コテスパ

ヘイポーは去年まで、コテスパだった。
布団に入ったなァと思えば「コテ」と眠り、目覚まし時計がなくとも「スパ」と起きる。私はヘイポーを「朝起こすのに苦労」した覚えがない。「朝起こされて苦労」したことがたまにあるだけ。休日の5時とかに「スパ」と起きたヘイポーは、たいていの場合ひとりでサイコロを転がして遊んでいるが、たまに別の遊びを選んだりなんかして、それで眠っている私の額をコツコツ叩きながら「なぁまぅ?まぅ?まぅ?まぅ?なぁなぁ、まぅ?」と起こす。「早いなぁ…なにぃ?」と訊くと、今じゃないとダメかな?というようなコトを訊きやがる。
「この中に入ってるペンって、まぅの?」
「なんか僕に探してほしいモノ、ある?」
たぶん、いつものようにサイコロを転がしていたら集中力は持続するのだろう。しかしなんかしら別の遊びにすると、サイコロほど夢中にはなれないぶん違った思考回路があっちゃこっちゃで接続、されんのかなぁ…。そんで、ハタと遊びの最中に違うモノが目に映り、違うコトに気がいくのだ。質問が出来たヘイポーはその質問をするために、私の額をコツコツコツ。朝の6時に。
「いつから起きてんのぉ…?」
「早かったで?」
「…でしょうな。」
「一回目は2時46分やったけど、でもそれで起きたら早すぎるからまた眠って、二回目に起きた時が5時18分やった。ちょっと早いなぁと思ったんやけどな、2時46分よりかはマシやろ?」
「…アンタの中ではな。」

それが最近、コテと眠ることが少なくなった。1時2時に眠る私がベッドに入る際、ヘイポーが布団の中からこちらを見ているのだ。目を開けて眠っているのかと思って私がじっくりと見ると、モソモソとタオルケットの中から腕を出してきて無言で手を振るヘイポー。(うわっ動いた…)と内心はびっくりしながら手を振り返すと、ニカっと笑って目を閉じる。翌朝、昨日の夜中に手を振ったのを覚えているかとたずねると、「覚えてんで?」と言う。寝ぼけているわけではないらしい。
こうして、コテと眠らなくなったヘイポーはその夜更かしが祟って、スパと起きられなくなった。朝は自力で起きていたのに「7時半やで?」と言わないと起きられない。まだ時間を言って起きてくるうちはよかった。最近では時間を「20分やで?」「30分過ぎてんで?」「45分やけど?」「遅刻するんちゃう?50分になるけど起きたほうがえんちゃう?」と言ってもなかなか起きられない様子。
よく幼児が、眠くて眠くてしかたなくて、起こしても起こしてもゴロンゴロンと場所を変えて眠り続ける、というかいらしい仕草をする。コテスパのヘイポーには、幼児の時期にそんなかいらしい仕草はなかった。一方、チョモは13年間ずっとそうで、それがかいらしかったのは最初の一回だけである。ロフトベッドで自分の目覚ましが鳴っているのすら聞こえず、「うるさいんだけど」と言う私の声も聞こえず、起きたと思えばベッドに反対向きに寝返りを打っては眠り、ハシゴを折りながらまた眠り、バタンとハシゴを降り切ったと思えばむーちんが寝ていた布団でまた眠り、這って食卓の下にもぐっては眠り、パジャマを脱ぎながらパンツ一丁になったらまた眠る。157センチの筋肉質の日焼けした身体で、朝ごはんを食べながら眠る中学生。毎朝「カカトに剣山くっつけておもくそ踏んだろか…」と本気で思っている。「ごはん、はよ取りに来て。はいっ!はよっ!おいっ!」とお弁当を作りながら何度言っても起きやしねぇ…ハラ立つ…。

朝ごはんはとっくに出来ているというのに、いつまでもゴロンゴロンするヘイポー。このまま中学生になる気ちゃうやろなぁ…。
「朝ごはんがどんどんマズくなっていってるで~」
と言うと、じわじわ「朝ごはん」に近づいてゆく。
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だがその距離は遅々として進みゃしない。
「朝ごはん、出来てんねでっ!…ヘイポーっ!!」
声を掛けると、ちょっと近づく。
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「ほらっ!もう完全に冷たくなってんでっ!」
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そう、その先にあるのが朝ごはん。

その壁を超えるんだ。
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襖の向こう側へ。
…はよ、せぇ。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-09-18 21:37 | +YOU WIN!!+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA