退会出来ないシリーズ⑥

宮崎に帰郷している間、弟の子供たちに昼食を食べさせるために料理をしていて「砂糖ない?」と2年生の姪ホノに聞いたら「サトウって何?」と言う。

「アンタ…まさか…手伝いしてへんのか?」
「してるよー」
「あ・アヤシイ。」
「してるってばーママと料理するっていうのがあってそれの時にー」
「ホンマか?混ぜるだけとか、乗せるだけ、とかちゃうんか。砂糖の在り処を知らんやないか」
「サトウって何よー」
「基本的調味料デス」
「どんなやつ?サトウ?」
「砂糖は白い粉や」
「あ~白い粉なら塩までしか知りませんねー」
「どうゆう基準なんや、それは。原始的なスタートから塩どまりって意味か?」
埒が明かないので、弟にサトウドコー?とメールで聞く。

ヒー坊が「固定観念にとらわれないほうがええで。まさかと思うような場所にあったりするんやから。冷蔵庫とかな」と言い「それはないで。一応見てみ?砂糖が冷蔵庫にあるわけないやん」と私が反論し、冷蔵庫をざっと見たヒー坊が「やっぱないか。冷蔵庫には」と確認してしばらく経ち、弟から砂糖の定位置が発表された。

冷蔵庫の中よ

まさか、である。

家の事はたいがいホノが知ってるから聞いて

そのホノがよォ白い粉は塩までだっつってんだよ。人類にとって塩の精製は大きな一歩だったために、まだまだ塩いっぽんでいかせていただいてるそうだ、ホノはな。私はすでにミョウバンまでいったけど。

この一件で私は思い出した。
そうだ、南国宮崎では暑すぎて常温保存では砂糖が溶けるのである。
だから冷蔵庫に入れてある。兵庫県では真夏でも室温で砂糖が溶けることはないので、普通に塩・コショウ・砂糖といった調味料群として調理台に並べられている。宮崎でそんな並べ方をしようものなら砂糖だけが、長距離トラックの運ちゃんたちがうまいラーメン屋と絶賛する店のテーブルなみにベトベトする。入れ物のフチに着いた砂糖から液化し、蓋にも本体にも飛び火して王将の床なみにベットベトになるのである。

人間の順応性ってすごいなァ…だってずっとずっと習慣にしていたはずの『砂糖は冷蔵庫』の18年間を無かったことにするんだからさ、たった22年で。

あったはずの記憶でさえ無かったことにするくらいだから、届いているはずの退会届も無かったことになるのかもしれない、22年もすれば。…多く見積もってもまだ4ヶ月だが。


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私は盆踊りマスターである。
盆踊りの盛んな伊丹市で冬に盆踊りを開催してしまうほど盆踊り好きがこじれている。盆踊りに注目していない皆様におかれましては、盆踊りとは盆にだけ開催されているとお思いだろうが、関西では伊丹の1月初踊りに始まり、八尾のカウントダウン盆踊りまで、年がら年中なんかっつっちゃぁ盆踊りを開催する。盆踊りが盆にだけやっていると思ったら大間違いなんである。

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私は介護に忙しい。
嫁として、週末に「良い肉を買ってるからすきやきするか?」と電話をくれる義父の元へ手ぶらで行ったり、70を過ぎていてもなおバリバリと働いている義母が我が家に届けてくれる大量の救援物資を冷蔵庫や冷凍庫にせっせと詰めなければならず、とても時間が取れそうにない。
私の家族がこんな状況だというのに、家族以外の友人や知人や他人の介護にだって忙しいのである。
LINEの既読無視にぶつくさ文句を垂れているのを「返事が必要ないと思ったら基本的に既読無視やけど?それがイヤなら私をブロックしたらええねん」と言ってなだめなければならないし、メールの返事が遅いと言ってくるのを「メールを送った人と送られた人は同じ状況だと思ってる?」と言ってすかさねばならない。スマホ画面に夢中で自分の足元すら見ておられない方々を避けまくって前に進まねばならないし、いつまでもドアを押しているおばちゃんに「引く、て書いてまっせ」と教えなければならない。
そんなこんなで介護に忙しく、とても時間が取れないので致し方なく退会する。

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私は現在ちょっとした難病であるが、かかりつけ医を見つけるにあたってセカンドオピニオンもサードオピニオンもフォースもフィフスも試した。
その過程でひどい大ヤブ医者をクビにした。その病院はメディアで取り上げられる名医のいる大学病院だが、私が出会った医者は私の人生ではワースト1位であった。この医者に出会ったことで医者不信に陥り医者にかからないでいたらその状況を見るに見かねて知人の看護師さんが、自分の勤める病院の院長先生に相談してくれた。私はその時すでに脾臓が4倍ほどに腫れていたのだが、肝臓の専門医である院長はとにかく診せにおいでと言ってくれた。丁寧な問診、丁寧な触診、そして迅速な対応。適切な病院をピックアップし、その場で直々に電話をかけ、3ヶ月待ちは当たり前というレベルなのに、これは早く診てあげたほうがいいと「一番早い予約を」と交渉してくれ、一週間後の予約までに必要な書類を全て揃えてくれた。その間にも私は救急車で運ばれている病状で、状況が良くないことを察した知人はわざわざ書類一式を自宅まで届けてくれたが、私が紹介状作成の料金を訊くと「先生、紹介状は無料で書いてくれはったわ」と言うのである。「いえいえいえ、払います払います」「でも私もホンマに料金がいくらとか知らんのよ」とにかく大きい病院行って検査したら病名もわかると思うから、そしたら治療も出来るし頑張りよ、と知人は送り出してくれた。
メディアに取り上げられるのが、技術力の高いことが、大きな病院の医師が、名医だろうか。
私にとっては「この先生に会いたい」と思える医師が名医である。会うのが楽しみで楽しみで仕方ない、先生に会うと私はいつも病気でごめんね、と思える医師が名医である。
自分がどうして患者にクビにされたのかを考えることをしない医師は、名医であるはずがないと思う。患者に「別の医者にします」と言われたらそれはクビにされたのだ。
よって「別のライティングサイトに登録した為」に退会すると言われたらそれはクビにされたということなのだ。
どうしてクビにされたのかと考えることをするサイトか否か。
これは問題提起の退会理由なんである。
ま、くどくどと述べてきといてなんだけど、この理由を考えたのは私じゃなくて20代の女性である。ザ・人任せ。

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転職すること、12社。
39歳で12回の転職、高卒だから1.75年に1回の転職頻度である。なかなか多いほうではないだろうか。私の人生に於いて転職と引越しはもはや趣味と言ってもいい。一社を除いてはおかげさまで円満に辞職した。
勤務1時間でスピード退職したケーキ屋は、接客のシュミレーションをすると言われ第一声に私が「いらっしゃいませ。何にしましょう?」と接客をしたら、ケーキを売りたくはないから「何にしましょう?」は言うなと指導された。このひとの下では働けないなと思って辞めたのだが、ほどなくしてそのケーキ屋は潰れた。どのみち続けていても2週間ほどで職場を失う結果になっていたのだと思えば、潔く1時間で決断してよかったと思う。
お客さんが入ってるところをあんまり見ないのに何年も潰れないってコトは何か魅力があるに違いないと、アルバイト募集の貼り紙を見て応募したのだが、たった1時間で辞職を決意した仕事など初めてだった。
逆に言えば1時間で辞職を決意するほどの理由があったということになる。
たった1時間でも辞職の決め手はいくつかあった。

1時間だけでもいくつか見つかるのだから『7ヶ月後の退会』となれば退会理由もひとつではない。退会し始めてから丸々2ヶ月が過ぎた。
退職の理由を細かく挙げればひとつではないが、ケーキ屋辞職の決定打が『売りたくない』だったのと違い私の決定打は『売れない』からだ。
最低価格を設定している文章がちっとも売れない。売り物にしていないブログの文章は7年も書き続けられるのに、売り物にした途端7ヶ月で退会を決意する。所詮、世の中金なのか。そう、金である。働くということはそうゆうことだ。文章を売るということはそうゆうことなのだ。金銭が発生することだから責任を持って書いている。内容はフザけているけれど、売りたくないと思って書いた文章などひとつもない。売りたくないケーキを作っているケーキ屋を1時間で辞めたのは、ケーキと文章、売っている物は違えど自分が作るモノに対する思いの違いだと思う。私は、売りたくないと思うような文章を書きたくはないのである。

サイトで書いた文章は実際に売っているわけだから、売りたくて売りたくてたまらない思いで書いた。売り物にしている以上、無責任に放置などするべきではないと思うから、退会出来ないとうすうすわかっていながら何十回もこうして退会届を送信しているし、そのルポを上書き編集して売り物の文章を削除しているのである。たとえ最低価格の300円であっても、300円以上の価値があると思ってもらえるように書いた。
そうして売り物にして書くという作業を始めたら48回目で愉しめなくなったのだ。売り物じゃなければ7年愉しめることが売れば7ヶ月で愉しめない、これが責任を持って売り物として書く文章と趣味で書く文章との違いである。それを実感させてくれ、退会させないことで私の文章力までも試しルポという苦手なジャンルに時間を割く機械を与えてもくれたwoofoo.netには、本当に感謝している。

私に対する責任はもうお果たしになりました。
そろそろ肩の荷を下ろしていただいてもかまいません。
12回も転職を重ねそれでもこんなに長文を書けるほどヒマな私の根性と文章力が継続するに足るほどの技術に至らず、まことに申し訳ないと思っております。

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コミュニティサイト『ニコッとタウン』略してニコタ。
数々の誘惑にさえ打ち勝てば無料で遊べるバーチャルワールド。
課金と非課金の差が一目瞭然な中、まったく何の誘惑にも負けず非課金ユーザーとしてログインする私の目的は自分のブログにアバターでも貼ってみよというお試し動機で始まっているわりには、多岐に渡る。
ブログを書き、ゲームをし、花を育て農園を営み赤の他人の庭に水を撒き、そのうえ常に更新されるイベントにまで参加せねばならない。
どんだけ暇なんだ私は。
同級生は中間管理職で上司と部下の板挟みになりストレスを抱えているというのに、ニコタにせっせとログインして四択クイズに正解しては、課金ポイントをコツコツと貯める。

そんな日々を送っていたら、このサイトで退会出来ないという不可思議な現象を体験してしまい、すっかりニコタなんて投げ出してせっせと『退会出来ないルポ』を書き綴る日々である。
ネットに繋げると大変に忙しい平成の世の中で、いろんなことに流されて生きているわけだけど、私は歩きスマホだけはしていない。なんせガラケーだから。それだけは胸を張って言っておきたい、ながらも歩きも何もせずしっかりと前を向いて歩き、人の目を見て話す。なんなら電話が鳴っていても気付かず、メールの返事なんて翌々日である。「お茶でもしない?」「ランチ行こうよ」というメールに気付くのがお茶もランチもすっかり終わってからなので、今では誰も誘ってくれなくなった。私がニコタにせっせとログインする時間があるのは、以上の事情があるからである。

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もはや退会理由ではなく替え歌であるが、この理由を考えてくれたレオニーは20代と若い。それでこの替え歌が出てくるとは、いかにこの替え歌が長きに渡り子供たちへと伝承されてきたか、ということを物語っている。
謎なのは最後の『眠る』だけ何故に食べ物ではないのか、という事である。
『る』から始まる食べ物は少ないけれども探せばあったろうに…ルッコラ、とか。
ちなみに40歳の私は『眠ルーマニア』だった。

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引き続き退会理由を考えてくれたレオニーはくたばっちまえアーメンと考えてくれた。しかし私が勝手に下の句を変えた。そう、もともとこれがひとこと言ってもいいかなくたばっちまえアーメンという歌だということをヒットさせられるだろうか、と思って。
ヒットさせてくれるようなスタッフなら、とっくに私は退会させてもらえてる気はするが。

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管理者側はいまドキっとしただろうか。
40回以上も私の退会届を読み逃げしておいて今さらドキっとするこたぁないと思うけど、管理者側目線の退会理由である。いいや、退会させない理由である。読み逃げしてんと退会の事務処理を。読み逃げしてんと会員登録抹消や削除等々、退会に伴う諸々の操作を。

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この退会理由を考えてくれたのはアッキーという25歳男性である。
私にはアッキーと呼ぶアダ名の知人が数名いる。そのどのアッキーもが、私をフザけた人間だと思っている。まことに遺憾である。
井の中の蛙は大海を知らない。しかし、だ。大海を知っていたとして、蛙は井の中から出ただろうか。蛙はココがいいと思ったはずである。広い世界を見ることは決していいことばかりではない。井の中から一歩踏み出すか踏み出さないかは、蛙次第なんである。
大海を泳ぐ大会だから、きっと遠泳になるだろう。30mくらいしか泳げないけれどチャレンジしてみようと思う。なんせ私は近年稀に見るチャレンジャーだから。かれこれ2ヶ月ほど退会にチャレンジしている。退会をし続けているギネス記録を作ろうかと本気で考え始めた。記録樹立のためには何がなんでも退会するわけにはいかない。退会はせずに退会届を送信せねばならない。過酷だ。広い世界への一歩は苦難に満ち満ちている。




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by yoyo4697ru980gw | 2015-04-17 23:45 | +in the sky?+ | Comments(0)  

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