食わず嫌いキング

年に一度ある無料の健康診断を私は『おフザ健診』と呼び、いたって真面目な健診であるがこの「健診の一日」を「フザけた一日」に脚色して我が子に毎年、語っている。脚色とはゆぅても真面目な健診なのでそう毎回フザけたことは起こらないのだが、2回に1回は「おフザけ」なことが起こる具合となっているので私はこの健診がとっても楽しみだ。回覧板で健診の申込をすると後日、指定日時と指定場所、簡単なアンケートが送付される。それが届いたら私はカレンダーにデカデカと健診と書いておく。3週間前くらいに届くのでとっても待ち遠しい。病院は嫌いだけど、この健診は大好きだ。

「おぉ~『おフザ健診』が近づいてきたからアンケートやっとかないと。」
主にメンタル面を重視した質問に答える事前アンケートに毎年、答えてきたがその回答の部分にいつも戸惑いを感じているのである。それが「はい」と「いいえ」以外の自分の気持ちの回答である。
私は結婚前に答えたアンケートに「はい」「いいえ」「どちらとも言えない」という回答項目があり、「どちら」かは言えたので「はい」か「いいえ」でのみ回答したら、その結果「我が強い」というような判断をされてしまったことがあった。学生の時にも何かの診断ではっきり答えすぎて人間味に欠けると言われたし、私たちの年代では毎年やっていた知能テストではその結果を絶対に生徒に漏らすことはないとされていたのに、「オマエは知能検査もなぁ…」と仄めかされたことが数回あった。ナニとはハッキリ言われなかったがよからぬ結果が出ていたのだろう。このようなことから、質問に対して白黒をはっきりさせる答え方はあまりよくないのだな、ということを学んだ私は、アンケートには「迷い」の気持ちを出すように努めているのだが、どうもこの「どちらとも言えない」感じが、私にはしっくりこないのだ。「どっちかを言えるんだけどなァ…」と思いながら「どっちかゆぅたらこっち寄りかなぁ…」くらいの回答をしている。だってハッキリ答えて人間じゃないって言われんの、ヤだし。
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とても・いくらか・すこし・全くない
「これさぁ…とてもいくらかの差はあるよ?すこし全くないにも差はある。でもいくらかすこしには、差がないねんけどなぁ…。私にとってはいくらかあるってことはすこしあることやねんけど、いくらかすこしの差ってどんくらい?あんた、いくらかすこしに差がある?」
参考までにチョモに訊いてみる。
「あんまりないなぁ…けど…この順番で書いてるってことはすこしよりもいくらかのほうが、より『ある』んちゃう?」
すこしあるを超えた『ある』なら、いくらかを超えて『ある』で?いくらかくらいぢゃないよ、完全に『ある』よ。」
「順番で考えたら?いくらかのほうがすこしより上やねん。」
「気持ちって…すんげぇ細かく分かれてんねんなぁ…実は…。いくらか…すこし…いくらか・すこし・いくらか・すこし…一緒やなぁ…。」
とても全くない以外の気持ちはどっちでも一緒やな。
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まったくない・それほどない・多少ある・だいぶある・非常にある
この気持ち、私には5段階ではなく3段階なんである。
「それほどない」と「多少ある」は同じくらいの気持ちだし、「だいぶある」と思うことは「非常にある」と感じている。
差がないのだ。「それほどはないけど」と言う時と「多少はあるけど」と言う時は、度合いが一緒である。気を遣うかどうかで言い方をわけてるだけでサ、気を遣って「それほどでもないよ」て言いはするけど、まぁ本心では「多少あるけどなぁ」と思っているカンジ。だから度合いは一緒なのだ、言い方をかえてるだけのハナシでね。

感じ方の個人差ってあるよね、数字で何%って決まっているわけでもないし。
「ないこともない」ということは「ある」ということだが、100%あるということでもないぢゃん。「ある」でなくて「ない」の単語を使っているわけだから「ない」に等しい「ある」くらいだろうってことなんだけど、「ある」を100%とした場合、「ないこともない」時が何%の「ある」かを示すのは難しい。
コレね、「なに」が「ないこともない」のかによってそのパーセンテージも変わるので、難しいのである。
「気持ち」が「ないこともない」を問われるのだとしたら振れ幅が広いのだ、条件次第では「100%ある」になったりする。
例えばその気持ちが「公園に行く」ことに対してだとしよう。ヒマ潰しの場所としてあまり公園に行くことに魅力を感じていない気分だったら、その時は「行かない」ことが考えられる。しかしそれが「友人と公園に行く」となればひとりの時よりは「公園に行く気がないこともない」ということになる。そしてその友人がものすごく公園に行く気満々で「公園に行こうやぁ~途中でおやつ買ってさ~ジュース好きなんこーたるやんか~っ」と誘ってきたとしよう。「ないこともない」だった公園へ行く気持ちは「行く・行く~♪」となりはしないか。友人と共に公園へ行く気が「ないこともない」だった時、その「ある」のパーセンテージはせいぜいあっても50%というところだろうし、気乗りがしないので公園以外の場所へ行こうという考えがあったに違いない。しかし友人が公園へ行くことに「ジュースこーたる」という魅惑の条件を出した途端、「100%ある」になった。いや、100%超えの「ぜひ行こう」「今すぐ行こう」くらいの「ある」だ。これは「ないこともない」を瞬時に覆した「ある」なんだが、「ないこともない」と答えた時の気持ちとしては、「ある」になる可能性はかなり低かったハズなんである。
同じように「あることはある」てのがあんぢゃん。同じ例で言えば「公園に行く気あるぅ?」と誘われて「まぁ…あることはあるけどぉ…」と答えたりなんかした時の気持ち。これは「ないこともない」と度合いが一緒なのだが、「ある」の単語を使っているわけだから「ある」寄りに思える。しかし実際そうゆう場面で「あるこたぁあるけどぉ…」と答える時の本心は「ない」気持ちのほうが多くはないか?ただ、「あることはある」時には「心変わり」がしそうな気はする。
「ないこともない」「あることはある」どっちも「条件次第ではある」という度合である。度合いは一緒だけど、消極的になら「ないこともない」って言うし、積極的になら「あることはある」て言わないか?
心の中の微妙な動きのほうの「差」を求められているとしたら、ややこいんぢゃないか?どっちにしろ気持ちはフラついてるわけで、そこの「差」を「どっち寄り」かで見極めるのは難しい…ぁあ~もうワケわからん。
…私…こんなにど~でもええ「差」に戸惑ってさぁ…こんなにアンケートに頭かかえてさぁ…めっさ人間臭いやんって思ってんねんけど、コレ正直にハッキリ答えたら「人間味ない」ってなんねで…曖昧に答えとこう。人間味溢れさそおもたら頭使うわぁ…。

「おっ♪今日、健診や。今日、絶食やねん。」
早起きして私は、朝練のために早起きしたチョモの弁当を作りながら絶食を宣言。
「あぁ…雨か…フツーの弁当でええで、今日。」
連合体育大会の予定であったチョモは、雨で中止となり朝練も無しだと言う。連体ならば「豪華おむすび5個」を作るよう希望されていたのだ。
「中止でよかったよ…今日やったら健診があるから落ち着いて見られへんし。」
「見に来るん?」
「えっ?見に行くん?」
「なんで?」
なんで??なんでチョモ本人からもむーちんからも、見ることをそないに拒否されんねや?だってウチ「親バカ揃いの千徒家」で通ってんねんで?スポセ近所やのに見に行かなんだら「親バカ」の称号、剥奪やで。
「あんたリレーの選手なんやろ?スポセでやんねやろ?私ヒマやん?見に行かない理由が、なんかある?」
「チョモは嫌がってるやん…なぁ?」
「は?イヤなん?チョモに話しかけへんかったらええねやろ?けど、小踊りはかましといてよ。市内全部の中学やろ?アンタがドコやろなぁ~てカンジやろから、思い出したら時々クネクネしといて。バァ~っと見てクネクネしてるアホがおったら『チョモやな~』っておもとくからや。」
「なんでやねんっ」
だってホンマ、わからんのよねぇチョモって。ほんっとに「平均的」な背格好なんよ。何も目立ってないのよね、すごい溶け込んでるの。リレーの選手になってたり委員の代表になってたりと意外に目立つポジションとして選ばれてんだけども、一際フツーの見た目なの。似てるひとがワンサカサッサいるのよ。前にあった試合なんてチョモだと思い込んで他校の生徒を録画しちゃってたからな。小学校最後の運動会は違うクラスの子を延々撮ってたし。こないだの体育大会ではいろいろな場所を探したけど結局、見つけらんなくて諦めた。そしたらその一部始終をイノッキが見ていたらしく「おいっ!」て呼び止められて「チョモの居場所、教えたろか?」とまで言われたよ。「あっこのテントあるやろ?今ちょうどあの下におるから。」と教えてはもらったけど、ぱっと見てもわかんなかったからもう探すのやめたよ。私は中学校の行事では、チョモを見ている時間より探している時間のほうが長い。チョモ以外の先輩とかにはすぐに会って、皆「チョモはあっちです~」て教えてくれるけど、たいがいその親切も無駄になっている。ごめんなぁみんな…ウチの子、影が薄くて。

朝練が雨で無くなって時間に余裕が出来たチョモと、絶食ですることがない私は、ともにウダウダした朝の時間を過ごしていた。
「絶食だからすることがないな…。普段さぁ、いかに『食べること』に時間を取られてるか、やな。」
「そうやで…1時間前に起きてんのに、40分は朝ごはん食べることに取られるからなぁ…」
「それは取られすぎや。」
「いや、そうやねんって。準備や着替えなんてすぐや。とにかくごはんにかけてる時間が長い。」
「うーん…でもそれは言えてる…絶食だと、今もうすることが、ない。」
私は一日中、何かを食べている。それが出来ない健診の日はその分、時間を持て余す。だから、ちょっとフザけて叫んだりなんかする、朝に。
「ぜっっしょっく!!」
無反応。葉書を見せて説明する。
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「いやいや、ほんまは食事は3時間前までに済ませたらええねん、食べてもええねけど、でも私は食べずに挑む。絶食ってコトだけが、この健診のツラいところやな。」
「食べたらアカンわけちゃうやん。」
「アカンわけちゃうけど、あえて食べずにやってみる。…でもハラ減ってるとイライラしひん?」
「あぁ…するなぁ…。」
「あんた、常にハラ減ってんのか?いっつも文句垂れてんのアレ、空腹やからか?」
無反応。
「ぜっっっしょくっっ!!どうよ?食わず嫌い王のサ『実食っ!!』のヤツで『絶食っ!!』どうよ?ソッコー『参りました』やな。」
「あ・えんちゃん?それ。大好物ばっか目の前に並べてサ『絶食っ!!』ゆぅて始まんねん。どんだけ耐えられるか。好物を前にして。」
「あぁ、もう『絶食っ!!参りました!!』で即、喰っちゃう。好物並べちゃダメだろっ、参りましたの『た』ではもう箸でつかんぢゃってるね。」
「好物、ナニ?」
「いや…あんま無いけど…。お菓子かな。」
「ごはんのおかずで、や。」
「ええー…おかずで…?どんだけ好きやったら好物やろ?」
「これやったら朝昼晩と一週間ずっと続いても食べられる、ってくらい好きなもの。」
「ねぇよっ!そんなおかず、あるか?朝昼晩と出たら二日目には飽きる。せめて晩だけで続けろよ…。」
「いや?僕は『肉じゃが』やったら朝昼晩で一週間、ぜんっぜんイけるけど?」
ホンマにイけるんなら、一週間それでやるぞ。
「朝昼晩で一週間続いてもそれでも好きって言える食べ物…そんなん無いかなぁ…どれも飽きる。唯一、続いてもいいと思えるゆぅたらパンやけど、朝はシンプルなトースト、昼はシュガーパン晩はチーズトーストにして翌朝はジャム塗るな。」
「それじゃ味が変わってるやん、好きとは言えへんよ。」
「たわけがっ!パンの好きなトコロは味のバラエティが豊富なとこぢゃっ!!」
「絶食っ!!」
「参りました。」

受付で最後の食事は何時間前かと訊かれ、「朝から何も食べていません」と答えると受付のひとが言う。
「それじゃぁお腹すいてますねぇ…ふぅ…」
「はい…お腹、すいてます。」
…ふぅ。て、溜息が漏れるのは、私なんぢゃないか?受付のおねぇさんも絶食してんのかな。

「それでなぁ?採血やん。」
帰宅後、おフザ健診のフザけたポイントを披露。
「3本、採んねんな?大・小・小。血な、止まらんかってん。もうビャービャー出んの。だって順番な?前の人を抜かしちゃってんから。ほんで最後に絆創膏みたいなんをピて貼んのに脱脂綿、ズラすやん?そん時に採血の人が『止まりませんねぇ…』ゆぅてて押さえてて、もう絆創膏なんてシール剥がして指につけといて、脱脂綿バッ絆創膏ピッて目にもとまらぬ早業。噴水の如く吹き出てんのかっ!やで。ほんで私の時だけサ『絶対にもまないでくださいねっ』て念押すねん。なんせ吹き出てっから。『親指でキツく押さえといてください』て。そんなにか?!やろ?絆創膏じゃ間に合わんのんちゃうかって心配になったけど、平気やった。ほんでその人が採血の最中も意外に失礼で、針が刺さったら痛いやん?眉間にシワよるやんか?そのシワがよったままの顔やったみたいで、えらい大丈夫ですか大丈夫ですか、て何回も訊くねん?やから「大丈夫ですよ」ゆぅたら「でも…すごい、しかめっ面ですけど…」て。ほっとけ~モトからぢゃ~、やんか。それからは意識的に「にこやか」な顔しとったのに、このへんしびれてませんか?針が刺さっている痛み以外の痛みはないですか?とかいつまでもきーてくんねん。「にこやか感」を出してんのに「不快感」を感じてはんねで…ヒドくない?針が刺さってる以外の痛みがあるとしたら、ニコニコやのにムカムカに見えてるってゆぅ私の顔がイタいわい。傷が深いでぇ?これ。アレと一緒よ『怒ってる?』てヤツね。」
「あーアレなぁ…なんなんやろうなぁホンマ…。」
先日、チョモは部活動仲間から「怒ってる?」という確認のメールをもらい「は?なんで??なにが???」という一幕があった。私には心当たりがあったので「微笑む」ように心掛けるとええで、とアドバイスした。私もよくひとに「怒ってる?」と確認されるのだ。フツーにしているだけなのに「怒ってる」ような顔に見えるのか唐突に「怒ってる?」と訊かれて「へ?怒ってないで??」と答えながら内心は少し傷ついている。ブスっとしているつもりもないのに「まぁまぁそんな怒らんと~」といきなり肩をポンポンと叩かれることだってあるのだ。「怒ってないから。」なんて肩に置かれた手を払うと「ほら怒ってんぢゃん。」となるが、怒ってもないのに「怒ってる?」て確認されたコトに怒ってるっちゅーの。その前は全然フツーでしたから。
顔つきが親子だから似ているのかも知れない。フツーにしている顔が「怒り顔」って絶対、損してる。でも満面の笑みでも、ヘンだよね?だから「微笑む」くらいで丁度イイ感じになってると予想してんだけど、どうなんだろう。未だに「怒ってる?」ってたまに…やっぱ「満面の笑み」でプラマイゼロと考えたほうがいいだろうか。

「さすがに『しかめっ面』ってのは過去最高のマイナスワードやったで…ヒドいよ…傷つくわ…ガックシ…キた。」
それまでの最高は睨んでもないのに「なに睨んでんねん?」て言われた時…アレはちょっと泣いたゼ。
来年のおフザ健診では私…心折れちゃうかも。
事前アンケートでメンタル面をケアしていこうかという質問が投げかけられている割には、当日に何気ない言葉でグサグサ刺してくんだから。しかも急所をネ☆こら・コラ(泣)流した血がいつまでも止まらないわけだよ…止っ血っ!!
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by yoyo4697ru980gw | 2009-10-03 23:50 | +in much guy+ | Comments(0)  

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