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「柿渋作りをしよう。」
「やればええやん。」 「手が2本ほど足らんねん。来年の夏休みの自由研究は保証すんで?撮った写真はあんたが使えるように消さずに保存しとくから。一緒に作業すれば工程は頭に入るやろ?レポートってのはその手順を書いたらええわけやん。なんやったらその後の変化も写真に残してもええで。1年がかりの自由研究となれば堂々と『研究』て言えるだけの価値はあるね。資料は完ペキで労力は半分。条件はイイと思うけど?」 「よしっ!やんでっはよっ!」 「え?!今?!今からって意味じゃないんやけど…昼からすれば…」 「ほらっ!今するって決めたら、今っ!!今じゃないともうやらへんっ!!」 「ええぇー…今はちょっとすることあんだけどなぁ…」 「僕だってすることあんねから。今じゃないともうせへんで。」 急にやる気を出してんぢゃねぇよ…。 私は2年間の「仕事は絶対やりません」期間で、自分が興味のあることは片っ端からやりまくりたいと思っている。今までだって趣味と呼べることは数々、手を出しては来たが、それでも手を出さなかったことのほうが多いのだ。「これにまで手を出してしまうとさすがに疎か度が基準値を超える」という自覚が一応はあって、針が振り切れるのは防ごうという気持ちでセーブはしていたのである。それが仕事という時間的な拘束から解放された今、もう何でもやっちゃえるような気分になってしまっているのである。何に興味を抱いても「今だったらやれる」と思えて仕方がない。ひとつのことに没頭すれば2年でモノになるかもしんないのに、アレもコレもと欲張って自己満足で終わるタイプだな、私。しかしだな、「なんでもやっちゃえるような気分」の時にホンマに「なんでもやっちゃった」て、これってのちの財産と言えるのではないだろうか。「やっちゃってる」今は財産と呼べるような程度のモノになっていないかもしれないが、後々「やったことがある」という事実が違う機会に私を助けないとも限らない。その機会がないと誰が言えよう。「経験」というものが視野を広げるきっかけになることもあるにはあるではないか。その経験は興味を持つことからスタートするのである。興味を持ったらまず行動、ひとを巻き込んででも即行動。 「ネットで調べたんやけどな?柿渋って、完成に1年はかかるみたい。」 「へ?!じゃぁ、今日作っても出来あがるんは1年後??」 「うーん…『熟成』みたいなコトやと思う。その進み具合によりけり。柿渋染ってのをすぐにやることも出来るけど、私の望む『深み』みたいなもんを求めるなら、2年後と考えて正解や思うわ。」 「なげぇー…」 「でも作業自体は今日ダケのコトやん。あとは待つだけやから。ひとつ問題なのは、柿渋液が出来てそれが熟成する時に『独特の匂いを放つ』ってコトやねんな…。それが『我慢出来るひとは出来る』みたいな表現やねん。まァ自然のものしか使ってないわけやから、化学薬品的な匂いになるわけじゃないってコトはわかるやん?でも私は『柿』があまり好きではないし、食べることも滅多にない。それでもし柿渋の熟成の匂いを『我慢出来ないひと』の部類に入った場合がなぁ…。熟成は進むわ匂いは我慢出来んわ部屋は狭いわ、となれば逃げ場は無く地獄の2年間、ということになるやんな。それが気がかりなコトなんだけど。」 「作ってみて、熟成してる時に『もう無理っ!』ておもたら、捨てるしかナイんちゃう?」 「それも考えたけど、それぢゃぁ一生懸命おじーちゃんちで柿を収穫してくれたヘイポーに申し訳ない。食べられもしない渋柿をこんなにたくさん集めてくれたんやもん。『渋柿ばっかりやったら可哀想やから甘柿も入れといたで』って。何個か甘柿も入ってるらしい…余計なコトしやがって。渋が必要やから『渋柿を集めて来て』って頼んだのに甘いの混じってんねて。しかもドレが甘いのかわからんのや…非常に困るぞ…。熟れてるのが甘柿やろうとは思うけど…。柿渋作りに使うから渋柿って説明したのに『柿渋』を知らんかったらしいねん。」 「あいつ…『柿渋って何?』ってきーたらよかったのになァ…訊きもせず?」 「訊きもせず。」 おじーちゃんと渋柿をもいでいて「なんでママは渋柿が欲しいって?」と訊くおじーちゃんに「何か作るらしい」と説明。おじーちゃんが「あぁ、じゃぁ干し柿にするんやろ。干し柿は時間がかかるからすぐには食べられへんねんで?ほんなら、甘柿も入れといたらえんちゃうか?甘柿ならそのまま食べられるから。」と提案したので「そうやな。甘柿も取って入れといてあげような。」と入れといてあげたらしい。ソコで「柿渋を作るらしいよ?」と「柿渋」というキーワードが出ていたら、おじーちゃんだって「柿渋を作るんかぁ…じゃぁ渋の強い熟れてない渋柿が要るんやな?よっしゃ。」とカタイカタイ渋柿をチョイスしてくれたろうにねぇ。オマエが知らなくてもおじーちゃんなら知ってたのにねぇ…「柿渋」って単語さえ出てりゃぁな。 「ところで『柿渋』ってナニ??」 オマエもかっ! 「だいたいは話しの流れでつかんでるものと思ってたけど、オマエはひょっとしてアホか?」 