吾輩ノ由紀夫デアル

「ただいま~」
唯一の5限授業日の水曜に、脇目もふらず帰宅したヘイポーに教えて差し上げる。
「おかえり~、アンタの由紀夫が総理大臣にならはったで。」
「わぁあぁああぁぁあ!!やっぱり!!由紀夫ならいつか総理大臣になるって思っててんっ!!!」
政権交代はしてほしくないのに由紀夫を総理大臣にはしたい吾輩は12才である、選挙権はまだない。

これからはTVで、顔と髪型が名前とマッチしているひと第一位「鳩山由紀夫」をたくさん観ることが出来るだろう、よかったねヘイポー。
ヘイポーは「偉いサン」には名前に「さん」をつけるが「偉人」は呼び捨てである。「偉いサン」と「偉人」の違いは一般人か有名人かという線引きであるらしい。それも子供目線のわかりやすい基準である。TVにたくさん出るか伝記があれば、有名人。
「社長さん、なんやろ?」とか「吉田先生が」とか言うくせに、大好きな鳩山由紀夫首相を「由紀夫」呼ばわりするということは、ヘイポーにとって過去最高の位に就いた「有名人」と言えよう。こないだまで「鳩山が」と言っていたのにとうとう「由紀夫」にまで昇格したんである。これはヘイポーが「同じクラスのひと」としか説明してくれない近所ですれ違ったクラスメイトのことを「ユーくん」と教えるのに匹敵する御贔屓ぶりである。

「さすが由紀夫…さすがやな。」
アナタの由紀夫が「さすが」かどうかは、今の私にはわからない。今後「さすが」と思えるような首相であって欲しい、と願うばかりである。ヘイポーが惜しみなく注ぐ「さすが」の念を、どうか確固たるものにし続けていただきたい。
「麻生サンって漢字が読めへんみたいやから、麻生さんの時はいつ日本が恥かくかって心配してたんやけど、由紀夫になったからもう安心。」
「…へ?麻生サンが漢字読めなくて日本が恥かくって…国際的な場で、ってこと?」
国内のハナシじゃないの?世界的にみた日本の評価を由紀夫に託してんの?
「そうやで?だって漢字が読めないのは、なまけてるだけやねんで?」
…そうか…。小学校で漢字のテストをやった時、その時の担任が「漢字は覚えたらいいだけの勉強やねんから、書けない読めないは、なまけてるだけ!やってないだけ!」と言って怒ったそうである。それからの漢字テストは、この担任の「まなけてるだけ!」「サボってるだけ!」がキいてクラス全体が高得点になっていったのである。その経験があるだけに、麻生首相が漢字を読めないのはすなわち「なまけてる」からだという見解である。そ、そうだな…私もなまけものだから、読めない漢字や使い方のわからない漢字がいっぱいある。麻生サンが読み間違えた漢字があってもソコは通訳官がうまいこと…。なまけていない取り巻きのひとたちのカバー力が頼みの綱。

オカンに言われたことはないだろうか。
「いつまでも泣いてたら、恥ずかしいよ。」
「そんな恥ずかしいこと、しなさんな。」
「こんなコトが出来なくて恥をかくんは、アンタやで。」
それに対して思いはしなかっただろうか。
「だからナンやねん。」
恥ずかしいからナンやねん、体裁ばっかり気にしやがって。
…なんて愚かだったのだろうか。上辺の体裁に気を取られているのはワレである。「いつまでも泣いて何が悪い」「恥ずかしいことやって何が悪い」「出来なくて恥かいて何が悪い」。悪かぁ~ねぇが、ど~しょ~もねぇな。何故いつまでも恥ずかしいほど泣いているのかということを泣きやんで考える頭も無く、何故やったことが恥ずかしかったかを振りかえって理解する心も無く、何故に恥をかくほど出来ないのかその原因を探る気も無い。恥をかいた後の「何故」を突き詰めないことが「恥ずかしい」のだ。泣いていることが恥ずかしいのではない、やっていることが恥ずかしいのではない、出来ないことが恥ずかしのではないのだ。かいた恥から何も学ばないことが恥ずべきことなのだ。それを教えてくれるオカンの言葉に対して「効く耳」を持っていないことが、恥なんである。
「由紀夫もなんか欠点があるかもしらんけど…でも由紀夫は大丈夫そうやんか~」
麻生サンよりも「ヘイポーの由紀夫」のほうが聴く耳を持っているという意味で大丈夫なのだろうか。

起きてすぐに朝刊「鳩山内閣発足」の一面を見入るヘイポー。
「なんか、ええこと書いとった?」
「まぅ見てよ~由紀夫。ほら、由紀夫。この顔とこの髪型。やっぱり、由紀夫。」
「うーーーん…由紀夫だねぇ…。」
非自民政権16年ぶり、だって。何かが、変わるのか…政治?副総理の管直人も「管直人」ってカンジだし、郵政改革の亀井静香も「亀井静香」ってカンジもする。しかし、ヘイポーには群を抜いて由紀夫が「鳩山由紀夫」であるらしい。大きく載っている由紀夫を見ても、小さく載っている由紀夫を見ても、しきりに「ほらこの顔、由紀夫。この髪型やで、由紀夫。」と言っていた。
顔と髪型と名前の一致が、国民の声とそれを聞く耳、御鞭撻とそれが効く耳、漢字が読めるだから怠けていない、の一致を表しているのだろうか。
よくわからんが母親として私も我が子に今こそ与えよう。
ヘイポーが由紀夫に夢中なので「ユキウォッチャー」という肩書を用意したぞ。
肩書に恥じぬよう由紀夫の一挙一動を望見すべし。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-09-17 12:33 | +開楽館+ | Comments(0)  

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