夜中に寝床を探してここいらを徘徊しとるようで…まぁ、何の害もあらしませんねけど…一応、耳に入れといたほうがええからねぇ…。まぁ…我々が調べた限りでは、2人3人くらいに分かれて家に忍び込む、ゆぅことですねん。音楽をね、大音量でかけながら入ってくる、ゆ~んが特徴ですわ。ラジカセかなんかを持ってるらしいですわ。ほんでその歌を口ずさみなや?口ずさんだら、そこの家に入るゆぅ決まりのようでんねん、これ。入る時の目安として一瞬音楽が早送りになる、て入られた家の人が口をそろえてゆ~とるさかい、それを注意しとってもらえば…。」
注意するったって。音楽が早送りになるのをどう注意しろってんだ。戸締まりしとっても無駄でっせ~、と警官はかる~く言った。

「でな?その夜やねん、来てんやん、ウチ。イチャとかにな、口ずさんだらアカンで~ゆぅててんけど、♪ラ~ラ~ラララ~ラララ~やっぱり~♪て音楽になったとき、私が♪ラ~ラ~♪ゆぅてもた。早送りになって「しまった!!」おもたけど、手遅れやん。ちぃさい子が来てやなぁ…寝てる私の頭からのそ~のそ~と這って乗ってきて…まるで貞子のようになぁ…怖いでぇ…」
「うわ~…怖いなぁソレ。」
「でもな、何故か私に靴下はかすねん。」
「なんでっ?!」
「そら知らんがな。その子にきーてよ。のそ~のそ~と足まで這ってきたかとおもたら、私の足に靴下はかしていくんや。一枚ちゃうで、いろんな柄のいろんな色の靴下をどんどんはかせんねん。う…やめて…分厚い…やめて…重い…左右バラバラや…やめて…と苦しんでうなされているところを、むーちんが起こした。」
「…ネタ?」
「いやいやいや、怖い夢やってんってば、みた時はな…。こやって今自分で話してて「ネタやんけっ」て気が…してきたけど…昨日の夜はほんま怖かった…今はネタみたいに思うけど…どこが怖かったんやろう…」

どこが怖かったんやろう…。この書くとすんごく長い夢が30分40分程度で上映されたわけだから、セカセカした夢だったはずなのだ。この夢自体が相当の早送りだったはずなのだ。しっかし♪ラ~ラ~ラララ~♪が一瞬早送りになった時は強烈に恐ろしかった…ホンマに恐ろしかってんけどなぁ…まさか靴下はかしてもらうとはおもてなかったから…
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by yoyo4697ru980gw | 2008-02-03 23:42 | +cool down run+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA