どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ

笑道入門サル治療:揺れますから墓場まで

ゆりかごから墓場まで
福祉制度が万全に整っていることの表現である。

揺れますから墓場まで
裏の裏の解体工事による私の死なんばかりの日々である。

数日前、仕事から帰ると居間のおコタの上に無地のしが巻かれたラップが置いてあった。自室に籠っているヒー坊に訊くと近所で工事を始めるらしく「うるさくします」の事前詫び状と共にくれたという。
その時は「ラップもらえてラッキー♪」などとほざいていた。
近所で工事があるだけでラップがもらえるなんて、空港騒音地区に10年以上住んでいる住民にしてみたら屁でもないことで降って湧いたラッキーである。順応性の高い私は飛行機の騒音で電話の相手の声が聞こえなくてもそのまま聞こえたことにして話しを続けることが出来るし、休日の早朝に向かいの広場で野球の試合が行われようともぐっすりと眠っていられる。呼ばれていることに気が付かなかったり、重要な話をうっかり聞き洩らすほど音に鈍感な性質なので、騒音が私を困らせたことなど殆ど無い。
音に困ったことなどないが、この工事は音以外の害を私にもたらした。

「ぃやぁああぁあぁぁぁああ!!!なにこれ…やめて…脾臓に響く…いたい痛いイタい…いたぁあぁあぁああいぃいいぃい!!!」
前日、二階の廊下の窓からふと横をみると倉庫の屋根に男性が居た。近所の工事とは意外に近い場所だったなと思ったがその日はどうやら屋根に登っているだけで、倉庫の周りに目隠し用のシートが張られただけだった。事件は翌日の昼前。解体作業が始まり、床から突き上げるような振動がガッチャンガッチャンと何回も何十回も続き、私の脾臓を揺らすのである。横になっても座っても立っても、痛い。

「なにこれ…なにこれぇぇぇええぇえぇえぇええ!!!」
こんなことで痛いとは思いもしなかった。
自転車に乗って悪路を行くこともあるし、ボンブーで飛び跳ねて数時間ほど踊ることもある。そりゃ全く痛まないとは言わない。歩いているだけでも痛む時は痛む。しかし、ココまで共鳴して痛いなんてことはない。歩いていて一歩一歩が痛んだりはしないのだ。工事は痛い。ガッチャンガッチャンの一回一回が痛い。

昼休憩中のガッチャンガッチャンが止んだ隙に私は急いで身支度を整え、我が家から遠くへと避難した。とくに行き先があるわけではなかったので、中山寺~清荒神までを自転車で参った。

どうでもイイことだけど、中山寺ってぼけ封じ出来るみたいよ。

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信じるかどうかのこっち側のチカラが大きく関わってくるカンジもするけど。
最新医療をもってしても今だにぼけを封じられてないわけやからな。


中山寺の絵馬堂前広場のベンチに座り、宝塚の町並みを見ながら涼んでいると、住宅の屋根の上の男性と目が合った。…や…やめて…ニィちゃんたち…何する気や…解体か?まさか砂利が敷き詰められたこのベンチに振動が伝わってくるとは思わないが、なんしか過敏になっている私はそそくさと逃げる。

なるべく坂道を避けて自転車こぎこぎ清荒神清澄寺。
本堂に行く前の参道のちょうど半分の位置に店を構えるはきもの屋に寄る。帰りに寄ったらええやん、と思う御仁は考えが甘い。荒神時間が流れている清荒神界隈では、3時頃から店じまいの色が濃くなり、4時には参道の店は営業を終了するのだ。

伊丹のはきもの店ふなき屋が店を畳んでからというもの、私は清荒神の参道の途中にある大浦はきもの店で下駄を買っている。なにも清荒神まで行かなくても伊丹にだって下駄は売っているさ。既製品の下駄であれば秋の終わりに1000円の処分値で手に入るのだが、私の場合は下駄かブーツかしか履かないというほど極端に下駄を履いているので、自分の足に合わせるためのメンテナンスが要る。鼻緒を挿げることのできる職人がいなきゃダメなんである。台と鼻緒を別々に選び自分好みの下駄を作って自分仕様に鼻緒を挿げてもらって、大浦はきもの店では最低価格が3150円(税別)である。

一番安い組み合わせどれ?と言って一番安い台を教えてもらい、一番安い鼻緒はどれ?と訊くと、「1500円~ですけど、もう1500円にしますわ」と大将が言う。常連になって早く顔を覚えてもらうが勝ち。ちなみに私は何度通っても大将が覚えておくれでない。ふなき屋さんも何度通っても私を認識してくれなかったし、私はこんなに下駄を愛用しているのに下駄屋の大将に顔を覚えてもらえないというクセがあるようだ。

大浦の大将は「伊丹から自転車で来てん」と言っても毎回「ほ~」と新鮮に驚いてくれ「ご結婚されているんですか?」と毎回訊かれるので「とっくにしてますねぇ」と答えると「お子さんは?」と重ねて訊かれる。
「子供もいますよ」
「いいですねぇ」
「まァ子供ゆぅても大学生と高校生やから、どっちもほぼ大人なんですけどね」
「えーーーー?!」
「見えへんねやろ?」
「見えませんねぇ」
うん、大将、去年も見えへんゆぅてるからね。
去年高校生だった長男が自動的に今年大学生になってるんだけどね。


まだ大将の父上が店にいてる時分から懇意にしてるけど、その時はまだヒー坊は中学生だったと思う。父上が体調を悪くされて入院し、急遽、店をやれと息子に言い、店に来てみたらとんでもない状態で、まずは店の大掃除から始めたんだってことも、ビジューやアクセサリーをあしらった下駄で若年層を取り込んだり、インターネットで海外の客の注文にも答えたりと、息子の代ならではの商戦を展開中であることも、大将がなかなかのインテリであることも、私は知っているんだけどね。

しっかしこれだけの情報を私は大将との会話で得たというのに、私の何一つ、面白いほど覚えておいででない様子なのだから不思議である。私は前々回の時には入院直前だったので、自分が難病であり入院を控えていることを話したし、行けば毎回盆踊りをしている話しをし、ボンブーを踊れば下駄はもってふた夏やな、やから何よりも安いコトが一番や、と言っている。
それなのに大将は、私が盆踊りをしていることも、伊丹では盆踊りが盛んなことも、盆踊りは伊丹の初踊りから始まり八尾のカウントダウンまで年がら年中やっているんだってことも、まったく覚えておいででない。きっと覚える気がないのだろう。もっと性根入れてきーたほうがええで、と思うが、私だって興味がない人の話や興味がない話題はまるっきり覚えないから、そうゆうことなんだろうな。私という人間に興味を持っていただける客になるよう精進するとしよう。

いつまでも大将に覚えてもらえず毎回ポッと出の一見なのに、「1500円にしますわー」適用価格の3150円で下駄をあつらえているのは、毎度毎度を入魂の会話により大将とはその場限りの信頼関係を築いているからである。話術に自信がおありなら覚えられなくともしますわ価格の適用が可。それか、誰にでも簡単に大将が「しますわー」て言ってる可能性も大。いいや、そっちかな。

大将に今履いている下駄の鼻緒を締めてもらい、新調した下駄の鼻緒を挿げてもらっている間に、本堂へ参詣。そう言えば大浦の大将が言ってたけど、小さい時から下駄を履いているひとには頭の良いひと運の強いひとが多いのだそう。科学的根拠があるのだろうか。大将は参道上に店を構えていながら科学的根拠のない事を信じていない向きがある。坂道の参道がしんどいしんどいと言っていたら、自転車で行けばいいのに、と言う。帰りがラクですやん、と。
「でもやっぱさぁ…この自分の足でしんどいめぇして参るからこそのご利益が…」
「ないないない。自転車で行っても一緒、一緒」
「でも徳を積まんとさぁ」
「徳は人間に積まないとねぇ」
もちつもたれつ関係か。人のためならず、か。回り回っていつか自分に。

運だけで生きて来たと言ってもいいほど私には運しかないが、それが下駄を履いたおかげだとは思ってこなかったな。下駄をこんなに履いているのに、ちっとも頭なんか良くなんないし。下駄を履いて自転車に乗り、走り、飛び跳ねしてきたせいで足の指は全部折れてきたし、足首を捻挫すること数え切れない。それでも下駄を履くなんて馬鹿な証拠だと思う。
でも足の指が折れるかもしれないのに下駄を履くのだから、並々ならぬ根性だけはあるということかもしれない。それくらいの根性がなきゃ運も味方はしてくれんだろう。ん?下駄のおかげなのか?

税込3402円であつらえた下駄を受け取り、えっちらおっちら参道を下る。それからまたうんとこどっこいしょと自転車をごいで伊丹まで。時間は17時過ぎ。さすがにこの時間なら工事も終わっていようと自宅に戻り、足を洗っていたらカカトに伝わる衝撃の振動。

「っぃいっったぁあぁぁぁああぁぁっぁいっっっ!!!」

思わず握っていたシャワーを落として床でシャワーヘッドが踊る踊る。
…やめてよ…こんな時間まで…。
とうとう運に見放されたな。





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by yoyo4697ru980gw | 2015-05-29 13:31 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)
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