働いているひと

「ヘイポー、今日の新聞に入ってる広告あるやろ?あれ全部、まぅにあげたらええわ。」
物心ついた時から新聞に目を通す癖のあるヘイポーにむーちんが言うと、新聞を読んでいたヘイポーが広告を取って言う。
「あぁ、コレ?」
「そうそうそう、それそれ。求人の広告は全部まぅ行き。」
「…いらない。」
日曜日の新聞の折り込みには必ず、近辺地域の求人情報広告が入っている。私に働くつもりがナイということではなく、私は新聞の折り込みの求人紙の中からパート先を見つけるつもりはない。ハローワークに出向くか、近所の店舗に貼り出されているアルバイト募集を確認しての飛び込みで行くつもりである。しかし、職種を絞るのにたまに日曜日の求人紙を見たりはする。ザ~っと目を通して20秒程度でアッチにやるとむーちんは「えっ?!もう終わりっ?!」と言う。だ~か~ら~よぉ…「働くつもりは無い」と言っている人間には「働け・働け」とケツを叩く必要はあろう、けど改心して「働くつもりを持った」人間に対して急かして追い打ちをかけるってのはアげてるモチベーションを萎えさせる効果しかナイと思うんだけど。むーちんもむーちんのオカンも、私が「働く」と言っていることを信用していないようで、「そら春が来たら働かなアカンで、まぅちゃん。」とか「オレ、お前が春になって本当に働くなんて思ってナイ。」と心底傷つくような一言を平気で言うが、信用されないような行動をとってきたことは認めよう。ソコは私も反省する。しかし、私は決めたことはちゃんとやる人間だ。だからこそ滅多に決めないが、今回はちゃんと決めたではないか、働くと。「機が熟したら働く」と決めたら「気が熟すのを待つ」のみなのだ。やいのやいの言いないな、仕事を持つことはタイミングなんである。気が熟してもいないのに焦ってとりあえずの仕事を持っても、イヤイヤやってたんぢゃ長続きはしまい。無職と有職を繰り返しては生活が不安定になることを誰よりも私たちは体験してきたじゃないか。

「仕事、忙しいですか?」
久し振りに散髪に行ったら、美容室オーナーのシオさんが私に訊いた。
「誰の、仕事?」
「アナタですよっ。」
「私?…無職やで?」
「え…?!前のトコ、辞めた??」
「辞めて久しいよ?」
「あー…そう…。」
「働かない理由を探すのが大変やから仕事は近々、探すけどね。今はまだ無職。」
「へぇー…意外。働きたくナイんや?」
「そらァ専業主婦が許されるなら働こうとは思わへんよぉ。」
「えー…意外。」
「みたいやねぇ…そうやねん…。私どうゆうわけか、PTAの場とかでは『働いている』ってことが前提やねん。『何時以降やったら家におる?』とかな。『24時間おるけど』やんか。シングルマザーや思われてるみたいで、働いてナイってことはじゃぁダンナさんは…てなって『おるよ』やん。『あ・おるんや~』『おるよ(怒)』みたいなな。」
こんなに切望している専業主婦のポジションに、私が「王手をかける」条件が揃っている存在であることも認められていないようで「保護者」であるという立場が見た目ではわからぬ職場では、毎日のようにいらしていたお客さんである保険のおばちゃんに私は、結婚もしておらず子供も産んでいないコトになっていた。たまたまヘイポーを連れ店を訪ねた時に出食わして「えええーーーー?!結婚してたの?!自分の子供?!え…もしかして…」とあらぬ疑いを掛けられた。盗んでナイです、我が子です。

「なんかな『独身を貫いている』風なカンジで見えてるようで、向こうのひともな?30超えてるんはわかるから、ちょっと気ぃ使う感じでな?「結婚は考えへんの…?」とかって訊きはんねん、ププ。「いやいやいやだいぶはよぅに結婚を考えて子供もおりますし」とか言うねん。こんだけ専業主婦でやっていきたいのにね、結婚もせんと仕事してて当たり前ってそ~ゆ~風に見えてんねなぁ…て、そんな時に知る。」
「あー…でもわかるかなぁ…。」
と言ってシオさんは、私がどう見えているかの印象を語った。
「千徒さんね、『あ~このひとなんかやってんねやわ~』って感じはするよ。勤めてるっていうより、何か自分でやってる感じ。」
「まぢでぇっ???こんなに遊びほーけてんのに?!何もしてないのに?!」
「するする。なんかブティックか何かを経営してて、ほんで何ヶ月に一回くらいで海外に買い付けに行ってそうや。」
「まぢでっ?!じゃぁもうソレでイく。今後、電話に出んかった時は『ごめ~ん日本におらんかって~ん!』て言うわ。そしたら電話に気付かんでも許されるやん。」
「ほんで『千徒さんなら関西スーパーで見たでぇ?』て言われんねん。」
「関スで見たぁ?あっこ外国やからな。」

ごめんなさいねぇ、週末は海外に行ってたものだから。この不況でしょう?千徒家をフツーに経営するダケぢゃこの業界では生き残れないわけよぉ。イベント的なコト、考えていかなきゃね。それで買い付けに海外まで。日本人観光客なんて殆どいないような「カンス」ってトコまで行ってんのよ、知らない?『土日祝祭日の炊事OFFセール』に向けて結構ハードなスケジュールで行ってんのよ、毎週。こう見えてネバるから、私。20時半を過ぎて半額になる総菜の買い付け。あぁ忙しい・忙しい。
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by yoyo4697ru980gw | 2010-01-25 22:49 | +cool down run+ | Comments(0)  

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