答えようの無い質問

「ボク、無人島に何かひとつ持って行くとしたら何にしようかなぁ~?」
私が運転手を務める車に乗ると饒舌になるヘイポーが唐突に、無人島に何かひとつを持って行く場面を出した。
「誰かにそんな質問をされたん?何を持って行くかって訊かれたん?」
「いいや?」
「じゃぁなんでそんなことを考えはじめたんよ、突然。」
「いや…『無人島に何かひとつだけ』ってことは大事な物ってことやんか。だってたったひとつだけやねんで~大事な物を持って行くやろぉ?ボクの大事な物って何やと思う?何があるかなぁ?」
「自分じゃないですか?」
「物・物。」
「…者ぢゃん。」
「… … …まだ一番の物が決まってないから『今やったら』ってことになるよなぁ?まぅは?決まってる??」
…まさかのスルー…わからなかったみたいだ…。
誰かに質問されたわけでもないのにそんなことを考え始めたということは、この世に「無人島に何か一つ持って行くとしたら」という『もしもQ』が存在するということを知っているということである。同じ類に「宝くじが当たったらどうする?」というのもある。この世に自分の他に異性二人しかいなくて「どっちを選ぶ?」というのもあるが、この「もしも」は答えがふたつしかないので同類とは言えない。たくさんの選択肢があった上での「もしもQ」である、という点がこの質問の特徴である。

「あのさぁ…それってさぁ…『無人島』ぢゃなきゃダメかな?どうして無人島ぢゃなきゃダメなんやろう?それで一番大切にしている物がわかるんやったら「一番に大切な物は何?」ってきーてほしいねん。無人島を出して来るからその問題って答えがなくなんねん。「無人島には行かない」って答えになっちゃうねんやんか。だってサ、無人島やで?ひと、おらんねんで?ひとっこひとりおらんってわかってる島に、自分から何かひとつだけ持って出向くんやで?ヘイポーさ、行くかえ??私は…行きたくないよ…寂しいよ…行くことを想定するのが難しいよ…想像の中ででも行きたくないよ…どうしてもって言うなら話し相手を持って行きたいよ…持って行った物がどんなに大切でも必要ねぇよ…無人島でどうしろって言うんだよ…宝の持ち腐れぢゃんか、どんな物であってもサ。どんなに大切でも心が満たされん、ひとりきりだったら。な?その質問って困るやん?あと「宝くじが当たったら」も困っちゃう。種類は違うけど「血液型なに?」もされて困る質問やな。どれも答えが定まらんのよね。宝くじ、買ってないからね。買ってなかったら当たる確率がゼロやねんもん。当たったらどうする?って言われても当たるわけナイんやから困るぢゃん。やから『宝くじが当たる』って条件ぢゃないとアカンかえ?って思うねん。『自分の所持金では手が出ないような物で欲しい物なに?』とかやったら『宝くじが当たったらどうする?』って質問に近しい答えが出ると思わへん?『宝くじ』を出されるとさぁ…答えに困るやん。こっちは買ってナイって事実が根強くあるわけやからさぁ…『宝くじが当たったらどうする?』…ビックリするやんか。買ってもいない宝くじが当たったら誰だってビックリするがな。血液型はAやからAとは答えられるけどさぁ…血液型きいて「Aね、わかった。」て終わることなんてナイやん。几帳面な人やと分類されたりするわけやろ?そのための血液型確認やんか。そんなん、血液型で性格が決まってみ?世の中4タイプの人間しかおらんようになんねんで?…そんなワケないのはみんな実体験で知ってるやろうに…。『何型?』『血液ですか?たしか赤いですよ、見てみます?』やんか。そしたら『また~フザけて~血液型なによ~?』てなるやん?『Aですけどね。』て正直に答えたら『えーーーー絶対Aちゃうわ~っ!』ってなんねんで。だってA型のひとは真面目らしいから。でも私はAやねんもん。私がどんだけフザけようが血は間違いなくAやねん、34年間Aやってます~やで、わしゃ寺山修司か『血液型は寺山修司。』コレでイくか?だからな?フザけてるとか真面目だとかに、血液型は関係ナイねんって。むーなんてめっちゃ細かいやん?私なんかよりよっぽど几帳面やんか、あのひとO型やで。な?血液型で性格は決まらんやろ?でも世の中は血液型性格判断が浸透してんねん…やから素直に『Aです』で言えない環境があるって言うかさぁ…安心して『Aです』って言えるのなんて献血する時くらい。『A型の血だったら足りてますやろけど、いります?』ってフザけても、献血のひとは『ほんとにAですか?』とは訊きはらへんで。そんだけAがおったら使うんもAが多いやろしな、採るみたいやで私から200㏄も。アンタ、200㏄ゆぅたら牛乳を腰に手を当てて飲むくらいの量やでな~小腹を満たすほどは抜くわけやで、血。…そんなワケでな?『無人島に何かひとつ持って行くとしたら』と『血液型は?』と『宝くじが当たったら』って質問はされて困る質問やねん。答えが定まらないってゆぅか~答えに困るってゆぅかサ。」
「あ~…わかる、わかるぅ…。」
わかるか…さすが12年も共に生活してきただけはあるなぁ。どうでもいいことをうだうだと考えミルニングしてしまう私なぞ、一見このテのことでいつまでも物思いに耽りそうな感があることは認めよう。無人島に持って行くなら…とおもむろに天袋を漁ってみたり、宝くじが当たったらと買う物の計算を始めそのリストを詳しく書きすぎてメモ用紙30枚を超えてみたり、A型の性格判断に「当たってるぅ~」なんつってわ~きゃ~ゆぅて、傾向と対策を練って人生をよりよい感じに!と風水と姓名判断を合体させた新しい占術を作っちゃったり、そんなことをして楽しんでいても不思議はないと自分でも思う。しかし、この『もしもQ』に対して私はどちらかと言えば冷ややかだ。「そんなことを考えてどうする」というようなことを考えてしまう私でも、「どうでもいいことならなんでんかんでん」考えているわけでは、ないのだ。『もしもQ』に関しては『結論がはっきり出る』ということがミルニングするための最重要ポイントである。『これです』と言える答えが用意できるQならば、考えていて楽しいではないか。
「あ~…じゃぁ…アレも困るんやな?『最後の晩餐は?』ってヤツ。」
「あぁ…『明日が地球最期の日さて何を食べる?』てヤツ?」
「そうそうそう、困るやろ?」
「明日で地球が終わるワケないからな、それやったら『明日が寿命やから最後に何を食べようか?』のほうがまだ考えてて楽しいかもね。でも、寿命ならそれまでに食べたいものはすでに食べてると思う。病気で死ぬ前なら、食欲なんてナイと思うし。」
「やんなぁ??明日で地球が終わるってこと、ナイと思うボクも。これも困る質問やな?」
「それがなぁ、その質問なら私、困らない。その質問なら、答えは定まってるから。」
「えっ?!もう定まってんの?!」
「うん、答えはある。理由もあるし。」
「何を食べるん?最期の晩餐に。」
「嫌いなモノばっか食べるよ。明日で地球が終わるから。」
「嫌いなモノにするん?」
「する。めっちゃいっぱいあるんやけどさ、嫌いなモノ、苦手なモノ。それを次から次に食べていくのよ。そうゆう食事ってすごく苦痛ぢゃない?」
「苦痛…やな。イヤや。」
「でも、いいぢゃん。明日でどうせ終わりやで。『あぁ~こんなマズいモンばっか食べるくらいなら死んだほうがマシ~っ!!』あ・明日で死ぬぢゃん。…ほらな?心おきなく死んでいけんぢゃん。これが好物ばっか食べてみ?未練タラタラやで。こんなおいしいモノも、あんなおいしいモノももう食べられない…死にたくないよぉ…て、なるやん。あぁアレも食べてみたかった…て心残りは尽きんやろ。さぁ、キライなモノで晩餐を!『うぅー…もうこれ以上ケーキを食べたくない…うげぇ…老舗のモナカはア…アンコがたっぷり…汁粉で飲み下すか…く・くどいぞ…甘さがくどすぎる…ぅへー…トマトのこの食感…こんな思いをするくらいなら死んだほうがマシ~~~~っ!!』あれっ?!てか明日で地球滅亡だよねっ?!極楽・極楽…早くラクになりたい…明日よ来いっ!明日の最期を待ちわびるよね。…ふさわしい。ぅう~ん、こんなふさわしい晩餐はねぇよ?」
「まぅの最期の晩餐ってキライなモノなんや…。答えられる質問があってよかったやん。」
「うん、決まってる。決まってるからいつでも訊いて。ハッキリ答えられるから、それは。キライなモノをじゃんじゃん、食べるぞ。」
最期の最後でえらい苦痛やで。
でも大丈夫。
いろんな賢いひとたちが地球滅亡とかゆぅてるって噂は聞くけど、当たった試しないから。買ってない宝くじを私が当てるっていう確率より低いんちゃうかなぁ。
地球を創った神様だって最終的に滅亡させるような地球を、こんな綿密な計算で狂いなく創るわけナイって。遊びぢゃないんやからね。

もしも、この地球が神々の遊びやったらど~するぅ??
…なげぇな、神様のオアソビ。でけぇな、スケール。
これだけでかくながいこと遊んでたら「飽きたから滅亡させよっと」と思ったとしても、情も芽生えているだろうしもったいないから「変化をつける」くらいで妥協すると思うな。神様ゆくゆくは「地球」を「ティテュー」にリニューアル。こぢゃれた名前になったねぇ。最初のニングェンは「アダ坊」と「イ婆」なのよ。イ婆が「知恵の実」と間違えてとって来た「悪知恵の実」をアダ坊がインストールしちゃって、ティテューオンライン化が進むだろう、やれやれ。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-12-28 01:00 | +ミルニング+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA