布告弁当

「なぁ…ヘイポーきーてよっ、アイツほんまイヤやねん、チョモよぉっ!」
「…ボク…寝てるから。」
「…寝てんの?」
「うん、寝てるの。」
「それはそれは失礼しました…ホンマに寝てんの?」
「ホンマに寝てるの。」
起きてんぢゃん。

チョモの朝練がある時、ヘイポーとチョモの登校時間の差は1時間くらいある。だから、チョモが家を出てもヘイポーは30分は眠っていられるのだが、起きると必ずと言っていいほどチョモと私の会話を聞いていてその内容を突っ込んだりする。むーちんと私の会話を聞いていて「むーちんとラブラブやったなぁ?」とか言うので「むーは私がいないとダメなヤツでなぁ…手袋の場所がわからんのや…私の隠し財産の場所なら知ってるのに…」と答える。あ・むーちんに貸した2万円、まだ返ってきてねぇぞ。
むーちんと私の会話を聞いているということは、ヘイポーは6時半からタヌキ寝入りをかましていることになる。それなのに、今日は寝ていると言い張るのだ。今朝は歴史的な朝だとゆうのに。

「えっ…?!そのノリ…今日もしかしてオヒノマル??いやー…今日オヒノマルは困るねんけどなぁ…ホンマ…あー…アカン…オヒノマルを食べてる時間がないのに…」
「オヒノマルと思うんやったら思っといたらええやんか。」
「だってそのノリは、オヒノマルやん。」
「ふ…アッチ行けよ。」
私はキッチンバサミでノリを細く切りながら、チョモのケツを蹴り上げた。チョモのしろ~いテーピングのあるケツを。
チョモのケツ痛が長引いたため、むーちんがかかりつけにもう一度連れてゆくよう、私に言いつけた。私はかかりつけに行っても結果は一緒だと言った。だって「いがんでる」という痛みっぽいからだ。スジ違えてる、とかそうゆう痛みは医者より接骨院のほうがどうにかできることを、ハタチでぎっくり腰を患った私は知っている。そしたら、むーちんが評判のいい接骨院をリサーチ。そこへ連れてゆきハリを打って見事に痛みは消え去った。しかし、チョモが接骨院にかかる前に経験者の母は言ったのだ。
「一回いがんだら、一生つきあっていくしかないねん。私もそう言われた、痛めた時に。『そのうちわかるようになる』って。そん~なまさか、治ったんだから~って思ってたけどな最初は。何回かやって言われた意味を理解したわ。ボキボキいわしてるやろ?私、アレな、ズレてるんがわかるから入れてんねん。そのタイミングでやらんかったら完全にはずれる~てわかるから。ハズれたら接骨に通う羽目になんねん。接骨とか行った時は正常になってるからいいねん、でも普通に生活してたら必ずいがむからな?いかにストレッチが大事やったか、てコトやねん。もうそんなんなってるから今さら遅いけどサ。『そのうちわかるようになる』まで正しい姿勢とストレッチをやりや、ここいらの接骨院って高いねん。ホンマになぁ…ただでさえ金が出ていってんねから今…たのむで。」
インフルエンザでさえ撃退したのに、電流ビリビリ流してお金まで流してんぢゃねぇよ…ホンマ、たのむで。

筋肉の痛みを取るためにチョモは毎夜、氷嚢でアイシングをしているのだが、そのまま眠ってしまう夜が続いていた。そのまま眠ってしまった、というだけなら大目にみよう。ヤツは、私のベッドで「そのまま眠ってしまう」のだ。ロフトベッドにチョモが眠り、その下にスッポリと入れた折りたたみベッドで私が眠ることになっているのだが、チョモは下のベッドでアイシングをしながら眠ってけつかるのだ。夜中に眠ろうとした時にほぼ毎日、私はチョモを揺り起こすが、チョモはいつまでもデカい図体を丸めてベッドにしがみつく。殴って蹴って叩いて引っ張って、はがすようにベッドから引きずり降ろしているのだ。そしてこの二日間、私のベッドで眠ってけつかったチョモは、氷嚢の中の水を私のベッドにぶちまけていた。「おもらし」くらいの量である。
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これが、問題のアイシング用氷嚢である。
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このように使う。卓袱台があるような昭和のテレビドラマに出てくる普段は元気な子供が、高熱を出した時に額を冷やすような吊り下げ式ではない。私の子供時分ですでに氷嚢ではなく「氷枕」というアイテムに変わっていたのだが、これは「昭和の名器」だと思う。パッケージがなんか昭和っぽかった。リサイクルショップで180円。
口の部分にパッキンがついているのだが、眠ったチョモは寝返りを打ちこの氷嚢の上に全体重を乗せるらしく、その重みに耐えかねた氷嚢は破裂を免れようと圧力を分散させるため、どうもパッキン部分から水をジワリと漏らしているらしい。「アイシングするなら自分のベッドへ」と注意をしたが、翌日またもヤツはおもらし。しかも敷布団のど真ん中をビッチョリ。私は夜な夜なタオルで拭き拭き、それでもちべたいのでタオルを重ね、自分の重みで滲みてきて濡れるのはイヤだから、ど真ん中のおもらしを避けるため「C」の姿勢になって眠ったのだ。私は怒り心頭。

「…だからな?ヘイポー。私は昨日やぁ…こ~やってこんな寝にくい姿勢で眠ったんやで?」
「めっちゃ迷惑やな。」
「ほんと、迷惑。」
タヌキ寝入りだと踏んだ私は、寝ていると言い張るヘイポーに構わず語った。案の定タヌキ寝入っていたヘイポーは反応した。
「だから今日は制裁弁当にしたんや。」
「オヒノマル?」
「オヒノマルぢゃ刑が甘いから、布告弁当。」
「フコクベントウ??」
「うん、最新の制裁弁当。法律だって毎年変わってんだから、私の刑法だって変わんだよ。」
今年のクリスマスプレゼント候補を早々と絞りにかかっているヘイポーの第一希望はついこないだまで「六法全書」であった。
「二千円を超えてもいいんやろ?価値があったら。」
「本当に価値があると認めたらね。ヘイポーのためになるならね。」
「六法全集なら、認める?」
「…六法『全書』やろ?六法ゆぅくらいやからまとめとるやろ、一冊に。残りの二法は第二巻で!てのはイヤぢゃん。しまった…民法は二巻やったわ…一巻しか持ってきてない…とかなりそうでヤだ。」
自分の気に入っている法令を丸暗記して楽しんでいるヘイポーは、六法全書を手に入れていつでもペラペラしたいようだ。今は、ネットで法令を検索しないといけないから電気が必要になってくる。「インターネットの電源入れていい?」と言っても「ダメ」と私が言うので、なかなか思うようにいかないのだ。しかしヘイポーの調べによると法律は毎年変わっているらしく、すると「六法全書」は毎年、買い替えなくてはならない。そうなると今年以降のクリスマスプレゼントが「今年の六法全書」となってしまう恐れがある。
「やっぱり六法全書はやめようかなぁ…今はじめるにはちょっと早いかなぁ…と思って。」
「うん…ずいぶんと早いと思う。」
私が六法全書をはじめたのは高校生の時だ。授業で使ったからだが、買い替えた記憶はないし、卒業したら見ることもなかったな。12歳で六法全書をはじめるのは早いだろう。そもそも「六法全書」って「はじめる」ものなのか?冷やし中華ぢゃあるめぇし。

制裁弁当新バージョンであったので私はワンランク上の包布を用いた。
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この包布でお弁当が包まれていたら今日の弁当はちょいと豪華版だとおもてええで、とチョモには言ってある。だからチョモはこの包布で「おっ?!」と思うわけだが、まァ滅多にこの包布が登場することはない。しかし本日はあえて使う。記念すべき制裁弁当の新作発表であるからだ。
「布告弁当と言ってね、布告した命令が書いてあるんだけど、ごはんの分量が多いので梅干しを2コにサービスしておいた。だから『。』が2コついてるってコトなんだよね。ソコがちょっと不満。」
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本日ヨリ下ベッドヘノ立入ヲ禁ズ。。

な?せっかく布告してるのに緊張感がナイだろ?句点がふたつってのは。
ヘイポーも来年から中学生になって弁当になるんでね、制裁弁当の刑法改正を丸暗記して十分に理解し、刑に処されないよう気をつけることやね。ちなみに、千徒家制裁弁当の刑法は罪のレベルによって随時更新していきますんでね。ほんでその新しい制裁は六法全書に記されることは一切、ないんでね。
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Commented by 腰痛アドバイザー at 2010-07-10 14:03 x

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腰をお大事に。
by yoyo4697ru980gw | 2009-11-13 23:01 | +mender!+ | Comments(1)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA