ゆぅてはならぬ

事務所スタッフ12名。
「一風変わった流れ作業みたいなことで部署に配置」という仕事内容でスタッフはそれぞれに持ち場に居る。「商品撮影・出品・メール・梱包・発送」という流れである。商品を撮影してそれをオークションに出品し落札されたらメールでやりとりをする。落札された商品は梱包され入金が確認できれば発送して、商品の販売は完了。それがオークションの取り引きの流れ。だから一つの商品にたくさんのスタッフが関わっていることになる。撮影をするスタッフ→その画像を使って出品をするスタッフ→その出品した商品が落札され、お客様とのメールのやりとりをするスタッフ→落札された商品を梱包するスタッフ→梱包された商品を発送するスタッフ、という風にそれぞれがちょっとずつ絡みながら次へとバトンタッチしているような具合。それぞれ適材適所でそれぞれの仕事内容をそれぞれの人が極めているわけである。

んで一方、私はと言えばこの各部署の、極めたスタッフの手が足りていない所を日々お手伝い程度にかじっている。ひとつの所を専門にやっているわけではないので、いつまでも極まることはなく中途半端に手を出しているのが現状である。どこもかしこも手が足りなくなれば、度合いによって一時的な穴埋めをし、かといって任されるほどの仕事量はこなせずにあくまでも補助。
おおかた撮影か出品かの補助として入るけれど、たまに「梱包の後半」をしていたり「一部メールの前半」をしていたりして逆に足手まといぢゃなかろうかと思うようなかじり方もしている。

ここんとこは個人的に「午後からは撮影」に力を入れている。撮影技術を高めようとおもて、いろいろ聞きながら。撮影部屋が2部屋あり、撮影方法もディスプレイ方法もさまざまあるんだけど、私がやっているのは「平置き」という方法。いろんなアイテムを撮るが、三日間ばかしずーーーーーーっと同じアイテムを撮り続けてきた。ビミョーにデザインが違う同アイテム、100枚以上はあるなアリャ。撮影専門スタッフはみっちり5時間をひたすら撮影しているわけだが、私は昼からの2時間を撮影に費やすことが殆どである。撮影専門で5時間ひたすら撮影すると、モノによっては100枚近い写真を撮っていたりもする。
そんな数をこなすスタッフと同じ部屋で、私は部屋の隅のスペースを間借りしたった20枚程度の撮影をしただけで言ってはならぬことを呟いてしまう。

「…はぁ…飽きたなぁ…」

わかってる…わかってる…たったの20枚…わかっているのよ…でも出てしまう、タメ息。

「…デザインがビミョーに違うから一枚一枚…違う事は違うねんけど、同じ物ばかり撮り続けてる時って…タメ息が出ませんか?」
「出る」
「出ますよね?」
「ずっと見てる物が一緒やもんねぇ…景色が変わらへんやんね?」
「ホンマそれですわァ…」
そんなタメ息の出る撮影が、あと300枚ほどは眠っているかと思う。

このように午後から力を入れる撮影とは別に、私には「これが私の部署ということだろうか」くらいに思っている午前中の「なんとなく私だけがやっているような気がする仕事」というのがあるのだが、それは大きく括って「事務」っぽい。「求人担当でございます」時も「経理担当でございます」時も「ホームページ担当でございます」時も「返品担当でございます」時も「あらゆる方面からの質問処理担当でございます」時もある。それらは社長の意見を乞うことが非常に多い。しかし社長は月に数日間しか事務所にはおらっしゃらっしゃらず、朝に見かけ、アレもソレもドレもコレも訊こうと思えばずーーーーっとひっついて回らなければ全てを訊くことが出来ない。この3ヵ月間だけでも社長のクチから「ココおったら捕まるからもう行くわ」というセリフを5回は聞いた。
先週末からホームページ管理会社とのやりとりをやっているが、私だけではどうしようもないので事あるごとに「シャチョー・シャチョー!」とラウンジ呼び込みの中国人なみに気安く社長を呼び止めてきた。社長からコストをかけていることを聞いているだけに、出すべき結果は「早急に」である。

休み明けの月曜日はそれでなくとも仕事が豊富にあるのに、更なるやる事に次ぐやる事に次ぐやる事。能力をちょっと無理したベストを尽くしていて、とうとう私はやらかした。
PCがフリーズしたちゅうたら「シャチョー・シャチョー」接続が切れたちゅうたら「シャチョー・シャチョー」プリントアウトが出来んちゅうたら「シャチョー・シャチョー」管理会社からメール来た「シャチョー・シャチョー」来社予定のお客さんから電話「シャチョー・シャチョー」
あんなに順を追ってやる事を書き出し、チェックも入れながら計画通りに仕事を進めていたのに、お茶休憩の後で私自信がバグってしまったんである。アタマが真っ白になるってコレかぁ…わ~~~~シャチョーっっ!!!ホンマに何もかもが飛び、固まり、ハっとした。「今日は居るからええねんけどな」と社長に囁かれたことで「いつでも聴ける」と油断したのか、考えて整理した事そのものが、あまりにキレイさっぱりと何もなくなってしまって驚いたのなんのって。

それは明らかに誰が見ても「飛んだ」状態だったのだろう。私がゆ~っくりと頭を抱えてイスに座ると、社長が対面のベンチに腰掛けて「大丈夫か?」と訊いた。
「私…いま何してるんやろう…どう…したいんやったっけ…」
その言葉にシャチョー大ウケ。

やることがいっぱいで整理できんとパニくってるからひとつずつやろか?
何をする?
アレからやろか?
こっちは?

「コレは…後回しにしても大丈夫なヤツで…」

私は真剣な顔をしてシャチョーの誘導に答えていたが、実は頭の中は依然まっちろちろで「あー…シャチョー…ウケてるなぁ…アレ私…大丈夫か?」とそんなようなことを10分近く考えながら、とりあえず電卓だけを打ちまくった。
そして帰る時分に、まだ数回しかお会いしたことのない会計士のおっちゃんにまで「頑張りや?」と念を押される始末である。
今日が特別ダメだっただけで、大丈夫ですなんとか大丈夫ですから日々ちゃんと持ちこたえてるほうです、ただ今日はホントたまたま厄介日でしたものですから。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-11-17 00:37 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)  

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