米騒動

最近、鼻血が出やすい。
仕事をしていても流れ出るので、鼻にティシューを詰めて仕事をしている。
たまたまユニフォーム屋のデスクワークの時に出血大サービス中だったからよいものの、これが介護のほうの仕事だったらと思うとドキドキして流血しちゃいそう。
私の脾臓の悪化は鼻血が知らせることになっているが、先週土曜日20時の痛みダケは、間違いなく米粒の食べ過ぎである。

「どうしたんや?顔白いで?」
「…うぅ…痛い…」
あまりの痛さに顔面蒼白になり、居間で倒れ、食べた天丼が消化され胃による脾臓の圧迫痛から逃れるのに、3時間もかかった。


夜まで仕事だから俺を置いて夕食を食べに行けとのメールの返事があった先週、私たちはつるさくでうどんを食べようと家を出た。
しかしつるさくに向かう途中で『さん天』という天丼屋さんがそういえばオープンしてた、ということに気が付いた。
しかし店の場所がいまいちわからない。
仕方がないので予定していた通りのつるさくでえっか~と、コヤモに向かっている最終の信号待ちで、サルコイドーシスに罹ったら高確率で悪くなる視力が今のところ全く問題ない私の、1.2可の目が『さん天』を捉えた。

「あれ!あっこのABCハウジングの向こうの看板!あれ天丼屋ちゃん?」
「え~…どれぇ?」
裸眼では何も見えないひー坊には、看板そのものが見えていないようだ。
「あっこよ、向こうの。こうゆう丼の上にでっかいエビ天が乗ってるやん」
「ちゃうやろ…」
裸眼でそこそこ見えているチョモは看板はわかるが天丼には見えないと主張。
「あの赤いチョンは、エビのしっぽやんけ。アレはエビの天丼や、あの看板は天丼屋と見た。コヤモに車を停めて歩いて行ける距離やな、行こう」

寒風吹き荒ぶ中、看板を目指して歩いて向かうと、駐輪所を出たところで見た通りのエビ天の天丼の看板を発見した。
「ほら!やっぱりエビ天丼やんか~!」
「エビ天て…エビちゃうやんっキャラクターやんけっ」
「見てみほら、赤いのエビのしっぽやん。間違いなくエビやな」
ロゴ化されたエビ天丼のタッチにチョモは『天丼』を重ね合わせることが出来ない様子。
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「エビて…こんなんエビちゃうやんけ…」

天丼が食べたかったので天丼を注文したのだが、私の失敗はそれが米粒だったという点である。
天ぷらうどんにしておけばこれほどまでの失敗にはならなかったが、天丼にしてしまった。
私が今もっとも食べてはならぬもの、それが米粒。
そしてこれは私の責任でも何でもないが、さん天の天丼が予想以上においしかった。
これが私の冷静な判断を狂わせた。
何かを食べると痛くなるのがイヤで夜のおやつをこのところ食べておらず、昼のおやつはバイトのため食べられない生活になっていた私は『慢性的な満足に食べていない感』を内に秘めていた。
それで体重が3キロほど落ち、内に秘めたる生命の危機本能マグマがフツフツと地獄湧きしていたわけである。
私のGOサインひとつでいつでも食餌を貪る下準備は整っていた。
あとはいつそのスイッチが押されるか、という時間の問題で。

その待望のお時間は、先週土曜日に天丼を半分食べたところでやってきた。
既に痛くなっていた脾臓を、私は無視して食べ続け完食。
直後には左脇腹が激痛に見舞われた。
「どうしよう…すんごく痛い…味噌汁飲めないチョモ飲んで…」
海苔の味噌汁があるんだ~と調子こいて追加した、恐怖の味噌汁。
これを食してしまったら、私はココから救急車で運ばれるような気がする。

「あぁあの時…半分くらいで痛くなってた時に食べるのをやめときゃよかった…失敗した…うぅ…痛い…待って…歩くの早いよぅ…」
だんだん猫背がヒドくなる。歩く速度も超低速。
コヤモに着いたら明日の食べ物を買うつもりだったけれども、子供たちにそれぞれ明日の食べ物を選んで買っておいでと告げ、ベンチにへたり込む。
呼吸が…呼吸が痛い…。

そんな私の脾臓事情をまったく知らないおこちゃま2名が、私の前でジャンプをしてはしゃぐ。…やーめーてー…振動が…振動が響いて痛いから…。
実際には床は板張りでも何でもないし、ちいさなおこちゃまのあまり浮かないジャンプ力ごときの揺れなど私に響いてはこないのであるが、振動が響くのではないかとこちらの身体が勝手に身構えてチカラが入ってしまい、痛いような気がしてしまうだけ。
見なきゃいい…見なきゃいいんだ…ジャンプしてるのを…。
浅~く呼吸をしながら下を向いて痛みに耐えていると、木製ベンチをシェアして座っていた横の兄ちゃんが、パンを食べ終えて勢いよく立ち去って行く。
ぁはー…いたーい…ゆっくり立って…じんわり立って兄ちゃん…。
兄ちゃんと入れ替わりに今度はおっちゃんがドスン、と座る。
ぁはー…いたーい…ゆっくり座って…じんわり座っておっちゃん…。

「2時間…2時間くらいしたら消化されてラクになるはず…それまでのガマンや…うぅー死ぬ…失敗した…」
「まぅ、なんであの時に残さへんかったん?痛くなってきた、て言ってたのに」
「あんたお腹が空いてる時においしい物を食べてて、途中で食べるのやめられるか?あ?いてー…」
「まぅはやめなアカンのは前からわかってるやんか。いつまで失敗するんよ?」
運転初心者よりも前のめり姿勢で車を運転する私を、ひー坊は失敗しすぎだと責めた。
失敗するが、それによって痛みに耐えているのもこの私だ。
報いは受けている。米はテキメンにダメ…わかってる…わかってるハズだった、天丼がうまかったばっかりに…。

駐車場から家に入るまでのわずか1分をこんなに苦痛に感じるなんて。
門扉の手前からくの字に折れ曲がっていた私は、コートを脱ぐ余裕もなくそのまま居間のおコタへ直行ダイブ。
症状が悪化したのだと勘違いしたむーちんが薬の服用をすすめるので「違う…ちゃうちゃう…」と拒否。
これ以上あたしゃもう何も食わない、飲みもしない。
薬の服用すら、無理。

3時間後に二階にあがると、ひー坊が訊く。
「もうこれで懲りた?」
「こりた・こりた」
「身にしみた?」
「しみた・しみた」
「二度としひん?」
…なんなんだよ私に全面的に非を認めさすかのごときそのフレーズは。

米でなければある程度は食べても大丈夫だとこれまでの経験でわかっているのだが、この米騒動のせいで、私はいま食べることに非常にビクビクしている。
麺類なら一人前を完食しても大丈夫なのに、痛むんじゃないかと思えて食べるのが怖い。
飲み物で痛くなった事なんてないのに、しかも病気になってから飲み始めている痛くなった事はないワインなのに、怖い。

症状が悪化して脾臓が独自に痛いのは、わりかし怖くない。
そっちのほうがよっぽど痛いんだけど、ビクビクしてる余裕はないの。
私のチカラではどうすることも出来ない仕方のない痛みが急だからね。
麻薬を飲むなり打つなりして、処置もいきなりガツンと強力だし。
でも、食事のミスで痛むのは怖い。
私さえ判断を誤らなければ防げる痛みなだけに、ビクビクしちゃう。
一日の食事を7回くらいに分けて食べているその7回ともビクビクしながら、本当はあと2品は食べても大丈夫だとは思うんだけどもし苦しい3時間を耐える羽目になったらヤだから…と考える。
そうやってビクビクするのに疲れて、もう朝は食べなくていいや、と思う。
「食べる楽しみ」が「どう食べるか何を食べるか」の作業となってしまった、ビクビクのせいで。

こんな私を不憫に思うみなさん。
「どうも味がイマイチ」な情報をください。
1パックの半分も食べれば飽きてくるお惣菜、一掴み程度の量でもう結構なサラダ、なかなか喉を通らないお弁当、驚くほど箸が進まない創作料理、おかわりをしたくはならないスープ。
お店のスタッフがせっかちで落ち着いて食べていられない、というような食べること自体を躊躇する外部刺激でもかまいません。
それから、ご飯に合わないおかずレシピも広く募集します。
何を作っても必ず失敗するそこのアナタ。
アナタのその腕前が、ひとりのサルコイドーシス患者を圧迫痛から救うかもしれませんので、正確にレシピをお書きください。

①小麦粉100gをボウルに入れる時に、ガサーっと入れたら300gを超えましたが、戻すのがめんどくさかったので、ボウルには300g入りました。

②卵黄を1コ①の中に入れて混ぜる。はずだったけど、間違って卵白のほうを入れてしまいました。それに気付いたのは翌日です(笑)

↑こんな風にね。

(笑)←は省略していただいてかまいませんよ、たいして笑えませんので。

世界中のサルコイドーシス患者の同士よ。
アナタの症状は肺とリンパ腺でしょうか。
ワタシは肺もリンパも脾臓もです。
切実なのは脾臓です。
どなたか、脾臓が腫れてて食べると痛いかた、おられませんかねぇ。

実際に痛いひとが、何を食べて凌いでいるのか。
ビクビクして食事をしているせいか、もはや私はいま、何を食べても痛い。

アナタはビクビクしながら食事をしたことがありますか。

もうね、量にビクビクしてる食事ってね、味、どーーーーでもイイの。
味が薄いとか濃いとかね、そうゆうことを味わってなんていらんない。
ここでやめとこか、いやあとひとくち…いいゃ、やっぱやめとく…でもぉ…。

もし今、大嫌いなギョーザがいくら食べても痛まないとしたら、嫌いなことも忘れられる自信がある。
この際ね、痛くなく腹いっぱい食べられるなら嫌いな味でもいい。
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by yoyo4697ru980gw | 2014-02-23 02:28 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA