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「ほら、こんなんもらった。」
「ボクの一年生の時の身長、なんぼやと思う?」 それは、保健室の先生からの成長の記録で、6年間での身長と体重の伸び率がわかるプレゼント。 「110センチ。」 「違う。」 「115」 「違う。」 「90」 「違う」 「105」 「違う」 「いつまでノーヒントなんや?もっと長いとか短いとかゆーてくれんと。」 「そうかぁ…伸びたもんやなぁ。」 私はじみじみとその成長を噛みしめた。毎日見ていると気が付きにくいが、やっぱり長く重くなっていたのか。こうして数字にしてみると、小さい小さいと思っている我が子も確実に成長しているのだ。 「ボクの予定ではな?中一でおばーちゃんを抜かすねん。そんでー、中三でー、パパと変わらないくらい。」 「そうゆう予定なんや?」 「うん、予定ではな。」 じゃぁ中二くらいで、私を抜かす予定だな。予定通りにいかない事というのも世の中には多くあるが、予定が立っているというのは予定が立っていないよりも、行動の時間的自由を奪うものである。私は兄や弟のように、自分も身長が後半で伸び、170くらいはイくという予定であるが、未だに「後半」が来ないまま、今年35歳を迎える。去年、身長が申告の長さより1センチも縮んでいた。私の立てた身長の予定は、まったくの時間の浪費であった。もう伸びないと思うことにする。 ご卒業おめでとうございます。 私は保健室の先生からの言葉を音読した。 小学校6年間ふりかえってみて、いま、何を思い出しますか? 「小学校6年間ふりかえってみて、いま、何を思い出しますか?」 「… …」 「小学校6年間ふりかえってみて、いま、何を思い出しますか?」 「… …」 「小学校6年間ふりかえってみて、いま、何を思い出しますか?」 「… …」 「もしもし?何を思い出しますか?」 「…えぇ…何って言われても…」 私に背を向けPCをいらっているジナーは、何も思い出さない様子である。 「思い出しませんか…ほんならええわ。あなたは1年生の頃を覚えていますか?1年生をみて小さいなあ、かわいいなあと思うのはあなたが大きく成長したからです。こないだ、1年生に「小さいなあ」「かわいいなあ」て、言われてなかった?」 「言われた。」 6年生のジナーは昼休み、1年生のかわいこちゃんたちと遊んであげようとお兄ちゃん風を吹かせ、1年生の教室へとかわいこちゃんたちの面倒をみに行ったところ、小さくてかわいいと、なでくりまわされた。今、ジナーのほっぺたを触りまくる、というコミカルな遊びが流行っているそうだ。学校寡黙であるジナーはきっとそれに対しイヤともイイとも言わず、されるがままであると予想される。だって「今、ボクのほっぺたを触っていくっていうのがどうも流行ってるみたい。」と他人事のように言っていたもの。いんぢゃないの?コミュニケーションのひとつだと思えば。 そして、あなたの健やかな成長の影には家族の方々の愛情があります。 「そして、あなたの健やかな成長の影には家族の方々の愛情があります。」 「… …」 「そして、あなたの健やかな成長の影には家族の方々の愛情があります。」 「… …」 「そして、あなたの健やかな成長の影には家族の方々の愛情があります。」 「…なんなん?」 「そして、あなたの健やかな成長の影には」 「だから、なんなんよ??」 「いや…おっさるとぉーーーーーりやとおもてなぁ…。ウチはとくに愛情しかなかったからなぁ。ジナー…あんた成長したんだねぇ…。あんたはこんなに成長したと言うのに…私ったら、今日、面接に遅刻しました。」 「えええええええっ?!何やってんのっ?!それ、一番やったらあかんミスやで。」 「ええ、ええ。十分わかっております。採用は、絶望的でございます。違うパート先を検討し面接に行って参ります。」 「ほんまに…まぅは…ほんまにアカンなぁ…」 「うん…面接に遅刻したなんて、人生初。さすがに今日は、深く落ち込んだ。遅刻しただけじゃないのよ。向こうの人が『研修のこの日来れますか?』って言う日が悉くダメな日とカブってんの。『その日は…卒業式でして…休ませていただけたらと…』『この日は新入生テストで学校へ…』『今年度の執行部をしておりましてその日は執行部として動く日になっておりまして…』じゃぁどの日だったら来れますか?オープンの日は来れますか?『オープンは土曜日ですよね…基本的に土日祝祭日にお休みを…』私は…働く気がナイと言っているようなモンでした…はぁ…でも、私、超ポジティブシンキングやからね。今日、時計を見間違えたのはきっとこの仕事との縁はなかったんだわ、ということで。」 「すんげぇ、いいように考えるなぁ??」 「うん。ぢゃないとこの先、もう生きてけないような気がする。」 午後2時の面接予定。私は「1時か~だいぶ早いけどもう行こう~!」と決め、立ちあがった。PCのデジタル表示を見ると14:09。 「じゅ、じゅ、じゅ、じゅうよじってぇぇえぇええええ?!」 私は即、採用担当者のケータイへ電話を入れた。 「す、すいません!2時に面接予定の千徒です!」 「あ、はい。待っているんですけど?」 「申し訳ございませんっ!!時間を勘違いしていましたすぐに出ます、今すぐに!!本当に申し訳ありませんっ!!」 「あ、はい。今どちらですか?」 「い、い、家です!」 「そうですか。時間はだいたいどのくらいかかるでしょう?」 「30分くらいかかると思います、すいません!」 「わかりました。次の面接のかたがいますので、少し待っていただくことになると思いますが。」 「待ちます!!待ちます待ちます待ちます!!申し訳ございません、すぐに出ます今すぐに!では、失礼します!!」 ある?こんな面接?ナイよね。私は30分かかる場所まで小雨降る中チャリキぶっ飛ばして15分で到着。工事中である店舗の前にチャリキをキキーーーーーッと停め、ゼェゼェハァハァ言いながら「あ…あのぉ…」と入口の工事のニーチャンみたいな人に面接会場への入り口を聞こうと口を開いた。 「面接のかたですか?」 「はい…ハァ…ダァ…面接予定の千徒です…」 「お疲れ様です、こちらです。足元、気をつけてくださいね。」 「ふぁい…へぇ…」 工事のニーチャンがクルリと背を向けるとそのジャンパーには喫茶店の名前が入っていた。シ、シマッタ…このひとが…面接担当者…。私の不採用は決定だなコリャ。 「あの…次の…ハァ…面接のかたの…ダァ…時間は…ヘェ…大丈夫でヘー…しょうか…?」 「ええっと…ギリギリ、大丈夫だと思います。」 「ハァ…あの…アレでしたらその…フゥ…私は一番最後にまわしてください…ヒーフー…」 「いえ、大丈夫ですよ。それより大丈夫ですか?」 「ええ、私は…ハァ…だいぞーぶでず…すいまぜん…」 そうは見えないでしょうが、大丈夫です。ウソですけど。 「落ち着いてもらってからで、いいですよ。」 「いいえ始めてください、一回、息を整えますので。ハァー…う、うんっ。はいスイマセンよろしくお願いします。」 「急いで来ました?」 「ええ、必死で。」 「ははは、それは御苦労さまでした。」 「申し訳ございませんでした。」 もう…何をどう繕っても、ダメってカンジが出ちゃってる。今さらツクってもしょうがないし。 履歴書を見てどういった職業を経験してきたかはわかっているので、千徒さんがどういった人なのかということを知りたいと思います。ですから、簡単でいいので自己アピールをしてください。 「自己…アピールですか…ううーん…」 「もうちょっと落ち着いてから話し始めてもらっても構いませんよ?」 面接時間に25分も遅れ、ゼェゼェ言いながら平謝り。このようなどギツイ第一印象を越える自己アピールってあるのだろうか。 「ええっと…性格は、明るいほうだと思います。」 「そうでしょうね、そういう風に見えますよ。」 「…はい…見ての通りで…。子供のころに転校を繰り返していたということがあったおかげで、見知らぬひとと接することに抵抗はないと言いますか…人見知りをするとかなかなか打ち解けられないといったことはないように思います。」 「それは、いいですね。接客をする上では強みになると思いますよ。」 おおおおー…ココ、接客業だよね?その強みをココで活かすわけにゃ~いきませんかねぇ~…。 「普段、コーヒーは飲みますか?」 「はい、たくさん。」 「レギュラーコーヒーですかね?」 「いいえ…インスタントです。」 「あぁ…インスタントですか…」 ああああー…ココ、喫茶店だよね?質のいい、味のいい、香りのいい、レギュラーコーヒーをー、しかも鮮度の高いコーヒーをー、出す、喫茶店。わたくし、浴びるように一日に2リットルくらいのコーヒーを飲みますものです者ですのでー、レギュラーじゃー、金がモたなくてー。私の強み…専門的な目に負け、嗜好的な舌の前にひれ伏した。ガックシ。 「では面接は以上になりますが、今回、応募の数が多くてですね、採用者にのみ電話連絡という形をとらせていただきたいと思います。採用の場合は17日の20時までに電話連絡を致しますので。」 「はい、わかりました。」 「どうですか?何かアピールし忘れたことなどありませんか?最後にコレだけはアピールしたい事というのがありましたら、どうぞ。」 「いいえ、全て出し切りました。」 私の悪い所を全て出し切ってしまいましたので。トホホ。 「ははは、そうですか。」 「はい。では、失礼します…。」 私はガクンと肩が下がっていたに違いない。本部から来ているという面接のひとは、とってもにこやかに、そして速やかに面接を進行し、終了させた。考えようによっちゃぁ、私は決して出来ない面接体験をしたのかもしれない。思えばいい企業だった…今まで数々の面接を受けては来たが、決して印象のいい面接官ばかりではなかったもの。面と向かって「こづかい程度に働きたいわけ?」と言われたこともある。遅刻をしたのに面接だけでも受けさせてくれるなんて、いい企業だよなぁ。門前払いされても文句は言えないもの。遅刻した私を25分も待ってくれたのだから。遅れた電話で「もう結構です」て言われなかったもの。これが新卒の就職活動だったらあり得ない。面接する価値ナシだな。私が面接官でも、時間を守れないひとはまずアウト。いいひとだった…本部の…ええっと…誰サンだったかなぁ…一番テンパってた時に名前きーたもんだから、覚えてナイ。こんな私に、最後までちゃんと面接の形式を取ってくれて。なんていいひとなんだろう…本部の、…だから誰だっけ?? 「今日ひとつだけね、たったひとつだけ、面接の人に褒められたコトがあんねん。履歴書の字がキレイだって。でもその人が言うの。『僕の持論では、字がキレイなひとはしっかりしてるんですよ。字って性格が表れるもので、字が雑なひとは性格も大雑把なんです。僕が見てきた履歴書で、字がキレイなひとはやはりきちんとした人が多いんです。まぁ、僕が勝手に判断してるだけなんですけど。』って。すかさず『それは当たってると思いますっ!!』てアピールしてみたけど、ほんますんません、やで。字がキレイなひとはしっかりしてる、って持論を私が覆してホンマ申し訳ないわ…そんなつもりはなかったんやけど…実際、時間が守られへんかってんから。字がキレイだったのにええかげん、ていうデータをあなたに与えて本当にすいません、て気持ちでいっぱいやったわ、面接の間中。言われたんが一番最初やったからな。あのひとの、判断基準が鈍らんことを祈るわ…」 「ほんまやなぁ…まぅひとりのためになぁ…」 私ひとりのために…データが不確かなモノになってしまっただろうか…しっかりとした受け答えをしただろうか?…ゼェハァゆぅとったーゆぅねん。きちんとしたアピールをしただろうか?…負のアピールづくし。 「気持ちを切り替えて、明日からまた就職活動するわ。近場でどっか面接受けて来る。」 「そうやな。」 「そうそう。あぁ、明日はやっぱ就職活動ムリやな…。だってコタツ布団を洗濯しないといけないから。コインランドリーに行かないと。なぜならば、本日、身長138センチ、体重12.8キロの男児が、味噌汁をこぼしましたからね。」 「… …」 「明日はコタツ布団を洗いに行かねばなりません。なぜならば、本日、夕食の最中に、身長138センチ、体重12.8キロの男児が、味噌汁をこかしましたから。」 「… …」 「本日、身長138センチ、体重12.8キロの6年生男児が、夕食の味噌汁をこぼしやがりましたもので。」 「ごめん・ごめーん。」 「…いんですのよ。…まったく構いませんのよ。」 わたくし本日、けっこー凹んでおりますもので、ちょいと誰かを責めてみたい気持ちなのよ。ごめんよ、ターゲットにして。よりによって味噌汁こぼすもんだから、ここぞとばかりにねぇ。コタツ布団からワカメと白菜とキャベツの味噌汁の匂いがする~。この組み合わせの実での味噌汁は、しばらく作らんとこう。傷が…癒えてナイから。
by yoyo4697ru980gw
| 2010-03-16 00:10
| +YOU WIN!!+
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