どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ

おベンキョしてぇな

「アンタ…図書カードちょうだいよ。辞書が欲しいからそれで買う。」
「ええー…いらんってゆぅたやん。本なら図書館で借りるって。」
「図書館で借りるけどサ、アンタだって図書館で借りてんぢゃん。参考書も買わないみたいやし、私、ほしい辞書が出来たのよ。辞書だけは図書館で借りて来れないからサ、だからチョーダイ…つーかよォ、間違った。…返して。あの図書カードってまるまる私の手柄ぢゃんけ。」
チョモは、2000円分の図書カードを持っている。それは『歯科医師協会賞』の副賞である。歯に関する川柳を詠むと参加賞として歯ブラシが漏れなくもらえるのだと言って、この歯ブラシ目当てに詠んだんであるが、国語力がイマイチのチョモは私に詠んでみてと言った。これまで数々のアイデアを奪われてきた私は、純粋に自分で詠めと言ったんであるが、どれもこれも本当にイマイチなチョモの句。
「なんかもうちょっとこう…なんかなぁ…ひとひねり欲しいんよなぁ…」
「アンタひとひねれるほどのウデ…ないやろ。ひねりかたがマズいねん、さっきから。」
「まぅ国語ならなんとかイけんねやろ?ひねってぇな。」
「アンタねぇ…参加賞ってのが欲しくて詠むんやろ?漏れなくもらえるんやろ?じゃぁ上手い下手なんて考えんと詠めや。だいたいなァ参加賞目的っていう不純な動機で句がひねれるもんなら、もともとの才能はもっとあるわい。」
「じゃぁ、まぅがひねりぃや。何の動機もないねんからひねりまくったらええやん。」
「中学生が詠んだ、ていう句にはならんから。ふ…悪いな、自分で詠めや。忘れてた 昨日の歯磨き 起きてから みたいな報告じゃない限り、どう詠んでもいかにも中学生な句になるはずやって。言うてすまんが、私の句はトシの甲が出る。アンタよりよっぽど句、ひねってキた経験を既に積んだ。」
「じゃぁ何かひねってるやつ、詠んでみてや。」
「ヤだよ、盗られるから。自分でひねれ。」
「ひねる、ってぇ??ど~~~~ひねるわけよ?ひねるってさぁ…」
「オ~マ~エ~が『ひとひねり』なんかぬかしとんねやないか。詠んだひとに『…ん?』って思わせることやね。『…ん?』の後にちょいと間あって『…ぁあ~っ!』て思わせたら完璧。」
「んじゃ、そうゆうの。」
「…を、ご自分でどうぞ。」
「さては、ひねれへんねやろぉ??」
「…なぬ?」
私の悪い所、煽られて闘志むき出しになる所。わかっちゃいるのに、誘導尋問にひっかかるタイプ。
「…ハイ、できた。自己紹介 心と歯は 丈夫です 心と歯が丈夫やっていう自己紹介でひねってみました。」
丈夫です、ってトコロが中学生仕様。
「ええやん、ええやん。歯が丈夫、心が丈夫。」
「よぉないわい。言っとくけど『心丈夫』の意味を間違ってんで、それやったら。この句の本当の意味がわからなかったら、どうひねってんのかもわからんやろ。歯が丈夫だったら歯は健康やろけど、『心丈夫』って精神的に強いって意味はないからね。逆や、君が一緒だと心丈夫ですなァ~てな感じで使うの。人を頼って安心しちゃってる心の有り様や。」
ゆえにこの句は、歯は丈夫やけど心はモロい、歯は強いが精神的に弱い、つまり「丈夫なものは結局、歯くらいしか無いんだよね」と言っておるのだよ。
「これを参考にアンタのひねりってヤツを加えた句で応募しぃな。『心丈夫』なんて中学生がフツーに使ってるような語句じゃないから、親の手が入ってるのバレバレ。」

そしてヤツは、歯科医師協会賞をとってきたんである。私はその時点でアヤシイと思ったのでどんな句を詠んだかと訊けば、悪びれもせずチョモは言った。
「あれやん。自己紹介 心と歯は 丈夫です 何がもらえんねやろ~楽しみ~♪」
「オマエ…それを世の中は盗作と言う。てめぇ…一言一句変えずによくも…何か変えたんなら言い逃れも出来ようがまんまパクりやないか。副賞が何であってもそれはアンタのモノぢゃない、自分名義でひとの句をさも自分が詠んだ罪で訴えたろかコラ。」
2000円分の図書カードだった副賞をチョモは私に差し出したが、本に金をかける読書はしていない心の広い私は、使うあてもこれと言ってないのでその図書カードをそのままチョモに差し上げた。しかし、チョモは自分の欲しいかなと思う参考書を全て揃えると1万円以上かかると言ってハナから諦めた。フォトフレームに毛筆で掲げてあるスローガンが「一走入魂」から「切歯扼腕」に変わったが、とくに四字熟語辞典などを買い求めた様子は無い。そもそも部屋に籠って宿題などを片付けている風な時間を過ごしていると、未だかつて感じたことがないぞ。やっと部屋に上がったかと思えばすぐにキッチンへ来て「ホットケーキ焼いてええ?」とか言っている。満腹中枢、イカれてっから。

「アンタ言っておくけど、文章ってのは字数が少ないほど難易度は高いもんやで?ダラダラと200枚ある文章を要約するのがどんだけホネか。小説より随筆、コラム、詩、短歌。短くなればなるだけ「読ませ度」の高さが要求されんねで?俳句・川柳なんてその最たるもんやないか。アンタ、賞をとったからには今後の国語のテスト、90点以上とってないとウソやでな?せぇだい勉強してちょーだいませ~。受賞の経歴が剥奪さるような憂き目を見んようにな。」
歯科医師協会賞を受賞するような国語力を見せつけちゃったわけやからな。自分で自分のクビ絞めてるわけだよ、悪いコトってのはするもんぢゃないねぇ。これで国語の点数が芳しくなかった時には、まずは国語の先生ヌシから早々に疑惑の目を向けられることであろう。
自分に厳しくする方針なのね?苦手教科をこうまでして克服したかったのね?逃げられない状況を作ってハードルをあげてみる、ていう荒療治なのかしら?つくづく感心するわ、とことん頑張りたい気持がパクるという行動を取らせていたとは、まァ手段は間違ったみたいだけど、今後に期待するという目で見てあげてもよくってよ。
チョモったら、これほどの喝を息子へ入れられる母親をお持ちになって、さぞかし心丈夫でございましょう?
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by yoyo4697ru980gw | 2010-02-15 23:01 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)
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