オカルト記念日

7月13日の今日は、オカルトブームの火付け役となったアメリカ映画「エクソシスト」が日本で初公開されたことから『オカルト記念日』なんだそうです。
コックリさんが流行ったのがこの日ともウワサされているそうな。誰がそんな記録を執ってたんでしょうねぇどー…も不思議なんだよなぁ怖いなぁ怖いなぁ~…。
あ、これ文字にしたってわからないでしょうが、怪談話する時の稲川淳二の口調です。

最近ね私、とっても耄碌しています。
「耄碌」読めますか。
箸でおかずを取りこぼしたり、スプーンの中のヨーグルトがクチに運ぶまでに垂れたり、近所で道に迷って家に着かなかったりします。そう「もうろく」です。
「耄」は衰えを意味していて「碌」は「ろくすっぽ」の碌。老いぼれて物事を満足に出来ない様を「耄碌」といいます。
これをね、17才のヒー坊に「近頃、耄碌しとんねん」と語りかけたらば「もうろく、って何?」と返ってきました。世の17才が皆「耄碌」を知らないのか、ウチのコだけが知らないのか。「もうろくジジィ」がどんな状態のジジィだかわからないと。
だからね、ヒー坊に言いました。自分の好きなジャンルだけを読む、という読書をしているからボキャブラリーが増えないのだと。いろんなジャンルいろんな時代の本を読んでこそ世界が広がるってもんやで、と。
とは言いながら、私もはたと気付きました。病気が発覚してからこのかた1年ほど、読書らしい読書をしていないのです。痛みのおかげで集中力が持たずに読み切ることがずっとなく、途中で投げ出した本や拾い読みした本ばかり。

「私が耄碌してる原因ってさ、本読んでないからやと思うわ」
「うん、一理あるな」
つーわけで、図書館に行って本を借りようかと思いましたら雨なので、数少ない蔵書の中から読むことにしました。
ホラー映画オカルト映画を数々観てもその内容をすぐに忘れてしまう私にオカルトを語る資格はございませんが、ご紹介しておきましょう。

オカルト古書『夢判断全書』昭和27年初版定価150円送料50円
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オカルトチックな気配がプンプンしますね。
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大変に状態の悪い古本で、シミ・ヤケ・書き込み、と古書価の査定がタダ同然になる条件を全て満たしています。

『夢判断全書』とこんなに大きく書いておきながら、実際の夢判断は最初の30ページ。あとは60ページ弱に渡って怪しげなまじないが生活に密着してこれでもかと並べ立てられています。しもやけのまじないに漆かぶれのまじない、耳鳴りのまじないに歯痛のまじない、魚の中毒のまじない、火傷のまじない。
まじないの底がつくんじゃないかと思ったんだが…どーも…様子がおかしいんだなぁ…私はページをパラパラパラパラ~ってめくってね、心の中でナンバンダブナンバンダブナンバンダブ…唱えながら読んでみたんだそしたらね…あ、コレ文字で書いてるとわからないでしょうが、稲川淳二です、また。

血止めのまじない、てのがあってね。出血を止めるまじないなんだけど、こう書いてあります。

先ず本人の額に、まじない師の人指で直接に寳を三字重ねて書く。

まじない師とは巷の有名まじない師とかそんな人のことではなくて、負傷した人とまじないをする人の二人が必要で、このまじないをやってあげる人がにわかまじない師になるようです。「先ず」はのアクションにさっそくまじない臭さが漂ってきますが、画数が多いほうの「たから」を3回も書くんだからちょっとした擦り傷の出血くらいなら、書いてるうちに止まりそう。

次のアクションでは、八ツ折にした白紙を傷口に当てまじない師が右手の指先で押さえて歌を唱えます。

歌:北は黄に 南は赤く 東白 西は血色の山の染色

意味はわからんがなかなかクチのまめらん歌となっております。
コレを3回、クチの中で唱えるんですって。
腹話術みたいなコトかな。ハッキリとクチに出さすに口籠って3回。これねぇ…どーも…難しいんだなぁ…言えないなァ言えないなァ…淳二3回目。

んでそれが終わったら最後は違う歌を10回唱え、白紙に丹田の息を大きく吹きかけておしまい。

歌:ひと ふた みい よう いい むう なな やあ ここのたりや

うん、時間を数えているな。「ここのたりや」で2秒で歌1回が10秒。10回唱えるから100秒で1分40秒。丹田から繰り出す深い息を吹きかけるとなると気合も入って20秒。これで2分ね。前のあの口籠る歌3回が苦戦して1分と見積もり、白紙で傷口を押えて3分。
コレ、まじないじゃなくて直接圧迫止血法ですね。

ドコが『秘法まじない』なんだよ、なんてなことをチラと思いますが、『秘法』と言われればそりゃまぁ意味合いはどうか知らんが『秘法』に違いありません。こんなこと、人に知らせずこっそりやりたいだろうし。この方法、今日までひとに知られる事もなかっただろうし。

前の持ち主がまさか実践したのか、いくつかの秘法まじないや秘呪に赤線が引かれています。ページ後半では梵字が用いられた呪符などが出てきてかなりオカルトチック。「夜道を歩いて物おぢしない呪符」という具体的かつ集中的な呪符があるんですが、物おぢしててもその道を抜けるまでだろ、と思うのは、私が物おぢのなんたるかを知らなさすぎるからでしょうか。『我是鬼』と書いた白紙を持てば、淋しい所を歩くに臆病風に誘われないそうです。そんな風が吹いていたとはつゆとも知りませんでした。

長座の人を早く歸すまじない、盗難除けのまじない、口角のただれを治すまじない、に赤線を引いた前の持ち主。
長居をする人をまじないでとっとと追っ払い、入ってもいない強盗にまじないをかけ、ほっといてもじきに治るカラスのおできに秘法を使う。
これらの秘法が成果をもたらさなかったのか、とうとう『九字護身法』を身に付けようと九字の神語に赤丸を付ける前の持ち主。

りん・ぴょう・とう・しゃぁ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん

この護身法をもってしても安心を確信することが出来なかったのか、それとも他の何かにふと気付いたのか、持ち主はせっかく身に付けた九字を解く眞言を唱えてしまいます。
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3回唱えた持ち主は、きっと視界に入ったことでしょうね。

ま じ な い (終)

この物語はフィクションです。のような終わり方。

おん・きり・きやら・はらはら・ふたらん・ばそつ・そわか~!

書き込みがある本は、それがたとえ作家の直筆サインであっても、買取価格が下がります。ブックオフでは、書き込み本の買い取り自体をしていません。なので、書き込みのある本というのは古書店でもたいがい安いわけですが、書き込み本って実はすんごく面白くて想像力の源になり、価格以上に楽しめる本なのです。蔵書印が捺されていたり、線が引かれていたり、余白に書き込みがあったり。この本がどう読まれていたかが垣間見え、同じ本を読んでいる自分とは異なる視点が見えてきます。そんな書き込み本、おひとついかがですか。書き込み本をお探しなら神戸元町を歩いてみてください。何があっても何に驚いても、一切、責任は持ちませんけど。





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by yoyo4697ru980gw | 2014-07-13 11:10 | +cool down run+ | Comments(0)  

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