「ジョーダンやがな、ジョーダン。」 「…ったく…。」 「ジュースやろ?」 罰ゲームか。オマエは出来たてホヤホヤを飲み干すか?渋いぞ。 「柿渋は自然塗料です。だけに留まらず、漢方薬として塗り薬として、その用途は様々でございますが~私が柿渋を作る目的は、番台に塗ってみたいから。この番台に一番合うと思う塗料が柿渋に思えるのよ。作った時の量の3分の1になると考えても十分、余ると思うから、レポートにその用途について調べた項目をつける、そんでアンタはこれでうちわでも作って『柿渋作品』として提出すればもうカンペキなわけ。番傘あるやろ?紙の傘。あれにたしか柿渋が使われてた思うで。布とか紙とかの補強剤として使われてんねん、柿渋って。防水・防腐・防虫効果アリ。番台にとってこれ以上の塗料は無いと思う。白木用のワックスも考えたけど、たぶん相性が悪いし金もかかるやん?柿渋なら手間こそかかるが、タダやからな。」 「…はぁ…よ~するにウチが貧乏ってことやんけ、それ。」 ネガティブシンキングだな、チョモ。「経験の回数を積むことにチャレンジしやすい境遇」という言い方にしろ。「自らやることに適した環境」でもいいぞ。経験の時間を惜しむでない。 「…はぁ…しくだい…あんのに…」 これもしくだいを片付けてんだよ、来年の夏の。 「とっととヤれよ。」 「…はぁ~もぉ~…」 「シブ、落ちひんやろから手袋したほうがええで。」 「コレ、甘柿かなぁ?熟れてるの。」 「切って、舐めて、確かめてみて?」 「はぁ?舐めるん??」 「じゃぁ他にどやって確かめんねん?」 「まぅが確かめぇや。」 「ヤだよ、シブいから。」 「甘柿やったらシブくないやん。」 「なおさらヤだよ、甘柿は好きぢゃないのに。アンタ食べられるんやからイイぢゃん。」 「あー…まぁ…甘柿ならなぁ…」 ペロ・ペロ。 「シブっ!!か~っ…シブっ!!!」 「どんなシブさ?」 「耐えられんっ!」 「そんなに?これだけオレンジ色してんのにそんなにシブいの?」 「かぁ~っ!!シブシブシブシブっ!!まぅも舐めてみたらわかるわっ!!!」 甘いのと渋いのと、どっちになら耐えられるか…後者だな。甘いと思って甘柿を食べての後悔と、渋いと思って渋柿を食べての後悔、どっちの後悔が私にとってアキラメのつく後悔であろう…後者か。ペロ・ペロ。 「どぅわぁ~~~っ!シっっっブっ!!」 「な?」 「キョーーーーレツにシブいなっ!さすが未熟ってカンジのシブさ。オレンジ色のくせして見せかけかよ…ぁあ~シブっ!!」 身震いのするシブさ。舐めなきゃよかった…この後悔、アキラメつかねぇ…。 「もう甘柿の確認せんでええで。この色でこんだけシブかったらもう十分な渋がとれる。全て砕くから種取りやって。」 皮ごと切って、種を取り除く。 「おっ!なんかコレ、甘柿っぽいカンジすんで?」 ペロ・ペロ。 「だぁ~っ!シブいぃ~~~~~っ!!」 「全部が十分シブいってゆぅたやろ…アホちゃうか。」 「だってぇ…切ってみたら甘柿っぽかってんもん…」 「渋いってば。たとえ甘柿でも熟れてぇへん。」 しかし何度ゆぅても、つい魔が差して舐めてしまうチョモ。 「か~っ!!シっブっ!!」 「…だからよ…何で確かめんねん…」 「だってぇ…切ってみたらおいしそうなカンジが…」 「何回ダマされとんねん…渋いって気付けよそろそろ…」 「うぉーーーーっシブいっっっ!!」 「またか…」 「これは甘柿やと…シブシブシブシブっ…」 「アホか。」 「はぁーーーー…シブーーーーい…」 「もうオマエ全部、舐めろよ…。言うけど、全部、シブいから。わかった?」 「おっ?コレは甘いんちゃうか??…シブっ!!!!!ホンマに甘柿、入ってんのかよもぉぉおおぉおおぉおお!!」 「全部、シブい柿。甘柿っていう種類のシブい柿なら入ってるけど。」 「まぅ!!コレは今度こそ甘柿かもっ!!」 「やめとけ。シブいで。」 「いやいやいや?ほら、このカンジ!これは甘いんちゃう?!」 「わからんヤツやな、舐めてみれば?100%シブいから。」 「…いくで?…ホンマ、いくで??」 「いけよ。」 「がぁああああ!!シブっっっ!!」 「わかってたけど。」 「なんか…舌がおかしくなってきた…」 耐水性が出てうがいごときではシブが取れなくなったんだろ。防水・防腐・防虫加工がされたんぢゃないか? シブだらけの柿を水とともにミキサーでガ~~~。 それを布巾で絞ってビンにためる。 和紙でフタをして暗所で2年。 深みのある自然塗料『柿渋』のシブさは舐めて確認できやしないだろうが、チョモならしつこく舐めそうだ。 自由研究のタイトルは『シブチン自由研究』でどうだろうか。 『シブチン』とは関西弁では単なる『ケチ』という意味ではない。金を出すべきところでも決して出さないという『ドケチ』のことである。相当しつこいケチなのだ。 レポートの最後に柿渋のシブさは舐めて確認したと特筆すべきだな。
by yoyo4697ru980gw
| 2009-10-24 00:55
| +mender!+
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