笑道入門:入院のススメ⑳有色人種

「まぅちゃん今日、色味がないね。」

カエちゃんが、私の顔色をうかがい始めた。
痛みがコントロールできなくなってからというもの、私の痛みは如実に顔色に出るようになった。見知らぬひとまでが私の顔色をうかがい「ネェちゃんごっつぃ顔色悪いで~」と言ってくれる。うん、とっても痛いのよネ。それも今に始まったことではないから、こうして入院してるのよね。
痛いと言っても痛みって見たくれでは誰にもわからへんから辛い部分があるもんだけども、今の私に限っては顔色でわかっていただけ、そして辛さまでわかっていただけるようで、病人になって初の可愛そがられっぷりである。可愛そがられすぎてもう可愛そうになってきた。

カエちゃん曰く「まぅちゃん、顔が肌色の時と白い時があって、白い時はしんどそう」なそうな。確かにしんどい時は顔面蒼白だからな、痛みで。
カエちゃんが今日の私の顔色を見、まさきさんが今日の天気を見、占い師が血液型占いを見る、そんな世の中である。ウソだけど。
血液型占いっておいしいジャンルだよねぇ、4つの答えさえ考えたらいいだけなんだからサ、まぁ需要が日本にしかないと思うけど。

私がこんな思いをして悩まされている痛みには、いまだに麻薬で鎮痛するということを探りでやっている。探り探ってかれこれ2年である。まぁまぁ探ってるよねー。
ここで突然に吉報をもたらしますが、ステロイド治療が劇的に効いて、私の脾臓はシャープになっているの。治療の効果が、出ているのよ!退院する日もそろそろだわ!と思っているのは私だけではなく、本当に効果が出ていて退院に向けて準備してイイって言われているのだよ、諸君っふぉっふぉっふぉ。ただ、ステロイド服用は始まったばかりで4週間は同じ量を服用し、それから下げていって通院治療という流れになるらしい。
私は痛みが強く出ているので、そもそもの鎮痛薬はガッツリ飲んでしまっているし、急には量を減らせないのは明らか。いかにも『ぶり返しそう』な病状なんである。ステロイドを減らすには慎重を期する治療方針でやってゆき、退院後の生活がちゃんと出来るカタチにする、ということまでをしっかりと入院でやるのだそうだ。退院後は通院しながら働けるカラダを作るわけで、それって私に何が邪魔ってやっぱ『痛み』なわけね。麻薬をやめられてベースの鎮痛剤の服用もしなくていい、それが理想だけど、脾臓がシャープになっているのに、私はずーっと痛いのである。痛みだけで言えば、治っていない時と同じくらい痛い。それがどうしてなのか、それが医師にもわかんないんだって。画像を見る限りでは他の原因で痛むような所見はないみたい。脾臓が腫れてて痛いのに治っていっているのに脾臓が腫れていると思い込んでいて痛い、みたいな心理的な痛い記憶の使い回しかもしれない、ということが考えられる。記憶が痛みを復活させるなんてコトはあるのだろうか。不登校の症状みたいな?学校行く時間になると腹痛や頭痛が起こるというあの不思議現象。自分の身体でそんな体験をしているのだろうか。カラダが痛みを発してる。…休めというサインではないか?働かなくてイイというサインではないのか?ん?

痛みがどうして起こっているのかは不明だけど、医師と社会は私に、麻薬の組み合わせを考えてよりよいノーイタイ・イタイレス生活を得る作戦を実践中。世の中、甘くないよね。

麻薬には大きく分けて3種類ある。
「モルヒネ系」「オキシコドン系」「フェンタニル系」で、一般的に知られているのはモルヒネ系の麻薬でしょうが、医療現場で処方されているのは圧倒的にオキシコドン・フェンタニル系なのですよ。
ほっほー…この入院のススメシリーズやっと⑳にして、経験値情報らしいことが出てきましたね。今か今かと待っていた皆さん、お待たせしました。こっから、医療用麻薬の組み合わせについての基礎知識のお時間ですよー。

オキシコドンの錠剤をベースに飲み、レスキューとして激痛時にオキノームを服用、というのが「オキシコドン系」という直系でのマニュアル服用。
同じように「フェンタニル系」の直系マニュアル服用のベースがフェントステープを常に貼っておいて、激痛時に口に挟むイーフェンバッカル錠がレスキュー。
これが基本なんだけども、私の場合はオキシコドンの副作用が辛すぎてとても飲めないのでフェントステープを貼り、副作用に一番慣れているレスキューのオキノームを激痛時にとんぷくとして使用している、という具合になっていて、直系のマニュアルとは外れた邪道服用で鎮痛しているの。
いくら身体が副作用に慣れるとは言え、耐えるほうにしてみたら副作用はホンマに困りもん。めまい・吐き気・眠気・便秘。これらに同時に耐えられますか。…まぁ耐えなしゃぁあらへんねけどね。

まだ痛む私にマシな副作用となかなかの効果をもたらしてくれているオキノームから、私はベースのフェントステープに合わせて直系レスキューであるイーフェンという麻薬一本のみを試す、というとっても心細い鎮痛が夕方から始まった。始めるなら激痛の弱い朝にしてほしかった。激痛に耐える頻度の高い夜に向けて本格使用を始めるなんて…不安。コレが効かなかったとしても、お試し期間である今はオキノームの併用が出来ないの。だってそれやっちゃうとイーフェンがどれほど効いているかがわかんないからね。
私のめまいがひどいので、ベースであるフェントステープを十分な効果が出る量までアげることが難しい。となれば、レスキューを直系と組み合わせてより正確な効果を得よう、という試みである。
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副作用を和らげるための薬を服用するので、薬の量が朝から16錠。
昼間に閉じてきてしまう瞼を必死に引っ張って患者仲間とのおしゃべりで気を散らし、しのぐ。廊下を歩きはじめるとめまいでフラフラし、立ち止まると吐き気がアがってくるので、ゆっくりと歩く。便通をよくする薬と下剤を毎日服用してても出ない便。

「わ~~~人間の内臓ってこんなにギュウギュウに詰まってるもんなんやね~」
「あコレね、全部、便ですよ」
「あ、便ナノネ。はい、ダシマース」

脾臓の良くなっている画像を見ながら私の意識は詰まっている便に集中したよ。
顔面蒼白のまっちろちろで、さぞかし糞詰まりのブロンド美人に見えたことでしょうね。




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by yoyo4697ru980gw | 2014-05-14 04:57 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA