ポンコレ

「前から聞こうと思っててんけど千徒さんのそのベルトってバックル?」
「そうですよ、バックルベルトです」
「ウチのコが好きそうやなぁ~おもて見とってんけどな?」
「残念ながら一点モノです、50円」
「ご、ごじゅうえん?!」
一点モノというフレーズは高価な印象を与えがちであるが、私の使う『一点モノ』という言葉は“サイズが”“リサイクル品で”という意味である。
「コレ実はキッズサイズなんですよ。よっぽど売れないんでしょうねぇ、リサイクルショップで捨て値の50円でした」
「やすっ」
「ワタシ今日は全身安いですよ?バックルベルトは50円でしょ~カットソーは3枚で700円やったし、このジーンズは300円で~いぃや…100円やったかな?モッズは500円したかしないかくらいで。ニット帽はあまりの毛糸で作ったからタダやし。トータル1000円前後とは思えないあたたかさです」

ここ3年ほど、ヘンな服に夢中である。
広義に創作が趣味である私は、創作のヒントを得るのに手早くリサイクルショップに行く。リサイクルショップ(以下リショップ)はジャンル問わず雑多な物で溢れてい、しかも多国籍でおまけに人間模様まで垣間見れるので、いらんくらいの刺激を受ける。まぁ受けすぎて若干おかしくもなってると思うが。
行きつけのリショップが4店あってその中で一番オシャレ度の高いリショップにこないだ久々に行ったら、若くて個性派の男性スタッフが10分に1回「いらっしゃいやせ~どうぞごらんくだせぇ~」と叫ぶ。江戸前か。
創作のヒントを得るにはいろいろなジャンルでたくさんの品数を観察出来ることが必要だったので、服のみに限定されているこの店はそう頻繁には来ていなかったけれど、観察の対象は物品だけでなく人間もひっくるめてであったかと猛省した次第である。

「ほら、チョモ。すんげぇヘンな服みっけた。買いやなぁ…試着してこ」
「なんやねん、ソレ」
「わからん。ワンピースのようなシャツのような割烹着かな?」
ファッションセンスのないチョモにアイテムの数をたくさん見ることが先だと、質ではなく量が賄える古着屋に、私が行く時に同行させていた3年前が、私のポンコツの始まり。
いかにおかしいかに重きをおいてチョイス。
いったい何をコンセプトに?何と合わせろと?どう着ろと?といった感想を持つアイテムが、私にとってのヒット商品である。欠陥品のようなヘンな服。ような…ではないな、事実、欠陥品なんだけども。
ボタンが割れてる、とかの欠陥を私はグランジで処理できる女。
たいがいの欠陥をリカバー出来る腕を持つオンナ。
こんな服ダレが着んねんっ…ワタシか?という奉仕の心高き女。
恥ずかしげもなく「こんな服」を堂々と着るオンナ。
このような精神状態を私はポンコツモードと呼んでいる。

「見て見て~」
試着室からシャツワンピ割烹着を着て出る。
「すんげぇ着心地悪い~買おうっと」
「なんでやねんっ」
「洗濯表示は必ず見るねんけどな?タグにサンプルって書いてんねん、もぅ絶対買うよね~」
「だからなんでやねんっ」
だって今を逃したら、こんなヘンな服ドコで買えるのよ、て思うから。

このヘンな服を着るやんか。
明らかにヘンな服やなぁ~て買った時から思ってる。
私のモノになっていない時点から客観的に見てもヘンな服を、着る。
そして知り合いに、会う。
その知り合いが、言う。
「いつもオシャレやねー」て。
と、いいますわけでね皆さん『ヘン』と『オシャレ』は紙一重ですよ。
自分でもこれはどう見てもヘンやでな~ておもて着てる。
でも不思議なコトに“オシャレやねー”て見えてんねん。
ヘンな服も堂々とヘンと思って着てたらオシャレになることを証明したね。
ファッションセンスって『これが着たい』ていうその人の強い思いやな。
スパっ!と決めるかどうかがオシャレの高得点取得ポイントやで。

これが件のシャツワンピ割烹着。
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割烹着という響きから糊と青味のキいたホワイトカラーと思いきや真反対のサンプルブラック。
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腕と裾とに施されているのは
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アートになる前の刺し子ミステリーサークル。

裾、絞れます。
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でも絞って余ったゴムは垂れっぱなしね。

割烹着ってゴムが入ってる利便性がウリのエプロン。着物の袖が収納出来るエプロン。だから帯を締めてても着やすいように襟と腰の二箇所にある紐を用いて背中で結ぶものが多いけど、これは割烹着と勝手に呼んでいるだけだから背中オープンじゃない。でもなぜか代わりに胸部分がたゆたゆしてる。

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上からシャツワンピ割烹着980円
チェックネルシャツ290円
サルエルパンツ580円
トリプル古着:トータル1850円
一万円以上しているブーツが何らかの悪影響を受けそうで怖い。

細身のシルエットなのにたゆんでるデザインだからすんごく着心地が悪い。黒だから美容師でもいけんことはないけど、作業着のテイストが強いのとダメージ加工で作業中のアシスタントかな、職業。
アーティストまでイってない見習いは割烹着を着とけ、てなカンジ。
割烹着は保護力が高いから腕があがれば前掛けにチェンジしてよろし。
いまの私は『シルバーアクセサリーの角をやする』みたいなコトをしてるレベルまだまだ日々修行でございますわ。

さて、そろそろ仕事に行ってくるか。
私の仕事は事務職です。
銀はやすっておりません。
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by yoyo4697ru980gw | 2015-02-23 10:51 | +cool down run+ | Comments(0)  

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