笑道入門:副作用という作用

「痛いのに、5月まで入院しないのか?」
「うーん…だって短期のバイトが4月いっぱいまであるから入院出来ひんねんもん」
「大丈夫か?」
「それで相談やねんけどねセンセ。立ち仕事の時が辛いんだけど、痛いと思ってからじゃ遅いねんね。なんせ介護職なもんでこまめにオキノームを飲める状況にないねんやんか~…やから1回ですぐに効いて長く続く薬てないかな?」
「んー…そうだなぁ…オキノームも効くのに15分~30分はかかるからなぁ…」
「かかる・かかる、そやねん時間かかんねんね、間に合ってない」
「新しい薬でなぁ、すぐに効く舌下錠あるんだけど、それを一回試してみるか?」

確かに効いた。
舌下で溶けて30秒くらいですぐに効いたが、1時間とモたない。
激痛には波があるので厳密に鎮痛持続時間を計るのは難しいが、立て続けにやってくるパターンの激痛3連続くらいになら効いてくれるが1時間置きの激痛だと2回目の痛みの時に「アレ?もう効いてないのかな?」くらい。3回目には「完全に効き目きーれーてーるー!」という痛みが走る。

私の脾臓が痛み始めてから、そろそろ1年が経つ。
脾臓が小さくなることを期待して短期バイトが終了したあとで入院治療を受けることにしたので、それまでの2ヶ月間、どうやってうまく痛みを散らすかを密売先生と相談。

寒い場所での立ち仕事があったので、やめていた鎮痛剤を一時的に服用した。
私の脾臓の疼痛は温めることで和らぐタイプの痛みのようで、よって寒さで痛みが増す。
密売先生が投薬の種類を変えたリリカというカプセル薬は「そんなに強い薬ではないんだけどなぁ…」と言っていたけど、これまでの強い薬で耐えてきた副作用よりも副作用がツラい。
副作用の何がツラいって、吐き気とめまいがツラい。
眠くなるとか便秘になるとかの副作用なんてヘでもないのだ。
太りやすくなるとか感染症にかかりやすくなるとか骨がもろくなるとか、長期服用による怖いとされているステロイドの副作用も、さしあたっての吐き気やめまいのツラさを思えば、これをなんとかしたいという気にしかならない。

吐き気で吐いてしまった後の最終的な吐き気の副作用では「何も吐くものがアがってこない」という苦しみがやってくる。
胃液さえもアがってこないほど、カラなのである。
喰えてないし飲めていない。
吐くものが何もないのに吐くことが、こんなにツラいなんて知らなかった。
胃液がアがってくるその先にある、胃液すらもアがってこない嘔吐。
食道が焼けるかと思う、胃がアがってくるかと思う、唾液も出ない嘔吐。

ああでもないこうでもないと鎮痛剤を試すのも、自動的に1年になる。
決まらない…本当に何も決まらない。アレが効くような気もするし、コレも効くようなカンジもする。無数にある鎮痛薬、次々に開発される新薬。

一般的な鎮痛薬ロキソニンがジェネリックで1錠8円ほどなのに対し、最新麻薬の舌下錠はジェネリックもまだなくて500円超。1錠だよ、1錠。舌の裏に「ペ」て置いたら3秒足らずで溶けちゃう1錠が573.6円もすんの。痛みも引くわて、別の意味で。
私がレスキューとして現在使用中のオキノーム散は2007年に発売された麻薬で65円、比較的新しい薬であるリリカは2010年発売で125.3円なので、2013年12月に発売されたばかりのこの麻薬がいかに桁違いに高価な薬かということである。
これが14錠も処方されてごらんなさい、脾臓が痛まない代わりにフトコロが相当イタいよ。

難病指定の病気である私の場合は、処方薬は全額、国が負担してくれる。
私の今の鎮痛薬は、ガン患者に処方されている薬と同様のもので、これがガン患者の場合は難病ではないので全額自己負担ということになる。
私の脾臓の痛みはガンの末期患者ほどには痛まない。ガン患者の初期くらいの痛みだろうと思う。
それでも月に鎮痛剤だけで、5000円を超える。
痛みに毎日服用するのであれば、痛みを抑えるだけの薬に月々1万円ほどかかる計算になる。
これに治療や入院にかかる費用が加算されるし、ガンの治療には保険のきかない治療もある。
日本人の死因の1位はガンであるが、ガンになったら経済的負担がかかる、ということなのだ。
医療の進歩が目覚しいので、これからもガン治療の最新技術の進歩スピードは加速する。しかし公的保険でカバーできる範囲を技術進歩のスピードに合わせて拡大することが間に合わない日本の財政事情。保険のきかない治療の選択肢だけが増えていくことになる。

そこで「高額医療費制度」という聞き覚えのある制度を利用することになる。
多くの場合、病気にかかった先達がこぞってこの制度を利用しろと教えてくれることだろう。私もいろんな友人・知人がこの制度をすすめてくれた。
でもね、今はもっと便利な制度があるの「限度額適用認定証」という。

「高額医療費制度」では、一時的にではあるにせよお金が戻ってくるまで治療費を自分で立て替えなければならないという経済的な負担があるが、「限度額適用認定証」の場合は、がん治療のように高額な入院治療を行うことが当初よりわかっている場合、自己負担分の請求がある前に医療機関にこの認定証を提示すると、高額な自己負担額を一時的に立て替える必要がなくなる。限度額分だけ支払えばその月の残りの分の支払いは不要になるわけ。

しかしこの制度に保険のきかない「先進医療」は適用されない。
先進医療を受けるならば、全額自己負担。
保険がきく治療を「標準治療」と言うが、これは国内外の最新の研究成果を踏まえ、最も治療効果が高いと推奨される治療法のこと。
しかし治療というのはいつまでもいつまで同じことをやっているわけではない。新しい治療法は日々生まれているんである。だからこの日進月歩の医療に対応するため「保険外併用療養費制度」というものがあり、「評価療養」と「選定療養」に定められたものについては保険診療と組み合わせて行うことが認められている。先進医療はこの「評価療養」に該当するのだ。「評価療養」の中身は常に動いていて、評価が確立したものから保険診療に移行する仕組みになっている。要するに、治療効果が認められる治療は保険がきくようになっているのである。

大切なのは、自分に効果のある適した治療法を選ぶこと。
経済的な負担なしに医療を受けられることが、一番望ましい状況だということにほかならない。
高額な医療であれば、なんでもかんでも効くということでは決してないのである。
先進医療は保険がきかなくて高い、というのは実は誤解で、100万円を超える治療は3種類しかない。ほとんどの先進医療は50万円以下。
先進医療のうち約7割がガン治療で、ガン以外の先進医療のうち7割が10万円未満、99%が50万円未満。つまり、先進医療の費用を心配するのであれば、医療保険ではなくガン保険に先進医療特約を付けるほうが合理的な考え方ということになる。

私はガンではないんだけども、ガンと同じ鎮痛剤を服用している者として、経済的負担の観点から豆知識を入れておきました。

私は、ガンにかかった時のためにと一応は保険にも入り、そしてこの病気にかかるのを予期していたかのように2年前に、何故か保険の見直しをして入院と通院の内容を充実させていたんだって。
ダメ元で保険屋さんに連絡を取り聞いてみた。

「病気になって検査入院することになったんだけど、私の保険って一泊の入院じゃ出ないタイプだったんだっけ?」
50を過ぎないと入院することなんてないに決まっていると思っていた私は、とにかく保険料を安くすることに命をかけていた。
「1年前に入院1泊から出るように、って見直ししたじゃないの」
「うそ?!変えてんの?!そんな手続きした覚えないけど…」
「たしかあの時、通院でも5000円出るタイプに内容を変えたのよ。入院と通院の内容を良くしたの。だから1泊の検査入院でも、ちゃんと出ます」
「うそーん…ラッキー」
恐るべし予知能力。
私は何を思って2年前、自分の保険を充実タイプに変えたのだろうか。
子供達にお金がかかるので、節約出来るところはもう保険の内容を薄くして保険料を下げるしかない、と見直しをした。主人は風邪ひとつひいたことのない健康体ですからホホホ…と主たる保険契約を見直し、ついでに私の保険も見直したような気もする。学資保険などとうの昔に減額し、年金の保険もやめようとしていたのを、入っているのがとても良い時期に入っているから、これは続けたほうがよいと説得されて、貯金をしているのだと無理に思い込み、ヒーヒー言いながら払い続けている。だから残された保険関係は、夫婦にかけている保険。これを掛け捨てでいいからとにかく安くすること。そのための見直しで、私はどうゆうわけか備えを充実させてしまった。結果、当然だが保険料は上がった。しかし、1年後にこの病気発覚という事態である。無駄にトチ狂ってたわけじゃなかったんだな。

一泊の検査入院で、私の場合は47840円。
大学が病巣をサンプルとして使うので検査費用が大学持ちとなっての金額である。
本当に検査費が大学負担となっているのかと思うほどの金額である。
校費負担の書類にサインしたけど、本当に校費で負担して47840円なのだろうか。
だとしたら、全額自己負担だった場合に入院検査費が6万を超えてもおかしくないということである。
検査するだけで6万円。
単なる、検査。治療でもなんでもなくて、6万円。
医療費とはかくも高額なのか。

