みんなのエイジ

「…朝読でエイジっていう本を読んでるんやけどなぁ?」
中学生になってしばらくした頃ヒー坊がその名を口にした。
エイジだとぉお??聞き覚えがあるなぁ…」
「あるやろぉなぁ…」
「なんで?知り合いぢゃないで??聞き覚えはあるけど知り合いにはおらん、エイジ
「実在の人物ちゃうからなぁ…一年の時にチョモが読んだからちゃう?エイジ。」
「あぁ!!そのエイジかっ!オスグットを患うエイジやな?」
「…そうなん?」
「まだ患ってナイか?ほならちょっと部活に嫌気がさしたエイジか?」
「…えぇ…そうかなぁ…?」
「まだソコにもイってへんか?ほならワルとツルんでるエイジか?」
「あ~~~~そうやな~~~~っ!」
「ほならそのエイジは後々オスグット病に罹るので、乞うご期待やで」
「いや…ボクのエイジは罹らんと思うで?」
「いつからオマエのエイジになったんや?…て、ボクのエイジってどうゆう意味?」
話を訊けばこうである。
朝読という朝の読書の時間に、本を読んでいるがそれは自分が好きな本を選ぶ方式ではなく、皆に同じ本が渡され、同じ本を同じ時間だけ読み進める。そして一年生は「エイジ」が手始めのようである。だからよほどのことでもない限り梅雨入り前あたりには、全校生徒が「エイジ」と言えば、ちょっとグレててオスグット病にかかったエイジだと察しがつくわけである。たしかバスケ部、いやサッカー部だったかな。
なぜに朝読をやってもいない私がエイジの察しがこのようにつくのかと言えば、チョモ一年生時分にカイAがオスグット病にかかったからである。朝いつも一緒に登校するのに我が家が集合場所になっているのだが、カイAがずっと足だか腕だかの調子が悪く、病院へ行って診てもらったところオスグット病だと判明した。オスグット病って何やねんと言い合い私たち親子は「押すとグッと痛いからオスグット病」ということで処理。翌日にはオスgood情報がチョモによってもたらされた。
「今、朝読で読んでる本でな?主人公がエイジって言うねんけど、ちょうど今日オスグットになってはったわ」
「流行っとんな?オスグット」
オスグットは、人の名前らしい。その、一年生のノルマ「エイジ」と同じ本を儀式かのようにみんなして読んでいるらしいヒー坊は「エイジ」を読む前の諸注意を私に伝授した。
「結構ボロボロになってるんやんか~本が。それで、読んでいるうちにページが飛んだりしてるけど、どっかにあるはずやから見つけてって」
「該当ページを見つけるゲーム本やな、それは。ページナンバーあんねから、取れても元の位置に戻して修復したらええのにサ…意図的な何かを感じるわ。そうでもせん限り興味を引く術はない…的な?本気で読書してる生徒にしたら迷惑な話やで。乱丁本てわかってて読みたいひとはおらんやろし…中にはまともにページ揃ってるのもあんねやろ?」
「ぅう~ん…ボクが今まで読んだ中には、なかった」
「ナイんか~い!そんなんで、ハナシ、繋がる?」
「そこまでページが飛んでるわけじゃないから、流れはだいたいわかる。…今まではな」
そう、今までは。

とうとうこの日、ヒー坊は大アタリを引き当てた。
これまでは飛ばしてそのまま読み進めてもあとでフォロー出来ていたが、あまりの乱丁ぶりにたまらずページを探したそうだ。
今まではなんとなくの雰囲気で読み進め、該当ページが後になって出てきたら「あそこはこうゆうことでこうだったのか」とその時に辻褄を合せる脳トレ読書のお時間だったらしい。さすが市内ベベの学力校!先生方も学力向上のために色々な試みをしてはるんやね。しかしこの日ばかりは、ごっそり飛んだ本に出遭ってしまいハナシが見えず、あとで合わせるのに無理を感じた。未読のページから探したがどこにもない。どっかにあるって言っていたのに…完全なる落丁本に仕上がっていた。
仕方がないので同じ本を読んでいる先生の所へ行って、おそらくアイコンタクト(ヒー坊は学校での会話はしないのでね)で「手厳しい落丁っぷりだ」とか何とかのアピールをしたのだろう。

「それが、先生が読んでた本にボクの読みたいページがあって、ボクの方に先生の読んでないトコがあってん。やから『ちょうどよかった~先生の本はこの前のページがなかったのよ~ハイ、交換♪』てことになって…」

…アレ中はあれか?
先生と生徒のコミュニケーション力も向上させる計画か?
そのためにわざわざこのようなコミュニケーションツールを自作しているのか?
手が込み過ぎてるではないか。
もはや愛を感じるほどだ。
ヒー坊のエイジはオスグットに罹らないまま「はい次いってみよ~」と言わんばかりに、朝読の本が更新されたようだ。読書の本も選べなければ、変更のタイミングも自分では決められないシステムかアサドク。
「次の本は何てゆぅ本?」
「あの、コロ。」
「どの、コロ?…三丁目の鈴木さんトコで2ヵ月前に6匹も子供を産んだ柴犬のコロか?」
そのコロぢゃなくて「あの頃」だそうだ。
毒書だなぁ…自分で選び自分の意志で読み始めるという自由を与えてもらえない我が子は、タイトルを口頭で告げるのにヘンなタイミングで切ってもーてるやないかい。もともと本を読む子ぉやのに朝読のおかげで読書が面倒にならなきゃイイけど。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-09-24 00:20 | +ミルニング+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA