ボケ防止に

日本人は昔から手先が器用なひとが多かった。日本製が世界に誇る技術は、緻密化できることだったりコンパクトにすることだったりなんかする。しかし近年では「手先があまり器用でないひと」という人々を目にする機会が多くなった。これを私は、生活が金銭的に豊かになったからだと思っている。顔見知りの中に「手先が不器用なのに趣味が手品」という困った男性がいる。最初に出会った時に彼は趣味の手品を披露した。早い段階で手品のタネがわかってしまうという不器用ぶり。かつて誰かがやっていたのを見た覚えがある手品だというならまだしも、初めて目にする手品である。こちらの観察眼だってゆき届いていない状況下で、盛り上がる前からタネがバレている手品を、見えちゃってんのに気付いていないという手品師に見せられた時に、絶対にやってはいけない反応がある。それは「えっ?どうなってんのっ??」というフリをかまして驚くことである。私は、手品を見たあとの正しい反応だと思ったのでこの反応をした。しかし、これが「正しい反応」と言えるのは、ホンマに「どうなってんのかがわかんない」時である。こういう反応のあとでは必ず手品師は「よ~く見とけよ~」と、ゆ~っくり手品を披露してしまうのだ。おわかりであろう。不器用な手品師がゆ~っくりとネタがバレている手品をリピートしたばやい、もはやそれは手品ではない。もしもギャラリーとしての反応を間違ってしまいその先の展開を案じるような状況に直面するようなハプニングに見舞われた時には、こう凌ぐのがよいだろう。
「あ~わかった~っ!かして・かして~♪」
とあなたは手品師からアイテムを取り上げる。不器用手品師が笑い転げるほどの不器用さで、あなたは目の前で起こった「丸見え手品」を再現してみせるのである。この時、決して成功してはならない。あなたの器用さをもってすれば、派手に失敗することなど造作もないことであろう。
不器用手品師である彼は金銭的に裕福だ。自分の息子が「不良に絡まれ金品を巻き上げられそうになる」という危険状況を仮定した時の彼の教えはこうである。「金を渡しなさい。」たかだが何千円かを取られまいとして怪我をするより、有り金を全部渡して無事に帰って来いと教えていると言う。親心としては私も息子の無事を何よりも願う。しかし残念ながら貧乏な私の教えはこうである。「戦え。ボス的存在のヤツを見極めてソイツを必ずその場で警察に引きずって行け。本当に危ないと思ったら走って逃げろ、1円たりとも金は絶対に渡すな。」
オマエの逃げ足は早い、自信を持て。むーちんも私もラクして金を稼いだことは一度もないのだ。ラクして金を巻き上げるようなヤツは決して許さない。

私の「出会ってきたひとデータ」によると「このひと器用やなぁ~」と思うひとは8割がた貧乏である。その器用さは芸術品を作り上げたり美しい細工を施す器用さではなく、壊れたものを自ら直したり、高価なものを似せて作って安く済ませることで身につけた技術だと言い換えてもよい。貧乏な私も漏れずに器用であるとココは胸を張っておこう。電化製品の取り付け設定、網戸の張り替え、ぶっ壊れた物の一時凌ぎ。出来ますやります頼みません。
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我が家の扇風機一台は、倒した拍子に首がポッキリと折れてしまったが、一時凌ぎで手当てしてかれこれ2~3年は寿命を延ばしている。どうスか、見た目を気にしないという社長サン、会社備品のコストダウンを図る目的で私を雇ってみませんか。会社中の故障品を復活さしてみせまっせ。だた、投資のハナシをする時には会社の会議室などは使わないほうがよいですね「この会社…傾いてる」という印象を与えてしまうでしょうから。

平成のファミレスで昭和のアイテムを見つけた。
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私が学生時分のファミレスのテーブルに備え付けてあったこのヒマ潰しアイテム。学生の私たちは大変ヒマであったが、占いに興味がなかったので100円を投入することはなかった。
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今回は100円を投入した。おばーちゃんが。
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この小さなカプセルにこの大きさの紙が折りたたまれて収納されている。これは昭和の器用さではないか。
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しかし「今日明日」というとても限定的な運勢でありながら、その内容は長期的なものである。
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スポーツに「ラジオ体操」とあるが、そりゃスポーツの前にすることである。
頭の体操では永井荷風の作品でないものが問われているが、答えが書いてある場所が近すぎる。2番の「ふらんす物語」の行を目で追う頃には完全に視界に入ってしまうではないか。

「ヘイポー、またこのカプセルに戻してみて?」
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平成生まれのヘイポーは一回目、カプセルに収納するのを失敗し、二回目に成功した。
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私はてっきりこの占いの紙を読むことが「注文品が来るまでの間の時間潰しにどうぞ」といった計らいだと思っていたが、そうか…こっちか。
何もココまで小さくしなくてもといった具合のカプセル、指先に力を入れてもなかなか開かないカプセル、紙の大きさを確保するために行稼ぎをしたような全体運とラブ運。
本当の時間潰しは、手先の器用さと微妙な力加減を要する「戻す作業」にあったのか。
この昭和の名器は、ボケ防止に置いてあったのだな。
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by yoyo4697ru980gw | 2009-08-01 23:48 | +in the sky?+ | Comments(0)

どうでもよいことを考えはじめたらキリがおへん どうでもえぇのについつい考えてまう どなたサンもその状態が「ミルニング」どすぇ


by MA