そして、入院1泊から出た私の保険料は3万円。
差し引き17840円の負担ということである。
これは大きい。
1回の入院で5万負担するのと、2万負担するのとでは、だいぶ違う。
備えあれば憂いなしとはまさにこのことである。
はぁ…何を思ったかあの時トチ狂ってて本当によかった。

病気になるとお金がかかるんだなぁ…。
私の入っている保険は、「払込免除」が付いているタイプ。
実はいろんな保険会社がこの払込免除をなくしていってるの。
なんでだろうね?免除されるほうがいいのに。
ガンや生活習慣病であれば保険料そのものを払い込まなくていいタイプだけれど、その中に難病は含まれない。
だから私は、保険料を払いながら保険料を受け取る患者である。

週一のパートで月に17000円ほど稼ぐとしても保険料で13000円が消え、残りの4000円で医療費を賄わねばならない。
特定疾患医療受給者証による、私の医療費の月額自己負担限度額が外来で2750円。これは4000円内で賄えるな。
しかし入院だと5500円の負担である。
入院後も確実に通院するので、入院したら8250円。
アシの出た4250円を、入院と通院の保険でカバーする、と。
入院治療するまでの通院には保険は出ないけど、入院後は5000円出るわけだから大丈夫だ、とお思いのことだろう。入院しても保険が出るので、プラスだと。
がしかし、入院している間の生活費が通常の倍以上になるのをご存知だろうか。
オカンが入院すれば、食費はヒドいことになる。
まず弁当は学食になり弁当ならば170円前後で出来ていたのにそれが一気に500円に跳ね上がる。息子二人で一日1000円なのだ。1ヶ月の入院で昼の弁当代が25000円。我が家の1ヶ月の平日食費相当である。
材料費1000円程度で出来ていた4人分の夕食は、惣菜などを利用して3人分1500円前後だろうか。1ヶ月45000円。冗談じゃない、弁当と夕食のみで7万円だと?
朝食はすぐに食べられる調理パンなどを買うはずだ、89円で「安かった」なんて言ってる調理パンをひとり3個の計算で買ってくるむー、1日801円、1ヶ月2403円ふざけんな。その他、アレがいる・コレがいる、となる。家の中を探せばある物なのに、当日の朝などに言いやがるため「あぁ~もう!購買部に売ってるやろ!」となる。こうしておもしろいほど現金が飛ぶに飛ぶのである。

私が、平日に3店舗をハシゴして広告品を買い求め、一週間の食費が5000円以下となるようにしてきた努力。そんな努力に努力を重ねて食費を削ってきた10年を超える日々。そうしてコツコツと貯めてきた血のにじむような努力の結晶、貯めるのには10年もかかったというのに、わずか1ヶ月の入院生活でそれが消えるのかと思うと、泣けてくる。
あぁ健康だったあの時に、一回でいいから旅行に行っておくんだった。
お金がないから無理、と行って宮崎への帰郷を許さなかったむーに「へそくりがあるんぢゃい」と威張り、あの時に無理やり宮崎に帰っておくんだった。
手土産までは買えなかったが、旅費くらいはあったのに。
なんで病になんて侵されてしまったのだろう。
しかも、なんでサルコイドーシスで、そのうえなして「悪いほう」なのか。

サルコイドーシス患者の8割は無症状で自然治癒していくというのに。
なんの症状も出ず、自分がサルコイドーシスであることにも気付かず、健診なんかで肺のレントゲンを撮ったら判明した、というひとが8割もいるのに。

「サルコイドーシスの人の8割が自然に治るのに、どうして2割のほうだったんだろう…8割のほうに入れなかった違いって何なんだろう…」

それを研究するために2割のほうの私はサンプルになるわけだが、私以外の2割の方々と会って話しをすることが一番の近道なんじゃないかと思う。
症状が出る人と出ない人がいるということは、出る人に共通する生活習慣や体質があるはずで、それなら患っている本人が病人のカンで「ひょっとして原因はコレなんじゃないか」と疑っている事項を発表するのもひとつだと思う。
『サイルコイドーシス2割のほうあるある』ていう情報交換ね。
それで見えてくる事が、私たち2割のほうのツラい症状に効く気がしてならない。

世の中のサルコイドーシス患者の2割のほうの皆さん、ココで『2割のほうあるある』の発表をしてみませんか。
よりお金を使わない治癒の方法が見つかるかもしれませんよ。
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by yoyo4697ru980gw | 2014-03-30 18:28 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA