断食は『一日三食』で生きているひとが試してみてください。

私は夏に『断食仲間』を募っていた。TVで三日間の断食をしたという女優が、「みなさん、食べなきゃモたない、て思っているでしょう?逆です。」と言うのだ。食べないと、記憶力が増すとまで言っていた。私は人一倍「食べなきゃモたない」と思っている。そして人一倍、記憶力がほしいと思っている。そんなに断食ってカラダに良いのか、と思った私は「誰か一緒にダンジキしようよぉ~」と言っていたのだが、ひとりでやれよと見事に断られ続けた。自分の「食べること」への辛抱が続かないことを私はよく知っている。「ダンジキをしている。ダンジキとは食を断つことである。」と一緒に確認してくれる仲間が欲しい。しかしいなかったので、おフザ健診で昼まで食べられなかったことを利用して、ひとりで断食をしてみることにした。
「まぁ『絶対に食べない』って意気込みぢゃぁなくって『出来るところまで』ってコトにして、目標は三日間で設定する。」
と言って私は、夕食のパスタを茹でていた。
「そんなんするん?まぅ絶対にムリやで。」
「今日のコレ食べへんと眠ったら、もう一日は達成やからな?チョロいんちゃうぅ??でもサ~、眠ってそのまま餓死してたらどうしよう?一応、突然死なわけやし、検死とかやるんぢゃない?死因は餓死やで。いまどき『餓死』なんてあり得へんやろ~飽食のこの時代に…。『なに?!この日本で餓死だとぉ?!…おかしい。』ウチに捜査のメスが入る。インスタントのストック山積み、おやつストック二箱、10秒メシも6個あって1分メシ。『なんでこの家で餓死をすることが出来るんだ…おかしい。』事件・事件、すんげぇ事件になっちゃうで。『兵庫県の主婦が餓死・家中にストックされていた食べ物の謎・近所の住人が語る主婦の不可解な行動』隣のおばちゃんの証言:え~…アノ千徒さんが餓死?!だってしょっしゅう何か食べてましたよ?そんな…餓死するようなかたには見えなかったけど…一度はウチに「お味噌をお玉一杯わけてもらえませんか」なんて言わはって…多目におわけしたくらしでしたのに…喰いっぱぐれるようなかたには思えませんでしたけど…。反抗期の長男の育児にストレスがたまっていたということも囁かれているようだ。餓死の真相は如何に…。おぅ…イタいなぁ…餓死の真相は「断食を一日続けた」ってコトなんだけど。」
「ま、そん時は証言しといたるわ。『このひと、調子こいて断食やってたからちゃいますか?バカバカ食べてんのに急に抜くから、死んでもて。』てゆぅたるわ。」
「調子こいて断食やっちゃったコトも恥ずかしいけど、死因までハズいな。」
「っおい!今、パスタ喰うたな?!」
「食べてないよっ!」
「くちゃくちゃしとるやないか。」
「あぁ、茹で加減をな。」
「味見も、喰うてることになるやないか。」
「うわっ…そうやな…別に味わってはないけど、コレ…喰うてるな…つい一本喰うてもたな…失敗やな…断食…。食べてるつもりぢゃなかったけど…味もないのに…でもカロリーはあるのか…。」
「…ま…えんちゃん?一本くらいなら。」
「断食って意外と難しいな…。」
主婦って、断食環境が整ってないみたい。

翌朝、断食中の私は生きていた。
「起きたなぁ…餓死は免れた。」
「今日ちゃう?眠ったら明日、起きてこーへんのちゃうか?」
「あり得る…すんげぇハラ減った…」
いつも常に食べていたからわからなかったが、空腹には波があるようだ。何も食べていないから常に空腹なのかと思ったら、空腹を感じるのは朝である。起きてすぐではなく、40分くらい経つとジワジワとお腹が空いてきて10分ほどでそのピークを迎える。この空腹を水で満たすわけだが、断食中に口にしてよいとされる水がいつもはわからなかったけれど、えっっっらい「甘い」のだ。無味無臭だと思っていた水が、相当に甘い。もともと甘いものがそれほど好きでない私がグビグビいけるわけもなく、甘水をチビチビ。
「水って…甘い…。」
年頃は水を飲んだダケでも太る、なんて言うけど、太る原因ってこの甘さちゃうかな。
じきに空腹の波も去り断食2日目の午後、私は近所のスポセにチョモの連合体育大会を観に行った。タンブラーに入れた甘水を持参して、ちょうどお弁当タイムであったチョモたちの学校の生徒が集う場所を覗く。直射日光さしまくりのフェンス越しに女の子が「日傘を貸してくださいよぉ~」と私に言うので、「おいしそうやなぁ弁当…ちょっとくださいよぉ~」と答える。私の断食を知らない彼女はスルー。チョモが私を見つけ水筒がカラだと言うので、近所のコンビニで貧茶を買うことにした。1リットルで103円の貧茶を買うと長いストローがついてきた。
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…今すぐ飲むと思っているのか1リットルも…私は断食しとるぅゆぅのにから…まァ見た目で断食はわからないだろうがね。

そして私のカラダの変調は、チョモのリレーをビデオに撮ろうと立ち上がった時に起こった。
それでも地球は回っている。
正しいぞ、ガリレオ。回っている、回っているのです、私が両足で踏んでいるこの地球という土台がグルグルと。あ~れ~メマイだな。
私が朝礼で倒れた最後はいつだろう…あの時のアノ感じ。目の前がグルングルン回って「地球ってやっぱ、回ってるぅ~!」てゆぅフザけたこと考えたらバタム、のパターン。ヤバイ、もう私ええ大人やから、倒れたりなんか出来ないし。目の前が回りながらチョモの姿をグワングワン撮って、すぐさま私は荷物をまとめて家に向かった。自転車に、まっすぐ乗っている気がしない。そして家についた途端、私は倒れて意識を失った。…餓死か。…みんな今までありがとう。…間抜けな死因でゴメン。

でも、生きていた。意識が戻った時の姿勢はうつ伏せで荷物を背負っていた。…気持ち悪いけど…何も食べたくないけど…いま食べないともうアブナイ…。私はそう思い、荷物を降ろしながら冷蔵庫まで這った。ゼロウインナーを一口。
「…ぅうー…」
ドラマの妊娠の前兆よりもキョーレツな吐き気。あー…よく拒食症のひとが食べると吐く、ていうのコレだな…。ダメだ…耐えなくては。吐いてはならぬ、これを胃に入れるのだ。でなければ食べ物を受け付けない胃が出来上がってしまう、断食をして得たものが拒食症だなんて冗談ぢゃねぇよ。吐かない…吐く…吐きたくない…吐きそう…ウップぅー…と苦しんでいるうちに私は気を失った。

それから意識が戻ると食べ、気絶、意識が戻り、食べ、気絶。を繰り返し、夕食を作ることも出来ないほどのメマイに苦しみ、「オマエは二度と断食をすんな迷惑や」「ふざけんな」というむーちんの尽きることのない暴言に耐え、一命を取り留めた。

「私、何があっても断食だけはしない。もう二度とイヤだ。」
記憶力が増すどころか、意識が何度も無くなったよ…死ぬかと思った。
一日を三食でやっている、ちゃんとした食生活のひとが食事を抜くのが「断食」で、常に食べてる私なんかが「断食」のつもりでやるとそれは2日目で「餓え」になるみたい。私のカラダ、食べてナンボ。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-10-15 12:21 | +cool down run+ | Comments(0)  

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