ファイト!一発

キッチンで茶碗を洗っていたら右の引き戸が開き、居間からむーが出て来て冷蔵庫を開けコップに麦茶を注ぎ調理台の上にポン、と置いた。
そして何かを思い出したように居間へ戻って行った。
その隙に真後ろの扉が開き、風呂上りのチョモが近付いてきて調理台の麦茶を飲み干し二階へ去って行った。
居間からゆっくりとした足取りでキッチンへやって来たむーがカラのコップを持ち上げて言う。

「わ~~~麦茶がない~~~!オマエ飲んだ?」
「私じゃありません。」

この家ではうっかりしていられないな、と思った。
ここは静かなる戦場じゃないか。
ウチには長男という名の泥棒がいる。
うっかりしていると食べようと思っていま焼いたトーストが齧られていたりするのだ。
私が就職活動を頑張るために用意した栄養ドリンクも気付けばもう、ない。
おかーさんね、アナタの学費捻出のために、痛いの我慢して働くんですよー。

はたらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る

じーーーーーーーーと手を見る。
うぅむ…ビンタをお見舞いしてやろうかしら。
愛を入魂しないとわっかんねぇんだなバカだから。
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by yoyo4697ru980gw | 2014-10-14 09:30 | +開楽館+ | Comments(0)  

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