あの時の

「おとつい夢見てな?それ子供の時によく見た家が出てきてさ、懐かしかったな~もっかい見たいな~おもてんけど昨日も見てん。今日も見たいな~」
子供の時に頻繁に見ていたその木造家屋はとっても落ち着く家で、子供の時には玄関を入って居間までしか行けなかった。玄関で靴を脱いで廊下を歩いて居間まで。自分の家じゃないんだけどでも誰もいなくて私はいつも勝手にあがる。廊下で二階に続く階段を見てはずっと二階に行ってみたいと思ってたんだけど、玄関と廊下と居間以外は行けなかった。他の部屋も見てみたい、と思ったけど夢の中の自分をコントロールすることは出来なかった。

「なんせ子供やからさ、夢の中で違う部屋に移動する技術がなかったんやな。でも今は大人になってるから自分を意のままに動かせる時がきたみたいで見たいと思ってたところは見れた。リフォームしとった」
あれから30年近くも経ってたらそりゃリフォームくらいするわな。
夢の中の家なのに意外と現実的。老朽化に伴い必要な手入れのついでにリニューアル。

それが不思議でね。
子供の頃に出て来た家のことなんて今まで忘れてたのに、夢の中で『あの家だ』と思ってからありありと記憶が蘇ってきたのよ。
いつも二階に行けなかったこととか、他の部屋も見たいと思ったけど居間だけ、とか。
居間は「何の変哲もない居間」なんだけども、それを説明しろと言われても具体的な家具の配置とかそうゆうのは記憶にない。でも、居間。みんながごはんを食べる部屋。居間ってことしか記憶にないの。

「風呂もリフォームしてて『タイルの風呂やったのに~』て思ったんやけどさ、子供の時には風呂なんて見てないねん。なんせ玄関と居間しか見れなくて見たいって思ってたくらいやねんから絶対に見てないはずやのに、今回見た全ての部屋が記憶にあんねん、不思議やろ?」
階段を上がって突き当りに昔も鏡があったそういえば、とかね。この部屋は変わってないな~とか、ここは面影はあるけどリフォームしてだいぶ変わったな~とか。

なかでも全面的なリフォームがされたのが風呂で、中庭を作って露天風呂まである豪華な檜風呂になっていた。
床から30㎝ほどが細長~く窓。つまり壁の下30㎝が端から端まで窓。なんでそんな低い位置に窓なんて、と思うわけ。
脱衣所から階段を2段下がって風呂なんだけど、床にビチャビチャとお湯が流れてる。そのままバリアフリーで浴槽が掘り下げ式だからビャービャーお湯が床に流れ出てるのね、なんちゅ~作りかと思うわけ。

ところがどっこい湯船につかると、あの低い窓から中庭が見える仕組みになっている。しかも芸の細かいことに、室内の湯船につかって見える中庭を計算したかのように奥のほうに露天風呂があって、その周りに植えてある樹がすべて背が低い。窓枠の横長が実に粋な演出で岩風呂もその周りの樹や笹もその中におさまってしまう妙。もちろん入って楽しむ露天風呂でもあるんだろうけど、見て風情を愉しむといった感じ。四季をりをりを愛でる、といった趣き。

築古年の日本家屋が昔から好きだったんだな。
だから夢の中で理想の日本家屋にリフォームしてたのかもしんない、この30年間。そしてこのほどそれが完成したんやな。今夜は台所を見に行って、それから二階の部屋にあった長持の中身が何かを知ろうと思う。
随分とリフォームに時間をかけたから、これからはじっくりと見て回ろう。
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by yoyo4697ru980gw | 2015-01-24 20:39 | +ミルニング+ | Comments(0)  

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