笑道入門サル治療:みんなのための正しく明るい闘病生活のススメ

ドラマや映画でキレイな女優がキレイな闘病をする。
白くて細い重病人で美しい。
しかし実際に闘病している女の見た目は、美女からは程遠い。
痩せて色が白くなるトコまではいいが、投薬治療の副作用でむくみがまぶたにまで出るほど顔はパンパン。
目の下には濃いクマが層を作り、流れ出る鼻血を止めるためのティシューで鼻に栓をして昼食を摂っていたりなんかする。
顔から血の気が引いて黄緑色になっていき「どうしたんやネェちゃん、ごっつぃ顔色悪いで?」と知らないひとにまで心配される。
嗚呼「実はワタシ難病で内臓に激痛が走ってる最中なんです助けてくださーい」と言えたらどんなにラクか。

「あ゛…ぅ…い…痛い…い…息が…吸えな…」

言えるのは、それのみ。
ただただ、耐える。
痛みが引くのをじっと待つ。
症状と言えば、それのみ。
いけませんねぇ、これから冬が来るじゃないですか。
寒くなってくると途端に具合悪くなっちゃってかなんのぅ。


病名がついて晴れて闘病生活に入った新人患者のみなさんごきげんよう。
暇さえあればご自身の病名を検索窓に入力し、さぞかしたくさんの情報を得てきたことでしょう。ご自身の病気の最悪の状態がどうか、という予備知識はもうバッチリですね。しかしながら、現実は小説より奇なり。患者の今現在のナマの声を聞く機会はそうそうないでしょうから、ここに生々しい声を載せておきたいと思います。

まずは、サルコイドーシスのアナタへお送りする、脾サ症の私の日常から。

サルコイドーシスが悪化している、もしくはサルコイドーシスの疑いで検査入院を言い渡されたアナタは、最終的にこのブログに辿り着いたことでしょう。サルの疑いで検査入院するということは病巣の組織の中の類上皮細胞肉芽腫を見つけることが目的です。サルで入院するということは、悪化組のほうに名を連ねたからですね。しかし私も悪化組の慢性化組の免疫難治組でかれこれ3年ばかし生きておりますが、一日3時間仕事をし、夏にはみっちり2ヶ月間盆踊りをし、秋は痛い痛いと言いながらたまに盆踊りをし、冬は痛い痛いと言いながらこれまた盆踊りをしております。
好きなことに夢中になっている間は痛みもさほどじゃないけれど、夜中に痛みだして、こんな真夜中になんて私に「よしよ~し、痛いの痛いの飛んでけ~」とやってくれるひともありませんから、闘病仲間に痛み分けのメッセージを飛ばして急場を凌ぎます。
雨の日なんかもそうですよ、寝てても起きてても痛いもんですっかり仕事に行くのイヤになっちゃって「雨やねぇ、調子どう?悪くない?」つって患者仲間にメッセージを投げておくと、あれよあれよと釣れる体調不良の愛すべき仲間たち。

もうね、患者のプロと言ってもいいほど全ての症状をコンプリートしてますからねみんな、動悸・息切れ・吐き気にめまい、嘔吐・下痢・便秘に耳鳴り、激痛・疼痛・突出痛。
だから体調不良ごとき、ヘでもありません。
プチアニマルセラピーでペットの写真を貼ってるトコロに、しれーっとこんな画像まで紛れ込ませます。

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とても病人とは思えませんね。
大爆笑すると痛みが増すねから、やーめーてぇー片腹痛いわ。

私の痛みを濃くした張本人ミッキーもこれまた立派な患者。
さぁ病名検索で辿り着いた皆さんお待たせしました、特発性間質性肺炎・CIDP・SLE疑いで闘病中のミッキーは自分でも予測不能の病状ですがえらいもんですねぇ…動くんです、行動派。
私なんて朝に車で30分くらいの場所に行こうとしていて化粧中に突出痛が3回来たら、もう行くのなんてやめてしまうのにね「あァ痛い痛い無理ムリ無理ムリ~!」つって。わかっているの、痛くても大丈夫って。痛みで倒れたりはもうしないってわかってる…それなのに心が怖がってしまうのよ…ヘタレっぷりが気前ええから。

先日、間質性肺炎の講演を聞きに行ったら倒れて気が付いたらICUの中だったミッキーの曰く。

パンイチやで、パンイチ。
みんな、下着は大事やで。

そこかーーーーーーーーーーーーいっ

とツッコミ入れてリピート片腹よじれだったけど、せっちゃんも曰く。

私の母の口癖は、「日頃から下着はきれいなものを身に付けるように」でした。

なになに~その下着重要説は!知らん!わしゃ知らんぞ!
私には誰も下着の重要度を説いてはくれなかったんだけど、そんなに世の中には下着重要説が出回っているのだろうか。

なんでも、せっちゃんの母上は交通事故で運ばれた際、もったいないという思いから夫のサラピンのパンツを履いていて恥ずかしい思いをしたそうな。意識を失う中でもそのことが気になったというから、かように女心とは下着に集中するもんか、と思う。だってサラピンやで。メンズのボクサーパンツを篠原涼子が穿いてると思えば。だってあれカッコよかったし。

ミッキーも昔から事故にあったら下着を見られるからと、下着重要説を親に説かれていた模様。私の親はそんな教えをくれなかったし、友人知人も41年間誰も下着のこと言わなかったなぁ…みんなそんなに小奇麗な下着ばかり身に着けているのだろうか。私ちょっと寝込んで病院行く時なんか95%無下着ボロ部屋着やねんけど。「じゃぁ胸の音をきいておこうか」で下着が恥ずかしんじゃなくて見られて恥ずかしんだけど。
闘病を余儀なくされている皆さん、キレイな下着も大事ですが、まずはどんなのでもいいから下着を身に着けておいたほうが賢明ですよ。

それではお待たせいたしました。
最後は、日本人の死因ナンバーワン「悪性新生物」です。

私には入院中に知り合ったツッチーという肺がんステージ4の患者仲間のおっちゃんがいます。余命6ヶ月と言われて2年半生きている中で、抗がん剤治療をもちろん勧められましたがあまりの副作用のキツさに途中でやめちゃったほどの強者。

「抗がん剤する前は俺普通に生活しとったんや。アレやってから調子悪なってん」

食べることだけが楽しみのツッチーは、温泉に行っておいしいものを食べて、という話題しか私にしてこないほど、温泉に行っておいしいものを食べています。
ぜんっぜん食欲ないねん、つってちゃっかり食べてると思うんだけど、私は。

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これ、食べてないかな?

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これ、食べてるよね?

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これ食欲ない誰て?


骨転移が11箇所、腫瘍マーカーCEAが3000以上。

「な?数値的には死んでてもおかしないねん」
「ひどいね、何で生きてんの?」
「さぁ?」
「ねぇ…もしかして本当は死んでるんだけど、そのことに気付いてないんちゃう?」
「そうかもしらんな」

腫瘍マーカー100以上で要注意な状況なのに、ツッチーは目出度くこの度5000を振り切りまして、それでもまだ同じ生活をする模様です。
医者も3000台は見た事あるけどさすがに5000台はないってよ。

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旅行に行き卓球をして熱を出し夜に温泉に入れなかったと悔やむツッチー。
でもいいんだって、朝には入れたから。
いいんだって、朝に温泉に入ったから。



がんと診断された皆さん、あなたはどのようにがんと向き合いますか。
どんな治療法を選び、どう生きますか。
「ひとの話を全然きかんとな、自分が割り込んで話すのが俺の昔っからの悪いクセやねん」と割り込んで話して来るツッチーを見ていると、余命宣告を受けてからの生きる意味とは、普段と変わりない日常を送りたいという気持ちそのものの中にあるのだな、と私は感じます。

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自分ががんになった時、私もツッチーのように生きていたいと思います。
死ぬことに対して冗談を言い合える日常を送りたいと、強く心が望むような。





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by yoyo4697ru980gw | 2016-10-16 00:18 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)  

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