笑道入門:入院のススメ⑤目覚め

香りを確かめんとフレアフレグランスを買い、それを病室に持ち込んで根拠もなく『超セレブな朝の目覚めや~』と贅沢にこれでもかと枕にふりかけて喜んでいたら、超ミニタイトスカートのストライプスーツで参観日に来るようなオカンの香水の匂いだった。室内でもサングラスを外さないスナックのママの香水の次に嫌いな匂いだ。失敗した。この香りで朝の6時に気怠く起きて、起床して早速180㏄の水で服用しなくちゃいけない薬を飲むのさ。あ~た~し~ぃ?骨年齢80なヒトじゃない?だ~か~ら~…ちゅうてテーブルに肘をついてアゴを乗せ、突出しのきんぴらごぼうをつまんで食べる38歳アケミ、といったトコロか。失敗した。

週に一日だけ早朝6時半に服用する、服用後は30分間横になるのを許しません、という拷問のような薬がある。骨粗鬆症の治療薬なのだが、骨粗鬆症でない私がその治療薬であるボナロンを服用するのは、ステロイドとセットだから。
ステロイドの副作用は周知のように様々ある。その副作用全てが副作用として作用するわけではなく、そのひとに出やすい副作用が出るということらしい。中でも万人に出やすい上位3つの副作用に対しては、予防のためにステロイド治療を始める時にはあらかじめセットで服用しましょう、というのがベターな服用の仕方のようだ。
それなのでステロイドを飲むならこれもセットということになり、薬の服用が1粒で二度おいしいといった増え方になる。

私の病室からは鳥の啼き声が聞こえる。
あまりに抑揚もなくハッキリと聞こえるので、そうゆう音の何か人工物があるのかな、と2日目にして思った。野鳥が啼いているようにも聞こえるが、出入口のセンサーが鳥の啼き声なんじゃないかと思う。だってほんとうにハッキリと、けたたましく、啼く。『小鳥のさえずり』というレベルじゃなくて『威嚇か?!』というレベル。あまり詳しくない業者が設置した短い横断歩道の盲人用お知らせ音みたい。ポッポ・パッポ・ピッピポ・パッパポ・ピピピポ・パッパピピピパパッパポ、みたいなね。音が反響しまくってえらいことになってんの。しかもそうゆう横断歩道の音はデカい。だから人工的な音で、人の出入りが激しいからけたたましく啼いているのかと。

私は15年以上前にいろんな福祉施設へ見学に行く機会があったのだが、盲人用のサポートシステムを見学した時に、実際の盲人用のお知らせ音というのが、健常者には聞こえるか聞こえないかの音量で流されていることにビックリした。こんな音では周りの雑音に掻き消されて聞こえないのではないか、と誰もが思うが、施設のひとは「聞こえます」と言い切った。
実際に目の見えない方にいろんなシチュエーションで聞いてもらった結果の音量なのだそうだ。
「今ここで、視覚障害者のために出入口案内のアナウンスが流れているのですが、聞こえますでしょうか」
と建物の出入り口の屋外側で立ち止まった時には、全員が「ん?」と耳を澄ませた。それくらい、健常者には聞こえない。しかし視覚情報を失った人にとって重要である耳からの情報は、視力を補うかのように研ぎ澄まされ、健常者に比べてより雑音を取り除いた必要な情報になって耳に届いているのだそうだ。
『微か』くらいの音でもちゃんと聞こえている。

眠っている耳に届く音も『微か』というのが望ましい。
小鳥の『さえずり』であったほしい。
せめて入院中の起床くらいは、小鳥のさえずりと朝日の光で目覚めたいものだ。




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by yoyo4697ru980gw | 2014-05-03 00:19 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA