どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ

白馬の王子様

2月、立春を過ぎて日差しだけ春にはなったものの、風は冷たく耳の中まで凍えるこの季節に私は毎年、迷うことがある。
自転車のスピードを落とすか否か。

買い物に行くためや会社に行くための、目的地までの交通手段として自転車に乗る時、私は自分の脚力の限りを尽くすスピードで前進している。
常に自己ベスト更新を目指して自転車に乗っている。
そのチャレンジ精神が2月の寒さに萎えるのである。

ものすんごい寒さに耐えて短時間で目的地に到着するのがいいのか、でも鼻水が垂れているのにも気付かないの、感覚がなくなって。

それともゆっくり行って頬の感覚がちょっとは残るマシを選択するのがいいのか、でも目的地まで倍くらいの時間がかかるの、長くまぁまぁ寒い。

アホほど寒くて10分か、我慢出来て20分か、という選択で私は多くの場合にアホほど寒くて10分を選ぶ。寒くなくて20分ならそっちを選ぶだろうが結局は寒いのだから、だったら本気で自転車をこぐ。そしたら着いたあとでしばし暖かいし。

しかしそれも通勤のための自転車となれば、立ちっぱなしで働いた後にはそりゃ脚力も落ちるわて。
帰路の薄暗さも手伝い疲れもひとしおで、じんわりと我が家が向こうに向こうに移動しているんじゃないかと思えるほど、帰っても帰っても「まだココか」という位置にしか、いない。

寒風も向かい風で強いしで、なかなか前に進まない中ゆっくりと自転車をこぐ私を、競輪選手のようなスタイルのシャープな一台の自転車が音もなく私を追い抜いて行った。

「わっ!ビックリしたっ!!なによっっ?!」

シュっとしたヘルメットをかぶり筋肉と一体化したようなツナギの衣服を着ていたその男性が、追い抜いたと思ったら私の前で急に止まり、私の顔の前に腕を振り下ろしたのである。あまりの突然さに私は急ブレーキをかけたため後ろのタイヤが横にスライドして止まった。
私の顔面はあと30センチ弱で、遮断機のように下ろされた男性の腕からエルボーを喰らうところだった。

私は今なぜに見知らぬ男性に行く手を阻まれているのだろうか。
一瞬の出来事ではあったが、私には私が止まっている意味がわからない。
そうは見えないが新手の変質者だろうか、ちょっとアクティブなタイプの。
男性が無言のまま腕をハンドルに戻すと、前方左の細い路地からこれでもかと荷物を積んだ「後ろなんか見えてへんやろっ!」という軽バンが、「絶対に後方確認してないよねー」というスピードでバックしてきていた。

「えーーーーーーっっ?!」

遮断機男性の自転車のスピードならその路地を通り過ぎてもまだバックする軽バンにぶつからなかったと思う。
ただ私のスピードだったら、ひかれてたと思う。
私を追い抜いた時におそらく男性は、危険予測が出来たのである。
それで急に止まってくれた、私がひかれないために。

「あ…あ…あの…」
遮断機男性は無言のまま、ハイスピードで前進。
「ちょっとーーーーーーーっ!!!」
私の声が聞こえなかったのか、振り返ることもなく遮断機男性は去って行った。

なによ、て言ってごめんなさい、ありがとう。
…て、言うつもりだったのに。

遮断機男性のまたがる、羊の角みたく曲がったハンドルの自転車が、白馬に見えたね。
白馬、かなりのスピードよ。
それにまたがる王子様はとっとと去っていきますので、独身女性の皆様は俊敏に行動できるよう常に心掛けておいてください。
アナタを危険から救ってくれる白馬の王子様は、アナタ以外のひとのことも危険から救ってくれるでしょうからね。
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by yoyo4697ru980gw | 2014-02-05 18:23 | +in much guy+ | Comments(0)
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