ひとーつ!じりーつ!

自立。
なんてステキな言葉だろう、ジリツ。
ひとつの目安として私は我が子に、14歳で自立をさせたいと思ってきた。完全でなくとも、ある程度の「自発性」を感じるような「自立」があればしめしめである。

このところ忙しく学校へと通っているのだが、先日も夜の会議があって私は夕食を作ってから家を出た。その日はタイミングの悪いことに、チョナーもジナーも私もそれぞれの「出発時間」がすれ違うカンジで用事があったもんで、連絡は書き置きである。出発寸前までいろいろとやっていたので、詳しく夕食の説明書を書けないまま私は出発した。ちょっと不親切な夕食の説明を冷蔵庫のドアに貼って。
d0137326_22383850.jpg

見てわかるかな。つまり、インスタントの汁モンを足して出来上がりってコトなんだけど。
私は学校に着いてから、陸上部の元へと小走り。口頭で夕食の説明をチョナーにしようと思って。ジナーがボンブーに行って帰って来るのが遅いから、チョモにおかずを平らげられたら困るとおもて釘を刺しに。グランドに向かっていると、女のコが二人「こんにちは~っ」と言う。「こんにちは~っ!」と返してグランドへ小走り。すると私が校舎の陰に入ったトコロで「すいませ~んっ!」と女のコが二人、追って来た。さっきの二人である。
「はい?」
「あの…千徒、今日は尼に行ってます。」
「…あぁ!そういや昨日の夜、尼がどうこうゆぅてたわ。あれって今日のことやってんや…もしかして陸上部のコ?」
「はい…」
「じゃぁ、チョナーてココにおーへんねや?」
「はい…すいません…」
「いやいやいや…謝らなくても…。わざわざそれ言いに戻ってくれたん?ありがと・ありがと~。」
いやぁでも困ったなぁ、ミートボール鍋いっぱい作ってはいるが、尼での特別練習後だったら全部、飲むくらいの勢いかなチョナー。「リレーの選抜チームがカーニバルに向けて尼の競技場で秘密裏に練習をしている」というのが「尼に行く」ということだと思うが、そんなトコロにわざわざ行ってまで練習をするからにはさぞかしハードで、腹も減ることだろう。困ったねぇ、私の帰宅は21時を過ぎると予想されるが。喰い終わってるなァ…帰った時すでに手遅れの感アリ。

帰宅した私はとりあえず鍋の蓋を開けミートボール残量の確認をしようとし、手前に、出した覚えのない鍋があるのを認めた。味噌汁専用のホーロー鍋である。鍋の周りは「吹きこぼれたのだろうな」という汚れよう。中身を確認すると予想通り味噌汁だった。
「お~♪味噌汁、作ったんや~♪」
むーちんが作ったと思っていたので、シェフを呼んで称賛することをしないでいたら、後片付けをする私の後ろを二階にあがるらしきチョナーが通り過ぎるついでに言った。
「味噌汁、どう?ウマそうじゃね?」
「へ?アンタやったん?作ったの?」
私は、蓋を開け実を探った。
d0137326_2239971.jpg

じゃがいも・タマネギ・豆腐。おっとぉ…コイツ…ちゃんと入っていたのか…。
「それがさァ、ダシはいらんって言ってんのにやァ、なんかパパがやァ勝手に入れちゃってさァ…いらんやろ?」
「いらんな。」
「やろぉ?やのに入れるねん、やからしょっぱいねんがな。」
「おいしそうな匂いはしてるけどな?」
味見をしてみたら、無性にダシがキいていた。

私は「自立」とは「喰うていくこと」だと教えてきた。むーちんはええ大学に入ってええ企業に就職するのがオススメらしいので、私が夕食の手伝いをさせることをブーブー言うが、仕事がデキる男がコンビニ弁当を食べているとして、それが自炊して喰ってるとあらば「もっとデキる男」だすぃー。仕事ダケぢゃないもんねー。
自活するようになると必ず貧乏からのスタートを切ることになるし、不意に貧乏になることもあれば予定外に貧乏になることもあったりなんかする。しかしどんな時でも、絶対に喰わねばならぬのだ。我が父はどんなに貧乏でも食をケチってはならぬという教育であったが、わかるんだけど実際には「贅沢ではない暮らし」の中で急に貧乏になったら、何をケチるって食費しか削れるトコはナイのである。だから私は実体験を踏まえ、夕食の手伝いをさせながら小学生の我が子たちに訴えた。
「タカボーはどんなに借金があっても食をケチるなっちゅうて、食べることを我慢したりはしなかったひとやけど、ホンマにお金が底をついてみ?一食抜く、とかそうゆうコトって日常茶飯事やねんから。一人暮らしで月末に残金70円とかね、そうゆうコトあるんだもん。やからな?喰うための智恵ってのは知ってれば知ってるほどええねん。ええか?味噌汁の実の最強はじゃがいもとタマネギ。この二つの実で作ればダシはいらんし味噌もケチれるからな?」
じゃがいももタマネギも安くて日持ちのする野菜である。喰い繋ぎ食材として大変に重宝する。だから私は「味噌汁の実の最強はじゃがいもとタマネギの組み合わせ」であると、「ダシはいらない味噌は少なめ」であると、何回か説いた。しかし我が息子たちが、そのような実の味噌汁を作ることは今までなかった。作るくらいならインスタントで済ませ、チョナーが睡眠時間を削ってまで作るのはスィーツ。ジナーにいたっては月に数回、包丁を持てばいいほうである。しかも持った包丁で切るのは、切るだけで食べられるおばーちゃんのケーキ。
そんな「味噌汁すらも作らない」息子だったのに、作れと指示してもいない味噌汁を自発的に作ったんである。感心したねぇ…しかも私が「最強」だと推す実でキたか~アッパレじゃ!

すると今度はジナーが急に、だんご粉があるかと訊く。中学生になって休日に友達と遊ぶ約束を取り付けて来たりなんかして、急な自発性の目覚めにビックリこいていた矢先、今度は夜中にだんご焼くって。
ウチの息子たちはなぜ夜中にスィーツを作ると言い始めるのだろうか、夜が更けるとパティシエになるんだよねぇ。
なぜ二人とも思い出したように「バター買って」と言うのだろうか、とにかく洋菓子にコクを求めるんだよねぇ。
おやつよりもおかずを作って欲しい。
自発性は出てきてんのに「自立」の方向性がちゃうねんなァ…ドコで教え間違ったんかなァ。
[PR]

by yoyo4697ru980gw | 2010-04-29 22:45 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)  

<< ちゃっかり 時間がないって言っておきながらね >>